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2019年10月 9日 (水)

原爆被害を改めて考える(2)―被爆者健康手帳の発行件数は?(その2)

広島市役所を訪れた得た答えは、残念ながら被爆者健康手帳の発行数から、被爆者数を確認することはできないということです。私の考えたのは「被爆者健康手帳取得者のうち1号被爆者の数がはっきりすれば、その数が直接被爆者の人数になる」ということでした。ところが、広島市の担当者の説明では「被爆者健康手帳は、手帳所有者が、転居した時には改めてその都道府県で新しい手帳が発行されるため、そうしたケースでは、一人に何通も発行される(注:転居元の自治体は、転居先の自治体から連絡があり、その時点で元の手帳は無効となるので、重複発行になることはない)ことになり、手帳発行数と被爆者数は一致しないのです」ということでした。「それでは何人の被爆者に手帳が発行されたのかは全く分からないのですね」と問うと「そのとおりです。しかも、被爆者健康手帳は、1957年から発行されていますが、1960年から今の手帳が発行さるように改正されたので、旧から新へ切り替える手続きが、全部できたかどうかは不明なのです」との説明でした。

広島市は毎年7月に「原爆被爆者対策事業概要」を発表します。そこには、厚生労働省が発表する前年度末現在(その年の3月31日)の「全国被爆者」(被爆者健康手帳所持者数)を掲載されています。そこには、手帳の報区分である1号(直接被爆者)2号(入市被爆者)3号(救護看護従事者)4号(胎内被爆者)ごとの人数が、都道府県ごと(ただし、広島市、長崎市分は、別掲で集約)にまとめられています。例えば今年の報告では、合計では145,844人、うち1号は90,923人です。当然のことですが、その内訳には、被爆地ごとの集計はありません。

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厚生労働省が、毎年この発表を行っていることは知っていましたので、ここから割り出すことができるのではないかと思ったのですが、広島市の説明によると厚生労働省の発表は、自治体から報告された手帳数を発表しているだけで、被爆者個々人の情報を厚生労働省が管理しているわけではないようです。

ですから、被爆者健康手帳の発行数から被爆者数を確定することはできないというのが、結論です。もちろん、被爆者健康手帳が発行されたのは、国の最初の被爆者対策となった「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」(略して「医療法」)が、施行された1957年4月1日からですので、それまでに亡くなった被爆者については、仮に可能だったとしての被爆者健康手帳からたどることはできなかったのですが、1982年には、被爆者健康手帳の所持者数が最も多く、372,264人(広島・長崎の合計)となっていますから、この方法が有効であれば、生存直接被爆者数(国連報告では、約21万から22万人)にかなり近づいた数字が明らかにできたように思いますので、あながち無謀な方法ではなかったはずです。

しかし、それにしても誰に発行したのかをどの役所でも全体として管理していないという事実には、ちょっと驚きました。国がきちんとその詳細を把握し管理していれば、もっと正確に被爆者数を特定できたのではないかと、思われます。残念でしたが、被爆者健康手帳の発行件数から被爆者数を推定する方法は、とりあえず断念することにしました。

ところが、昨日紹介した1976年に国連に提出して報告書を読み直してみると、読み飛ばしていた重要なことが分かりました。報告文によれば、1945年末までに亡くなった死亡者数を報告した後に「1955年の国勢調査時のABCC付帯調査(原文のまま)において、日本人被爆生存者の数が初めて明らかにされたが、(調査もれがあるが、広島で157,585人)」と記載され、そこから推計した「被爆時から19550年までの間に、20万人以上が死亡したと考えられる」とも記載されています。そうか、すでに1955年には、被爆者の人数は個人が特定できた調査結果があったのだと知りました。

私は、無駄なことをしていたのかなと思っていたのですが、ところがまた新しい資料に行きつくことになりました。今度のきっかけとなったのは、古い新聞記事の切り抜きです。そこからたどった新たな原爆被害に関する情報については、次回(12日)に報告をします。

いのちとうとし

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