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2020年4月

2020年4月30日 (木)

4月のブルーベリー農園その4(東広島市豊栄町)

4月も下旬になると気温がぐっと上がる。作業の柱はブルーベリー畑に防草シートを敷くこと。29日の午後は作業していても背中にあたる陽が熱く感じるほどだったし、一輪車で瓦を運ぶときには同じく上半身が汗ばんだ。ブルーベリーも周囲の植物もどんどん変化し、お馴染みのキジは29日の作業を終えて車で帰る途中の休耕田の草むらでつがいになっているのが見えた。

Photo_20200429211701

4月25日(土)

 ①.ブルーベリー畑の近くの田んぼのあぜ道に咲くシバザクラ。水が張られて田植えを待つ。

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 ②.畑の所どころに咲くキジムシロ

Photo_20200429211703

 ③.菜の花はそろそろ終わりたくさんの実をつけたちょっととげとげしい姿に変容する。

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 ④.好物のソラマメを昨年12月にまいた。芽が出て伸びてきたので支柱を立てる。手前のジャーマンアイリスを植えている畑には早咲きのドイツアヤメがたくさんの蕾を付け一部はもう開花。

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 ⑤.里山に咲くエビネの一番花。

Photo_20200429211803

4月26日(日)。そろそろスズメバチが出てくるのでペットボトルの捕獲器を2か所に設置。中の液体は穀物酢、リンゴ酢、ブルーベリー酢に砂糖をたっぷり入れたもの。

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4月29日(水)。

 ①.午後作業をしているとサイクリング中の高校生が水を求めてやってきた。西条町から来て農園の前の板鍋山に行った帰り。写真の彼は転んで肘を擦りむいたそうだ。外にある井戸水を飲み、ボトルに詰めてさっときてさっと立ち去った。

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 ②.里山にある木のひとつウワズミザクラ。ブラシ状の白い花が涼やか。

Photo_20200429212001

 ③.ブルーベリー畑の防草シートの手直し。里山に積んである瓦を運んでおいていく。杭より扱いやすい。

Photo_20200429212002

 ④.ブルーベリーの花。早生で名前はジャージー。晩生のタイプもそろそろ咲きだした。

2020年4月30日

社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良

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2020年4月29日 (水)

新型コロナウイルス危機・その14 ――PCR検査をしない訳 (2)――

新型コロナウイルス危機・その14

――PCR検査をしない訳 (2)――

 

日本のPCR検査数が少ないことは確認できましたし、WHOがもっと検査数を増やせと言っているのかにも納得して頂けたと思います。にもかかわらず検査数は増えないのですから、その理由が知りたいところです。

もっとも、「オリンピック開催のために検査数は増やさないのだ」などとは正直に言える訳がありませんから、それなりの「説明」あるいは「言い訳」が準備されていました。「専門家」と称する人たちが「検査はしなくて良い」あるいは「検査数は増やすべきではない」という主張とともに広めたポイントは主に三点ありました。

一つは、検査の精度が高くないため、「陽性」と出ても「陰性」と出てもそれだけで決定的な「エビデンス」にならない、というものです。二つ目には、検査をするにも医師の手が必要であり、検査数を増やすことで、それでも不足している医師が検査をしなくてはならなくなり、重症者への医療提供が疎かになるというものです。そして最後に、検査数が増えると当然「陽性」者が増え、その結果として隔離や治療が必要になり、現在の医療体制ではそれに対応できない。つまり、医療崩壊につながってしまうというものです。

最初の「精度」については、簡単な反論があります。それなら、安倍総理が、日本の感染者数も感染率も他国と比較をして極端に低いから、日本の状況は「コントロール」されている、だからオリンピックは開催可能だ、という結論には影が生じるからです。そもそも検査の精度が低いのですから、そして「陰性」という結果になっても、本当には「陽性」の可能性があるのなら、日本の数字は当てにならないことの証拠にはなっても、「コントロール」されていることの証拠としては採用できなくなるからです。自分に都合の良い結論が出るときには、突然「精度」の問題が消えるのは摩訶不思議としか言いようがありません。

さらに、世界的な比較もPCR検査によって行われています。もし医学的・疫学的に見て「精度」の問題があり、検査をしない方がその観点から正しい判断であるのなら、WHOにその考え方を伝えて、世界的な規模で検査を中止するという動きを作らなければ、医学者・疫学者としての最低限の義務を果していることにはならないのではありませんか。

次に、検査数を増やすことで、検査のために人手が取られて、医師も含めた医療資源に大きなマイナスの影響が出るという考え方には、技術的な解決方法がいくつでもあります。韓国やアメリカのように「ドライブ・スルー」方式の検査を行うこととは可能ですし、そのためのテクニシャンの短期的な養成も可能です。このようなときにこそ、「超法規的」な対応で、養成のための特別プログラムを作るべきです。

さらに、「陽性」の人が増えた場合には、無症状の人や軽症の人に対する「隔離」についても、突然仕事の亡くなった人材を生かしての突貫工事で野戦病院的な施設を作ったり、暫定的には、医師や看護師の目の届くシステムを構築してホテルや自宅を活用することも可能かもしれません。もちろん、医療現場がいかに大変な状況になるのかは、これまでの現場からの報告が生々しく伝えてくれています。何とか知恵を出して医療崩壊を避けなくてはなりません。

ここで指摘しておきたいのはただ一点、医療崩壊を避けるという目的のために、検査をしないという選択をして、感染している患者を放置してしまうのは、本末転倒なのではありませんか、ということです。

それに関連してもう一つ大切なのは、検査数を増やすことで、症状は軽いけれど「陽性」の人を多数見付けることができるという点です。3月2日の「専門家」による「見解」では、それが「若者」だから、若者には移動して貰わないよう要請する、ということまでしているのですから、この点は重要なのです。しかし、検査数を増やすことで、これら軽症の感染者が、自らは自覚せずに感染を広げることができなくなります。「陽性」の場合には隔離されるのですから、ウイルスを周囲にはばら撒けなくなるからです。隔離するためには確かに医療資源が必要です。そのマイナス面だけではなく、そのことによって感染が抑えられれば、それは将来の時点での医療資源の投入を減らすというメリットがありますので、このメリットにも目を向けるべきでしょう。

最後に、ヨーロッパで起きている「医療崩壊」は、COVID-19の結果だけで起きたのではありません。緊縮財政の結果として、EU全体で医療費の3割削減を目指した結果、既に起きていたことが顕在化したという事実を見詰めるべきでしょう。ヨーロッパに滞在する日本人の間でも、「病気になったら怖い」ところだという認識が常識になりつつあったのですから。そしてアメリカの医療が貧困であることは、オバマ大統領がその改善に努力しても簡単には改善されなかった事実からだけでも、よく知られています。一例をあげておけば、コロナ危機以前のことですが、救急車で病院に運ばれても、まず医療保険に入っているかどうかを聞かれ、入っていない場合には診察して貰えないのは日常茶飯事でした。低所得層には冷たい医療システムであることは世界に知られていたではありませんか。

さて日本で、実際に検査数を増やせば、上に掲げたようなとんでもない数字になるとは考えられませんが、現在の感染者よりははるかに多くの人が感染している可能性は否めません。その可能性が存在するのかどうかという「エビデンス」を得るためには、PCR検査を広範囲に行うことから始めなくてはなりません。

そこまでは分っても、今の時点、つまり4月下旬になってもPCR検査数が極端に低いのはどうしてなのでしょうか。それも、保健所が「関所」のような機能を果すことで行われているようです。医師の判断で民間での検査をするというシステムにはなっていない点も理解できません。こうした摩訶不思議なシステムについて、何方かが分り易く教えて下さると有り難いのですが---。

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コロナウイルスによる100万人当りの死亡者数

そして、このことと、「工場長」さんが18日付の本シリーズNo.7にコメントして下さっている、我が国の感染者数の少なさと、死亡者数の少なさとの間には、何らかの関係があるのではないかとも考えています。とにかく、検査数を増やして、しかもその対象はかなりランダム化しなくてはなりませんが、もう少し信頼できるデータを元にした分析を専門家の方にお願いできればと思います。

 [2020/4/29 イライザ]

 

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コメント

半世紀前に「世界は微分で記述され、積分で読み解く」と習いました。それが誰の言葉だったのかは忘れましたが、様々な分野で統計学を使って、確定的でない事象を推定して戦略をたてることは日常的に行われていることです。

そして、今の日本は、主に西浦教授の「計算」をもとに、私権の制限まで行われているような感じがしますが、その計算の根拠となるデータがあまりにも少なく、いくら補正していると言われても納得できるものではありません。

今は、PCR検査だけではなく、抗体検査も必要な段階で、既に行っている国や地域もありますが、日本ではPCR検査すら十分ではありません。それも、未だにクラスター対策が中心なので、統計的にも有意とは思えないもので、統計学に従えば、少ない検査数でも信頼できるデータはとれるはずですが、そうしたことは検討すらされていないように思います。民間が行っているPCR検査では陰性の報告はなく、ひたすら陽性率を上げ統計的な信頼性を下げているという話も聞きます。抗体検査は工夫すれば献血や通常の血液検査との組み合わせでも可能です。

本来は大学がもっと積極的に関わり、PCR検査や抗体検査、その分析などを行っても良いと思いますが、文科省は早々と「自粛」して、この事態に関わる気がなく、厚労省も連携する気がないようにも見えます。

できない理由に「忙しい、手が足りない」という現場は、作業の配分がうまく出来ていないことが多く、総合病院の場合、医師や看護師などの専門職でなくてもできることを、その人達が行っているために「忙しく、手が足りない」状況になっているという現実を見てきました。それは、法律などの規則によることが多いのですが、規則は人が決めたことで、変えればいいのですが、それに縛られて、本末転倒なことになっている現場は珍しくありませんでした。今回のコロナ禍でも、そうした光景を数多くみているような気がします。

「工場長」様
コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、パラメーターの設定に当っての基準やデータ、そして計算式も公開されていないままに、結論だけは信頼しろと言われているのですから、「科学的」とはかなり距離のある進め方ですね。

政府に協力する諮問委員会や専門家会議も、科学的な立場からの方針を打ち出すという本来の役割を果していませんので、最終的には、安倍総理の身近にいて、彼の意図を「忖度」しながら総理も「専門家」も操る、悪しき意味での側用人たちの思う通りの政治に成り下がっているのではないでしょうか。

ドイツのメルケル首相は、西浦教授の計算の元になっている「Kermack and McKendrick の SIR モデル」まで理解し、その上で科学アドバイザーたちと議論をして対策を練っているそうですが、彼我の差の大きさには溜息が出ます。

メルケル首相は物理学者だそうですが、先日話した企業の人も、日本はあまりにも文系主導になっている弊害が多いとも言っていました。

日本のあべのマスクは日本政府を象徴しているように感じました。アメリカのCDCは大統領の言動すら否定しますが、個人が感染を防ぐための対策もきちんと説明しており、マスクに関しても一般人が医療用マスクを使うことがないよう、Tシャツやバンダナを使った布製マスクの作り方を、細かく解説しています。

もちろん、感染状況などのデータの更新も早く、誰がどういう理由で検査が必要なのか、不要なのか、サーベイランスとしての調査についての解説もあります。何が分かっていて何が分かっていないのかも明確に示しており、厚労省のサイトをみるより、遥かに役に立ちます。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、CDCが永年にわたって果してきた貴重な役割が今、生きています。同時に、アメリカの専門家たちの存在意義が良く分るのは、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長が、コロナに関してのホワイト・ハウスの「事実上の」のスポークスマンになっていることです。日本で言えば官邸ですが、そこに関わっている専門家たちが、ファウチ博士を支えているという図式が大切だと思います。

医療は、PCR検査以前に既に崩壊してます。
日本政府の危機管理能力のなさは、医療現場でのマスクや防護服やフェースガードの不足でわかります。これを確保していなかった。
また、重症化するのは高齢者や肺や呼吸器系疾患、糖尿病、がんの治療中の人達ですが、この人達に確実にマスクとアルコール消毒液が渡るような政策をやってません。
わかりきっていることさえ、無策です。
たしかラジオで聴いたのですが、インフルエンザではPCR検査はしないそうです。患者からの検体をそのまま試薬に漬けると、A型かB型かの反応が出るそうですね。ウイルスを増やして検査しないから罹患して最初の頃には判定できないとなるようです。
日本のPCR検査がなぜ少ないのかですが、PCR検査は、特殊なDNAを加えて温めるたり冷やしたりを数百回繰り返してウイルスを増やして検査するそうです。
台湾や韓国はSARS、欧米はMERSでの経験から、次に同じようなものが流行るかもしれないと対策をしていたようです。
日本は、SARSもMARSも幸いなことに大きな被害がなかったことで、対策を十分にしていなかったようです。
そのかわり新型インフルエンザの対策をして、今話題になっているアビガンは政府が富士フイルムの貯蔵させていたようですね。なのでPCR検査でなく新型だとなればこの薬の投与で治そうとしていたようです。
台湾や韓国は新たなウイルス対策のために最新のPCR検査機を用意していて検査スピードも早いようです。日本は古いPCR検査機で、検査技師の技量に検査結果が左右されるとか。
新たなウイルスにほぼ無対策だったのが、他国に比べて検査件数やスピード劣るようです。
ここにきて、PCR検査の適用で誤解があってなんてほざいてますが、各保険所に検査マニュアルを配布したのは厚労省でしょうから、誤解ではないですね。
発熱しての保健所の対応ですは、発熱が四日以上とか咳とか息苦しさ、味覚嗅覚の障害や既往症は聞きますが、職業は聞きません。一日でも熱が出たら、看護師や介護士など高齢者や病人と接触する機会っが多い、スーパーのレジとか不特定多数の人と接触など、多くの人と濃厚接触するような職業なら、この相談のときに、4日以上とか2週間は仕事を休んでくださいとアドバイスをすべきだと思います。これが周知されていたら、広島市佐伯区のクラスターは防げたのではないでしょうか。
それと、発症しない若者が感染拡大をしていると言われてますが、そうじゃないと思います。
出張して夜にホテルで発熱したがなんとか薬で熱が下がったという話は、コロナ騒動以前から少なからず聞きます。37.5度位の発熱では出張をやめないのです。
新型コロナウィルスに感染して発症していても、出張族は日本中を飛び回っているでしょうね。
出張を自粛させると経済に影響し企業活動に影響を与えるから、すべき対策をやっていないように思います。
数ヶ月前に病床を廃止する方向になっていた吉島病院ですが、感染症患者の受け入れ体制はできたいるようです。厚労省の方針がもっと早く決まっていたら、吉島病院では無理でしたね。
それと看護師不足も厚労省に指導の賜物です。EUのような医療機関の縮小を厚労省は目指してますから、EUの状況は明日の日本ですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

高齢者やリスクの大きい持病のある人たちのため、また医療従事者のための必要品等を事前に準備していなかったのは、一国の医療政策として問題外です。

また、PCR検査についても、「頓珍漢な言い訳」に終始するのではなく、我が国の状況を内外に正確に知らせて、国民の理解を得ること、また海外からの協力も得るような努力をすることが最低限、為政者としての義務だと思います。

若者に責任を擦り付けているのは、スケープゴート作り以外の何物でもないと思います。

吉島病院についての経緯、何が幸いするか分らないことを教えてくれますね。

2020年4月28日 (火)

新型コロナウイルス危機・その13 ――PCR検査をしない訳 (1)――

新型コロナウイルス危機・その13

――PCR検査をしない訳 (1)――

 

今回で、13回目になりますが、このシリーズの目指しているのは、2月末から3月初めの我が国のコロナ対策の記録を、ある程度の論理性を保ちながら残しておくことです。主なプレーヤーの皆さんの当時の判断が論理的だったかどうかの検証が主になりますので、その後の進展は一応無視し、その後手に入るようになったデータも参照しないでの議論に務めたいと考えています。ただし、本筋に関係のないイラスト的、あるいは挿話的な場面では理解を容易にするために、最近のデータ等も使っています。誤った議論をしている箇所もあると思いますので、それに気付かれた方、御面倒でも御指摘頂ければ幸いです。

さて、当時、安倍政権の最優先課題は、何としてもオリンピックを開催することでした。そのためには新型コロナウイルスによる感染が日本国内では「コントロール」されていることを示さなくてはなりません。一番、説得力のあるのは感染者数が少ないことを数字で示すことですが、このために日本政府が選んだのは、「PCR検査をしない、させない」という方針でした。

改めて確認するまでもないかもしれませんが、石橋を叩いて渡りましょう。再度、24日に掲げたグラフを御覧下さい。

Photo_20200422224501

[クリックするとグラフが大きく鮮明になります。]

1000人当りの検査数。日本は一番下の線です。

その他の国は、イタリア、スペイン、シンガポール、韓国、アメリカです。

出典は、「Our World in Data」というサイトで、URLは

https://ourworldindata.org/grapher/full-list-total-tests-for-covid-19

 

さらに、韓国、イタリア、そして日本のPCR検査数を比較しておきましょう、次の表を御覧下さい。

 

感染者数

PCR検査数

100万人当たり検査数

日本の何倍か

死者数

韓国

7755

23  万

3,800

52倍

631

イタリア

1014

 7.3万

1,212

17倍

60

日本

568

 0.9万

   72.9

1倍

 12

なお、表のデータは、WHOのサイトで、Situation Report-51、3月11日のものです。

仮に、日本における検査数を韓国並みの「密度」、つまり100万人当り、3,800件にまで増やすと、検査数は48万件になります。その中で感染者の発見される率が今と同じだと仮定すると、約3万人が感染していることになります。ただし、日本の場合は感染していると疑われる人の検査が主ですので、それ以外の人たちにまで検査の対象を広げた場合の感染率は低くなるはずですので、実際には、これほどの数にはならないでしょう。

これだけ見てくれば、日本での検査数が少ないことは良く分って頂けたと思いますし、何故、WHOが、もっと検査数を増やせと言っているのかにも納得して頂けたと思います。にもかかわらず検査数は増えないのですから、その理由が知りたいところです。次回はそれを見てみましょう。

 [2020/4/28 イライザ]

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2020年4月27日 (月)

新型コロナウイルス危機・その12 ――何のために――

新型コロナウイルス危機・その12

――何のために――

 

ここまでお読み頂いた方には、「何のために」はもうお分りでしょうから、改めて説明するまでもないと思います。でも、形式を整えることも大切ですので、これまでに「疑問」として問題提起してきたことを三つにまとめた上で、答も付けておきましょう。

 

  • 安倍総理は、何故、2月27日に「唐突に」「全国一斉休校」の要請をしたのか。
  • それを受けて、3月2日に、「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が公表した「新型コロナウイルス感染症対策の見解」 (見解) では、何故、「忖度」と見られても仕方のないような姿勢を示してしまったのか。「忖度」は二つあり、それらと:
    • 10代の若者が感染を広げている。10代の若者が動き回らないことが感染を広げないためには大切だ。[忖度1]
    • 「見解」ではさらなる感染拡大の危機について強調しているにもかかわらず、それが全国的な判断であるべきだという論理には目を向けず、全国的なメッセージとしては、「若者の活動自粛」に限定してしまった。それ故に、「見解」が全国民的な危機感の共有を目指しているようには見えない。[忖度2]
  • 鈴木知事の「休校要請」が高く評価されたのとは対照的に、安倍総理の「休校要請」、つまり「安倍宣言」は厳しい批判の対象になったのは何故なのか。

 

そして、このブログを書いている4月下旬から見ると、「全国一斉休校」が主要トピックだった2月末から3月初めからは、既に1月以上が経っていますし、武漢からのチャーター便が飛んだ1月末からはもう2か月以上です。この間、上記三つの他にさらに多くの疑問が生れ、残っています。たとえば、春節の頃に来日した中国からの観光客の中には感染者はいなかったのだろうか、あるいは、中国、韓国、イタリア、イラン、スペイン、フランス、アメリカでもあれほど多くの感染者が短期間に発見されているということは、それぞれの国のPCR検査能力が高いことを示しているにもかかわらず、何故日本だけは、桁違いに検査数が少ないのか、といったことです。

Photo_20200419212701

(クリックすると大きく、鮮明になります)

1000人当りの検査数。日本は一番下の線です。

その他の国は、イタリア、スペイン、シンガポール、韓国、アメリカです。

 

《疑問に答え得る仮説》

これらの疑問に対する答として、次のような仮説を元に考えてみると、全てが氷解すると思うのですが、如何でしょうか。

  • 2月末の時点、あるいはそれ以前の時点で、感染はかなり広まっていた。政府はそのことを知っていた。
  • その時点での「国」としての最優先事項は、中国の習近平主席の日本訪問実現であり、東京オリンピック・パラリンピックの開催だった。
  • 科学的真実も含めて、自分に都合の良いことは、世間や世界が真実だと認めると、安倍総理は信じていた。 

この中で、(C) は一寸極端なのですが、こうでも書かないと中身が通じないので誇張をしています。しかし、2013年の9月、東京オリンピックが決る最終プレゼンテーションでの安倍総理の言葉を覚えている人なら、命題 (C) に賛成して貰えるのではないでしょうか。

いや、オリンピックの誘致に成功したのですから、命題 (C) が正しいことを世界が証明したと考えても不思議ではありません。

福島の原発事故についてのそのときの安倍総理の言葉は、

  • 「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
  • 「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」
  • 「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」
  • 「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」

   ですが、この大きな「嘘」については、2013年に、上智大学教授(当時)、水島弘明さんが分り易くコメントしてくれていますので、URLを貼り付けておきます。

https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20130908-00027937/

科学的事実さえ自らの意志で変えられると信じている人が、世の中の自分に対する評価も自分の意思で変えられると信じていても、ある意味自然です。となると、「一地方自治体の長などより、自分の評価が高くて当然だ」「自分こそ、常にナンバー・ワンだ」のための行動を取っても不思議ではありません。

そんな人が、オリンピック開催のためには、コロナウイルスの蔓延についての事実を隠しても当然だと考えてもおかしくないでしょう。そもそも、「嘘」によって勝ち取ったオリンピックなのですから、もう一つの「嘘」で開催に漕ぎ着けるのは当然だ、と考えたのかもしれません。

次に、専門家たちが、3月2日の「見解」で、あれほどの「忖度」をしてしまった理由は良く分りませんが、「国益」を守るために、つまりオリンピックの開催を可能にするために必要だからと、「安倍取り巻き官僚」に泣き付かれたのかもしれません。

そして、鈴木知事と安倍総理に対する評価の違いは、前回、22日のブログで説明した通りです。

一応、「疑問」についての答にはなっていると思いますが、もうワン・ステップ先を考えることで、さらに分ってくることがあります。オリンピック実現という目標を達成するには、感染が蔓延していることを隠す必要がありました。そのために取られた手段が、PCR検査数を減らし、その結果、感染者数が多く報告されないよう操作をしたことなのです。

安倍流のデータの無視、存在の否定、廃棄、改竄といった手法の典型なのですが、検査をしなければ感染者数は増えません。でも、「森・加計」事件でのデータ改竄以上に大胆な手法が、そもそもデータそのものを作らないことなのです。それがPCR検査数を「コントロール」することなのですが、科学の基本としては、まずデータがなければ何も始まらないのです。となると、そのデータを集めない、あるいは「集められない」、「集めるべきではない」という説明がどこかに存在しないと、「専門家」の集団としては受け入れられないという気持があったのだと思います。次回は、その「説明」あるいは「言い訳」がどんなものだったのかを取り上げます。

 [2020/4/27 イライザ]

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2020年4月26日 (日)

4・26チェルノブイリデー

1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリで原発事故が発生してから、今日で36年目を迎えます。

広島県原水禁は、翌年の1987年から4月26日をチェルノブイリデーとして、毎年平和公園の原爆慰霊碑前での座込み行動を続け、節目の年にはチェルノブイリの現状を学ぶ講演会を開催し、原発事故被害者への救済と脱原発社会の実現を訴えてきました。

しかし、私たちの訴えも空しく、チェルノブイリ原発事故を教訓とすることなく原発政策を推進してきた日本で、2011年3月11日東京電力福島第1原子力発電所で、チェルブイリ事故と同じレベル7の深刻な事故が発生しました。

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私たちは、チェルノブイリ原発事故を、そし広島と被爆者と同じように放射線後障害に苦しみ、将来の健康不安を抱える被害者がいることを決して忘れません。しかし今年は、こうした思いで毎年続けてきた「4・26チェルブイリデー座込み行動」を、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を考慮し、中止することにしました。

広島県原水禁は、座込み行動はできませんが、チェルブイリ原発事故を決して忘れないとの思いと脱原発社会実現のための決意を込め、今日下記のアピールを出しました。このアピールは、安倍首相あてに送付します。


「4・26チェルノブイリデー」アピール

チェルノブイリ原発事故から34年が過ぎました。放射能による人体と環境への深刻な被害は今なお続き、被曝によると見られる分泌系や血液系疾患などの慢性疾患や新生児の先天性疾患が報告され、事故原発から30㎞圏内への立ち入りは厳しく制限され、人々を苦しめ続けています。

一方、「チェルノブイリのような事故は起きない」と宣伝され続けた日本では、9年前の2011年3月11日、福島第一原発においてチェルノブイリと同じレベル7の事故が引き起こされました。

事故を軽く見せたい日本政府は、避難区域の除染で住民の帰還を進めようとしていますが、健康への不安とすでに新たな生活拠点で生活再建が行われていることもあり、帰還は進んでいません。

何より今後数十年はかかると言われる事故処理も、貯蔵プールにあった核燃料の取り出しこそ一部で始まったものの、メルトダウンによって溶け落ちた核燃料の取り出しは全く手つかずの状態です。その上に、溜まり続ける汚染水に困り、今年中にも海洋放出を始めようとする中で、安心して住み続けられる状況には全く至っていないのが現実です。

私たちは、チェルノブイリを、そして福島を、原発事故被害者の痛みを決して忘れてはなりません。それは、「核と人類は共存できない」ということを改めて教えているからです。

安倍政権は、原発に依存してきた歴代の自民党政権の責任を取らないばかりか、多くの国民の反対の声を無視し、再び原発政策を推進し再稼働を強行しています。

原発事故で起こった事実を忘れた時、再び過ちを繰り返すことになります。安全神話の行きつく先に原発事故があったことを決して忘れません。脱原発への道こそ、私たちが歩むべき道であり、すべての原発の再稼働・新増設に反対します。

新たなヒバクシャを作らせないためには、「核絶対否定」の道しかありません。

 

私たちは、人類史上はじめて原子爆弾の惨禍を被ったヒロシマから訴えます。

 ◆チェルノブイリ原発事故を忘れてはなりません!

 ◆福島第一原発のような事故を二度と起こさせてはなりません!

 ◆原発の再稼働・新増設を許してはなりません!

 ◆新たなヒバクシャを生み出してはなりません!

 ◆全ての原発被害者への補償と救済を強く求めます!

 ◆ノーモアヒバクシャ、ノーモアチェルノブイリ、ノーモアフクシマ

                             2020年4月26日

                 原水爆禁止広島県協議会


いのととうとし

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2020年4月25日 (土)

原発で使用された物がフライパンの材料になる日!?

 少し刺激的なタイトルを付けましたが、いくら放射線レベルは下がったからといっても、こんな物で加工されたフライパンで野菜炒めや餃子を作りますか?

中国電力は4月7日、原子力規制委員会に対し、島根原発1,2号機で使用された蒸気タービン設備について、「クリアランス制度」を適用するための申請を行いました。

「クリアランス」といっても、理解できないかも知れませんので、簡単に説明しておきます。私たちは「スソ切り」とも言ってますが、一定レベル以下の放射性廃棄物について規制の対象から外すという制度です。ズボンのスソを腰周りのところで切るか、膝のあたりで切るかということで、そう表現しています。

切られた下の部分は、一般の廃棄物として再利用するというものです。この制度は、2005年に原子炉等規制法が改悪されて導入されました。島根原発のような沸騰水型(BWR)原発の場合、解体廃棄物約54万トンのうち、低レベル放射性廃棄物が約1万3千トン、クリアランスの対象が約2万8千トンと見込まれています。このクリアランスの対象になった物が、フライパンの材料になるぞーとして、この題名にしました。クリアランスレベル以上の放射性廃棄物は、それなりの処理・処分をしなければなりません。しかしクリアランス以下の放射性廃棄物は、普通の廃棄物として扱えられ、一般廃棄物と同じように再利用され経費節減をするという魂胆です。

この度の申請で対象になったのは、蒸気タービン設備取り換え工事によって、使用済みとなった低圧タービンの部品などです。これまで中電はタービンの取り換え工事を、1号機については3回、2号機では1回行っており対象物は総重量で約千トンに上るとしています。

実際の作業は、対象の物の中に含まれているコバルト60という核物質(核種)の放射能濃度を測定して、クリアランスの対象になるかどうかを評価するというものです。

 

これまで原発関連施設で、クリアランス制度により再生利用されたのは、茨城県の東海原発や、岡山県で鳥取の県境に在る、かっての「動力炉・核燃料開発事業団(現在は、日本原子力研究開発機構)」の人形峠の事業所から出てきた放射性廃棄物の金属類や土(人形峠ではウラン残土といいます)などが、原子力施設のベンチやテーブル、花壇などで使用するレンガに再利用されています。

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原子力規制委員会は昨年の年頭に行った会議で、「クリアランスレベルの設定対象の拡大及び同レベルの合理的な確認方法の構築」などと、私たち庶民には分かりにくい言葉を使って、規定の見直しという「手抜き」方針を打ち出しました。

例えば、これまでは重要10の核物質(核種)をすべて測定評価してきたことを削除し、また評価の単位の10倍引き上げ、測定も全量又は全表面としていたものを、サンプリング測定で「良し」としました。

このクリアランス制度の「手抜き」の背景には、福島原発事故による除染土を減量させようとして焦っている環境省が、除染土を盛り土や埋立て材として再利用させようとする魂胆と結びつく危険性があります。

 

話しが最初に戻りますが、島根原発の場合、沸騰水型という型ですから原子炉タービンに直接核分裂した水が吹き付けられるのです。ちょっと今日の話しは難しかったですかね。

省ちゃん

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2020年4月24日 (金)

新型コロナウイルス危機・その11 ――本当のリーダーは誰か――

新型コロナウイルス危機・その11

――本当のリーダーは誰か――

 

このシリーズの目的は、2月27日に安倍総理が唐突に「全国一斉休校」を要請した発言を「安倍宣言」と呼んで、その前後の出来事を論理的に整理して「記録」として残しておくことです。「唐突」である理由は、その前日26日には、安倍総理が大規模イベントの自粛を呼び掛けているからです。

《本当のリーダーは誰か》

安倍総理が、大きなイベントや集会等の自粛を26日に要請したことは「英断」でした。その結果、我が国の危機的状況に的確に対応している「真のリーダーだ」という評価を得られるだろうと期待していたとしても不思議ではありません。しかし、26日から27日に掛けて、「これぞ、リーダーとしてのお手本だ」と褒めそやされたのは、安倍総理ではなく、北海道の鈴木直道知事と千葉県市川市の村越裕民市長だったのです。安倍総理にすれば、称賛も受けられず、誇りも傷付けられたとしても不思議ではありません。

25日の夜に、道内の公立学校の休校要請を検討中のニュースが流れ、その後26日の昼に30分弱の時間を使って記者会見を開いた鈴木知事は、27日から7日間、道内の公立小中学校を休校とするよう、教育委員会に要請すると発表したのです。

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その背景としては、14日に道内在住の50代男性が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、その後中学校の教師や児童、給食の配膳員、スクールバスの運転手など、学校関係者にまで感染が拡大したこと、また25日には、東京都を抜いて感染者数が全国最多になったことがあります。

鈴木知事は、なぜ今の時期に休校が必要なのかを丁寧に説明して協力を求め、また保護者や関係者への影響を考えると7日が限度だと思われると、期間についても理解を求めています。さらに3月5日は「感染症予防の日」を設けて、学校が休みのなった子どもたちに、感染症についてそして今北海道が直面している危機について説明をして、「何故休校なのか」を理解して貰うことにするという、子どもたちにとってとても大切な教育の機会を作ることも表明しました。また企業にも子どもが休校になって休みを取らなくてはならない保護者についての配慮を求めるなど、記者会見によってコロナ対策を道民運動と位置付けて全道民の協力を呼び掛けたのです。そして、最終的には、「前例はないが、自らの政治判断で決定した。これによって生じるすべての結果について、知事である私が責任を負う」と強調したと、報道されました。

 

《緊急事態宣言も》

加えて評価されるべきなのは、休校要請に続いて、北海道は2月28日午後5時半から新型コロナウイルスに関する対策会議を開き、その後記者会毛で鈴木知事が、新型コロナウイルスの道内での感染拡大は深刻さを増していることに対する措置として「緊急事態宣言」を出したのです。期間は2月28日から3月19日までの3週間で、特に週末は道民に外出を控えるよう呼びかけました。

「見解」の内容は、この時までには知事には知らされていたはずですから、それを真摯に受け止め、「緊急事態宣言」を発出するのは今だという判断のできたことは特筆に値します。

元に戻りますが、この全体像が私たちの目の前に明らかになる前、2月26日の時点での公立学校の一斉休校という英断に対して、マスコミもネットも素直に反応して、ある調査ではネット上の8割が賛成・支持し、「親として感動しました」「やるね!鈴木知事」「優先事項を優先したことを支持します」「こんな時にこそ知事の力が試される。東京も頑張れ」といった声に溢れました。

文字化された記者会見の様子を読むだけでも、鈴木知事が道民の立場に立ち、道民ととともにこの難局を乗り越えたいという気持が切々と伝わってきました。コロナウイルスによって脅かされている道民と自分自身を一体化して、自分自身の言葉で道民一人一人の立場を語っているのです。これを「当事者意識」といっても良いでしょう。御参考までに記者会見のサイトのURLを貼り付けておきます。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r1/r20226gpc.htm

市川市では27日の昼、村越市長が、市内の小中学校55校と幼稚園6園を28日から3月12日まで臨時休校とすることを発表しました。千葉県内の感染者中、3人が利用していた市川市内のスポーツジムを、市立学校の教職員4人が利用していたことから、予防的措置としての休校だという説明がありました。村越市長については、「公用車にテスラ導入」で話題になったこともあり、賛否相半ばする感もありましたが、全体としての評価は高かったようです。

これにはもう一つ、大切な理由があります。既にこの点については言及しましたが、地域毎に学級閉鎖をしたり休校にしたりという対応は、これまでインフルエンザの流行時などに、地域毎に経験してきているという事実です。学級閉鎖も休校も大変不便ですし、多くの問題が生じます。しかし、これまでに何とか切り抜けてきた経験のあるのとないのとでは、保護者の立場だけを考えても雲泥の差があると言って良いのではないでしょうか。

 

《「安倍宣言」はどうだったのか》

こうした経験を踏まえての北海道と市川市の休校だったのですが、「安倍宣言」では、こうした経験値には無頓着であることを暴露してしまっています。「安倍宣言」の冒頭部分で、「北海道では、明日から道内全ての公立小・中学校が休校に、また、千葉県市川市でも、市内全ての公立学校が休校に入ります。このように、各地域において、子どもたちへの感染拡大を防止する努力がなされていますが、ここ1、2週間が極めて重要な時期であります」とわざわざ紹介しているのですが、他人事の様な描写です。切羽詰まった危機的状況だという緊迫感とは無縁ですし、現場で対応しなくてはならない学校、保護者、給食関係者、学童クラブ等への配慮は全くありません。

「安倍宣言」が暗黙裡に強調しているのは、これら二人の地方政治家の陰に自分が隠れてしまった悔しさとしか見えません。「自分こそ、21世紀を代表する大宰相だ」という自信から、自らの偉大さを際立たせる必要性に駆られたとも考えられます。そのためには単なる一地方での休校ではなく、日本全国を休校にすれば良い、という発想が出てきたとしても、その気持は分るような気がします。ただし、このような発想の持ち主に一国の運命を任せるべきかどうかはまた別問題です。

その後の展開で、北海道と市川市だけではなく、全国の知事や市長・町長たちの言動からは、中央政界で活躍して欲しい、出来れば総理大臣になって欲しいと思える政治家がこんなに多くいたことに、多くの市民が気付くことになりました。それは、驚きでもありかつ安堵の気持にもつながりました。これは、COVID-19を巡る多くの動きの中で発見できた、嬉しい驚きでした。

 

[明日と明後日、つまり25日と26日には、このブログのスター・ライター二人が登場します。私のシリーズは27日に続きます。]

 [2020/4/24 イライザ]

 

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コメント

新型コロナは、阪神淡路や東日本大震災を上回るほど、国民に大きな影響を与える多くの被害が出てます。リーマンなんて問題外。先の大戦の終戦まじかに近いのかもしれません。

でも、政府は新型コロナ対策省どころか庁さえも創設しません。厚労省を軸に国交省や文科省や外務省などで構成される省庁を作るべきではないでしょうか?厚生で感染症対策や病院やワクチン開発。労働で、企業労働者だけでなく個人事業者やフリーランスや学生アルバイトのケア、文科は長引く休校での学習内容な検討や入学試験対策や授業料など、国交は人の移動、外務は外国の対策やワクチンなどの協力など。その道の専門家が集まって対策すべきだと思います。
ここへ大きな力を与えて、素早い対策をやって貰えばと思います。


「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

このアイデアは大賛成です。今日のコラムで、「元安川」さんも提案しています。

http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2020/04/post-f68f45.html

 

私も、2018年の西日本豪雨の後に、20回くらいのシリーズで「防災省」を作ろうという提案をしてみました。長いのですが、お読み下さい。

http://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/5-f577.html

これに関連して、台湾では、もうかなり具体的に検討が始まっています。今回の新型コロナウイルスの流行で中止されることになりましたが、実は、4月に台北で「Man-made Disater」をテーマにして国際会議が開かれることになっていました。自然災害にも人災の側面がありますので、その視点から取り上げるだけでなく、戦争や、今回の様な疫病等も取り上げられることになっていました。そこでの基調講演を依頼されていたのですが、今年中に実現するかどうかもまだ分りません。

日本でも同じような試みをすべきだと思います。


イライザさま いつも「新 ヒロシマの心を世界に」を興味深く読んでいます。

鈴木北海道知事のお膝元在住で藤井屋のもみじまんじゅうが大好きな者です。

札幌では昨日過去最高の26名の感染者で、気持ちが暗くなるばかりです。

今回のコロナ禍では自分たちのリーダーについてを考えさせられました。

北海道は2月28日、全国に先駆けて緊急事態宣言を発出しました。私はそれを東京で聞いたのですが、戻ることが出来るのか不安でもありました。翌日千歳空港到着すると、確かに空気は少し違っていた気がしました。

鈴木知事はこの23日が就任1年となる若い知事です。前任者の女性知事が国政にスライドし、その後任として自民党の支援を得て知事となりました。
北海道庁内では経験不足を心配する声も多くあったと聴いています。確かにコロナの前までは、人物は爽やかで可も無く不可も無くという印象でした。

しかし、今回の事態に対してはスピーディーで明確なメッセージを道民に示し、リーダーとしての資質の片鱗を示してくれました。

24日から3回にわたり地元紙の北海道新聞が知事の1年を総括しています。

その中で印象的な記述がいくつかありました。

知事は緊急事態宣言発出まで、かなり情報を収集しそれを分かりやすい言葉で発信する必要があると考えていた。これはリーダーとして必要な資質ですね。

また、なかなか一丸にならない道庁職員を前に「決めるのは政治家である私」と発言したともありました。本当にその通りです!

記事には他にも最近は原稿を頼らず自分の言葉で発信しているとも書いてあります。

確かにテレビでも型どおりに原稿を読んでいる感はなく、ご自分の言葉で話しているのが伝わってきます。

今回の対応について、道民の85%以上が支持しているとの数字もあるようです。

その一方で、国の動きには多くの国民が不満を持っているのではと思います。
どうして物事の決定が遅くそして不透明なのか?

平時は既成の組織が機能して物事は進んでていくでしょう。しかし、緊急事態においてはリーダーが決断をして対応していかなければ物事は進みません。
しっかりした情報収集と分析、最後に決断、これを出来るだけ早くして貰いたいと思います。

私たちは自分でしっかりとリーダーを選んでいかなければならないと痛感しました

余談ですが、最近書店で平積みされていた海棠尊氏の「スカラムーシュ・ムーン」を読みました。メディカル・エンタメですが、日本の官僚制度について身につまされる内容でした。

「ポラリス」様

コメント有り難う御座いました。

北海道の生活が直に伝わってくる、しかも、このシリーズで取り上げている期間とテーマに沿った内容で、大変有り難く思っています。5月1日からは、そのリーダーに焦点を合せて、私なりの「断想」を綴って行く積りです。その際、とても参考になりますので、熟読させて頂きます。

前にも書きましたが、今回のCORVID-19への対応で目立ったのは、国のリーダーシップが酷い中で、自治体の首長さんたちの中には優れた人が多いということではないかと思います。

2020年4月23日 (木)

4月のブルーベリー農園その3(東広島市豊栄町)

今年の4月は暑いと感じる日もあるが、寒いと思う日もあり日々の寒暖差が目まぐるしい。サクラもいつまでも花びらが残っていたりしている。

コロナウイルスの感染拡大が続いていて安芸の郷も20日から連休までは利用者、職員同士の密な状態回避のため出勤者を半減するなどの対策に追われている。11日と12日の土日は農園での作業を続けた。野鳥が元気であちこちで鳴く声が聞こえる。

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4月18日(土)。

農園についてから里山のブルーベリー園を巡回。いつも見ているツツジは今にも花開きそうな具合。個体差があって咲く時期が違うようだ。

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安芸区の自宅から出発前に玄関先に掘ったばかりのタケノコが届いていたので、そのまま車にのせて出発。灰汁抜きに少し時間がかかるのと、皮をむいたり切ったりぬかを入れたりと、わりと乱暴な調理になるので食べるための下ごしらえを農作業の合間に準備する。次の日の夕食でおいしく頂いた。

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調理しているその目の前をツバメが横切る。(写真真ん中上あたりの黒い点)家の玄関の中に巣をつくりたいので毎年アプローチしてくるのだが農作業中は玄関の戸を閉めて巣作りをお断りしている。

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4月19日(日)。ブルーベリー畑と後ろのツバキ。右の上に見える黄色いコンテナの上にミツバチの巣があるがニホンミツバチはまだ入ってこない。

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11日、12日の農作業はブルーベリー畑に防草シートを敷き詰める作業。3つある畑の1段目は終わり2段目が半分くらい敷いた。シートを動かすとところどころでカナヘビやカエルが顔を出す。姿は見えないがキジもウグイスも元気に鳴いている。

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野の花の様子。

 ①.元は田んぼだったブルーベリーの畑には田んぼで生息していた植物が今も生きている。紫色の濃いいスミレ。4月18日(土)

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 ②.ムラサキゴケに混じって咲く小さなツボスミレ。4月19日(日)

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 ③.里山に咲くスミレはちょっと大きい。4月19日(日)

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 ④.家の後ろの石垣の上に生えるスイバ。穂先が桃色がかった色合いで春光にくっきり。4月18日(土)

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田んぼは5月のゴールデンウィークの頃にこの地域では一斉に田植えが始まる。その時期に備えてもう田に水がためられている。夕暮れ時、後ろの法面の向こうはため池で子どもたちが釣りを楽しんでいた。4月19日(日)

2020年4月23日

社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良

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2020年4月22日 (水)

新型コロナウイルス危機・EXTRA ――免疫力を高めましょう――

新型コロナウイルス危機・EXTRA

――免疫力を高めましょう――

 

昨日、このシリーズも10回目を迎えました。この間、お読み下さり、「ポチ」をして下さり、またコメントを下さった皆様、有難う御座います。でも長くなると、やはり単調になりますし、私の主張もマンネリ化しているのではないかと危惧しています。そして、「自粛」はやはり疲れます。

そんな、悩みを一掃するために、今回は「お休み」を頂いて、ホッとするイメージや、元気の出る歌、そして、免疫力が高まること請け合いの「COMPILATION」をお送りします。楽しんで頂ければ幸いです。

ことによると著作権上の問題があるのかもしれませんが、お気付きの方は御一報下さい。削除等の対応をさせて頂きますので。

 

  • 一つ目は、ハガキです。作者は不詳ですが、メッセージは鮮やかです。

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  • 二つ目は替え歌です。元歌にはいろいろ意見があるようですが、替え歌はほぼ100パーセント支持して貰えるのではないでしょうか。

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https://youtu.be/pUDRlUhGOao?list=TLPQMjEwNDIwMjBOV1RD1t-RUw

 

  • そして最後は、元々の作者が意図していない誤りのコレクションです。NETGEEKさん作ですが、天才ですね。全部で33ありますが、3回ぐらいに分けないと、腹痛を起こします。(私は起しました。)

 

http://netgeek.biz/archives/116351?fbclid=IwAR3I-pCgMCXnWxqd8c-azkYsacseCtT95VBXxodqF_cTID9CDjUFlUI61pY

 

[明日は、遊川さんの爽やかなコラムです。私のシリーズは24日に続きます。]

 [2020/4/22 イライザ]

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コメント

今日は笑わせていただきました。
笑点なら座布団が何十枚も必要です。
ネット上には、アフターコロナにも価値のあるコンテンツが次々に公開されています。

ところで、私は30年くらい、手書きで文章を書いていませんが、手書き、キーボード入力、音声入力と、効率的になることに反比例して、ミスは多くなっています。昔は、メールでも間違いに気づくとあとで訂正したりしていましたが、最近は相手も分かるだろうと放っています。もしかすると笑われていることもあるかも知れないと思いました。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

入力ミスが多くなったのは、私も同じです。でも、眼も随分悪くなってしまい、ミスの程度がとても耐えられなくなったので、最近ではフォントサイズを大きくして、送信する前に必ず、一度はゆっくりプルーフ・リーディングをしています。それでもミスの根絶には至っていないのが、残念ですが。

昨日の専門家会議の会見で、私も誤解していたとされることがありました。それは「37.5度以上の発熱が4日続いたら相談して欲しい」というメッセージです。
多くの解説でも「37.5度以上の発熱が4日続くまでは自宅待機で、それ以上になったら相談」=「4日間は黙って経過をみる」というものだったと思いますし、私自身も感染症の対策としては普通の風邪や季節性インフルエンザなどでないというエビデンスを得るには、当然のことだとも思っていました。

ところが、昨日の会見で釜萢敏常任理事は「2月の段階で言ったことは、体調が悪いからといって皆さんすぐに受診されるわけではないので、いつもと違うという症状が、少なくとも4日続いたら、普段はあまり受診をされなくても、今回に関しては相談して欲しい、という意図で、特に感染の蔓延が疑われる状況では、基礎疾患があったり高齢の方や、妊娠していたり、リスクの高い方は、いつも体調が違うと思われたら、すぐに相談して頂きたいということで、これまでの方針と大きく変わるというわけではない」と説明されており、些か驚きました。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

37.5度、4日間というのは、マスコミも含めて、ほとんどの人は、受診できるあるいは相談に乗って貰える最低限の条件として受け止めていたのではないでしょうか。たとえば、あるコメンテーターは、「37度5分もあったら苦しくてとても4日間我慢してはいられない。それでも診察して貰えないのは困る」ということを言っていました。

それに、症状が重いと自覚して、指定された番号に電話をしてもPCR検査もして貰えないし、自宅で様子を見るようにと言われたという、ネット上の報告もかなりありました。マスコミでも取り上げていたのですから、その当時それに対してのコメントならまだ分りますが。

正直、このコメントには驚きました。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、諮問機関としては異例の記者会見を行っていますが、それは政府の発表や行政文書だけでは、国民に必要な情報が伝わらないだろう、国民により正確な情報を伝えようという意向があってのことだろうと考えていました。

ところが、2月に発表したことの真意が伝わってなかったということを今頃言い出すということは全く理解のできないことです。メディアを見ればすぐに分かったはずの、国民にどう伝わったのかということを全く確認しなかったのか、それとも無視していたのか、それこそ何か配慮や忖度があったのか、いずれにしても驚きました。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

3月2日の「見解」も「専門家」の結論という形で出されているのですから、そこに、不正確な内容が含まれていることは大問題です。特にこの頃から、「専門家」の発言には不信感を持たざるを得なくなりました。

名指しまではしませんが、信頼できない人に交じって、信頼できる専門家のいることは、とても有り難いと思っています。

押谷教授は4月18日の日本感染症学会で「厚労省の検査基準(37.5度以上の発熱4日以上など)の決定には私もクラスター班も一切関わっていない」と発表したと報じられています。あの人達は一体何のためにいるのでしょうか。

「押し花」様

コメント有り難う御座いました。

重要な点なのですが、「専門家」たちの苦しい言い訳で、自分たちの価値を貶めていますね。この点については、4月22日には、「工場長」さんが、釜萢敏常任理事の言葉を引用してくれています。

「2月の段階で言ったことは、体調が悪いからといって皆さんすぐに受診されるわけではないので、いつもと違うという症状が、少なくとも4日続いたら、普段はあまり受診をされなくても、今回に関しては相談して欲しい、という意図で、特に感染の蔓延が疑われる状況では、基礎疾患があったり高齢の方や、妊娠していたり、リスクの高い方は、いつも体調が違うと思われたら、すぐに相談して頂きたいということで、これまでの方針と大きく変わるというわけではない」

今度は、押谷教授ということですね。

ここで取り上げた3月2日の「見解」に見られる「忖度」と、同工異曲ですね。

今日の国会で加藤功労大臣も「37.5度が4日も続いたら相談して欲しい、いつもと様子が違ったらすぐに相談して欲しいと言っていたが誤解されており、それは何度も訂正した。保健所のせいではなく、皆でやらないといけない」という答弁、誤解は保健所のせいで厚労省のせいじゃない、ということですね。こういうのを歴史修正主義というのでしょうか。

「国会ウォッチャー」様

コメント有り難う御座いました。

本当に酷いですね。このところずっと腹が立っています。

でも、これって、「歴史」と言うより「昨日の今日」ですから、「舌の根の乾かぬ内に」、またまたの「責任転嫁」のような気がします。

4、5日は待って様子を見る、という指示に従って急に容体が悪化し、亡くなった方がいるのですから、真摯に責任を取って欲しいと思います。

2020年4月21日 (火)

新型コロナウイルス危機・その10 ――陰に隠れた総理の「英断」――

新型コロナウイルス危機・その10

――陰に隠れた総理の「英断」――

 

2月27日の安倍総理の「全国一斉休校宣言」、略して「安倍宣言」には、後追いの形にはなりましたが、「専門家」たちから3月2日に、10代の子どもたちが活発に活動しないことで感染を防げる、というお墨付きが出されました。でも、大半の人には「唐突」という言葉しか浮かばなかったのが現実です。しかしながら、これほど変てこなことをするのには、それ相応の強烈な動機が必要なのではないでしょうか。それは何なのか、検証してみましょう。そのために、2月25日と26日に何が起きていたのかを思い出してみましょう。

 

《2月25日と26日の動き》

何度も繰り返していますが、2月25日には、新型コロナウイルス感染症対策本部幹事会(第2回)が開かれ、そこで「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が採択されています。また、25日と26日の対策本部そのものの会議で配布された資料と共通している「感染拡大防止策」は次のような内容です。

「患者クラスター(集団) が発生しているおそれがある場合には、確認された患者クラスター(集団)に関係する施設の休業やイベントの自粛等の必要な対応を要請する」、さらに「高齢者施設等における施設内感染対策を徹底する」また「公共交通機関、道の駅、その他の多数の人が集まる施設における感染対策を徹底する」

これを受ける形で、同時にもう一歩踏み込んで、26日の12時10分から12時25分まで開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部(第14回)で、安倍総理は次のように述べています。

まずは、「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではないものの、地域や企業に対し、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請した」と、これまでの対応の仕方を振り返り、しかしながら、「この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、また、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします」という全国規模の要請を行っています。

当時、複数のクラスターが出現していたことから、それがより大きな規模の感染に広がる可能性を考えると、「先手」を打ったと評価されてしかるべき出来事でした。また、3月2日に公表された専門家による「見解」の中でも、大規模イベントの自粛は大きな柱の一つとして強調されていましたので、その時点での決断として時宜を得ていたことは間違いありません。「英断」とまで言っても良い決断でした。

これに応えて、3月1日の東京マラソンでの一般参加を取り止めたり、相撲の春場所は無観客での興行にする等、ドラスチックな決定が次々と行われましたので、事態の深刻さについての理解が深まったことに疑問の余地はありません。その時点では、「そこまでしなくてはいけないのか」という声がまだまだ多くありました。3月19日に開幕予定だった選抜高校野球の中止がようやく11日に決められたのは、深刻さについての理解が進みながら、それでも楽観的な見通しが正しいのではないかと揺れ動く社会全体の雰囲気を反映しているのではないでしょうか。

 

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《本当のリーダーは誰か》

安倍総理が、この「英断」の結果、我が国の危機的状況に的確に対応している「真のリーダーだ」という評価を得られるだろうと期待していたとしても不思議ではありません。しかし、26日から27日に掛けて、「これぞ、リーダーとしてのお手本だ」と褒めそやされたのは、安倍総理ではなく、北海道の鈴木直道知事と千葉県市川市の村越裕民市長だったのです。安倍総理にすれば、称賛も受けられず、誇りも傷付けられたとしても不思議ではありません。

[長くなりますので、次回に続きます。]

 [2020/4/21 イライザ]

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コメント



今日も一つだけ書いておきますが、今、日本政府は非常事態宣言で、国民に対して、人との接触を少なくとも7割、できれば8割減らすように国民に要請しています。

その根拠はクラスター班で理論免疫学の西浦博教授の出した8割減らせば早く収束するという計算で、彼は7割ではなく8割だと主張し続け、8割おじさんとも呼ばれています。その根拠は、感染症疫学の計算で、基本再生産数を2.5として、の実効再生産数を1以下にするという目標です。その計算結果から、接触率を0.8にするというのが西浦教授の計算ですが、実効再生産数は国によって違うので、日常生活での接触(握手、ハグ、キス)の少ない日本社会では補正を入れるべきだと思いますし、さらに、基本再生産数の2.5というのも、実はインフルエンザがそのくらいというだけで、確定的な数値でもありません。

やってみなければ分からないことですし、学者としてやりたい気持ちも分かりますが、私自身が常に3σ外で生きてきたので、どうも統計に個人の行動を縛られることには抵抗があります。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

数理モデルですが、近い内に紹介しようと思っているTomas Pueyo氏の分り易い分析・論考も、同じモデルを使っています。パラメーターが違うだけのようです。日本語訳もあります。

https://medium.com/@tomaspueyo/coronavirus-act-today-or-people-will-die-f4d3d9cd99ca

「工場長」さんのように飛び抜けて多才な方々は、ほとんど、「3σ外」ということになるのではないでしょうか。ニューヨーク・タイムズのベストセラーになった本のタイトルも「Outlier」でした。


イライザ様、外出時、どうか、お気をつけてください。。     どうなるのでしょうか。楽観していまた。外出時、自分なりに、気をつけています。自分のことを話させて、ください。目の粘膜の、防御と、言うことで、ゴーグルを、しています。他人の、目を気にしてられません。ファイスガードも、あります。これは、日曜大工での、目への、飛び散りを、防ぐためのものです。空中の、浮遊物には、隙間が、あり過ぎます。感染したくないので、自分なりにやっています。人様に、薦めるものでは、ありませんが。一ヶ月ほど前の、ことです。パルコへ、所用。どうしようかなぁ。危ないなぁ。駐車場から、バイクのフルフェイスの、ヘルメットで、パルコへ、入りました。ゴーグルでも、仰々しいものですが、,、、。慣れたら私本人は、いたって、、平気に、なりました。手は、洗えばいいので、しょうか。その内に、手袋ですか。スパーの、レジスターさん、ゴム?手袋を、使用。自分なりに、やっています。他人さんが、どのように、思っても、気にならない性分なのです。恥や、外聞に、こだわりません。えらっそうにそう、言うことでは、ないのですが。イライザ様、お気をつけてください・


紹介頂いたものは一ヶ月前のものですが、分かりやすく説明されていると思います。ただ、問題だと思うのは、Eastern

Countriesという括りです。少なくとも都市国家は別に考える必要があります。ジョンズ・ホプキンズ大学のグラフでは、感染が拡大している国の対数グラフは、欧米諸国の急激な上昇と、日本と都市国家の緩やかな上昇に大別できました。

そして、日本は他の国より早く感染が始まり、遅くまで中国人を受け入れ、水際対策も、国民への移動制限も最も甘く、それでも感染曲線は緩やかという特殊な国です。また、SARSの時も死者どころか感染者も出さなかった不思議な国です。今回の新型コロナウイルスはSARS-CoV-2という名前の通り、SARSによく似たコロナウイルスでもあります。他の国とは一緒に論じられない、パラメーターも相当に変えないと計算式が成立しないような気がします。

サクラメントでの抗体検査ではPCR検査の50倍から85倍の感染者がいるとされていましたが、それをそのまま日本に当てはめると、COVIT-19の致死率はインフルエンザの半分以下ということになります。しかも、日本の検査数が極端に少ないことを考えれば、致死率はもっと低いことになります。かなり乱暴な推計ですが、楽観視もできる根拠とも言えます。もちろん、悲観的なシナリオもいくつも考えられます。


「60sp」様

コメント有り難う御座いました。

外出時に気を付けるのは基本中の基本ですね。目を守る必要があることは理解しているのですが、ゴーグルやシールドを着用する勇気がありません。実行されている「60sp」さんには脱帽です。今後、外でも老眼鏡をかけるようにしたいと思っています。

お互い、感染しないよう気を付けましょう。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

Pueyo氏の解説を御紹介しましたが、それは、私と同じレベルの知識しかないほとんどの方々への参考にという意味です。私にはとても勉強になりましたので。

特に、注目した点はいくつもあるのですが、その一つは、政府が公式に把握して発表している数値と、実際に感染したり死亡したりしている人の数の乖離です。政府発表の数値に頼っていては、対応が「手遅れ」になることが良く分ります。

日本についての様々な数値が、他の国との比較で同じような傾向を示していないことに注目する必要がある点、同感です。私が強調したいのは、まずは検査数、PCR検査でも、抗体検査でも、とにかく検査数を増やしてからでないと議論が始まらないのでは、という点です。

日本での死亡者数が少ないことについては、再度、考えてみたいと思っています。



4月22日の専門家会議の会見では、やっとPCR検査の拡充とサーベイランスとしての抗体検査の必要性に触れていましたが、政府の出すデータがどれほど信用できるかは別にして、今は疑う数字すらありません。

今の検査データで計算すると、新型インフルエンザに罹患する確率は、ざっとインフルエンザの千分の1です。もちろん、現実がそうであるとは思いませんが、現状はあまりに根拠のない要請ばかりで、これを素直に受け入れることには抵抗があります。とは言え、分からない以上、予防原則に従って自粛するしかありません。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、データを元にして方針を立て、それに納得した人たちが積極的に協力する、という好循環を作りたいですね。


いずれにしても、現状の日本では、検査数が少なすぎるの一言に尽きるという印象です。統計学で大数の法則というのは、一番最初に習う基本定理であり極限定理とも呼ばれるものです。

例えば、西浦教授は、検査数が少ない中、陽性率については、多重代入法により診断バイアスも補正して解釈していると説明していますが、その補正に使われた数式もパラメーターの値も、そして推定が成り立つ前提も示されていません。おそらく検査数が少ない中、ご苦労されて、様々な補正を行って推定されているのだろうとは思いますが、そうしたものを全て出してもらわないと、検証のしようもないと思います。宗教ではなく科学である以上は、信じられるだけの根拠が必要です。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃることに全面的に賛成です。分り易く説明するための例とは言え、ガールズバーに行く人を止めさせられないから、6割から8割にしたというような説明は、そのことによって日常生活に厳しい制限を加えられ、それこそ食べることにまで影響を受ける人にとっては、納得できるものではありません。

2020年4月20日 (月)

新型コロナウイルス危機・その9 ――感染者の年齢別分布とWHOのデータ――

 

新型コロナウイルス危機・その9

――感染者の年齢別分布とWHOのデータ――

 

これまでの考察の中で何度も言及してきた事ではありますが、改めて、資料として整理しておいた方が、後世への報告としては親切だと思いますので、三つほど整理しておきましょう。鍵は「若者」です。

一つ目は、3月初めに注目されていた「クラスター」です。クラスターを中心に集団感染が起きているから、クラスターを広げるな、という論調でした。そのクラスターの例として良く引き合いに出されていたのが、①北海道の雪まつり、②北見の展示会③東京の屋形船④市川や名古屋のジム⑤新潟の卓球クラブ⑥大阪のライブ・ハウス⑦東京、神奈川、和歌山の病院です。その時点では、これ以上クラスターが大きくなったり、広がったりしなければ感染はそれなりに収まるだろうという予測が出てきても不思議ではありませんでした。では、そのプロセスで、10代の子どもたちはどのような役割を果せたのでしょうか。

まず、これらのクラスターでは、直接10代の子どもが感染した例は報告されていませんでした。そもそも10代の子どもたちがこのような施設の中心的な利用者ではありませんし、ほとんど利用していないとまで言っても良いかもしれません。また、その他の利用者プロフィールを考えても、軽症の10代の若者が感染していたことが出発点になって、これらのクラスターでの集団感染が起きたと結論付けることはできません。

つまり、クラスターに注目する限り、「(10代の)若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます」という結論を導くのには無理があるのではないでしょうか。

次に、国立感染症研究所が、2月29日に公表した2月24日時点の数値を見てみましょう。感染者の年齢別分布は次のようになっています。

年齢の中央値は66.5歳(範囲15-89)、その分布は10代2例(2%)、20代7例(6%)、30代8例(7%)、40代9例(8%)、50代20例(18%)、60代13例(12%)、70代33例(29%)、80代20例(18%)であり、60代以上で約6割を占めています。

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「10代の軽症の若者が、感染源になって、高齢者がウイルス罹患している」 (これを命題Aと呼びます) という結論がまずあって、その上でこのグラフを見せられた場合、「そうなのか」という感想にはなるでしょう。論理的には矛盾しないからです。しかし、このグラフだけから、命題Aが正しいと主張することは、十分条件と必要条件を無視している論理になってしまいます。本当に10代の若者が感染源になっているのかどうかは、データを調べなくては分りません。

それに応えてくれる調査が存在します。WHOが、今年、2020年の2月16日から24日までの期間に調査し公表した、「COVID-19についての中国とWHOのJoint Missionによる調査報告書」がそれです。その11ページには、「Children」という項目があり、子どもの感染についての次のような報告が載っています。(私の訳)

18歳以下の個人についてのデータによると、この年齢群が、罹病者の中に占める割合は相対的に低い。(全体の2.4%)。武漢で、インフルエンザのような症状を示す人についてのデータ中、2019年の11月、12月、そして2020年の最初の2週間には、陽性を示す子どもはいなかった。手元にあるデータを元にすると、(その中には血清学的なデータはないが)、子どもの感染がどの程度広がっているのか、感染のプロセスで子どもがどのような役割を果すのか、子どもが感染し易いのかどうか、臨床的に症状が軽いのかどうか、についての結論を得ることはできない。Joint Missionが感染した子どもの存在を知るに至ったのは、主に、大人のいる家庭を追跡するプロセスであった。注意すべきなのは、Joint Missionがインタビューした人たちの中で、子どもから大人への感染があったという事例を経験した人はいなかったことである。

何万人もの人が感染している武漢で、日本も含めての世界の専門家が医学的・科学的な観点から調査した結果では、子どもから大人への感染例は知られていないし、子どもが感染した場合に症状が軽いという結論も得られていないのです。

となると、「一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたこと」として報告されている、子どもが罹ると症状は軽い、子どもから大人に大量にうつっている等の結論は、WHOの調査からは分らなかった国際的に注目すべき疫学的知見だということになります。当然、WHOに報告し、権威ある学会誌にも寄稿して世界で共有されるべき事柄です。しかし、それほどの画期的な「発見」について、3月中頃の時点では、WHOは何の反応も示していませんし、評価をしているようにも見えないのですが、何故なのでしょうか。

もう一点付け加えておくと、COVID-19については、日本小児科学会でも分り易いまとめを「Q&A」という形にして、2月28日に更新、3月3日に一部修正を行っています。その内容は、中国におけるデータを元にしており、WHOの結論とほぼ同じです。当然、子どもたちから大人にCOVID-19ウイルスが感染している、それが問題だという認識は示されていないのです。

WHOのウエブ・ページは英語ですが、この合同報告については、要旨を分り易くまとめた日本語のサイトがいくつかあります。二つ紹介しておきます。

https://comemo.nikkei.com/n/nf9f8eb998427

https://www.newton-consulting.co.jp/bcmnavi/column/who_point_of_corona.html

WHOのテドロス事務局長に対する批判は後を絶ちません。批判通りに今のWHOが真実を歪めた報告を出している可能性が全くないとは断言できませんが、国際機関が日本も含む多国籍の専門家を擁して調査した結果ですので、科学的な手続きについては一定のレベルは保障されていたと考えるのが常識だと思います。

このような国際的に認知されていた知見に反する言葉に守られてまで、何故安倍総理は「安倍宣言」を出したかったのでしょうか。次にその動機について考えてみたいと思います。

 [2020/4/20 イライザ]

 

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コメント

リーマン級のことが起きれば消費増税しないという安倍政権でしたが、リーマンを超える事態になっても消費税だけは守るようですね。

「減税派」様

コメント有り難う御座いました。

その時その時の自分の都合こそ真実だと信じている人たちの集団ですから、それもあり、なのでしょう。筋の通った政治のために、次の選挙を活用したいですね。


北海道の鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したのは2月28日でしたが、あの段階で日本の状況を確認できるデータへのアクセスは非常に困難でした。自治体のサイトでも、アリバイ的に出してはあるものの、まるで隠しているような公開の仕方で、データの内容もクラスター班が集めていた詳細な情報の大雑把で僅かな部分しか公開されていない、極めて不十分なものでした。

一方で、海外で地域によっては、日本からでも、感染者の発生に関する情報はもちろん、感染者がいつどこを通ったかという詳細な位置情報から、ウイルスの構造(型)による伝播経路や、病床の状態、マスクがどこで入手できるかということまで、最新の詳細な情報に簡単にアクセスできました。

クラスター班で理論免疫学の西浦博教授は4月10日の取材に「厚労省がなんでもいうことを聞く学者に、都合のいいものを作らせて出していた。」と言っており、官僚や政治家との意見調整に時間もかかっていたようで、彼らの苦労も想像はできますが、各国からプレプリントで情報が公開されている中、日本だけが根回しに時間がとられ、一周も二周も遅れた情報が開示されているということでは、変化に対して即応することが重要な感染症対策はとてもできそうにありません。

日本は、まだ楽観的なシナリオも書ける状況ですが、万が一、悲観的なシナリオになった時は絶望的です。

 

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

国からの発信が好い加減なのは今に始まったことではないのですが、この状況での実情をまとめて頂き、有難う御座います。私も、海外のサイトを頼りにしていましたし、今でもそうなのですが、1918年のスペイン風邪からの教訓も生きていますね。感染の仕方についてのモデルにも、その知見が取り入れられているような気がします。

この点については、「安倍宣言」の検証が一段落した段階で、エネルギーを充電して勉強してみたいと思っています。

官僚が出す情報は、「モリカケ」事件を思い出して頂ければ分るように、自分たちの都合で、捏造・改竄は当り前ですし、悪い意味での「依らしむべし、知らしむべからず」が基本方針のようです。でも、3月2日の「見解」では、「専門家」の一部もその風潮に感染してしまっているようで残念ずす。

2020年4月19日 (日)

新型コロナウイルス危機・その8 ――「専門家」による第二の「忖度」――

新型コロナウイルス危機・その8

――「専門家」による第二の「忖度」――

 

3月2日に公表された、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の見解」 (見解) には、「忖度」と呼んでも良い配慮が二つあります。その一つは、「軽い症状の10代の若者が感染源になり、高齢者等に感染させている」という指摘と、「全国の若者の皆さんへのお願い」ですが、それは前回までに、根拠のないことを示しました。今回は、第二の「忖度」です。

 

《感染の広がり方は都市から遠隔地だけではない》

「見解」は、「一両日中に北海道などのデータを分析した結果」という触れ込みで書かれていますので、それに誘導されて私たちは、その内容は北海道のみに限定されていると思い込みがちです。でも、ちょっと冷静に考えてみるともっと普遍性を持ち、全国的にも同じ状況が生じていても不思議ではないことが分ります。

例えば、北見市でのクラスターをモデルにした次のようなシナリオです。これは「見解」の中での標準になっていると言っても良いくらいの位置を占めています。

若者は、都会で感染し易い。しかし、その症状は軽いし、活動的でもあるので、感染に気付かぬままに「遠隔地」に出掛ける。その結果、「遠隔地」に住むお年寄りなどに感染させている

でも、これは北海道に限ったことではありません。一般論として、すんなり受け入れられる事柄です。それが、たまたま北海道のデータから、事実として確認されたのであれば、全国的にもそのような感染が起きていることに対する「警告」として捉えられるべき事柄です。

もう一つは、もし若者が「遠隔地」まで出掛けることで感染が広がっているとしたら、そしてその若者たちは都会で感染しているのだとしたら、都会の中での感染はもっと酷い状況になっていて当然だという推論は、論理的です。

まず、「遠隔地」に出掛けないけれども都会にい続ける若者は、「遠隔地」に行く若者より数は多いはずです。その若者たちも当然、「遠隔地」に出掛ける若者たちと同じ割合で、都会の中で感染しているはずです。そして、症状の軽いことも同じですから、感染したことに気付かず、都会に住む周りの人たちにうつしていると考えて良いでしょう。また、都会に住む高齢者の数も「遠隔地」よりは絶対数が多いはずですので、その分、感染している人も多くて当然です。

つまり、「遠隔地」に出掛けた若者からの感染が問題であるのなら、「遠隔地」に出掛けずに都市に止まっていた若者からの感染の方が、数量的にはもっと大きな問題だということになりませんか。

「見解」では、都市と「遠隔地」との間の交流の頻度が大きいことを問題にしています。だから、北海道では、「遠隔地」での感染数が大きいのだ、という説明です。それが本当だとしたら、都市内における交流はもっと多いはずなのですから、都市内の感染の多さこそ問題にされなくてはなりません。つまり、北海道で見られた、「遠隔地」での感染が多いという傾向は、北海道特定の傾向でも何でもなく、都市内での感染がもっと多いという事実が、何等かの理由で顕在化していないことを示しているのです。つまり、3月2日、あるいはその数日前の時点での北海道での感染状態は、当時報告されていた数字が表しているよりはるかに酷い状況だった、と考えられるのです。

感染症の「専門家」たちは、この事実を当然知っていたはずです。それは、「見解」の中で、次のグラフが使われていることからも明らかです。

Photo_20200416161501

これだけだと分り難いかも知れません。消し方が上手くないので、見苦しいグラフになっていますが、ここから、一部の線を消すと次のようなグラフになります。

Photo_20200416161601

これでもまだ不十分なら、もう一つのグラフをお見せしましょう。

Photo_20200416161602

4月7日の安倍総理による非常事態宣言と前後してマスコミで喧伝されたグラフです。接触を2割減らしても、ほとんど効果はないが、8割減らせば収束に向かうということを示しています。これを元に、8割減らして欲しいという安倍総理の要請が行われたのです。

つまり、何もしなければ爆発的感染になるという、衝撃的な内容が「見解」には含まれていたのです。それを前提にして考えると、何も「若者」に限って、行動を抑制して欲しいなどというマイルドな要請では不十分でしたし、「若者」に限っての行動抑制アピールは必要なかったのです。老いも若きも人との接触を減らさなくてはならないというメッセージが、この時点で明確に出されていたのですから。

にもかかわらず、「見解」において、その点は強調されなかったというのが、第二の「忖度」です。その代りに「若者」が強調されたということが第一の「忖度」です。何故、第二の「忖度」が行われたのか、それも皆さんお分りですね。習近平主席の訪日とオリンピックです。日本におけるコロナウイルスの蔓延を隠すことで、二つのビッグ・イベントを何とか実現させたいという意思が働いていたのでしょう。

あるいは誰の責任で、中止または延期になったのかという責任論の調整がついていなかったのかもしれませんし、自分は責任を取りたくないという意思が働いていたのかもしれません。そして、仮に「専門家」たちが、二つの目の「忖度」をせずに、「緊急事態」はもう目の前だといったとすると、「オリンピックを潰したのはお前たちだ」という非難に晒されることになったからだと考えると辻褄が合います。同時に、真実を愛する科学者たちがそんなレベルの配慮をするなどとは考えたくありません。

さて、一斉休校に戻ると、鈴木知事の休校要請は褒められ、安倍総理の休校要請には批判が多かった、そして「見解」はその「安倍宣言」が正しかったという掩護射撃のためのシナリオだったという解釈では、鈴木知事も同じ穴の狢だということになりますが、それはどう説明するのでしょうか。

一寸微妙な点ですので注意深くお読み頂きたいのですが、「見解」は結果として、安倍総理の掩護射撃になっています。でも、鈴木知事の場合は無関係なのです。この点を説明しておきましょう。

  • 第一に、北海道では、学校関係者が感染して子どもたちにまで感染の広がる可能性が高かったのです。また、東京以上の感染者がいたことも大きかったでしょう。
  • もう一つは、その危機感を裏付けるデータが知事の手元にあったに違いないことが推測されるからです。データの解釈については当然、知事にも報告が上りますから、事の重大性を知事は十分に認識していたはずです。4月7日の安倍総理の「非常事態宣言」と同じように、2月26日に鈴木知事は、休校要請を行い、続けて28日には「緊急事態宣言」を出しています。法的根拠がない宣言ですが、それでもこの宣言を出さざるを得ないという危機感があったに違いないのです。その一部として、そして第一段階として出された休校要請には、整合性があるのです。それ以上に、鈴木知事は事態の深刻さを良く理解し、「当事者」として真剣に道民に訴えかけたのです。その気持が多くの道民の心を打ち、「本当のリーダー」としての評価が固まったのです。

 [2020/4/19 イライザ]

 

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コメント

これも本筋から離れたことですが、私は専門家の分野による違いも混乱を招いているような気がします。高度になればなるほど扱う分野の幅は狭くなります。クラスター対策班の押谷仁教授は「のどから排出するウイルスの量は重症度ではなく、年齢に関連する傾向がある」と述べ、新型コロナウイルスは年齢が高いほど、人に感染させやすい傾向があると報じられています。

ここで注意なのは、押谷仁教授は微生物の専門家であるという点です。公衆衛生や臨床という観点はもっと複雑です。

新型コロナウイルスはエアロゾル感染=空気感染する、かのように報じられましたが、その元になった論文は新型コロナウイルス=SARS-CoV-2の存在時間をまとめたもので、空気中を含め、物の表面の違いで、どのくらいの時間ウイルスが存在するかという論文でした。そしてエアロゾルはネブライザーで人為的に発生させたものであり、通常では起こり得ない状況での実験だったわけです。

ウイルスが存在するということと、感染するということは同義ではありません。論文に書かれていたのは最大時間と半減期ですが、それを手で触った時に、物によって手にうつる量が違うことや、そもそも人がどれほどの量で感染するのかということは分かっていないことです。多くの論文は専門家のためのもので、そうした当たり前のことは書かれていません。

つまり、この論文は単にウイルスの研究でしたが、多くの報道は、まるで空気感染するかのようなものでした。専門家は「エアロゾル感染は日常では起こらない、気管挿管などの特殊な状況で起きる」とは解説していましたが、そもそもこの研究そのものが感染の一要素に関する研究でしかないという説明はありませんでした。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘の様な誤解は確かに問題ですね。前にも書きましたが、マスコミの報道には、自分たちの思い込みや隠された意図に従った「シナリオ」が事前にあって、それに基づいたものが多い傾向があります。それに、「スクープ」をしたいという気持も強いようです。ですから、専門家が注意深く、現実の世界にこの研究結果を当てはめることは出来ない、と伝えてもその部分が無視される可能性は高いと思います。

それと同時に、専門家の中には、自分の専門と実際の社会の違いについての認識が不十分な人もいますし、説明の上手くない人もいます。この研究が、実社会には適用できないという発言をするまでもないと、思い込んでいる人もいるでしょうし、そんな発言をすべきかどうかにまで頭の回らない人もいますので、事は複雑です。

専門的な研究結果も解読でき、それがどのように限定されているものかも理解し、警告とともに分り易い、市民レベルでの解説・解釈・通訳のできる人の役割がますます重要になっています。

その能力に長けている「工場長」さんに期待しているのですが、ブログでも小冊子でも良いと思いますので、分り易いそして正しい、私たちのためになるコロナのまとめ、を是非近々お願いします。

 

コロナ禍で各国首脳の支持率が上がっている中、安倍首相は支持率を下げている珍しい首相です。ある意味、ヒットラーになるほどの実力はないということで安心です(笑)



「楽観」様

コメント有り難う御座いました。

鋭い指摘を有難う御座います。さらに支持率が下って、安倍時代が終ることを祈っています。


都知事やマスコミが若者と言ってますが、私は正確では無いと思います。

感染拡大をさせているのは、日本中を動き回る出張族です。一日で複数の都市を廻ります。また夜の繁華街で接待を伴うサービスをしているクラブやラウンジやキャバクラに行くのも大人です。
若者はお金がないから安い居酒屋です。
また、若者は用もないのに簡単に遠隔地に行きません。都会から遠隔地に行くのは営業マンです。若者が行くとすれば、地元に帰るくらいです。
大企業トヨタのある愛知県で最初に多く見つかったのは営業マンや出張族が多く集まるからだったと思います。
感染症で最初にするのは移動の制限だと思います。でも、政府は企業に在宅ワークを勧めても、出張の自粛要請をしていたように感じません。
そして、東京都などに緊急事態宣言が出ていても、広島から転勤させてます。
それと、検査基準にも大きな問題があり、この基準に達して無いと検査しない。つまり感染してないと間違ったメッセージを伝えていると思います。この基準には職業や普段の生活行動を聴きません。看護師や介護士などの職業なら、発熱が一日で治っても、4日間または2週間は自宅待機して出社してはいけないとすべきです。
五日市のクラスターはこれが徹底されていたら防げたのではと思います。
福島第一原発の事故でも想定外としてましたが、いまの日本の政治家や官僚には、お金が大切で、緊急時に対する想定は非経済だとして考えが足りないのではと思います。
インバウンドとか海外からの旅行者の人数を増やす事は一生懸命ですが、海外から持ち込まれる風土病なんて考えてはいなかったと思います。
このコロナが流行し始めて、海外からの帰国者や入国者の検査はレベルが低すぎました。



なかなか全体像を文章にするだけの力量がないので、横から細切れのコメントばかりでお許しください。

物事を説明するのは本当に難しいもので、例えばマスク一つについても何度か書きましたが、満足には書けていません。参考にクルーズ船の状態を明らかにしたことで有名になった岩田健太郎医師の説明を紹介しておきます。

このラジオ番組では学校の一斉休校についての数学的検証もされていますし、価値観の転換が必要、相関関係と因果関係は違う、日本は検証しないから反省しないことの繰り返し、安心は危険など、私自身もいつも思っていることを語られています。
https://youtu.be/WK-cltVTmU4?t=1488


「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

17日の、このシリーズの6で問題提起だけした点について、企業という視点から分り易く説得力のあるコメントを頂き、百人力を頂戴しました。

政府の態度は、何もかも「他人事」として扱っているように見えます。「当事者意識」を持って貰うにはどうすれば良いのか、一緒に考えて頂ければ幸いです。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

岩田先生のラジオ番組は聞き応えがありそうですので、ゆっくり拝聴させて頂きます。でも1時間というのは、大変ですね。それで気付いたのですが、YouTubeには、山中伸弥、尾身茂両先生の対談などもアップされているようですね。

それと、岩田先生は、ダイヤモンド・プリンセス乗船後はバッシングにあい、既存メディアを通して表に出ることは少なくなったような気がしていたのですが、元気に活躍されているようで嬉しかったです。


動画のリンクは開始から25分のところからスタートで2倍速で15分あれば聴けれると思います。

また、岩田健太郎医師の書いた「新型コロナウイルスの真実」という本が3月段階で書かれています。新型コロナウイルスについては、その後に分かっていることも多くありますし日本のフェイズも変わっていますが、今の状況を見るにも、このくらいのことは知っておいた方が良いと思います。つまり、少なくともこのくらいの知識がないと、なかなか理解できない事象であるとも言えます。「今の医療では正確な診断はできないが判断はしないといけない」というのは、私の主治医もよく言っていたことですが、これまで医療従事者から聞いてきたことも多く書いてあります。
日本の官僚の問題点や、専門家の忖度や問題点、社会問題などにも触れてあり、一読の価値のある本です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4584126100/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_HMcNEbMPYSNVJ

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

岩田先生の『新型コロナウイルスの真実』、早速注文しました。「平時」なら、「工場長」さんがまとめて下さった開設を読むことで手っ取り早く全体像が見えてくるのですが、今回は、かなり手強いですね。自分でも格闘した上で、何とか全体像を掴みたいと思います。

2020年4月18日 (土)

新型コロナウイルス危機・その7 ――10代の若者に焦点を合せる (2)――

新型コロナウイルス危機・その7

――10代の若者に焦点を合せる (2)――

 

昨17日の続きです。「見解」から読み取れる第一の「忖度」の第2部です。

 

《データに即して考えてみよう》

北海道での3月2日までの77人の感染者について、10代の若者の数を調べてみると、10代の若者は2人、10代未満は4人で、つまり20代未満は合計6人です。居住地は、千歳が1人、上川が3人、胆振が1人、十勝が1人です。

 

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千歳以外の人は、上川、十勝、胆振という比較的「遠隔地」に住んでいます。つまり、「見解」が提示しているシナリオである、都会で感染した若者が、未だ軽症でそれに気付かない内に「遠隔地」に移動して、その結果、その地域に住む高齢者を感染させている――には、当てはまらないのです。

札幌の雪まつりで感染した若者が、「遠隔地」に移動してその地域の人が感染するというシナリオの典型例として良く引用されていたのが、北見市の展示会ですが、この6人の子どもたち、特に10代の2人のうちの誰かが、札幌の雪まつりに参加した後、北見市まで出掛けていて、都市と「遠隔地」を結び付けるリンクの役割を果したのでしょうか。

北見市ではなくても、どこか「遠隔地」まで足を延ばしたことは確認できたのだろうと思います。それを前提に考えましょう。仮に北海道の子どもたちがとても元気で、札幌から北見等への移動も実際に行っていたとしても、恐らく一人で行動したのではなく、大人の保護者に連れられてのことに違いありません。

となると、WHOと中国の合同調査の報告 (合同報告) の内容が関わってきます。あと数日先に紹介するWHOと中国の合同調査の結果を勘案するとすぐ分ります。武漢での経験では、子どもたちが感染しているのは多くの場合家庭で、しかも両親か祖父母といった大人からの感染です。しかも、子どもが大人にうつしたという事例は、調査団では見つけられなかったようなのです。

このことだけから、北海道のデータは使わなくても、10代の子供から大人にうつした可能性は低いのですから、「見解」の結論とは矛盾します。

でもそれは一般論ですので、実際に10代の子どものどちらかが「遠隔地」に行っていたと仮定しておきましょう。しかしその場合には、その保護者も感染していて子どもにうつしていた可能性も考えなくてはなりません。その方が蓋然性は高いとも言えそうです。そうだとすると、ここでは可能性の議論をしているのですからその延長線上の可能性として、感染源として保護者が果した役割にも注目しないと、決定的な結論にはならないことになります。

さらに、北海道に限らず、2月末に注目されていた「クラスター」を見てみましょう。クラスターを中心に集団感染が起きているから、クラスターを広げるな、という論調でした。そのクラスターの例として良く引き合いに出されていたのが、①北海道の雪まつり、②北見の展示会③東京の屋形船④市川や名古屋のジム⑤新潟の卓球クラブ⑥大阪のライブ・ハウス⑦東京、神奈川、和歌山の病院です。その時点では、これ以上クラスターが大きくなったり、広がったりしなければ感染はそれなりに収まるだろうという予測が出てきても不思議ではありませんでした。では、そのプロセスで、10代の子どもたちはどのような役割を果せたのでしょうか。

まず、これらのクラスターでは、直接10代の子どもが感染した例は報告されていませんでした。そもそも10代の子どもたちがこのような施設の中心的な利用者ではありませんし、ほとんど利用していないとまで言っても良いかもしれません。また、その他の利用者プロフィールを考えても、軽症の10代の若者が感染していたことが出発点になって、これらのクラスターでの小規模の集団感染が起きたと結論付けることはできません。

つまり、クラスターに注目する限り、「(10代の)若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます」という結論を導くのには無理があるのではないでしょうか。

こう見てくると、「見解」が述べているような事実の把握やシナリオには無理があるのです。つまり、「一両日中に北海道のデータを元に分析した結果」として、10代の若者が感染し、そのことに気付かないまま「遠隔地」に住む高齢者を感染させた (可能性が高い)、という結論を得ることは、100%不可能ではないにしろ、大変難しいのです。

にもかかわらず、「10代の (若者の) 皆さん、 (略) 「皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。」というメッセージにしてしまうのは行き過ぎでしょう。

もっとも、このメッセージがあれば、そこから、「そのためには、学校に行かないで家にいるのが一番」という結論を引き出して、「休校」という措置を権威づけることは簡単にできます。結論としては成立しにくい主張を柱とするシナリオが出現してしまったという事実を、「忖度」という言葉で表現してもおかしくはないでしょう。

でも、2月終りの出来事を覚えていらっしゃる皆さんは、このことから一つの矛盾があるかのような印象を持たれたのではないでしょうか。それは、2月26日には鈴木知事が、北海道内の小中高等学校の休校要請を行っているからです。鈴木知事なら良くて、安倍総理ではいけないという恣意的な判断など受け入れられない、と考える方がいても不思議ではありません。

しかし、この「矛盾」はもう一つの「忖度」に気が付けば氷解してしまうのです。それは次回に回しましょう。

 

[2020/4/18 イライザ]

 

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コメント


政府は法改正まで行って緊急事態宣言を出しましたが、未だに医療現場ではマスクもガウンも不足しているというのが理解できません。先月、私が中国から買った激安の電子機器には期せずしてマスクが数枚おまけで付いてきました。楽天でもマスクは相当量出ており、街の薬局でも、いつでもあるというわけではありませんが、時々には入荷しています。

それなのに医療現場では「汚れたマスクやガウンを使い回すのが当たり前になった。」という総合病院まで出ているという有様です。政府は何のために緊急事態宣言を出したのでしょうか。「球を打ったバッターが三塁に向かって走り出しているのを皆で応援している」という喩えが当たっているように思います。
https://www.youtube.com/watch?v=XnN0YzOHTGk



本論から外れっぱなしで申し訳ないのですが、ついでに応援団のことです。

テレビによく登場する安倍応援団の田崎史郎氏がテレ朝の番組で「肺炎で亡くなった人のことを、あとでCT検査をして、これでコロナかどうかいちいち判断しているんですよ」と言いましたが、毎日数百人も亡くなっている肺炎で死亡する人に対し、そんなことができるはずのないことは、医師でなくても少し考えれば分かることです。もちろん、それ以前に診断はしているわけで、してもしなくても有意なデータがないことに変わりはないのですが、こういうあり得ないことを堂々と解説している応援団も多い気がします。

新型コロナウィルス危機の冒頭を読んだとき、「これは、頭の冴えている朝でないと読めないぞ」と、読むのを中断しました。

やっと今朝、1から7までコメント含め一気に読むことができました。

新型コロナに対して感情的なコメントばかりが溢れるなか、論理的、的確な批判、さすがです。(忖度ではありませんよ)
被爆者援護法からコロナ対策まで連綿と続く「受忍論」は、目から鱗の思いで読みました。
私は、「安倍宣言」は、北朝鮮ミサイル説だと思っています。
「桜を見る会」への批判が頂点に達し、いよいよ安倍政権も詰んだな、と思えたその時、安倍宣言が出されたのです。一気に世論は新型コロナにひっくり返りました。
お見事!と言うしかないです。
宣言が出されたとき、文部大臣がひどく怒っていました。その理由がこのブログを読んでよくわかりました。
これからは、ブログがアップされるのを心待ちにしそうです。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

貼り付けて下さったYouTubeの[せやろがいおじさん]、説得力ありますね。楽しいですし。

「非常時だから批判はするな」は、戦争中の、(ではもう何時の事か伝わらなくなっているのかもしれませんが)、大本営発表以外は許されない言論統制と同じです。そして全ての言説が戦争協力と煽動一色になった歴史は覚えておかないといけないと思います。

医療現場での悲惨な状態は、「忖度」官僚制度の結末だと思います。詳しく検証したいと考えていますが、「殿」の単純な思い付きには対応できても、実社会の複雑な問題解決をする能力を、安倍政権は完全に失ってしまったのではないでしょうか。

応援団の「スシロー」氏は、恥ずかしげもなく安倍政権の本音のところや、個人的なエピソードを語ってくれるので役立つこともあり、何より彼の「ピエロ」振りは政権と市民の距離の遠さを生々しく伝えてくれますので、安倍政権の劣化度を示すバロメーターにはなっているような気がします。

「三原の暇人」様

コメント有り難う御座いました。

このシリーズをお読み下さり、有難う御座います。No.1からNo.7まで、一気に読むのは大変だったと思いますが、感謝・感謝です。

「安倍宣言」の際の荻生田文科大臣の怒りは、文科省の官僚の中に、例えばインフルエンザ対策についての経験を理解し、現場との連携を重んじていた人が何人かは残っていたことを示しているのだと思います。そんな人たちと手をつなげると良いのですが。

黒死病=ペストが世界的に流行した時、ヨーロッパではポーランド・リトアニアだけが感染者数が極端に少なく、その理由は、ウォッカ(=高濃度アルコール)でテーブルを拭く習慣があったとされています。(それもあってユダヤ人陰謀説もなく、多くのユダヤ人が移住しました)

世界最古の公衆衛生大学院を有し、US
Newsの格付けが開始されて以来ランキング1位を保っているジョンズ・ホプキンズ大学は各国で50人の感染者が出た時からのデータを線形または対数スケールで表していますが、ある規模以上の国家では日本だけが極端に低い感染者の増加になっています。決して日本が追いつこうとはしておらず、ロックダウンされた各国が、対策のなかった時期の日本を追い越している様子が分かります。

十把一絡げの統計データばかりでなく、こうしたことの原因の究明も、その分野の専門家には、もう少し積極的に取り組んで欲しいと思います。

先のコメントに補足しますが、日本の検査データは少ない上に、正しくサンプリングされたものでもありませんが、人口あたりの死者数が欧米とは未だに二桁違うということを付け加えておきたいと思います。これから先に、ウイルスもの変異や、違うルートからのウイルス(ウイルスの感染ルートが各国で違い、その差もあります)による感染増大も可能性としてあり、その対策は必要ですが、これまでの事実として、日本だけが何もしていない状況でも感染が拡がらなかった(インフルエンザなどと比べ)ということは早期に解明されても良いことだと思います。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。かなり専門的な御指摘を有難う御座います。感染者数や死亡者数について、おっしゃるようにデータのとり方やその質と量がずいぶん違いますので、国際比較は難しいのですが、それでもありとあらゆる角度からの国際比較は必要です。近い内にそれらのデータをいくつか使って考えてみたいと思います。

その中で、御指摘のように、死亡者数や致死率が鍵になります。

2020年4月17日 (金)

新型コロナウイルス危機・その6 ――10代の若者に焦点を合せる――

新型コロナウイルス危機・その6

――10代の若者に焦点を合せる――

 

昨日16日には、「全国一斉休校」を宣言した安倍総理の決定の正しさを掩護射撃するかのように発表された専門家会議の見解そのものには、主な主張についての根拠が明示されていないことを指摘しました。「エビデンス」がないままに、結論だけが示されているということです。

しかしながら本来、専門家が何の根拠もないままに、「見解」を示すことはないはずです。きちんとしたデータがあり、それを元に論理的・合理的な議論を経て結論に至ったと考えるべきなのです。その前提で「見解」を読み直し、さらに、必要のあるところでは、恐らくこのようなチェックをしたであろうことを補いながら論を進めてみました。その結果、途中の踊り場ごとに確認すべきポイントが浮び上り、それらのポイントから次の展望も開けることが分ります。それがどのようなものか見て行きましょう。

「忖度」という言葉が適切かどうかは論が分れるかもしれませんが、「専門家」の「見解」から、少なくとも二つはそう見えてもおかしくはないポイントが浮び上ったのです。

全部を一度にアップしたいのですが随分長いので、そうなると「分量」に圧倒されて、読む気が失せる可能性が大きくなるのではと心配しています。不本意ながら途中で切ってアップします。続きを期待して頂ければ幸いです。

 

《10代に限定して考える》

専門家の「見解」に対する反論をきちんと行うために、まず、「見解」で述べられている内容を論理的に整理します。「見解」中での専門家の主張は「10代、20台、30代」を一括りにして行われているのですが、これは余りにも大雑把過ぎます。

20代の前半には大学生や専門学校等の生徒も入るので、少し複雑ではありますが、成人して社会生活を送っている20代、30代の若者と、高校生以下の小・中・高校生の生活パターンは大きく異なっているからです。その点を重視して、以下、私の反論は「10代の若者」についての専門家の考え方に絞った上で、「全国一斉休校」の非論理性に切り込みたいので、もう少し詳しくこの点を説明します。

ですから、10代の若者についての以下の反論が正しいとしても、20代30代の若者には当てはまらない可能性もあります。また、感染して症状の出ている人を治療するに当っては、年齢という情報が大切であることは言を俟ちませんが、感染を防止するという観点からは、個人個人の行動を律することが基本ですので、どのような日常生活を送っているのかという視点からの類型化を行った上で、データを整理することにももっと力を入れなくてはならないのではないかと思います。たとえば、4月になってからはっきりしてきた、30代の人たちの感染数が多いことを年齢層と関連付けるだけでなく、満員電車で通勤している人という、活動パターンの括りで一まとめにしたデータとして取り扱うといった点です。

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《「見解」の結論を得るためには》

「見解」の中の重要な結論の一つは、「若年層に、症状の軽い人が多いと考えられ、そうした人々の一部の人が他の圏域に移動することで、北海道の複数の地域に感染が拡大し」です。「他の圏域」とは、高齢者が多く住む遠隔の地域ですので、分り易く「遠隔地」と呼んでおきましょう。この特別の場合として、「症状の軽い10代の若者が、「遠隔地」に移動し高齢者への感染を広めた」とまとめておきましょう。これを命題Aと呼びます。

さて、命題Aが正しいと主張するためには最低限、後にPCR検査で陽性になった10代の若者が、未だ症状の軽い内に、あるいは全く症状が出ていないときに「遠隔地」に行っていなくてはなりません。「遠隔地」に住む高齢者が、10代の若者の住む地域まで移動していた可能性や、その他の可能性についても議論する必要はあるのですが、論理的な意味では、若者が移動した場合だけ考えておけば、その他の可能性は容易に類推できますので、この命題を俎上に上げるだけで十分です。「見解」では、当然、命題Aを正しいと主張している訳ですので、「専門家」たちは、陽性が分る以前の段階で10代の若者が、遠隔地に行ったことを確認しているはずです。それはどのように行ったのでしょうか。データを見てみましょう。

 

《データに即して考えてみよう》

北海道では、感染者一人一人についての情報を公開していますので、「見解」が発表された3月2日までの77人の感染者について、10代の若者の数を調べてみました。10代の若者は2人、10代未満になると4人で、20代未満は合計6人です。居住地は、千歳が1人、上川が3人、胆振が1人、十勝が1人です。

これだけのデータから、色々なことが分ります。「見解」の結論に疑問符が付くようなこともいくつか出てきます。たとえば、より詳しくは、回を改めて取り上げますが、WHOと中国の合同調査の結果、分っているのは、18歳以下の症例は全体の2.4%だということです。2月28日までの北海道の場合、20代未満で約8%ですので、かなりの差があります。それもそのはずで、総数77というサンプル数の場合、その数字を使って一般的な傾向や統計的な結論を読み取るのは不適切なのです。

逆に、合同調査の結果を生かすのであれば、20代未満の感染者が6人いるのですから、それが全体の2.4%だとすると、この時点で北海道には、100%に当る250人の感染者がいてもおかしくはない、と判断すべきなのです。

[長くなりましたので、ここで一旦、切ることにします。続きは明日御覧下さい。]

[2020/4/17 イライザ]

 

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コメント

はっきりしているのは日本には統計的に有意と思われるデータはない、ということだと思います。感染の状況が海外と日本でここまで大きく違うと、海外のデータもあまり参考にならないかも知れません。

人間も自然も社会もあまりに多くの要素があり、いくら多変量を解析する統計学を使っても簡単ではなく、かつてポリオの原因がアイスクリームだと結論付けられたようなことが未だに行われており、人間の推論や計算力の限界をみることは多いです。

それに、例えば、統計的に性差が有意であっても、個々の人間はそれに当てはまるものでもないように、統計的な結論だけから、個々の人間の行動を決めることは、かなり無茶なことだと思いますし、そんな単純な事象はなかなかないとも思います。今の疫学はあまりに統計学頼みになっているという印象もあります。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

人間一人を理解するだけでも、その一人の複雑さ故に難しいのですから、一億もの人の集まった社会やその中に何千年も掛ってできてきた制度まで含めて、時代的背景に沿った解釈をするなんて、まず不可能だと思った方が良いのかもしれません。

「だから」、神の存在を信じるのか、進化論の偉大さに感激するのか、どちらを取るのか、これも難しい選択です。

政治家の立場からは、「全体の奉仕者」としての義務をどう具体的に展開して行くのか、と言えるのではないかと思います。それは、政治の世界に入って以来、毎日苦闘してきた事でしょうから、その総決算を示して貰いたいですね。



東京では医師会が主導してPCRセンターを作るようですが、国は非常事態宣言まで出しながら、非常事態であるデータを取ろうともしなかったことは不思議なことです。医師会の会見では検査数そのものが変動している中で、陽性者数だけ出しても、実体の把握にはならないと言っていましたが、今の政府には、実体の把握はしない、資料は廃棄する、隠蔽する、改ざんする、ということが染み付いているのでしょうか。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のようにデータを取ろうともしないのは、データとは何なのかを知らないからだと思います。それ以上に、言葉とは何かについての認識が私たちとは違っているのではないでしょうか。

資料や言葉の無視、廃棄、隠蔽、改竄、剽窃等、どれも自分に都合が良ければ、正義であり真実だということなのでしょう。

最近の一番あからさまな例は、人と人との接触を「7割」減らせば、事態は収束すると再三再四、安倍総理が言い続けていることです。西浦教授の予測では「8割」ですよね。ということで、今、多分厚労省のお役人たちは、西浦教授のモデルを改ざんして、「7割」でも収束するという結果になるよう、部下たち、そして御用学者たちを督励しているのではないでしょうか。

専門家ということで付け加えれば、当初ウイルスの正体が分からない段階では、水際対策しか手段がなく、感染症の専門家が先頭に立つとしても、感染が拡がり、ウイルスも分かってきた段階の感染防護となると、公衆衛生の専門家が重要になりますし、出口戦略のためには経済学者やゲーム理論などを専門とする社会科学系の専門家も重要だと思います。欧米は既にそうした戦略を準備しているようですが、日本は未だに初動体制のままのように見えます。このままではCOVIT-19より政府の対策で亡くなる人の方が多くなりかねないとさえ思います。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃる通りです。自分たちの言う通りのことをするトップをおだてて使っている内に、立身出世の欲望に負けて「忖度」競争に走った結果、コントロールが利かなくなっているのが今の官僚体質の姿なのではないでしょうか。

かつての人類は、天動説と自動説のどちらが正しいのかで大論争をしましたが、今の日本には、「晋三説」しか存在しなくなっている観すらあります。

2020年4月16日 (木)

新型コロナウイルス危機・その5 ――専門家が事実を曲げて「忖度」して良いのか――

新型コロナウイルス危機・その5

――専門家が事実を曲げて「忖度」して良いのか――

 

前回、14日には、「安倍宣言」によって実施されることになった「全国一斉休校」がそれまでの方針と違うのは、感染者や濃厚接触者が一人もいない学校や地域でも、「休校」にしなくてはならないという点であることを確認しました。その理由として挙げられたのは、「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え」なくてはならないという点なのですが、それは誰にも反論できない命題です。でも、そんな一般論から直ちに、「全国一斉休校」という結論に至るような因果関係は見出せません。感染者や濃厚接触者のいない学校まで休校しなくてはならないほどの大鉈を振うのには、何らかの「理由付け」が必要でしょう。

 

《専門家による後付けの説明》

事実、その必要性は、政府の専門家会議のメンバーである「専門家」にも共有されていたようです。安倍総理の2月29日の記者会見をフォローするタイミングで、しかも「突然」に、(としか見えなかったのですが) 専門家から新しい理由付けが現れたのです。前にも言及した、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の見解」 (以下、「見解」と略) が、3月2日の月曜日に発表されました。これが、27日の「安倍宣言」と、その説明として開かれた2月29日土曜日の安倍総理の記者会見をフォローする役割を果したことは言うまでもありません。見解の冒頭の部分と一番最後の部分が休校の効果を述べています。引用します。(なお全文は、厚労省のホームページの中「政策について」のタブからアクセスできます。)

 

1.この一両日で明らかになったこと

(1)症状の軽い人からの感染拡大

これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。

 

(中略)

6全国の若者の皆さんへのお願い

10代、20代、30代の皆さん。

若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。

でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、

重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。

皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、

多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。

 

「一両日中」と断っていることから、2月27日の「安倍宣言」と29日の記者会見が視野に入っていることは間違いなさそうです。そしてこの「見解」を読んでまず感じたのは、最初と最後の部分がこれほど強調されているのは何故か、ということでした。ことによると、「症状のない若者のせいで高齢者等の重症化が進んでいる」という主張を、既に完成している文書に付け加えたのではないかとさえ思ってしまいました。

それは、最初と最後の部分を除いた「見解」は、25日に確認された「基本方針」を元にした「旧方針」をそのまま踏襲していることからも分ります。見解では、そこで描かれている状況が「次の段階」に進んでいることを示しています。

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3月5日の感染状況

ここで一言お断りしておきたいのは、本稿では「旧方針」そのもののメリットについての議論は行わないということです。もっと早く、これこれこういう「基本方針」を策定しておくべきだった等については不問に付すことにします。安倍内閣のコロナ対策そのものが最初から的外れしかも遅きに失していたことは、別の機会に検証しておきたいと考えています。

さて、ここで最も問題にすべきなのは、「見解」には、その主張を裏付ける「エビデンス」が示されていないことです。「この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきた」のであれば、それはどのような事実を示しているのか、元になるデータも含めて、どのような分析をした結果、どのような結論が得られたのかを分り易く説得力のある形で示す必要があるのです。

より具体的には、「若年層は重症化する割合が非常に低く」、その若年層の人々が高齢者の住む地域に移動したため、「多くの中高年層に感染が及んでいる」 (正確には、「可能性がある」を付けなくてはなりませんが、煩雑になりますので、論理的にどうしても必要な場合に再登場させます) と主張しているのですから、専門家にはデータによってこのことを示す義務があります。前半は、たとえば2月28日に公表された、WHOと中国の合同委員会の報告 (以下、「合同報告」と略) を引用する形でも構いません。

事実、「合同報告」には、前半の結果については報告があります。後半の「多くの中高年層に感染が及んでいる」ことは、それ自体、公表されたデータから明らかなのですが、それが、「若年層の移動の結果である」ということの説明は必要でしょう。感染症の場合、正確にはうつった「可能性」なのですが、可能性を論じるにしても、うつす人とうつされる人とが、同じ時間にあるいは、時間が違っても同じ場所にいたことがあることは最低限の条件です。「見解」を読んでも3月1日までに公表されたデータ全てをチェックしても、一般論としての可能性を超えているレベルの情報として、このような結論を得ることはできませんでした。となると、専門家は公表されていないデータを持っているのだと考えざるを得ません。

たとえば、10代、20代、30代の若者何人にPCR検査をして、その結果、何人が陽性になったのか、そのうち何人が軽症なのか、何人が重症なのかといった情報です。さらに、その中の軽症の子どもたちから高齢者にどのような形で感染されているのかの可能性について、可能性のレベルの話だったとしても具体的な経路を示した上で、それがその他の感染の仕方より頻繁であることを示さなくてはなりません。それを公表して初めて説得力が生じるはずなのですが、「見解」では、「途中経過は公表しないが、結論については専門家の言うことを信じて下さい」という暗黙の前提があるようです。次回は、それを「信じて」考えることにしたいのですが、事は休校に関連しています。となると「若者」の内でも10代の子どもたちに焦点を合せなくてはなりません。特に10代の子どもたちについてのデータは重要です。次回は、この年齢層に的を絞ります。

 [2020/4/16 イライザ]

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コメント

本論とは外れた長いコメントをお許しください。


COVIT-19の対応について「かつてないこと」だと思うのは、インフルエンザであれば、発症した人が医師の診断を受けて、その結果に基づいて、統計的に年間数百万人という感染者の数や、超過死亡数が年間数千人という計算をしますが、COVIT-19に関しては、行政が決めた条件に合った人だけが検査され、その感染者と接触した人は無症状であっても検査されて、保菌者は感染者としてカウントされるということです。

しかも、全く未知の感染症であれば、予防原則に従って最大限の防御態勢を取ることもあり得ますが、かなりのデータが揃い、指定感染症に指定された結果、特措法は使えなくなった段階でも、従来とは全く違う調査方法が続けられ、かと言って、サンプリングでデータを集めることもなく、特殊な集計結果が報じられているということです。報道されるグラフも殆どは感染者の累積数で、従来の週毎の新規感染者数グラフとは大きく違ったものを見せられています。

現在、都市封鎖をしてもなお感染が収まらない地域、例えばニューヨークなどでの感染防御の成功例をみていると、人から人より、人からモノ、そしてモノから人という接触感染が予想以上に多いのではないかと思わせますが、専門家会議はクラスター班が主導している人の無差別な移動制限に終始しています。

「新しもの好き」である私が勘ぐれば、この異例の対応は、学者としての「興味」ではないかとも思います。人間を対象とする医学の難しいところは、人体実験ができない、という点にもあります。クラスターのみをおいかけ、通常ではできない移動制限や行動制限をしてみる、そんな社会実験を行うには二度とないチャンスです。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。また、コロナ問題を理解する上で大切な御指摘に感謝しています。それに触発されて私もちょっと長めに。

今回が例外的なケースであることの一つは、御指摘下さっているようにデータそのものの信頼性が低いことだと思います。たとえば、厚労省の発表している数字を見ても、PCR検査数がマイナスの日があるのです。それは、それ以前に報告されたある自治体からの数字が間違っていたので、その修正を行ったからだとの説明がありました。となると、「累計」の方が信頼できることになります。

また、PCR検査の信頼度が低いという主張は、「だから検査数は増やすべきではない」という主張と一緒になされることが多いのですが、「日本の場合は、感染者数が他国と比べて少ない。それは、政府の対策が効果的だからだ」という主張の際には完全に無視されています。

感染者数の爆発的増加についての予測も、どのようなモデルを基に計算しているのかが分りませんし、それが分っても我々素人には、そのモデルが適切な物かどうかの判断はまずできません。

それやこれやで「専門家」不信に陥り勝ちなのですが、「専門家」と市民の間に立って、通訳のような役割を果してくれる人がいると助かります。「工場長」さんにお願いできると有り難いと考えているのですが---。


今日、全国医師ユニオンの緊急要請会見が行われ、医師への処遇改善などを中心にPCR検査の拡大なども要望されていましたが、事務局長(総合内科、腎臓内科、HIV診療科の専門医)が「感染症内科の専門医など数えるくらいしかいないし、その専門医も結核などの専門である。ウイルス感染症の専門医もSARSもMARSも国内発生は僅かで殆ど経験していないし、COVID-19は全く初めてで、治療に長けた先生はおらず、ましてや一般病院の医師は診る能力もない」と言っていました。

日本では毎年、インフルエンザだけでも数百万人が感染し、数千人が亡くなるほどの患者を経験しており、COVID-19も既に未知のウイルスではなく、肺炎患者は毎年十数万人が亡くなるほどいて、それでも「一般病院の医師は診る能力もない」という発言に、どんな意図があるのか私には良く分かりませんでした。

ちなみに感染研のデータを見ると、全国的に少なかったインフルエンザですが、東京だけ急に上がってきています。これだけ自粛していてインフルエンザの感染が拡がっているというのも不思議なことです。

国の専門家会議は感染から発症までを2週間として、我々が見ているのは2週間前だとしていますが、2週間は最大値で中央値は5−6日ですから、それで見ると、日本は常に自粛要請が行われると感染が増えているように思えます。とは言え、今の検査体制だと何も分からないとも思います。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

今後、PCR検査数が増え、感染者が増え、さらに入院患者が増えるとなると、医師数が足りなくなることは当然の帰結ですが、やり繰りの仕方はないものなのでしょうか。たとえば、PCR検査の検体採取は、法的にはどうなのか分りませんが技術的には、医師や看護師でなくても短時間の訓練を受けた人に担当させ、同時に雇用を増やすことも可能なのではないでしょうか。

緊急事態宣言が全国に適用されることになった今、休業する企業や個人に対する補償だけではなく、新たな雇用を作り出すための創造的な努力が必要なのではないかと思います。


韓国、ドイツ、アメリカなどをみても分かるように、PCR検査は感染防護の工夫さえすれば、技術的にはいくらでも増やせます。民間の検査機関はもちろん、大学などの研究機関でも検査器は相当数持っています。人工呼吸器や人工心肺のように専門家の手がとられるようなこともありません。

ただ今の日本では、大学などの研究機関が文科省によって閉鎖されている、ということがあります。他の国の研究機関がフル稼働でウイルス対策に邁進している中、日本だけが止まっているように見えます。学校の休校を含めて文科省は不作為に徹しているように思えます。厚労省もそれを望んでいるようにも見えます。

これは専門家会議の中からも出ている意見で、会見でも語られたことですが、今の専門家会議のメンバーには臨床医が少ないだけでなく、肝心の遺伝子工学や情報科学の専門家もいないようです。万が一、感染が拡大した時には、何より医療体制の柔軟な組み替えが必要で、成功している国には強力なリーダーシップを発揮する専門家がいます。感染の状況をいち早く把握し、それに応じた医療体制の構築が待ったなしに要求されます。それが可能になるためには、感染症を研究している専門家だけでは無理だと思います。



少し気になっているのは、SARS-CoV-2は今の所SとLに大別されていますが、細かい変異は起きており、それが感染量に加え、薬の治験もかなりの種類で行われていることで、変異の速度も加速しているように思えることです。本当に感染爆発などという事態になった時に、日本が対応できるのかについては、悲観的な予想しかできません。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃるように、大学といっても様々な機能を持っていますので、何もかも「大学」という括りで閉鎖させるのではなく、感染予防や医療崩壊防止に役立つ機能はきちんと果たせるような対応にすべきだと思います。

PCR検査の結果、感染者が週末から月曜日には極端に減るのも、週末には検査をしないという、官僚制度の反映だと思いますが、そこでの自己主張は意味がないことくらい政策に反映すべきだと思います。

専門家のアドバイザリー・ボードに臨床医がいないことは、御指摘のように大問題だと思います。それと同時に、元々コウモリからの感染ということであれば、獣医学の専門家にも参加して貰う必要があるのではないかと思います。

そして感染爆発が起きることも視野に入れて、それに対応できない場合には、終戦直後の状況を思い出して、個人レベルでの自給自足ステムについても、準備しておく必要があるかもしれません。

もともと感染症、細菌やウイルスに詳しいのは、人間を診る医師より獣医で、そのために獣医学部を新設した大学があったように思います。ただ、その大学には、全くそういう体制が整備できていないという指摘もあったようにも思いますが…

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

「公衆衛生」という分野も、医学の一分野ではなく、獣医学の中で扱われていました。あの新設大学の獣医学部も、今回、本来の意味での貢献ができていれば、「友だちに便宜を図った」だけという汚名を返上できたのに、それもできず、「やっぱりね」になってしまいましたね。

2020年4月15日 (水)

4月のブルーベリー農園その2(東広島市豊栄町)

4月に入ってからの農園での作業日数がコロナウイルスの影響で会議も出かけるところもなくなりこれまでになく増える。土日は雨の降らない限り豊栄に出かけている。11日は晴れ、12日は終日雨で農園に行くのはやめて自宅で遅れに遅れた確定申告事務作業をする。

農園のあるこの地の春も足早なので景色がどんどん変化する。4月11日(土)の農園の様子。

1_20200414161201

農園の里山のブルーベリー園の周囲にツツジが自生している。もう開花。

2_20200414161201

その周囲の数カ所に栗の木がある。イガグリの実が秋に農道にも落ちていて危ないので遅ればせながら集めてかたづける。

3_20200414161301

集めたイガグリや落ち葉はそのまま野焼きにする。

4_20200414161301

一番下のブルーベリー畑に防草シートを敷き詰める作業を一日中行う。ほぼ半分できた。

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防草ネットをブルーベリー畑に敷くときにいろいろな生き物が出てくる。この日であったのはカナヘビ、アマガエル、トノサマガエル。ネットの上は地面より暖かいのでなかなか動かない。

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下を向いての作業ばかりなのでついつい野の花に眼がいく。

 ①農道に這いつくばるようにして咲くムラサキゴケ。

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 ②石垣にしがみついて咲くのはカキオドシ。

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 ③キンポウゲが咲き始めた。

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ところで、安芸の郷では利用者と職員がブルーベリーや天然酵母パン、クッキーなどを製造しているが、ミシンを使ってタオル地の絵ぞうきんを作っているグループもいる。(特にカープ坊やの絵柄の入った絵ぞうきんは人気)

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その機能を生かしてこのご時世の中、布マスクの製造を始めた。生産量は多くはないがそれでも少しでも世の中のお役にたてば想を練り、作り、安芸の郷で運営しているcafeさくらで販売している。

2020年4月15日

社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良

<編集記>明日から、再びイライザさんの「新型アコロナウイルス危機」のつづきを当分の間連続して掲載します。

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2020年4月14日 (火)

新型コロナウイルス危機・その4 ――「安倍宣言」の論理的意味――

《「安倍宣言」の論理的意味》

これまでのまとめと分析から全体像がかなり鮮明に見えてきたように思うのですが、如何でしょうか。以下、「安倍宣言」との比較を行う上で、「対策本部」を中心にした対応についての略記法を導入しておきます。すなわち、2月18日の文科省の方針、2月25日の基本方針、そして文科省の第二報に掲げられている方針を、「旧方針」と呼ぶことにします。その中身は、もし子どもの誰かが感染していると確認されたり、濃厚接触者として特定されたりした場合、あるいは学区内や近隣の地域での感染等が問題になった場合、校長の判断で学校を休校にしたり特定のクラスを臨時に閉鎖することは可能だという方針です。そして、北海道や市川市では2月26日と27日に、この方針に従って休校等の措置を取るという決定をし、公表したのです。

では、「安倍宣言」と「旧方針」との違いはどこにあるのでしょうか。簡単ですね。「安倍宣言」では、全く感染者がいない学校、濃厚接触者がいない学校、その学校のある地域内での感染が起きていなくても休校にして下さい、という「要請」をしているのです。つまり、COVID-19の影響を全く受けていない学校も、休校にして下さいと言っているのです。しかも、唐突に。ほとんどの学校がこれに従っていますので、「命令」あるいは「強制」と言った方が良いかもしれません。

でも、こんなに理屈に合わない休校があって良いのでしょうか。それを理解するためには、大人社会でこんなことをしたらどうなるのか考えてみれば一目瞭然ではないでしょうか。2月から3月初め、感染者が出た企業では、消毒等をした上で、数日間は休業するところが多かったのですが、それを「感染者がいない企業も、濃厚接触者がいない企業も、地域に感染者がいない企業も、数日間休業して下さい」と言っているのと同じなのですから。少なくとも何らかの説得力のある理由が示されない限り、こんな要請には従えないでしょう。

一言注意しておきますが、ここで問題にしているのは、2月末から3月初めの安倍政権と専門家の対応です。それから一月以上経った4月7日には緊急事態宣言が出されて、感染者がいない、濃厚接触者もいない場合にも営業の自粛をするようにという要請が出されています。感染者数やその増加の傾向等、社会全体の環境が大きく違いますので、その違いを視野に入れた上で、当時、分っていた事実を元にして当時の判断の是非を検証しています。特に論理性を考えてみて下さい。

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元に戻って、「安倍宣言」では、一応その理由は示されています。「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え」なくてはならないというものです。この理由そのものに反対する人はいないでしょうから、次のステップについての吟味も甘くなるのかもしれませんが、感染者も濃厚接触者もいない学校、地域でも感染が見られない学校を休校にすることが、「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え」るために最優先されるべきことなのでしょうか。

後に示すように、2月末の時点で手に入っていたWHOと中国による共同調査の結果では、子どもたちの感染の多くは家庭で起きていると考えられています。つまり親から子へ、または家庭内の大人から子どもへというルートが圧倒的に多いということなのです。その前提で考えると、子どもを感染から守るためには、親を守ることが何よりも必要になります。あるいは、感染しているかもしれない大人たちとの接触を減らす努力も効果があることになります。

しかしながら、「安倍宣言」では、その逆の結果を生み兼ねないのです。つまり、感染者が発生していない段階での学校を休校にする措置は、子どもたちが感染する機会を増やす可能性があるのです。たとえば学校に行けない上、預かって貰える場所もない子どもたちが、親の職場で一日過すという恩恵に浴したとしましょう。大人との接触は全くない環境にできるのなら問題はありませんが、可能性としては、大人が多く出入りする建物の中で長時間過すのですから、結果的に学校に通っていたときよりは大人との接触の可能性が増えても不思議ではありません。それは感染の可能性を増やすことにはなっても、減らすためには役立たないことも理解して頂けるのではないでしょうか。

とは言え最初に述べたように、一般論として年齢は全く無視した上で、人と人との接触の機会を減らせばウイルスの感染も減る訳ですから、休校によって感染そのものの機会が減り、ウイルスの蔓延は防止されるという理屈に対する反論は難しいのです。でも、もう少し説得力のある説明・理由が欲しいですね。そしてそう思ったのは私だけではなかったようです。

実は、これからが本論なのですが、その準備のための論考が長くなってしまいました。「本論」では、2月25日から27日の、厚労省や文科省からの情報発信と全国的な動きとの関連に注目して、「安倍宣言」が、自らを有能なリーダーとしてアピールしたいという安倍総理の気持 (敢えて「功名心」と言っても良いですよね) が暴走したのではないかという仮説を検証したいと思います。また、3月2日に、その決定が正しかったという「お墨付き」を発行した専門家会議の「忖度」に、医学的根拠があるのかについても検証したいと思います。最後に、一つの大きな「仮定」を認めると、このように多くの本質的な疑問も氷解することを示したいと考えています。

 [2020/4/14 イライザ]

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コメント


世界中に感染が拡大し、都市封鎖や国境封鎖も行われ、医療崩壊と言われる事態まで起きていると、当時の「安倍宣言」も批判し難い空気ですし、それを説明するためには多くのことを語る必要があるため、私自身もこうした議論は極親しい人と十分な時間がとれる場合にのみ行ってきました。

そうした中で、こうした論考がきちんとした文章で公開され残されるということは重要なことだと思いますし、感謝いたします。本論も心待ちにしております。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

コロナ・カタストロフィーと言って良い状況にまでは至っていませんが、ほとんどの人が不本意な生活を余儀なくされ、中には地獄さえ見ている人もいる中で、一月前に起きた一エピソードにこだわるのは気が引けるのですが、それでも私なりの記録を残しておきたいと考えています。

できれば、「工場長」さんの知識と経験、鋭い分析力や真実を見分ける直観を元に、コロナが引き金になって明らかになった日本社会全体について、健筆を振って頂きたいと、心から願っています。


医療崩壊の危機的状況について、連日マスコミで報道されています。

政府は新型コロナウイルス感染者の発生以来、医療体制拡充の為の支援策を何ひとつとってきませんでしたね。
日本の人口比あたりのICUのベッド数は、医療崩壊にあるイタリアの半分以下、医師の数も日本はイタリアよりもはるかに少ないにもかかわらず、政府は欧米諸国の医療崩壊を「対岸の火事」のごとくみなしてきました。
今こそ医療体制を拡充し医療福祉現場に公的資金・物資を投入することが求められていると思います。


「アッキー」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、感染症対策について、我々にでも分るようなことについてさえ、政府は手を束ねてきました。それは、一つには「当事者意識」の欠如ですし、別の言葉を使えば、このシリーズの最初に言及した「受忍論」が「国」の基本的な考え方だからなのではないかと思います。

最終的には、主権者たる我々が立ち上る他、解決はできないのではないでしょうか。

 

2020年4月13日 (月)

新型コロナウイルス危機・その3 ――総理大臣が、インフルエンザ休校の経験を無視する愚――

昨日は、「全国一斉休校」を要請した「安倍宣言」が、安倍総理自身の手でその2日前に決定した、日本国としての「基本方針」に反したものであること確認しました。今回は、「安倍宣言」が文科省の休校や学級精査の方針とも違うこと、WHOやアメリカのCDCの方針とも違うことを指摘します。問題点は多くおりますが、文科省の方針も最終的には総理大臣が責任を持たなくてはならないものであり、WHOやCDCは、専門家による最高度の知見のまとめであり、国際標準になっている点が重要です。

 

《文科省の方針を無視》

日本政府が公式に「日本国」として態度表明していた学校についての方針に注目しましょう。文科省は2月18日に、「児童生徒等に新型コロナウイルス感染症が発生した場合の出席停止及び臨時休業について、現時点での考え方」という文書を公表しています。

その内容は次の4点です。

 (A)児童・生徒が感染した場合には、地方自治体と学校は保護者と情報を共有する。

 (B)校長は、感染した子どもが治癒するまで学校を休ませる。

 (C)感染が広がる可能性がある場合、自治体は、校長に対して休校等の措置を取るように要請できる。

 (D)このような要請がない場合でも、感染の危険を避けるため、校長は休校等の措置を取ることができる。

それだけではなく、文科省は、全体的な「基本方針」が採用された2月25日に、2月18日の通知の第二報としてさらに詳細な対応の仕方を説明しています。3ページにわたる文書で長くなりますので、簡単に要約しておくと、この中には次のような項目が含まれています。

  ①児童生徒等本人が感染した場合について

  ②児童生徒等が感染者の濃厚接触者に特定された場合について

  ③感染者がいない学校も含む積極的な臨時休業について

  ④発熱等の症状がある者を休ませる指導の徹底について

  ⑤教職員における感染対策について

  ⑥臨時休業や出席停止の指示等を行う場合の配慮事項について

  ⑦医療的ケアを必要とする幼児児童生徒への対応等について

この内、①については、発熱や咳がある場合とない場合では、対応の仕方が異なりますし、⑥では、休校になった場合に、学校に来ない子供たちの面倒をどう見るのか、また給食がなくなる場合にどうするのかといったことにも配慮する必要があることなどについても、事前に対応策を考えることなどが盛り込まれています。

それ以上に注目すべきなのは、2月25日時点の文科省の考え方では、学校内での感染者や濃厚接触者が確認されていない段階では、学級閉鎖や休校という措置は一切考えていないという事実です。

しかもこのような考え方が、疫学的な立場から世界的に共有されていることは、WHOのホームページや、病気についての研究や具体的な対応では世界を常にリードしてきたアメリカのCDC (米国疾病管理センター) のホームページでも、同様の対応策を勧めていることから容易に理解できます。

アメリカでも、感染者が地域にいない場合には、休校は考えていませんし、強調されているのは、万一感染者が確認された場合に迅速かつ適切な対応ができるように事前の準備をしておくことです。それについての詳細な準備リストが用意されています。このような準備があれば、万一休校になっても、混乱はかなり抑えられるだろうと考えられる内容です。

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《インフルエンザ休校の経験を無視》

もう一点、とても大切なのは、全国の学校が休校しなくてはならないとしても、そのことについて子ども達や保護者がきちんと理解をし納得した上で、休校によって生じる問題に対処する体制ができているかという点です。今回は、「安倍宣言」が出されたのが木曜日で、平日は次の金曜日だけ、そして月曜日から休校なのですから時間的にも全く余裕がありませんでした。

さらに、何年にもわたって、通常のインフルエンザが流行した場合には、多くの地域では学級閉鎖が行われたり、あるいは休校という措置が取られてきた経験があります。だから全く問題がない訳ではありませんが、学校も保護者もそして地域も、子どもたちは勿論ですが、こうした事態に対応してきた歴史があります。その経験の上に立っての対応なら、しかも春休みまでの間という限定付きなら、混乱も少なかったのではないかと思います。

そして、万一コロナウイルスへの感染が広まって来たとしたら、その間に、さらに感染が広がり長期にわたって休校しなくてはならない場合の準備をすることができたのではないでしょうか。たとえば、オンライン授業によって子どもたちが充実した教育を受け続けられる環境を整えることは可能だったはずです。しかも、「緊急」という口実があるのですから、普通の場合にはなかなか実行に移すことのできない規模のハードウエアの導入やカリキュラムの変更なども可能になったはずですので、その機会を生かすことができなかった、あるいはそのような可能性にまで想像力が働かなかった「安倍宣言」には悔いが残ります。そして、これほど「百害あって一利なし」の典型でしかない「安倍宣言」を唐突に仕掛けた動機は何なのかを知りたくなるではありませんか。

[2020/4/13 イライザ]

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コメント

私が残念だったのは「安倍宣言」は論外ですが、文科省、教育委員会、学校の管理職、教職員も、こうしたことは百も承知の上で、多くの自治体や学校が法的根拠も科学的根拠もない「要請」に従ってしまったということです。どれほど忖度体制がはびこっているのか改めて驚きました。

無神経<能天気
いえ、その幼稚度。

SNS動画→賛否が、って賛も!?!
↑スキル云々の前に、今回にかぎらず、
まわりは煽る人ばかりで、諫める人は、
いるはずがないから、このザマか。
まともな誰ぞがtwitterで、65歳児と。
👏 (´▽`)👏

無条件に従うばかりか、意見も言わない、聞こうともしない。僕は地域の町内会長をしていますが、町内会の存在などまったく相手にもされませんでした。訊ねても答えてくれない。こういう時だからこそ、教職員組合も存在感を示して欲しいものです。



「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

もう諦めていたせいでしょうか、そんな雰囲気の中、自分の判断で休校にはしなかった首長や校長が何人かいたことで、チョッピリ安心しました。


「硬い心」様

コメント有り難う御座いました。

私は「当事者意識の欠如」を強調したいです。御本人も周りの人たちも。

「省ちゃん」様

コメント有り難う御座いました。

市職員が退職後、地域で町内会長等の役職を引き受けているのは、天下りの人たちの声は聞いて貰えるということなのでしょうか。

2020年4月12日 (日)

新型コロナウイルス危機・その2 ――「安倍宣言」は「朝令暮改」そのもの――

昨日は、「安倍宣言」の内容を確認しました。つまり、2月27日木曜日の午後6時から15分間だけ開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部 (「対策本部」と略) の第15回会合で突然、安倍総理大臣が、全国全ての小・中・高等学校、そして特別支援学校を3月2日から春休みまで臨時休業するよう要請した内容です。今回は、それが「朝令暮改」の典型であることを検証します。

 《対策本部、文科省、WHO等の方針を無視した暴挙》

   まずお断りしておきたいのは、「全国一斉休校」そのものを、文脈なしに評価しても意味がないという点です。コロナウイルスの感染を防ぐために、一番極端な、しかも効果のある方法は、人と人との接触を全て断ち切ることです。そのために、仮に全国的に「都市封鎖」や「全面外出禁止」などの措置が取られた場合を考えれば、当然、「全国一斉休校」もその一環になります。そのような文脈では当然行わなければならないことなのです。問題は、その文脈、あるいは背景がどのようなものだったかという点なのです。問題は、その文脈、あるいは背景がどのようなものだったかという点なのです。

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 《2日前に決った対策本部の方針を無視》

その上で、順を追って確認して行きますが、私たちの住む「日本国」という地理的、そして政治・社会的な存在における新型コロナウイルスについての政治的対策を議論し決定する機関は、「対策本部」と略することにした「新型コロナウイルス感染症対策本部」です。その本部長は内閣総理大臣ですし、行政の長として国会の議決で任命される大臣は総理大臣だけなのですから、ここでの決定についての最終責任は内閣総理大臣が負うことになっているのです。

その対策本部は、1月30日に第一回の会合を開いていますが、日本国としての「基本方針」は、ようやく2月25日、対策本部の第13回の会合で決められました。そこには安倍総理大臣も出席していただけでなく、その会議の責任者として「基本方針」の決定の当事者の中でも最高責任者だったのです。その中で、学校を休校にするか否かについての判断も述べられています。

  「学校等における感染対策の方針の提示及び学校等の臨時休業等の適切な実施に関して都道府県等から設置者等に要請する」

念のため、出典です。(「4.新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の重要事項」の中の「(3)感染拡大防止策」、さらにその中の「イ)今後」中の②です。)

全国で一斉に休校にするという方針が示されていないどころか、休校等の措置についての判断をするのは都道府県であることが明確に示されています。これに関連して、もう一点重要な項目がありました。(「4.」の重要事項の中の項目「(6)その他」中の④には次のように書かれています。)

  「中国から一時帰国した児童生徒等へ学校の受け入れ支援やいじめ防止等の必要な取組を実施する」

これは武漢で生活していた子どもたちについての下りです。チャーター便によって帰国した結果、日本の学校で勉強している子どもたちに言及しているのですが、この子どもたちがCOVID-19に感染している可能性については全く触れられていません。

しかし、「安倍宣言」、続いて29日に開かれた記者会見、そして3月2日に出された「新型コロナウイルス感染症対策の見解」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議によるもの、詳しくは後述)では、これとは対極にある、次のような考え方が採用されています。

それは、ずっと日本で生活していて、周囲に感染者は一人もいない子どもたちの場合でも、症状は出ていないけれど、高齢者や既往症のある人たちへの感染の可能性を無視してはいけない、というものです。これほど慎重な姿勢で感染の可能性を考えるのであれば、(差別や偏見に結び付けてはいけませんが)、感染予防の観点から、武漢に滞在したことのある子どもたちが感染している可能性がゼロではないことも視野に入れる必要があります。

にもかかわらず、武漢で、感染した人たちの近くで生活していた子どもたちについては、学校を休ませる可能性は勿論否定していますし、一時帰国している子どもたちが高齢者に感染させる主体かもしれないという視点はないのです。それだけではなく、偏見なく学校がこれらの子どもたちを受け入れる体制を作る必要性を強調しています。

この二つの矛盾した考え方を同時に採用するためには、論理的に何らかの説明が必要なのですが、どんな理屈が背後にあるのでしょうか。そんな説明は、「安倍宣言」の中にもありませんし、「専門家の見解」の中にもありません。

学校を一斉休校にするかどうかについて、当然一国の国民の生命に関わる重大事なのですから、総理大臣はじめとする国のトップ、ならびに科学者たち専門家も関わる形で「基本方針」として決定したのですが、その二日後には、それと明確に矛盾する方針を、矛盾を解消するための説明は一切ないままに「安倍宣言」として発出したことは、「朝令暮改」としか言いようがありません。そして「朝令暮改」と独裁政治は切っても切れない関係にあります。

[2020/4/12 イライザ]

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コメント


専門家会議は「北海道は積極的な対応を知事のリーダーシップで行い、合理的な判断だったと評価している」としたものの「日本では、これほど感染が拡大しても、学校で流行が拡大するというエビデンスは得られていない。むしろ感染は家庭内で起きている。」としていました。

専門家の意見も無視して、文科省への相談もなく行われた全国一斉休校は、経済に影響を与えることなくリーダーシップを発揮できると考えた安倍首相の行動としか思えませんが、多くの自治体がそのまま受け入れたことも残念に思います。




報道番組で「安倍さんが首相になったことが緊急事態」と。



岸信介<安倍晋三

いえ、その強運度。
無能無策でもかくも長くトップでいられるのは、
ただただ有権者もメディアもおとなしすぎ、のせい。
(クレヨンしんちゃんなら「劣化ともいう」↑)

一斉休校⇒『地雷を踏んだらサヨウナラ』→不発。
マスク⇒今度こそ『さよならをもう一度』→またも不発。
ナカソネがつき コイズミがこねし天下餅
すわりしままに 食うはアベシン(*´Д`*)


工場長様

コメント有り難う御座いました。私は、専門家の役割にも問題があるように考えています。たとえば、専門家の言うことも日によって違います。(引用された専門家の見解はいつのものなのか御教示下さい。)

その点についても論じたいのですが、一度に全部アップするととても読んで頂けないくらい長くなってしまいますので、小分けにして、できるだけ丁寧に「愚考」を進めたいと思っています。従って、専門家については数回先までお待ち下さい。


テレビっ子様

コメント有り難う御座いました。

そんな危機がこれほど長く続くことを許して来たのは、最終的には私たち選挙民です。そろそろその責任を果す時期なのではないでしょうか。


硬い心様
コメント有り難う御座いました。

視点を変えると、「強運」になりますね。もう一つ違うのは、岸政権のとき、私たちは若かったのですが、安倍政権では後期高齢者です。典型的な老人の発言になりますが、若者よ、どこにいるのだ???

正しい政治家なら、大所高所の視点で市民の立場にたって判断するものだと思います。それができないのなら、辞めてもらうしかないです。彼の側近というか、ブレーンという者のレベル低下も思います。今カミュの著書、「ペスト」を読んでいます。参考になります。


先のコメントで引用した見解は、3月初めの記者会見における尾身茂(副座長)と、その後の西浦博(北海道大学教授)の記者の質問に対する回答でした。(ライブで見た時の記憶なので一字一句は違うかも知れません)

新型コロナウイルス=SARS-CoV-2についても、その感染症であるCOVID-19についても、ゲノム情報が次々に出ており、査読を経ない大量の論文もLancetやJAMAなどで公開されており、海外では原文へのリンクがあるものの、日本の記事は適当な引用と誤訳、誤解も多いのですが、それでも分かってきていることは多くあると思います。

全く未知のものに予防原則で対応する状況と、色々なことが分かってきた状況では対応も違ってきますし、感染症の専門家と言っても、病原体、防疫、治療では分野も違いますし、立場も違うもので、一律に専門家として扱うにも無理はあると思います。

また、疫学のエビデンスは集団を対象とした統計学による研究が中心になっていますが、個々の行動に統計学を当てはめるのは違うとも思います。とは言え、個別に正確に書こうと思うとキリがなく、私も書けないでいます。

以下のサイトは出典が明確で情報源として役立つと思います。
https://www.healthline.com

安倍さんが、この2分の動画のような記者会見をすれば、500億円でもっと有効な対策ができた。
「省ちゃん」様

コメント有り難う御座いました。辞めさせるのは私たちの権限です。それは憲法15条が保障しています。

  第15条公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

でも意図的に使わないと、ないことにされてしまうことを歴史は教えてくれます。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、専門家といってもいろいろな人がいます。私なりの使い方をする場合は、まずそれをきちんと定義してから使うべきでした。私が「専門家」と呼んでいるのは、政府の対応本部や専門家会議に出て日本国の方針を決めている立場の「専門家」です。

数日後になりますが、3月2日に「専門家」が公表した「見解」を取り上げる積りです。それは「工場長」さんが引用されている内容とは少しニュアンスが違います。この「見解」は厚労省の「政策について」のタブからアクセスできます。URLは次の通りです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html


「マスクマン」様

コメント有り難う御座いました。

全く同感です。動画を有難う御座います。私も、数百億円使う代りに、記者会見でマスクの作り方を実演すべきだったと思っていました。


専門家会議の会見では、尾身副座長が記者の質問に対して「委員の意見が完全に一致しているわけではないが、それが科学というものだ」というようなことをおっしゃっており、記者の質問に対する回答も「これは個人的な意見ですが」と前置きされる委員も多く、それぞれの立場の違いを感じます。

また、この専門家会議の委員には臨床医も一応はいるようですが、中心になっているのは研究をしている人達で、ITに関する専門家は全くいないということで、それは委員からも、そういう人材が欲しいという要求をしたいという説明もありました。尾身副座長の「これをすれば感染は防げるという幻想は捨てた方がいい」という言葉も印象的でした。

その時は、若者=10代から20代、30代の人達がドライビングフォースになっているという言い方でしたが、その後の会見では、私が引用したように「学校に行く子どもたちはドライビングフォースではない」という説明でした。つまり感染を広げている若者は10代半ばから30代という言い方で、それはCOVIT-19の特性=無症状病原体保有者に感染力があることと、若者の行動様式によるものという説明でした。

いずれにしても諮問会議(尾身先生はアドバイザリーボードと言われました)が直接に会見を開くというのは異例のことで、それは行政文書では十分に情報が伝わらないという考えからのようです。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の有志で立ち上げたWebサイトもあります。
https://note.stopcovid19.jp


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

専門家会議の実情や意見の違い等についての詳しい情報、有難う御座います。御指摘のように、専門家が直接、多くの市民とのコミュニケーションのチャンネルを持つことはとても大切ですので、それは大歓迎します。

残念なことに、世の中には「御用学者」としての役割を果す人もいます。そんな人たちに惑わされないだけの準備のできている人は、恐らく少数だと思います。特に科学的な知識があったり、科学者との付き合いがあったり、かなり深く科学的知識の正否を判断できる能力を持っていたりという人は、限られているだろうからです。

となると、科学者・医学者・専門家と呼ばれる人たちの社会的役割を考えるときに、専門家たちから発せられる情報の中でも、ごく普通の人が受け取れるレベルのものを元に分析することも大切なのではないかと思います。厚労省や官邸のホームページに掲載されているものは、そこに含めています。


専門家ということで言えば、御用学者だけでなく、テレビに露出の多い「専門家」にも首を傾げることは多いです。専門的なことを一般の人に分かり易く限られた時間で説明するのは日常的に高度なことを行っている人ほど難しいとは思いますが、それでも明らかに間違った説明を見ることも少なくありません。

逆に、先日は新型コロナに関して地元紙に「市内の医師」として知人医師の言葉が書かれていましたが、本人は重要な部分が何も書かれていないと憤慨していました。記事は「野放し、不安拡大と専門家が異論 広島市、無症状者の濃厚接触者調べず」というタイトルで、医師の意見として「無症状者でも感染する可能性がある。市の判断は論外」と書かれていましたが、その医師が伝えたかったことはリスクのあるPCR検査より、まず肺CTをとるべきということでした。そのことを記者には何度も強調したということですが、記事では一言も触れられていませんでした。

専門家会議の会見でも、委員が強調したことなのに、どの局も伝えていない、という箇所がいくつかあったように思います。


全校一斉休校の理由として、子供が同居する高齢者に感染させるのを防ぐためとなってましたが、マスコミはこの矛盾に何も感じないのかと思いました。子供と祖父母の間の親は、普通に仕事して社会と交わり感染する機会は行動範囲が狭い子供より多いのに、親が自分の親である高齢者に感染させることには無対策。感染症の対策は、感染者の隔離と人々の移動の制限。子供だけやっても人口の割合が小さいのですから殆ど意味がないと思いました。


「工場長」様

コメント有り難う御座いました。そうですね。入れ代わり立ち代わり「専門家」が登場しますが、ここでも幅を利かせているのは政府の代弁をする人のように見えます。それは、マスコミの責任でもありますが――。

それと、マスコミは、ほとんどの場合、自分たちでストーリーを作ってから取材をします。誰に何を聞いても、そのストーリーに合う部分だけを、インタビューをされた私たちの立場は無視して報道をする、というのが彼らの大原則みたいです。

ですから現職のときには、テレビインタビューは、ライブで流して貰える時だけに制限していました。そうでないと、後でいくらでも編集されてしまいますからね。


「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

後程取り上げる積りですが、中国とWHOとの共同研究では、子どもの感染は家庭内で起きる場合が多いこと、また子どもから親にうつすことはあまりないことなどが報告されています。

但し、感染した子が学校に来ると、インフルエンザなどでの経験からも分るように、爆発的に広がりますので、学級閉鎖や休校は必要になりますよね。

これも、あと何日かで取り上げますが、問題は「当事者意識」があるかないかにも関係しているように思います。

2020年4月11日 (土)

新型コロナウイルス危機 ――安倍政治は勿論、日本社会全体の構造的欠陥が露呈――

新型コロナウイルスにより、人類が未曽有の危機に直面しています。私たち一人一人が感染しないよう、また感染を広げないよう、生真面目に愚直に努力する必要があります。さらに、核兵器や環境という人類滅亡の可能性を伴う問題解決のために努力してきた私たちにとっても、これまでの経験に照らしながら、コロナ後の世界像を描く機会でもあります。といった御託を並べなくても、日常的にどうしても目が向いてしまうトピックですので、これから何回かは、新型コロナに焦点を合わせて、特に日本の政治・社会について論じたいと思います。

シリーズとして取り上げていた「無謬性神話」の一環としても意味がありますので、暫らくの間、迂回にお付き合い下さい。

その中で、安倍政権の無能無策振り、血の通わない非人間性等を俎上に載せることになります。毎日の報道を目にし耳にしながら、私の脳裏に浮かんでいたのは、1980年、被爆者援護法について、基本懇と呼ばれる当時の厚生大臣の諮問委員会が公表した方針です。「受忍論」として知られていますが、それは、現在の安倍政治の哲学だと言っても良いくらい「国」と呼ばれる存在の本質を具現しています。

簡単にまとめておくと、「国は戦争を始める力を持つ。そして戦争には犠牲が付き物だ。しかし、その犠牲は全国民が甘んじて受け入れ耐え忍ばなくてはならない」という内容です。新型コロナウイルス対策は、それこそ「戦争」だと言っている人もいるのですから、「受忍論」が適用されてもおかしくない状況です。

それがあられもない姿で私たちの前に出現したのが1月27日でした。安倍総理による「全国一斉休校」宣言です。その宣言を取り上げますが、まずは、それまでの日本政府としての動きと、決定までに時間は掛りましたが、ようやく決められた「基本方針」も含めて国の考え方を振り返っておきましょう。

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410日の官邸ホームページから

 《新型コロナウイルスCOVID-19

2019年12月8日に中国の武漢市で、初めて新型の肺炎患者が確認され、今年の1月16日には、日本で初めて感染が確認されました。当初は武漢の様子を心配する報道が主でしたので、春節に日本を訪れる中国人観光客との関連もそれほど問題視はされませんでした。その後1月29日には、チャーター機の第一便で武漢に在留していた206人が到着し、2月5日からは横浜港でクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号が政府の指示で14日間の隔離措置を開始するに至り、身近な問題として認識されるようになってきました。世界的には、WHOが、2月11日に新ウイルスをCOVID-19と名付けました。この頃から、テレビを初めとするマスコミは、新型コロナウイルス報道に明け暮れたと言っても過言ではありません。

政府も新型コロナウイルス感染症対策本部(以下、「対策本部」と略)を設置し、対策に取り組んでいましたが、2月27日の木曜日の午後6時から15分間だけ開かれた第15回の会合で安倍総理大臣は突然、全国全ての小・中・高等学校、そして特別支援学校を3月2日から春休みまで臨時休業するよう要請しました。この要請を略して「安倍宣言」と呼びたいと思います。少し長くなりますが、大切な発言ですのでその部分を引用します。

「北海道では、明日から道内全ての公立小・中学校が休校に、また、千葉県市川市でも、市内全ての公立学校が休校に入ります。このように、各地域において、子どもたちへの感染拡大を防止する努力がなされていますが、ここ1、2週間が極めて重要な時期であります。このため、政府といたしましては、何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点から、全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請します。なお、入試や卒業式などを終えていない学校もあろうかと思いますので、これらを実施する場合には、感染防止のための措置を講じたり、必要最小限の人数に限って開催したりするなど、万全の対応をとっていただくよう、お願いします。」

まだまだ、準備以前の段階なのですが、もうかなりのスペースを割いてしまいました。できるだけ簡潔に、同時に論理的な筋道については、厳密かつ分り易くという矛盾する要件を満たそうと頑張ってはいるのですが、どうしても長くなってしまいます。次回以降、どのような議論をして行く積りなのか、何点かにまとめておきましょう。

 ①.安倍宣言は、対策本部、文科省、WHO等の方針を無視して行われた。

 ②.227日直前の動きを元に考えると、安倍宣言は、功名心のなせる業としか考えられない。

 ③.何ら科学的な根拠がない上、政府の既定の方針に逆らって発せられた「安倍宣言」について、科学的な観点から諫言すべき「専門家」たちは、エビデンスを無視して、総理の「思い」を「忖度」した結果、32日に「新型コロナウイルス感染症対策の見解」を発表して、あたかも「安倍宣言」に科学的根拠があるかのごとき粉飾を行った。

皆さんも御存知のようにその先にもまだまだストーリーは続きます。2枚配布されることになった「アベノマスク」に至るまで、さらには「緊急事態宣言」の問題点も含めて整理・分析をしなくてはならない事どもが多くあるのですが、順を追って丁寧に検証して行きたいと思います。

[2020/4/11 イライザ]

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コメント

 2月27日の「安倍宣言」、質(性格も含む)の悪い権力者が、俺のひと声で全国の学校だって休校にすることができるのだぞーと、自らの「力」を誇示したい、悪質な権力者の姿だったと思いました。

 小池百合子の「ロックダウウン(都市封鎖)」も、安倍晋三の「コロナに打ち勝った証しのコロナ退治記念五輪」も、その魂胆がミエミエで我慢できません。
 「アベノマスク」が送られてくるようですが、付せんを貼って、「受け取り拒否」と書いて送り返したいと思います。わが家には妻の手作りマスクが余るほどありますから。
 でも皆さん、コロナには注意してください。知人の有名な医者が電話をかけてきて、そう言いました。



教師の息子も手作りマスクを自作していましたが、総理が「医療従事者など必要なところへのマスクを優先させるため、ご家庭では手作りマスクをご利用ください」と一言言えば済んだことで、何百億円もの税金を投入する意図は計り兼ねます。

それにしても、現状の日本ではウイルス感染症による被害より、政策や社会不安から来る被害の方が遥かに大きくなりそうなので、致死率の高い感染症を何度も経験している私でもCOVIT-19は絶対に避けたいところです。

最近のニューヨークからの情報では、COVIT-19は三密より接触感染が予想以上に多いと言われており、マスクもあくまで顔と手の接触を遮る手段として有効とされるだけで、従来以上に徹底した手洗い=他人が触るものを触った後はすぐに手を洗う、で院内感染も劇的に減っているようです。この動画のように徹底してウイルスとの接触を断つ必要があるようです。
https://www.youtube.com/watch?v=dSNfcQdMvII



木原省治様

コメント有り難う御座いました。コメントに書いて下さったことについて、出来れば後世の記録になるよう、出典あるいはそのヒントになるようなサイトも含めて、論理的な分析を続けたいと考えています。

継続してのコメントをお願いします。



工場長様

コメント有り難う御座いました。本当は、工場長さんにシリーズ物としてコロナウイルスについてどう考えれば良いのかを書いて頂きたいのですが、小生も言いたいことが結構溜っていますので、このブログでの発信に注力したいと思っています。

続けてのコメントを宜しくお願いします。

学校の全校休校については、子供の罹患は少なく、重篤な症状に陥りやすい老人から引き離す上でも、長い間の経験に基づく"学級閉鎖・学年閉鎖・学校休校"の遣り方があり、今回もこれの適用で十分であったと思う。
布マスクの配布については、サージカルマスクを不足にあえいでいた医療機関に回し家庭には布マスクを使わせるという啓蒙の意味では意義があったと思うが、各家庭に配るまでもなく、従来の流通経路に乗せるだけで十分であったと思う。

「バッカス」様

コメント有り難う御座いました。

休校やマスクについて、本稿と同じような結論をコメントして頂き力強く感じています。マスクについては、総理大臣が手作りのマスクを装着した上で、全国民にマスクを手作りするよう訴えた方が良かったと思っています。それについては、この続きの、5月9日のエントリーを御覧下さい。

2020年4月10日 (金)

4月1日、「発送電の分離」がスタート

4月1日、一連の電力システム改革の第3段階となる「発送電の分離」がスタートしました。

中電には、送配電会社として「中国電力ネットワーク(株)」が発足し、これまでの中電職員の約9千人の半分以上にあたる約5千人がこの会社に異動しました。会社の総資産は固定・流動を含めて約1兆円、これまでの中電総資産の約3分1になります。ここでは中電のような電力会社を「旧電力」と書かせていただきます。

もともと「電力システム改革」は、旧電力も国も自らの利益と権利を保持するために、実施したくないというのが本音でした。そのため福島原発事故前では、95年に一部の大口需要家への電力自由化が最初でした。

しかし福島原発事故後の13年4月、「電力システム改革に関する改革方針」が閣議決定され、3段階に分けて行うことになりました。

第1段階は15年4月に設立された「電力広域的運営推進機関(OCCTO)」です。この組織は全国の電力融通を指揮するために作られたものです。第二段階は16年4月から始まった「小売りの全面自由化」です。そしてこの4月からの「発送電の分離」です。

特に第2段階の「小売りの自由化」によって、顧客の新電力への移行が増えてきました。その数字は各地域によってバラツキがありますが、電力使用量で約16パーセントが新電力に変更したとされています。現在、旧電力と新電力との熾烈な「取った、取られた」の争いが展開されています。

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そしてこの度の第3段階の改革が「発送電の分離」です。この改革を実施する本来的な目標は次の3点となっています。

①発電、送電、小売りの業務内容は大きく違うので、電力関連コストを明確に 

 し、電力供給システムの無駄を省くこと。

②大手が独占している送配電網の中立性を高めること。

②大手電力会社が持っている送配電網を広く開放し、新規参入の電力会社(新電力)が利用しやすく、競争を促すこと。

全国に張り巡らされている送配電網、現在これらの設備は旧電力の所有となっていますが、130年にもおよぶ電力事業の歴史を視れば、これらは国民全員の共有財産とされるものです。

しかしこの度の「発送電の分離」を視ると、ベースロード電源市場、容量市場、非化石価値取引市場、需要調整市場などの様ざまな市場を置くことで、本来のシステム改革の目的を奪い、新電力会社の参入を妨害しようとする政策が見えてくるのです。真に公平・公正な分離形態を考えた場合、中電への影響力が強すぎるミエミエの「法的分離」という形態から、ヨーロッパなどの国のような「所有権分離」にして中電の影響力を少なくし、やがては「公社化」することだと考えます。

昨年6月に開催された株主総会で、私たちは会社名を「西日本電力ライフライン株式会社」とする株主提案を行いましたが、否決されました。

世界的に再生可能エネルギーは普及し、その価格も大きく下がっています。

「3・11」から丸9年、大きな影響が無かったヨーロッパはしっかりとフクシマから学び政策に生かしたのに、たいへんなことになった日本が、一番「ボー」としているのではという声が聞こえてきます。

電力自由化に関するこれまでの資料を見ていると、原発推進の雑誌「フォーラムレポート」の99年2月号は、『(全面自由化に移行したとしよう)そうなると、原子力の新・増設を考える経営者はいなくなると、ある電力関係者は断言する』という記事が目に留まりました。だからこの度のシステム改革でも、本来の改革を骨抜きにしようという魂胆があるように思えるのです。

東京五輪終了後に策定議論が開始されるとされていた「第6次エネルギー基本計画」、五輪延期で今後の具体的な動きは予想困難ですが、3年ごとに見直されるものです。前回は18年7月に制定されていますから、いずれにしても議論が開始されます。

その場では、システム改革を今後どうするか、原発廃炉、放射性廃棄物の処理、福島原発事故の今後、エネルギーミックス、新増設原発の扱いを含め全国的な議論が行われなくてはならないと思っています。

木原省治

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2020年4月 9日 (木)

「被爆75年・あの日を忘れない」藤登弘朗水彩画展始まる

 平和への祈りを込めて「被爆建物・樹木・地蔵」を描いた水彩画60点が展示された「被爆75年・あの日を忘れない」と題する藤登弘朗さんの水彩画展が、昨日4月8日から旧日銀広島支店の1階で始まりました。

私は、作者の藤登さんから3月初めに案内のハガキをいただいていましたので、初日の昨日、会場を訪れました。

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私と藤登さんの最初の出会いは、確か2008年だったと記憶していますが、私が「広島で初めての『東京大空襲写真展』」を開催するため、旧日銀広島支店の使用申し込みに広島市役所を訪れた時です。藤登さんも同じ時期に「水彩画展」の会場申し込みに来ておられました。私が「東京大空襲展は、どうしても3月10日を中心に開催したいと思いますので、何とかご協力いただけませんか」とお願いしたところ、快諾をいただき、私が希望する日時で開催することができました。そして藤登さんの水彩画展は、一週間ずらしての開催となりました。

東京大空襲展を開催するなら3月10日を中心にと思っていましたので、この快諾は本当にうれしかったことを今でも覚えています。ですからその後何度か開催された藤登さんの展覧会には、必ず会場を訪れました。また藤登さんからは、作品集を送っていただきました。

今回の展覧会は、この2~3年の間に描かれた作品60点が展示されています。会場に入って最初の目に飛び込むのは、被爆地蔵が描かれた作品です。被爆地蔵は、20点が展示されています。

このブログで昨年紹介したお寺の名前がいくつかあります。その一つに、先月末、満開のシダレザクラを見に訪れた普門寺の地蔵もあります。桜を見に訪れた時には、気づかなかったお地蔵さんです。

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帰宅途中、普門寺によってみました。大小二つの地蔵が建っています。展示されていた絵に描かれたのは小さい方(画集には、大きい方も描かれている)ですが、大きい方には、肩のあたりに大きな傷が見えます。

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ちょうどお寺の奥様が、境内に落下した桜の花びらを掃き集めておられましたので、少しお話を聞きました。「そうです、このお地蔵さんが、被爆したものです。大きい方をよく見てください。首から上と胴体の部分の石の色が違うでしょ。被爆後、首から上はどこに飛んで行ったのか行方不明のままでしたので、後から首から上を作り直して乗せているのですよ」今日も不思議な縁を感じました。

話を藤登さんの展覧会に戻します。藤登さんは、お地蔵さんを描くきっかけを話してくださいました。「ある日、西平塚の興善寺の前を歩いている時、境内から小学生がたくさん出てきました。お寺の方にどうしたのですかと訊ねたら、『被爆した地蔵を見に来たのですよ』と教えられました。それを機会に、被爆地蔵を描くようになったのですよ」と。描かれた地蔵さんは、いずれも傷を負っています。

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 この絵は、画集から転載した興善寺の被爆地蔵

その後、清水顕さんの写真集「地蔵の記憶」を頼りに被爆地蔵巡りが始まったそうです。

展覧会場では、お地蔵さんの絵につづくのは、被爆建物を描いた絵20点です。その中には、昨年末から保存をめぐって話題となっている「旧陸軍被服支廠」を描いた絵4点があります。左側の3点は、今年に入って描かれたものですので、今回展示されている作品の中では、最も新しく描かれて作品です。

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被爆樹木も展示されています。中でも天満小学校にある「プラタナス」が目を引きます。というのは、一昨日現地を訪れて、見てきたばかりだからです。特徴が良く描かれています。

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その他にも昨年被爆樹木めぐりで訪れた木も描かれています。

私が会場を訪れた時、二人の女性が藤登さんの説明を聞きながら絵を見ていました。二人は被爆二世とのことで、機会があれば市内の被爆に関するものを巡っているそうです。「この展覧会で新しい出会いを多く体験しましたので、現地で本物を見ようと思っています」と話してくれました。

藤登さんの作品は、すでに4冊の画集(「被爆建物は今」「生き続ける被爆樹木」「慰霊碑」「被爆地蔵」)として発刊されていますが、残念ながら在庫はないそうです。

展覧会は、12日までの会期です。こうした時期(新型コロナウイルスで外出自粛が言われている)ですが、一人でも多く訪れていただき、藤登さんの作品と一緒「平和への思い」を考える機会になればと思います。

いのちとうとし

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2020年4月 8日 (水)

「原爆の絵8号碑」の除幕式

3日午前11時、フジグラン広島(中区宝町)で「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」が制作した「原爆の絵8号碑」の移設除幕式が行われました。

事前の中国新聞報道で、今回移設された「8号碑」は、原広司さんの絵が焼き付けられていることを知り、除幕式に参列することにしました。

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全員の黙とうで始まった式は、最初に主催者お二人のあいさつです。一人は、「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」会長の岡村信秀さん。岡村さんは、県生活協同組合連合会の理事長でもありますので、「ヒバクシャ国際署名」の活動などを通じて旧知の方です。

もう一人は、今回の「絵碑」の設置場所を提供された株式会社フジ代表取締役会長兼CEOの尾崎英雄さん。

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尾崎さんのあいさつは、「昨年の春から初夏にかけて、広島県から場所提供の打診がありました。近くに世界的なホテルも建設されるので、世界の人々にこの絵碑を見ていただく機会となり、核兵器廃絶に繋がればとの思いで、協力することにしました。」さらに「少し長くなるのですが」と前置きし、「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」の初代会長であった小説家・脚本家の早坂暁さんが、株式会社フジの本社がある松山市の隣北条町(現在は松山市に合併)の出身であることを紹介しながら、早坂さんと原爆のかかわりについて話されました。「生家が遍路みちに面した大きな商家で、幼少より遍路に接してきたこと、また、遍路に置き去りにされ、生家が引き取って『妹』春子として育った少女が、広島で原爆に遭い死亡したと思われる。その春子さんを探しに広島に来た早坂さんは、春子さんを見つけることはできなかったが広島の惨状を目の当たりにした。そのことがあったため、この会の会長を引き受けたのだと思います。」この話を聞きながら、確かNHKで放映されたなと思い、帰宅後調べてみました。早坂さんが亡くなられて(2017年12月16日)翌年の夏、「花へんろ 特別編『春子の人形』」として放映されていました。

主催者のあいさつの後、学校法人広島山陽学園専務理事石丸仁土さん、原画制作者米田勁草さんの二人の来賓を加えた4人による除幕が行われました。

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爆心地から490メートルにあった山口銀行広島支店外壁に使われていた被爆石を台座に、縦70センチ横1メートルの黒御影石に焼き付けられた3枚の絵の陶板がはめ込まれた「原爆の絵碑」が登場しました。

その後、来賓のあいさつ。最初は石丸さんです。「8号碑が移設されたこの場所は、1966年まで山陽学園山陽高校の校地であった。1945年の原爆投下で校舎は焼失した。教職員と生徒が505人死亡した」とこの場所との縁を紹介。次に米田さんのあいさつです。自分自身は、学童疎開で旧加計町安野の正覚寺にいて被爆を免れたことを話しながら、「被爆者ではないが、忘れることはできない。被爆者の犠牲の上に今の広島があることを忘れてはならない。この絵にカンナを描いたのは、がれきの中から芽を出した初めて最初に見つけたのがカンナだったからです。復興の象徴として描きました。」と絵への思いを語られました。米田さんの絵には、父米田栄作さんの詩「路傍のみどり」の抜粋が添えられています。

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「原爆の絵8号碑」には、3枚の絵が焼き付けられていますが、うち左右の2枚が原さんの絵、真ん中が米田さんの絵です。

原広司さんの絵は、原爆投下の翌日7日に入市し目にした光景が描かれています。左側は、11時40分富士見町。

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キャプションにはこう書かれています。「『水をくれ―』「水をくれ―」と私に言った。学校から帰る際、先生から『水を飲ませたら死ぬ』と注意があった。私はその場を逃げるように足早に行った。手を合わす姿が今も忘れられない」

右側は、12時10分宝町。

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こちらのキャプションは「死体の上に焼けたトタンがかぶせてあった。付近に収容されない死体が多く放置されていた。なんたる光景であろうか。1日前までは戦時下であっても家族があり、元気に生きていたのに…」

40分ほどで、除幕式は終わりました。

「原爆の絵8号碑」の移転までの経緯や、他の「原爆の絵碑」(全部で10枚)のことや台座の被爆石のこと、山陽高校のことなどについて調べてみましたので、改めて紹介したいと思います。

いのちとうとし

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2020年4月 7日 (火)

4月のブルーベリー農園その1(東広島市豊栄町)

4月に入った。標高約400mある農園だが、今年はサクラの咲く時期が平地の安芸の郷の建物の森の工房AMAの庭のサクラの開花とほぼ同じタイミングで咲いている。いつもは1週間くらい後なのだが。暖冬のせいかも。

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4月4日(土)。午後から作業。3時の昼休みに例年より早く咲いたサクラを眺めながら休んでいるとブルーベリー畑に動くものが見えた。

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オスのキジだ。法面に立つと周囲がよく見えるのでしばしあたりを眺めている。1段目、2段目、3段目のブルーベリー畑を横切っていった。その後もウグイスの声にまじって「ケーン」という鳴き声が聞こえてきた。

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日本ミツバチがそろそろ分蜂する季節になった。ミツバチが巣に来やすいように蜜蝋と、蜜蝋は65度くらいの温度で分離させて取るのでその時の湯も取っておいて巣箱の周囲に塗っておいた。分蜂した日本ミツバチが来やすいそうな環境を整えてあとは待つだけ。安芸の郷を支援して頂いている方からの紹介でこうした方法をお教え頂いた。昨年4月に設置したが来ずで、ネットや本だけの知識では分からないことだらけだったので蜂蜜ゲットに一歩近づいた気分。

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4月5日(日)。里山のブルーベリー園の側の枯れた立木を危ないので伐採した。倒す方向にロープで引っ張ってから鋸で切る。ブルーベリー園の入り口にうまく倒すことができた。木は朽ちて軽いので防獣柵にくっつけて置いた。

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ブルーベリー畑の向こうの田んぼの法面のシバサクラが咲きだした。やっぱりちょっと早く咲く。6_20200406153301

剪定作業に取り掛かるときにちょうど野鳥のジィオウビタキがきて電気柵のポールにとまった。7_20200406153301

剪定するブルーベリー畑からは田んぼのあら起こしのトラクターの音とともにその向こうの鯉のぼりが目に入る。今日は風が強いので鯉のぼりのよく泳ぐ。

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あちこち伸びてきたブルーベリー畑の草刈りも欠かせない。9_20200406153501

4月5日(日)。ブルーベリー畑の足もとの野の花2つ。落語では「レンゲ、タンポポ花盛り。その道中の陽気なこと」というくだりが春の表現する定番だが、レンゲはまだはしり。10_20200406153501

タンポポは蕾も用意されて咲く気満々。

2020年4月7日

社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良

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2020年4月 6日 (月)

被爆桜の花めぐり

昨年このブログでも紹介しました被爆桜3本、私が訪れた時は桜の開花時期を外れていました。「来年はぜひ、開花時期に訪れたい」と思っていましたので、先週、再び訪れてみました。いずれの木も、ほぼ満開の状態でした。

最初に訪れたのは白島北町の安田学園の正門奥にある植わる桜です。

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今回も学校の敷地外からの撮影です。遠めですが、ほぼ満開の状態です。帰宅して夕方のテレビニュースを見ていたら、NHK広島の「お好みワイド」「被爆桜シリーズ2 被爆桜を後世に」で、ちょうどこの安田女子高の被爆桜をとりあげていました。安田女子高では、12年前から生徒たちによって、この被爆樹木の枝を接木した被爆樹木二世ともいえる苗木づくりが始まり、これまでに79本の苗木を全国の高校に贈る活動を続けてきたそうです。しかし、この被爆桜も害虫などのより樹勢が弱まり、昨年の15本を最後に今年から苗木づくりができなくなったようです。遠目からは元気そうに見えるのですが。この15本は、平和学学習に活用するため、今後は学校で大切に育てていくそうです。

次の訪れたのが、白島九軒町の碇神社のソメイヨシノです。

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この木は、被爆して地上部が焼失しましたが、焼け残った根元から新芽が生え、成長したものです。大きな傷もあり、樹勢も弱っているようですが、しっかりと花をつけていました。

この碇神社のソメイヨシノも接ぎ木による苗木づくりが行われ、二葉の里に植樹されているとのことです。この情報は、同じ「お好みワイド」の「被爆桜シリーズ1」で紹介されていましたので、碇神社から次の目的地比治山へ移動する途中に、現地によってみました。

二葉の里では、昨年4月に被爆前にあった桜並木を復活させようと、東照宮前から南に向かう道路(医師会館の西側の通り)に桜が植樹されています。その木の一部だろうと思い、探してみたのですが、どの木にも「ソメイヨシノの説明」があるだけで「被爆二世の桜」の表示はありません。

どうしようと思っている時、本当に偶然ですが、DATA同友会の会員Oさんに巡り合いました。Oさんは、東区山根町在住。「どうしてこんなところにいるのですか」と問われ、「このあたりに、被爆桜の二世の木があるということを聞いたので、探しているのですが、どの木かわからないのですよ」と答えると「その木の一本はこれです。」

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「えっ、どうして知っておられるのですか」「私も、二葉の里に桜並木を復活させる会の会員として、植樹を手伝っているのですよ」。さらに会話は続きます。「最初に植えたのは、この二葉山沿いに東西に延びる道へ植えたのです。素人の仕事でしたので、土が悪かったのか育ちが悪いのです。南北の道路脇は、広島市が植えたのでよく育っています」「苗木はどこから手に入れたのですか」「福田の方で、民間の個人が育てられていた苗木です」相手も忙しそうでしたので、改めて話を伺うことを約束して別れました。それにしてもこんな偶然があるのかという不思議な思いに駆られて現地を去りました。碇神社の被爆二世の桜の木、大きく育ってほしいと思います。

さらに自転車をこぎ、比治山にある「頼山陽文徳殿前」のソメイヨシノを見に行きました。この被爆桜も元気に花をつけています。

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「お好みワイド」の「被爆桜シリーズ2」では、この桜も取り上げていました。被爆樹木を30年にわたって見守ってこられた樹木医の堀口力さんの話です。「この木は、10年ぐらい前から急激に弱って、普通は一房に5輪ぐらいの花をつけるのですが、この木は3から4輪と少なくなっています。3年前からカルテをつくり、病気の枝を切ったり支柱を建てて保護したりしています。」

こうした努力があって、今年もまた元気に見事な花をつけて、被爆証言者の一人として頑張っているように思いました。NHKの放送を見たのは、帰宅後でしたので花の数を数えることはできませんでした。

駆け足の被爆桜の花巡りでしたが、今回もまた新しいことを知ることができました。

いのちとうとし

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2020年4月 5日 (日)

ヒロシマとベトナム(その11)

技能実習生の半数以上を占めるベトナム

数年前までは、技能実習生と言えば中国が圧倒的でしたが、いまはベトナムがダントツ一位です。昨年6月末現在の在留外国人は282万9,416人、そのうちベトナム人は中国、韓国に次ぐ第三位で37万1,755人です。36万7,709人の技能実習生のうちベトナム人が18万9,021人で、中国(8万1,258人)の倍以上の差でダントツ一位、全体の51.4%を占めています。

なぜ、ベトナムが急激に増えているのか幾つか要因があると思います。

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なぜ、ベトナムが多い?

とびきりの親日国―

一つには、「ヒロシマとベトナム」その3(2019年8月8日)で「トンズー運動」で触れましたが、ベトナム人が極めて親日的なことが挙げられます。

とりわけ、長く苦難の植民地支配との戦いを多くの犠牲のうえに勝利し、数多の負の遺産を抱え復興と発展を目指すベトナムの人たちにとって、ヒロシマは平和を連鎖するシンボルであり、未来への希望と目標になっています。

2016年から小学生3年生以上を対象に日本語教育(第一外国語)も始まり、若い人たちの日本に対する関心を一層高めていることもあります。

アウンコンサルティング株式会社が2018年、アジア10カ国とアメリカ、英国、オーストラリアの13カ国からの来日観光客を対象に「親日度アンケート」を実施していました。アジア10カ国の中でベトナム人は、日本人が「大好き」「好き」が98%を占め、香港に次ぐとびきりの親日度でした。

―アジアで最も緊密な二国間関係―

二つには、「アジアで最も緊密」と言われる日本とベトナムとの二国間関係です。1994年8月、村山富市首相が国交樹立(1973年9月21日)後に初めてベトナムを日本の首相として訪れて以降、新たな段階に入りました。

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ボー・バン・キエット首相(左)と村山富市首相(国家主席公邸1994年8月25日)

2014年には「アジアの平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ樹立に関する日越共同声明」が結ばれ、政治、経済、文化・スポーツ、教育や人材育成、観光を含めた人的交流・・・などなどあらゆる分野で関係性が深まっています。そうした中で、語学力を身につけ帰国後、日系企業に就職することを目標に技能実習生として来日する若い人たちが増えています。

―「お金を稼ぎたい」&「安い労働力が欲しい」―

三つには、ベトナムは順調に経済成長を続け、一般工の賃金もホーチミン市で2008年の96米㌦から2018年には242米㌦へと152.6%増えました。下の表を見てください。中国経済も成長し、同時期の10年間に上海では165.4%増え662米㌦、深センでも140.1%増え490米㌦になっています。しかし、ベトナムは中国(深セン)と比べても賃金は2分の1以下です。

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もう皆さんはお分かりだと思いますが、中国国内の経済成長に伴い賃金水準が上がり、遠く日本まで「働き(技能実習)」に来なくても良くなってきたのです。一方、ベトナムも著しい経済成長を遂げているものの、「表」に見るように首都ハノイと経済都市ホーチミンでも他の国と比べるとまだまだ賃金は低く、地方都市や農村ではさらに低いのが現状です。そうした実情から、「日本語も学べる出稼ぎ先」として日本に来る若い人が多いのです。

その日本では「人手不足」に苦しむ企業・事業所、とりわけ中小零細事業所の労働力(人材)確保は深刻な問題です。双方の要求がマッチングしていることです。加えて、「勤勉」で「真面目」で日本人と同様に「手先が器用」、家族思いで同郷意識が強くコミュニティーを大切にすると言われていますが、私も総じてそう感じています。お互いに接しやすく親しみが持てることもベトナム人の技能実習生が増えている要因だと思います。

よそ事ではない ロンドン郊外の「コンテナ死事件」

ところで皆さんは、昨年10月、ロンドン近郊でトラックのコンテナから39名のベトナム人の遺体が発見された痛ましい事件を覚えていますか。日本でも大きく報道されたので、記憶に新しいと思います。

犠牲になった15歳から44歳までの男性31名、女性8名のほとんどが、ベトナムでも最貧地域と言われるベトナム中北部の省出身でした。

私が専務理事を務めている一般社団法人 広島ベトナム平和友好協会(HVPF)が交流を続けているクアンチ省も「ベトナムで最も貧しい省」と言われていますが、幸いにしてクアンチ省の人はいませんでした。しかし、日本国内でも技能実習生や東京福祉大学の留学生の大量失踪のように、事件や事故に巻き込まれる懸念や危険が増えています。イギリスの「コンテナ死事件」は決してよそ事ではありません。

次回は、日本の技能実習制度と昨年4月から始まった特定技能1、特定技能2という新たな在留資格による労働者の受け入れ制度の問題点を考えてみたいと思います。

(2020年4月5日、あかたつ)

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2020年4月 4日 (土)

4月の3の日行動

ヒロシマ総がかり行動実行委員会は、昨晩午後5時30分から1時間本通電停前で、定例の「3の日行動」を展開しました。

新型コロナウイルスの汚染が拡大する中での街宣でしたので、多くはそのテーマに沿いながらのアピールとなりました。

藤元さんの司会で始まった「3の日行動」は、先月と同じように歌声9条の会のみなさんによる歌声のアピールでスタート。予定していた弁士が次々とマイクを握ります。最初は、「全般的の情勢について」川后和幸共同代表が訴え、続いて「特措法による緊急事態宣言の危険性」を同じく共同代表の山田延廣弁護士が、スピーチ。

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次は新型コロナウイルス感染拡大である意味では最も大きな影響を受けている「非正規労働者の苦境」をスクラムユニオン・ひろしまの土屋みどり書記長の自らが行っている相談活動を通じてつかんだ状況についての報告。「働く仲間の訴えは深刻で、大勢が苦しい立場に立たされています。3月21日22日と労働相談ホットラインを解説。一つの具体例です。『アイトラベル』、運転手など計30人が働いていました。2月からキャンセルが相次いだにもかかわらず、助成金が受けられず3月10日に倒産し7人が相談に。国の立て替え払い制度への申請、失業給付の申請などの手続きなどで解雇予告手当の8割給付や2~3か月の給料支払いを実現。しかし、再就職は厳しい。次に子どもを抱えた夫婦の相談。会社が補助助成制度の手続きを知らず、対策が遅れたが何とか問題を解決。」さらにフィリピンからの技能実習生の帰国問題を紹介。「何とか解決できたが、手続きが複雑すぎる」ことなど指摘しました。

土屋さんの後は、「イベント自粛の影響」についてシネマキャラバンの友川さんの報告。直前になって参加できずメッセージによるアピール。さらに「河井疑惑」「沖縄辺野古問題」を訴えて今月の行動を終了しました。

街宣の途中、立ち止まって耳を傾ける女性に声をかけました。「マスク2枚配布、笑ってしまいますよね。学校休みの子どものことを考えると、これからどうなるのか不安が広がります。先が見えない問題ですが、いま困っている人のことを考えた政策を具体的に示してほしいと思います。」本当にその通りです。

昨日メールで先月19日に行われた府中市の「19日行動」の写真が届きましたので、このブログにも掲載します。

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私の友人の顔がたくさん見えますので、うれしい気持ちです。

自粛ムードが広がる中での街宣でしたが、外での活動ですので訴える中味を工夫しながらも続けていきたいと思います。ただ、5月3日に予定していた屋内での「平和といのちと人権を!5・3ヒロシマ憲法集会」は中止し、街宣活動を行うことになりました。

いのちとうとし

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2020年4月 3日 (金)

3月のブルーベリー農園その3(東広島市豊栄町)

下旬になるとサクラはまだ咲いていないが農家の人たちの息遣いが感じられるし、ブルーベリーの花芽の膨らみも日に日に大きくなり色合いも赤みを帯びてくる。

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3月22日(日)。

 ①.農園の周囲の法面のススキなどを一気に野焼きしてブッシュ状の法面を火でさらえる方法がこの季節に行われる。手前の法面はさっき終わり、向こうの山裾の法面の野焼きの煙が立つ。煙ひとつで人の息づかいが聞こえるようで落ち着く。

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 ②.風が吹いて防獣ネットが倒れ込んでいたので補強の杭を打ち込み、支線も新たに設置してもとに戻す。昨年夏にシカが数日侵入したところなので高くしていたが杭が持たなかった。上部は目の荒いネットに張り替えないとまた倒れそう。3_20200402083901

3月26日(木)はいい天気だったので休みを取って農作業に。2人で一番上の畑のブルーベリーの剪定を行う。4_20200402083901  株もとのシュートやヒコバエの剪定でヒョロリとアマガエルが出てきた。ウグイスもキジも姿は見えないが鳴く声が農作業中も聞こえる。5_20200402083901

草の中からわさわさと青紫の花穂がのぞく(ムイスカリ)6_20200402084001  3月29日(日)。今年最初の草刈り。これからどんどん草が伸びる。7_20200402084001

家の蔵の横のツバキが見ていて面白く楽しめる。

3月26日(木)蕾がまるまるして20日に見た時より大きくなった。8_20200402084001

3月29日(日)には蕾があちこちで開いたが中には開く前のまるまるした顔がのぞく。9_20200402084101

一抱えほどツバキを切って安芸区の自宅の玄関の甕にどさっと活けてしばらくたのしむことにして車に乗せる。10_20200402084101

農園の向かいの杉や桧の中にポツンぽつんと白いコブシが咲く。

農園のブルーベリーの剪定は昨年12月からはじめて3月中にほぼ終了。近年で一番早いペースとなった。

2020年4月2日

社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良

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2020年4月 2日 (木)

ドイツの新型コロナウイルス事情・・・現地からの便り

世界の新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数を見ていると、ヨーロッパの中では、ドイツ国内の死亡者数が他の国と比べて少ない状況となっています。どんな理由があるのだろうかとドイツ在住の友人にメールで尋ねたところ、昨日、以下の情報が送られてきました。せっかくの現地からの報告ですので、時候のあいさつを除いて原文のまま紹介します。


〈前略〉

ドイツで死亡者が少ないのは、早い段階からPCR検査をしっかりやってきたからです。これは、ドイツの一番の専門家が断言しています。現在、週間50万件の検査ができます。それでも、症状のはじまった人が中心で、幅広く検査ができている状態ではありません。

それから、集中治療室のベッド数も人口10万人当たりにするとかなり多いですね。人工呼吸器も他国に比べると整備されています。さらにその容量を増やすために、病院内で仮設の集中治療室を増やしました。緊急でない手術も延期させています。

それで今、新型コロナ用に集中治療室で3万ベッド用意してあります。これも飛び抜けていると思います。まだ半分も使っていないようですが、今後さらに感染者が増えることを想定して早めに準備してきました。

それから、軽症者のために見本市会場などに仮設病院を設置しはじめています。定年退職したり、他の職業に映った医師や看護師を募集するほか、医大生なども、こうした仮設病院に配置できるように準備しています。

ただ感染が確認されても、すでに症状が出ていないかぎりは、自宅隔離が原則です。

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人口10万人当たりの医師数、看護師数(介護も含む)を見ると、日本が今たいへんなことになっているイタリア、スペイン、フランスなど比べても低いようなので、その点も心配です。

日本は検査容量が少なすぎるし、検査をしなさすぎています。ドイツは、検査結果もだいたい翌日でます。それとドイツでは、検査はすべて健康保険が負担してくれるので、個人負担がありません。日本は、健康保険があっても個人負担ありますよね。

なので、日本は感染していても把握されていない感染者がたくさんいると想定しています。それに、通勤ラッシュがひどいですから、学校を休校させ、イベントを中止させただけでは、頭隠して尻隠さずという感じですね。それに日本では、多少病気でも無理して仕事に行く人も多いですね。そういう人たちも感染を拡大させてきたはずです。

米国のJohns Hopkins大学の統計を見ると、日本と香港だけが、感染者の上昇カーブが緩いのがとても気になります。その他の国はだいたい上昇カーブがよく似ているのですけどね。

それがなぜなのかですね。それと、五輪延期決定後に感染者が増えているのも臭いですよね。

日本のドイツ大使館は24日に、日本で暮らすドイツ人に対して日本の感染情報は当てにならないので注意するようにとのメールを出しています。

米国の状況を見ればわかるように、検査の手遅れが致命傷になる可能性が大きいので、今後の日本の状況がとても気になります。

ドイツは、来月20日まで外出自粛、休校、お店の閉鎖が続きます。外出は、食料品の買い物、治療、薬の調達、銀行、郵便局などに制限されています。仕事はホームオフィスをベースにして、それができない人は通勤してもいいことになっています。

それから、散歩とジョギングも可能です。でも家族以外と一緒のときは、自分も含めて二人までに制限されるほか、1.5メートルの間隔をとって歩かなければなりません。この1.5メートルの間隔は、感染防止にとても大切だとされています。

ですから、スーパーの店内、国会内、車内、駅構内、テレビのスタジオ内などすべてにおいて、この間隔を守ります。ですから、スーパーでは入場制限していますし、スーパーの前、レジの前で並ぶ時も1.5メートル離れて待ちます。

国会審議、閣議などでも、1.5メートル離れて座っています。飛行機もようやくそうなりました。国会はですから、決議する時は4分の一賛成で通過する特別規定を設けています。でも財政出動などはもう全会一致でしたね。とても早いスピードで両院通過しました。今、与野党でやりあっている状態ではないという感じです。

もちろん、外出制限で民主主義は守られているのか、出口戦略はあるのかなど、いろいろ議論もあります。

同時に、若い人たちが高齢者の買い物をしてあげるなどのボランティア活動も活発になって、連帯、共生ということも社会に広まっています。

とにかく、たいへんな状況になりましたが、これからさらに途上国に広がるので、それがとても心配です。

お互い乗り切るしかないですね。ご自愛ください。


示唆に富んだ「ドイツの新型コロナウイルス事情」です。日本でもぜひ参考にして、対策を進めてほしいものです。

いのちとうとし

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2020年4月 1日 (水)

被爆者援護は裁判で勝ち取った ――それまでは、「受忍論」を盾に「放置」――

さて、これまでは、憲法には私たちの権利として明示されているにもかかわらず、その権利が実際には守られなかった顕著な実例をいくつか取り上げてきました。たとえば、禁止されているにもかかわらず「合憲」だとの最高裁判決がある「死刑」、そして当事者から何回にもわたって、裁判を通して問題提起された「婚外子」の権利です。普通に考えれば「違憲」以外の解釈はできないにもかかわらず、「婚外子」の差別には「合憲」判決が出され続けてきたのです。権利が剥奪されて来た人たちは、いわゆる「弱者」が多いのですが、今回は、その中でも、「被爆者」を取り上げたいと思います。

 《被爆者の人権は無視され続けてきた》

歴史を辿る情報は、時系列に従って出来事を記述するのが普通なのですが、ここでは、国の姿勢を一番明確に示している「受忍論」から始めましょう。1980年、当時の厚生大臣が、元東大総長である茅誠司、大河内一男両氏を含む7人の「知識人」に諮問した答申が出されました。7人からなる会は「原爆被爆者対策基本問題懇談会」と呼ばれますが、略して「基本懇」として知られています。

この基本懇の答申は、政府の公式文書ではありませんが、被爆者援護法やその運用の仕方について、ここで打ち出された「受忍論」が基本的な指針であると捉えた上で解釈すると、これが我が国の政府と国民との間の戦争についての基本的考え方を示しているものであることが良く分ります。その内容を私なりに要約しておきましょう。

戦争は国が始めるものだが、国を挙げての戦争の結果生じる犠牲は、「一般の犠牲」として、全ての国民が等しく受忍しなくてはならない。ただし放射能による被害は特別だからそれなりの配慮は必要である。しかし、一般戦災者とのバランスが大切だということも忘れてはならない。最後に、国には戦争に関連しての不法行為の責任や賠償責任はない。

つまり、国の戦争責任は認めず、戦争による犠牲について国としての賠償はしないのですから、被爆者の疾病や生活について親身になってケアをする気持のないことは勿論、国民の基本的人権という視点からの施策もなかったと言って良いでしょう。その権利を回復するための手段の一つが訴訟でした。その結果、被爆者の権利が認められるようになりました。中でも重要な三つのケースを掲げておきます。

 .石田訴訟(1973年5月17日—1976年7月27日)――原爆による白内障を認定疾病として認めるかどうかが争点で、原告は石田明氏、被告は国で、要医療性が争点になりました。判決は、認定疾病についての二つの要件のうち、起因性については問題がない。さらに、医療審議会の意見「薬物治療は効果がない」に対して、一部ではあるが進行防止の効果を有するとの見解もあるので、もう一つの要件である要治療性があると認めるべき、というものでした。

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被爆教師の会の創設者で、石田訴訟の原告である石田明氏

 .孫振斗訴訟 (1972年10月--1978年3月30日)――原爆医療法の恩恵に預かるための必要要件だった被爆者健康手帳を交付して貰いたいという目的で密入国した原告、孫振斗(ソン・ジンドウ)氏が国と福岡県を訴えました。争点は、密入国者にも被爆者健康手帳を交付すべきかどうかで、最高裁による判決は、「『原爆医療法』は、被爆による健康上の障害の特異性と重大性のゆえに、その救済について内外人を区別すべきではないとしたものにほかならず、同法が国家補償の趣旨をあわせもつもの」と解し、「被爆者の置かれている特別な健康状態に着目して、これを救済するという人道的目的の立法である」ことから、交付すべしという結論になったのです。

 .3号被爆者訴訟 (2005年9月29日--2009年3月25日)――市外で、被爆者を輸送・救護・看護・処理等をした人たちは「3号被爆者」として認定されるのですが、そのためには、輸送・救護・看護・処理等をした被爆者が10人以上という条件が付いていました。それに対して被爆者7名が、国と広島市を訴えていました。判決は、相応の時間とどまったという事実が認められれば、身体に放射線の影響を受けたことを否定できないという結論で、これら7名、そしてその他にも要件を満たした被爆者は3号被爆者として認められることになりました。

国の姿勢は被爆者を「個人として尊重」したり、生命・自由・幸福の追求のために「最大の尊重」をしているようには思えません。「受忍」して当然なのに、何故それ以上の要求をするのだ、とでも言える対応の仕方ではありませんか。日本人に対しての対応がそのレベルであれば、日本人以外の人たち、つまり外国人に対しては、特に大日本帝国が起こした戦争・事変その他の行為で被害を受けた人たちには、「受忍論」より過酷な基準での対応しかなされていないとしても不思議ではありません。次回は、この点を検証します。

[2020/4/1 イライザ]

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コメント

基本懇答申、期待していたからこそ、あの内容には脱力感だったことを思い出します。答申が出たのは80年12月ですから、今年は40年なのですね。「受忍論」とともに、「三つのほしょう」問題も改めて議論を交わしたいと思います。そして石田明さん、「被爆者運動の哲学」を教わりました。

木原省治様

コメント有り難う御座いました。何しろ、二人の東大元総長まで委員だったのですから、普通なら期待しない方が可笑しいですよね。でも、最近の東大出の高級官僚たちの言動を見ると、その原点が基本懇にあったのだと考えた方が良さそうですね。

それも、コロナ・ウイルスについての対応で、高級官僚たちのお粗末さが毎日伝わって来ていますので、多くの皆さんが目を覚ましてくれると良いのですが---。

 

 

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