「沈黙を聴く」広島被爆樹木写真展
原爆後、広島の地で生き抜いた被爆樹木の写真展が、被爆建物の旧日本銀行広島支店で開催されています。主催者の広島東南ロータリークラブは、被爆70年の015年に、現在市内の被爆樹木に取り付けられている標識を寄贈するとともに、写真家藤原隆雄さんに依頼し市内の約160本の被爆樹木を撮影し、その写真集「沈黙を聴く」を作成し、市内の全小中学校に寄贈されたそうです。
今回の写真展では、クロガネモチやユーカリ、シダレヤナギ、アオギリなど8種類の樹木の写真約40点が展示されています。
被爆樹木については、このブログでも何度かとりあげてきましたが、今回の写真展に展示されている樹木のほとんどは、すでに訪れたことのある木でしたが、新たな発見もありましたので、少し紹介します。
一つは、残念ながら2018年の台風によって折れたため、広島市の被爆リストから削除された三篠小学校の「梅の木」です。この木は、まだ訪ねたことがありませんでした。
現在三篠小学校の校舎内に一部が保存されている「梅の木」と、元気だったころに映された写真の2枚が掲示されています。台風で折れた被爆樹木といえば、基町小学校の子どもたちが大切に育てていた「被爆エノキ」を思い出します。この被爆エノキも、1984年の台風で折れ、子どもたちは必死になって「エノキを励ます会」などを作って回復に向けて世話をしました。一時新芽が出たりして子ども達は喜んだりしたこともありましたがついに1989年枯れてしまった被爆樹木です。被爆樹木も高齢化していますので、何とか残す方法を考えなければと思います。
次は、白島九軒町の碇神社境内の被爆樹木「ソメイヨシノ」です。私が、当地を訪れたのは秋でしたので、当然のことですが花は咲いていませんでした。今回展示されている写真は、満開の桜が写っていますが、その一枚の中に「落下した花びら」の映ったものがありました。
キャプションには、「不思議なことにこのソメイヨシノは、花びらが一枚一枚舞うことなく、花の姿を保ったまま落ちていく。」と書かれています。不思議な気がします。被爆の影響があるのでしょうか。満開の時期にもう一度訪ねたい木です
会場には、生きた樹木も展示されています。
樹木医の堀口力さんが、種子から育てられた「被爆樹木2世」たちです。堀口さんには、一度「被爆樹木めぐり」でいろいろなことを教えていただきました。白島・光明院の「ナツミカン」や千田小学校の「フジ」などは、私が訪れたことのある被爆樹木の「2世」たちです。
その横のパネルには、「被爆2世樹木の広がり」が展示されています。そこには2019年2月現在、世界50の国や地域に「被爆樹木の種や苗木」が送られたことが紹介されています。
この写真展、会期は16日まで。毎日午前10時から午後5時まで開場しています。一度訪ねてみてください。何か新しい発見があるかもしれません。
いのちとうとし
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