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2020年4月10日 (金)

4月1日、「発送電の分離」がスタート

4月1日、一連の電力システム改革の第3段階となる「発送電の分離」がスタートしました。

中電には、送配電会社として「中国電力ネットワーク(株)」が発足し、これまでの中電職員の約9千人の半分以上にあたる約5千人がこの会社に異動しました。会社の総資産は固定・流動を含めて約1兆円、これまでの中電総資産の約3分1になります。ここでは中電のような電力会社を「旧電力」と書かせていただきます。

もともと「電力システム改革」は、旧電力も国も自らの利益と権利を保持するために、実施したくないというのが本音でした。そのため福島原発事故前では、95年に一部の大口需要家への電力自由化が最初でした。

しかし福島原発事故後の13年4月、「電力システム改革に関する改革方針」が閣議決定され、3段階に分けて行うことになりました。

第1段階は15年4月に設立された「電力広域的運営推進機関(OCCTO)」です。この組織は全国の電力融通を指揮するために作られたものです。第二段階は16年4月から始まった「小売りの全面自由化」です。そしてこの4月からの「発送電の分離」です。

特に第2段階の「小売りの自由化」によって、顧客の新電力への移行が増えてきました。その数字は各地域によってバラツキがありますが、電力使用量で約16パーセントが新電力に変更したとされています。現在、旧電力と新電力との熾烈な「取った、取られた」の争いが展開されています。

Photo_20200409124601

そしてこの度の第3段階の改革が「発送電の分離」です。この改革を実施する本来的な目標は次の3点となっています。

①発電、送電、小売りの業務内容は大きく違うので、電力関連コストを明確に 

 し、電力供給システムの無駄を省くこと。

②大手が独占している送配電網の中立性を高めること。

②大手電力会社が持っている送配電網を広く開放し、新規参入の電力会社(新電力)が利用しやすく、競争を促すこと。

全国に張り巡らされている送配電網、現在これらの設備は旧電力の所有となっていますが、130年にもおよぶ電力事業の歴史を視れば、これらは国民全員の共有財産とされるものです。

しかしこの度の「発送電の分離」を視ると、ベースロード電源市場、容量市場、非化石価値取引市場、需要調整市場などの様ざまな市場を置くことで、本来のシステム改革の目的を奪い、新電力会社の参入を妨害しようとする政策が見えてくるのです。真に公平・公正な分離形態を考えた場合、中電への影響力が強すぎるミエミエの「法的分離」という形態から、ヨーロッパなどの国のような「所有権分離」にして中電の影響力を少なくし、やがては「公社化」することだと考えます。

昨年6月に開催された株主総会で、私たちは会社名を「西日本電力ライフライン株式会社」とする株主提案を行いましたが、否決されました。

世界的に再生可能エネルギーは普及し、その価格も大きく下がっています。

「3・11」から丸9年、大きな影響が無かったヨーロッパはしっかりとフクシマから学び政策に生かしたのに、たいへんなことになった日本が、一番「ボー」としているのではという声が聞こえてきます。

電力自由化に関するこれまでの資料を見ていると、原発推進の雑誌「フォーラムレポート」の99年2月号は、『(全面自由化に移行したとしよう)そうなると、原子力の新・増設を考える経営者はいなくなると、ある電力関係者は断言する』という記事が目に留まりました。だからこの度のシステム改革でも、本来の改革を骨抜きにしようという魂胆があるように思えるのです。

東京五輪終了後に策定議論が開始されるとされていた「第6次エネルギー基本計画」、五輪延期で今後の具体的な動きは予想困難ですが、3年ごとに見直されるものです。前回は18年7月に制定されていますから、いずれにしても議論が開始されます。

その場では、システム改革を今後どうするか、原発廃炉、放射性廃棄物の処理、福島原発事故の今後、エネルギーミックス、新増設原発の扱いを含め全国的な議論が行われなくてはならないと思っています。

木原省治

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コメント

それほど大きな規模でない企業でも、新電力に乗り換えただけで、年間に何百万円もの電気代が節約できたというところが多くあります。従来通り、中国電力で発電し中国電力の送電網を使っている電力でも、支払い先を変えるだけで、それほど大きな節約になるということは、大手電力会社はどれほど儲けているのか、改めて驚きます。

テスラは送電網に蓄電池を入れるだけで大幅な電力料金の引き下げに成功していますが、正しい発送電分離によって、自然エネルギーの普及と電力料金の引き下げを劇的に行って欲しいものです。

工場長さんへ
 コメントありがとうございます。基本的に全国に張り巡らされている送配電網は、私たちみんなの財産です。長い長い送電線を使って電気を送ることによる災害を、私たちは昨年の台風19号などの被害で思い知ったのではないでしょうか。
 リチウム電池で日本人がノーベル賞を受賞しまいしたが、その気になれば、いくらでも可能な技術です。再エネにブレーキを掛けようとする政策を変えさせなくてはならないと、最近つくづく思っています。

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