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2019年10月28日 (月)

岩国爆音訴訟高裁判決を傍聴して

マスコミでも大きく報道されているように、25日に広島高等裁判所(森一岳裁判長)は、岩国爆音訴訟の控訴審判決を出しました。私も支援者の一人として、法廷での傍聴、そして報告会に参加しました。そこで私が感じたことを報告したいと思います。

この判決は、岩国基地を離発着する軍用機がもたらす爆音被害が、受任の限度を超えた深刻なものであるとして違法性を認め、過去分の損害賠償を認める判断を示しましたが、原告住民がもっと求めていた「米軍機の夜間・早朝の飛行差し止め」は認めませんでした。

その理由は、他の基地爆音訴訟と同じ「第三者行為論」(米軍は日本政府の直接の指揮命令から外れた「第3者」であるから,日本政府に対して差止を求めることはできないという理屈)によって退けました。このことをまず考えてみたいと思います。

弁護団の主張(裁判後の声明文から)は、「日本政府が米国と合意(ここでは、空母艦載機部隊の移駐のことを中心に:カッコ内は筆者注)しなければ事実上実施することができないことである。被告国は日米安保条約をいつでも一方的に破棄しうることからすれば、『第三者行為論』により、国の責任が免責されることは論理的に成り立たない」です。

基本的には、私も弁護団の「国の責任は免れない」との主張を支持しています。そのことを前提としつつも次の疑問がわきます。裁判所は「爆音被害の違法性」を認めたのなら、なぜ国に対し「騒音を除去するために米国にその措置を要請する努力をすべきだ」ということが言えないのかということです。ただ損害賠償をすればよいではないはずです。その原因の根源を断つための努力を国に求めるのが裁判所の役割のはずです。

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次の疑問は、「過去の被害への損害賠償」は認められましたが、現在の、そして将来の被害に対しては、認めなかったことです。騒音の根源が立たれない限り、今もそしてこれから先も騒音は続き、被害を受け続けることになるのは自明のことです。そうであれば、国が「○○の措置を行うまでは」など、条件を付けたとしても「将来にわたって続く被害」に対しても損害賠償を国に命ずるべきだと思います。このことは、原告団長の津田利明さんも厳しく指摘されていることです。

報告会後、弁護士にその点をたずねると「損害賠償を得るためには、ふたたび裁判を起こすしかない」ということでした。今回の裁判でも提訴(2009年3月)以来10年を超えて、ようやく高裁の結論が出ました。上告すれば確定までさらに時間がかかります。今回の裁判でも、この判決を待たずに亡くなった人たちも少なくありません。

そこで考えなければならないのは、国の責任です。爆音被害の根源を断つために安全保障条約の解消を進めるしかないのですが、そのことができないのであれば、既に全国各地の爆音被害に対しては国の賠償責任が明確なっているのですから、立法措置などを行いその被害に対し国が補償するシステムを講じるべきです。もちろん、当然のことですが賠償さえすればよいということではありません。

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もう一つは、厚木からの空母艦載機移駐後飛躍的に増大している爆音被害に対し、その事実を認めつつ、「充分な証拠がまだ提出されていない」からと判断しなかったことです。艦載機移駐による爆音被害は、岩国のみならず周辺地域にも拡大しています。神奈川から駆けつけた「全国基地爆音訴訟原告団連絡会議」代表の金子豊貴男相模原市議の「今後周辺自治体にも原告を広げるなどの戦略も考える必要がある」という指摘を真剣に検討する必要があると思います。

原告の皆さんの願いは「静かな暮らし、静かな夜を取り戻す」という当たり前の要求であり、「子や孫に対して安心して暮らせる岩国の街を引き継ぐこと」という強い思いです。

今回の判決を契機に改めてそのことを確認することが大切だと感じました。

いのちとうとし

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