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« 新型コロナウイルス危機・その5 ――専門家が事実を曲げて「忖度」して良いのか―― | トップページ | 新型コロナウイルス危機・その7 ――10代の若者に焦点を合せる (2)―― »

2020年4月17日 (金)

新型コロナウイルス危機・その6 ――10代の若者に焦点を合せる――

新型コロナウイルス危機・その6

――10代の若者に焦点を合せる――

 

昨日16日には、「全国一斉休校」を宣言した安倍総理の決定の正しさを掩護射撃するかのように発表された専門家会議の見解そのものには、主な主張についての根拠が明示されていないことを指摘しました。「エビデンス」がないままに、結論だけが示されているということです。

しかしながら本来、専門家が何の根拠もないままに、「見解」を示すことはないはずです。きちんとしたデータがあり、それを元に論理的・合理的な議論を経て結論に至ったと考えるべきなのです。その前提で「見解」を読み直し、さらに、必要のあるところでは、恐らくこのようなチェックをしたであろうことを補いながら論を進めてみました。その結果、途中の踊り場ごとに確認すべきポイントが浮び上り、それらのポイントから次の展望も開けることが分ります。それがどのようなものか見て行きましょう。

「忖度」という言葉が適切かどうかは論が分れるかもしれませんが、「専門家」の「見解」から、少なくとも二つはそう見えてもおかしくはないポイントが浮び上ったのです。

全部を一度にアップしたいのですが随分長いので、そうなると「分量」に圧倒されて、読む気が失せる可能性が大きくなるのではと心配しています。不本意ながら途中で切ってアップします。続きを期待して頂ければ幸いです。

 

《10代に限定して考える》

専門家の「見解」に対する反論をきちんと行うために、まず、「見解」で述べられている内容を論理的に整理します。「見解」中での専門家の主張は「10代、20台、30代」を一括りにして行われているのですが、これは余りにも大雑把過ぎます。

20代の前半には大学生や専門学校等の生徒も入るので、少し複雑ではありますが、成人して社会生活を送っている20代、30代の若者と、高校生以下の小・中・高校生の生活パターンは大きく異なっているからです。その点を重視して、以下、私の反論は「10代の若者」についての専門家の考え方に絞った上で、「全国一斉休校」の非論理性に切り込みたいので、もう少し詳しくこの点を説明します。

ですから、10代の若者についての以下の反論が正しいとしても、20代30代の若者には当てはまらない可能性もあります。また、感染して症状の出ている人を治療するに当っては、年齢という情報が大切であることは言を俟ちませんが、感染を防止するという観点からは、個人個人の行動を律することが基本ですので、どのような日常生活を送っているのかという視点からの類型化を行った上で、データを整理することにももっと力を入れなくてはならないのではないかと思います。たとえば、4月になってからはっきりしてきた、30代の人たちの感染数が多いことを年齢層と関連付けるだけでなく、満員電車で通勤している人という、活動パターンの括りで一まとめにしたデータとして取り扱うといった点です。

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《「見解」の結論を得るためには》

「見解」の中の重要な結論の一つは、「若年層に、症状の軽い人が多いと考えられ、そうした人々の一部の人が他の圏域に移動することで、北海道の複数の地域に感染が拡大し」です。「他の圏域」とは、高齢者が多く住む遠隔の地域ですので、分り易く「遠隔地」と呼んでおきましょう。この特別の場合として、「症状の軽い10代の若者が、「遠隔地」に移動し高齢者への感染を広めた」とまとめておきましょう。これを命題Aと呼びます。

さて、命題Aが正しいと主張するためには最低限、後にPCR検査で陽性になった10代の若者が、未だ症状の軽い内に、あるいは全く症状が出ていないときに「遠隔地」に行っていなくてはなりません。「遠隔地」に住む高齢者が、10代の若者の住む地域まで移動していた可能性や、その他の可能性についても議論する必要はあるのですが、論理的な意味では、若者が移動した場合だけ考えておけば、その他の可能性は容易に類推できますので、この命題を俎上に上げるだけで十分です。「見解」では、当然、命題Aを正しいと主張している訳ですので、「専門家」たちは、陽性が分る以前の段階で10代の若者が、遠隔地に行ったことを確認しているはずです。それはどのように行ったのでしょうか。データを見てみましょう。

 

《データに即して考えてみよう》

北海道では、感染者一人一人についての情報を公開していますので、「見解」が発表された3月2日までの77人の感染者について、10代の若者の数を調べてみました。10代の若者は2人、10代未満になると4人で、20代未満は合計6人です。居住地は、千歳が1人、上川が3人、胆振が1人、十勝が1人です。

これだけのデータから、色々なことが分ります。「見解」の結論に疑問符が付くようなこともいくつか出てきます。たとえば、より詳しくは、回を改めて取り上げますが、WHOと中国の合同調査の結果、分っているのは、18歳以下の症例は全体の2.4%だということです。2月28日までの北海道の場合、20代未満で約8%ですので、かなりの差があります。それもそのはずで、総数77というサンプル数の場合、その数字を使って一般的な傾向や統計的な結論を読み取るのは不適切なのです。

逆に、合同調査の結果を生かすのであれば、20代未満の感染者が6人いるのですから、それが全体の2.4%だとすると、この時点で北海道には、100%に当る250人の感染者がいてもおかしくはない、と判断すべきなのです。

[長くなりましたので、ここで一旦、切ることにします。続きは明日御覧下さい。]

[2020/4/17 イライザ]

 

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コメント

はっきりしているのは日本には統計的に有意と思われるデータはない、ということだと思います。感染の状況が海外と日本でここまで大きく違うと、海外のデータもあまり参考にならないかも知れません。

人間も自然も社会もあまりに多くの要素があり、いくら多変量を解析する統計学を使っても簡単ではなく、かつてポリオの原因がアイスクリームだと結論付けられたようなことが未だに行われており、人間の推論や計算力の限界をみることは多いです。

それに、例えば、統計的に性差が有意であっても、個々の人間はそれに当てはまるものでもないように、統計的な結論だけから、個々の人間の行動を決めることは、かなり無茶なことだと思いますし、そんな単純な事象はなかなかないとも思います。今の疫学はあまりに統計学頼みになっているという印象もあります。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

人間一人を理解するだけでも、その一人の複雑さ故に難しいのですから、一億もの人の集まった社会やその中に何千年も掛ってできてきた制度まで含めて、時代的背景に沿った解釈をするなんて、まず不可能だと思った方が良いのかもしれません。

「だから」、神の存在を信じるのか、進化論の偉大さに感激するのか、どちらを取るのか、これも難しい選択です。

政治家の立場からは、「全体の奉仕者」としての義務をどう具体的に展開して行くのか、と言えるのではないかと思います。それは、政治の世界に入って以来、毎日苦闘してきた事でしょうから、その総決算を示して貰いたいですね。



東京では医師会が主導してPCRセンターを作るようですが、国は非常事態宣言まで出しながら、非常事態であるデータを取ろうともしなかったことは不思議なことです。医師会の会見では検査数そのものが変動している中で、陽性者数だけ出しても、実体の把握にはならないと言っていましたが、今の政府には、実体の把握はしない、資料は廃棄する、隠蔽する、改ざんする、ということが染み付いているのでしょうか。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のようにデータを取ろうともしないのは、データとは何なのかを知らないからだと思います。それ以上に、言葉とは何かについての認識が私たちとは違っているのではないでしょうか。

資料や言葉の無視、廃棄、隠蔽、改竄、剽窃等、どれも自分に都合が良ければ、正義であり真実だということなのでしょう。

最近の一番あからさまな例は、人と人との接触を「7割」減らせば、事態は収束すると再三再四、安倍総理が言い続けていることです。西浦教授の予測では「8割」ですよね。ということで、今、多分厚労省のお役人たちは、西浦教授のモデルを改ざんして、「7割」でも収束するという結果になるよう、部下たち、そして御用学者たちを督励しているのではないでしょうか。

専門家ということで付け加えれば、当初ウイルスの正体が分からない段階では、水際対策しか手段がなく、感染症の専門家が先頭に立つとしても、感染が拡がり、ウイルスも分かってきた段階の感染防護となると、公衆衛生の専門家が重要になりますし、出口戦略のためには経済学者やゲーム理論などを専門とする社会科学系の専門家も重要だと思います。欧米は既にそうした戦略を準備しているようですが、日本は未だに初動体制のままのように見えます。このままではCOVIT-19より政府の対策で亡くなる人の方が多くなりかねないとさえ思います。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃる通りです。自分たちの言う通りのことをするトップをおだてて使っている内に、立身出世の欲望に負けて「忖度」競争に走った結果、コントロールが利かなくなっているのが今の官僚体質の姿なのではないでしょうか。

かつての人類は、天動説と自動説のどちらが正しいのかで大論争をしましたが、今の日本には、「晋三説」しか存在しなくなっている観すらあります。

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コメント

はっきりしているのは日本には統計的に有意と思われるデータはない、ということだと思います。感染の状況が海外と日本でここまで大きく違うと、海外のデータもあまり参考にならないかも知れません。

人間も自然も社会もあまりに多くの要素があり、いくら多変量を解析する統計学を使っても簡単ではなく、かつてポリオの原因がアイスクリームだと結論付けられたようなことが未だに行われており、人間の推論や計算力の限界をみることは多いです。

それに、例えば、統計的に性差が有意であっても、個々の人間はそれに当てはまるものでもないように、統計的な結論だけから、個々の人間の行動を決めることは、かなり無茶なことだと思いますし、そんな単純な事象はなかなかないとも思います。今の疫学はあまりに統計学頼みになっているという印象もあります。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

人間一人を理解するだけでも、その一人の複雑さ故に難しいのですから、一億もの人の集まった社会やその中に何千年も掛ってできてきた制度まで含めて、時代的背景に沿った解釈をするなんて、まず不可能だと思った方が良いのかもしれません。

「だから」、神の存在を信じるのか、進化論の偉大さに感激するのか、どちらを取るのか、これも難しい選択です。

政治家の立場からは、「全体の奉仕者」としての義務をどう具体的に展開して行くのか、と言えるのではないかと思います。それは、政治の世界に入って以来、毎日苦闘してきた事でしょうから、その総決算を示して貰いたいですね。

東京では医師会が主導してPCRセンターを作るようですが、国は非常事態宣言まで出しながら、非常事態であるデータを取ろうともしなかったことは不思議なことです。医師会の会見では検査数そのものが変動している中で、陽性者数だけ出しても、実体の把握にはならないと言っていましたが、今の政府には、実体の把握はしない、資料は廃棄する、隠蔽する、改ざんする、ということが染み付いているのでしょうか。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のようにデータを取ろうともしないのは、データとは何なのかを知らないからだと思います。それ以上に、言葉とは何かについての認識が私たちとは違っているのではないでしょうか。

資料や言葉の無視、廃棄、隠蔽、改竄、剽窃等、どれも自分に都合が良ければ、正義であり真実だということなのでしょう。

最近の一番あからさまな例は、人と人との接触を「7割」減らせば、事態は収束すると再三再四、安倍総理が言い続けていることです。西浦教授の予測では「8割」ですよね。ということで、今、多分厚労省のお役人たちは、西浦教授のモデルを改ざんして、「7割」でも収束するという結果になるよう、部下たち、そして御用学者たちを督励しているのではないでしょうか。

専門家ということで付け加えれば、当初ウイルスの正体が分からない段階では、水際対策しか手段がなく、感染症の専門家が先頭に立つとしても、感染が拡がり、ウイルスも分かってきた段階の感染防護となると、公衆衛生の専門家が重要になりますし、出口戦略のためには経済学者やゲーム理論などを専門とする社会科学系の専門家も重要だと思います。欧米は既にそうした戦略を準備しているようですが、日本は未だに初動体制のままのように見えます。このままではCOVIT-19より政府の対策で亡くなる人の方が多くなりかねないとさえ思います。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃる通りです。自分たちの言う通りのことをするトップをおだてて使っている内に、立身出世の欲望に負けて「忖度」競争に走った結果、コントロールが利かなくなっているのが今の官僚体質の姿なのではないでしょうか。

かつての人類は、天動説と自動説のどちらが正しいのかで大論争をしましたが、今の日本には、「晋三説」しか存在しなくなっている観すらあります。

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