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2019年12月 6日 (金)

被爆建築物「旧陸軍被服支廠」の保存を考える

先日来、被爆建築物である「旧陸軍被服支廠」の保存について、「広島県が『所有する3棟のうち1号棟の外観を保存し、2号、3号棟を解体する』とする原案を、県議会総務委員会に示した」という報道が続き、全国ニュースとしても流れました。

私も、この1日に「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が呼びかけた「赤煉瓦の被爆建築物を守ろう!現地での慰霊祭と説明会」に参加したばかりでしたので、驚きをもってこのニュースに接しました。

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「旧陸軍被服支廠」は、95年ごろには倉庫の利用が中止され、その後、その保存活用をめぐって様々な検討がされてきたと聞いています。当然のことですが、当初は3棟すべての保存を前提にした検討が進められてきたと思っています。そう考えていた私にとっては、突然と言ってよい今回の広島県の方針転換です。

改めて考えたいことは、「被爆建造物の保存」をどう考えるかです。広島市は、93年にこの「旧陸軍被服支廠」を被爆建物として登録するとともに、被爆50周年を契機に、市内に残る被爆建築物を調査し、「被爆50周年 未来への記録 ヒロシマの被爆建造物は語る」として集大成し、保存の大切さを訴えてきました。その本の最初の「ごあいさつ」では「被爆の体験と実態を次世代に継承し、世界に広げていくことがますます重要になっています。・・・原爆により、壊滅的な被害を受け、かろうじて利用することのできた被爆建造物は、救護活動やその後の復興活動に、大きな貢献を果たしました。」とし、その重要性を訴えています

しかし、その後、民間が所有する被爆建造物は、特に建築物は多くが解体され姿を変えることになりました。例えば、ちょうど再建中のアンデルセンの建物もそうです。アンデルセンとしても様々な検討をされたようですが、結果としては壁の一部を保存し展示されることになったようですが、被爆建物全体が保存されることにはなりませんでした。民間所有という制約の中で、保存することがいかに困難なことなのかを示した事例でもあると言えます。

そうした経過を考えると、国や自治体が所有する被爆建築物がいかに大切なものかがよくわかります。ですから被爆遺構の保存に積極的な役割を果たすべき広島県の今回の方針提案には、大きな疑問を感ずるのは私だけでしょうか。しかも、あまりにも拙速な方針決定と言わざるを得ません。聞くところによる、広島県から「旧被服支廠の保全を願う懇談会」に対して意見の照会があり、それに「懇談会」から回答をされてようですが、その後広島県からは何の説明もなされていないようです。このこと一つとっても、県民・市民の声を聴いたうえで、今回の方針が出されたとはとても思えません。

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原爆資料館本館の「8月6日の惨状 破壊された街」のコーナーに展示されている「広島陸軍被服支廠のレンガ塀」は、2号館と3号館を繋ぐものでした。原爆資料館を見学した人が、この場所を訪れ、現場で実感することは、非常に大切なことだと思います。と言うより、むしろレプリカでもよいから、現地に復元させることによって、資料館と被服支廠を繋ぐ見学コースを作ることができれば、より広島を実感することができると思います。それほどの価値がある被爆建物だと言えます。

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2日に広島県に「陸軍被服支廠の存続」を申し入れた旧被服支廠の保全を願う懇談会代表の中西巌さんは次のように訴えておられます。「物が無くなれば、心まで無くなるのです。原子爆弾の惨状が風化した先に何があるか いったん廃棄したら元には絶対戻らない」

2年前の原水禁学校で、中西さんに被服支廠の前で貴重な証言を聞いた時のことを思い出します。

広島県が、こうした声に真摯に向き合い、「保存・継承」へと方針を転換することを強く望みます。そして被爆建造物の保存を進める広島市も「県のこと」と傍観するのではなく、積極的に「保存」のために役割を果たすべきです。

いのちとうとし

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