憲法

2018年1月16日 (火)

ICANのベアトリス・フィーン事務局長の来広 ――受賞をバネに、厳しい現実を変えるための作戦へ――


ICANのベアトリス・フィーン事務局長の来広

――受賞をバネに、厳しい現実を変えるための作戦へ――

 

核兵器禁止条約実現への貢献が評価されノーベル平和賞を受賞したICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン) のベアトリス・フィーン事務局長が、長崎大学から招かれて来日しました。長崎での講演等を終え、15日には広島に足を延ばしてくれました。平和公園・資料館を見学の後、午後には広島の若者との対話集会があり、夜は、核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会の主催で、「核兵器禁止条約の早期発効に向けたNGO意見交換会」が開かれました。

 

核兵器の廃絶をしなくてはならないことは十分理解している人たちの集まりだから、早期発効のため、そして批准をしようとしない国にどう働き掛けるのかを中心に意見交換をするという合意で始まりましたが、それでも様々な思いが飛び交い、元気一杯の集いになりました。

 

                 

20180115_23_18_53

           

開会前に通訳の小泉直子さんと打ち合わせをするフィーン事務局長(右から二人目)

 

行動優先の意見交換会で最初に披露されたのは、この稿がアップされる16日には、フィーンさんとICANの国際運営委員の川崎さんとが東京で、各党の代表と会い、国会で核兵器禁止条約についての討論を行うよう提言するということでした。

 

「国民に丁寧に説明する」と口だけでは曰わっても (のたまわって)、何もしない安倍総理・安倍政権ですが、日本社会特有の「外圧に弱い」ことまでは克服できていないようですので、正論に反駁はできない可能性がかなりあります。フィーン・川崎両氏に頑張って貰いたいと思います。

 

「討論」の内容は、核兵器禁止条約に日本政府は反対しているが、その姿勢を取るのであれば、最低限、この条約に参加する場合、しない場合それぞれのメリット・デメリットを事実に基づいて客観的に議論をした上で、その内容を国民に知らすべきだ、というものです。

 

フィーンさんの講演内容等は新聞やテレビでも報道されると思いますので、ここでは会場の参加者から出された意見を簡単にまとめておきます。発言者が誰なのかは省略します。

 

 イランで若者の平和グループを組織したが、全く関心を持たない人たちもいる。そのひとたちをどう巻き込んだら良いのか。

 対話は大切だが、対話をする際には方向性をハッキリさせる必要がある。そしてその方向とは核兵器の廃絶だ。

 被爆者国際署名に協力して欲しい。

 世界各地で行われているICANの活動を教えて欲しい。

 被爆の歴史や被爆体験について、日本は無知だ。そこから活動を始めなくてはならない。

 

フィーンさん・川崎さんからは次のようなコメントがありました。まず、議論は「シンプル」に徹すること、そして新たな、クリエーティブなアプローチを採用すること。例えばポップ・スターや宗教家の協力なども効果的なはずだ、加えて、インターネットなどあらゆるメディアを効果的に使う必要がある。

 

最後の閉会の言葉として、10月の総選挙で、得票数は伸びなかった改憲与党が議席の3分の2以上を占めたことを反省し新たな力を生むために、まず、2003年の平和宣言を読んで欲しいとお願いをした上で、3点を強調しました。ここではスペースがありますので、2003年の平和宣言の一部を引用しておきます。

 

世界中の人々、特に政治家、宗教者、学者、作家、ジャーナリスト、教師、芸術家やスポーツ選手など、影響力を持つリーダーの皆さんに呼び掛けます。いささかでも戦争や核兵器を容認する言辞は弄(ろう)せず、戦争を起こさせないために、また絶対悪である核兵器を使わせず廃絶させるために、日常のレベルで祈り、発言し、行動していこうではありませんか。

 

3点の一つ目は、改憲をしようとしている安倍政権の描いているシナリオを知り、その結果生まれる怒りを広げて力にしよう、ということです。9条改憲と言っても、もう存在している自衛隊を明記するだけだから何も変わらない、という説得が行われていますし、それをそのまま受け止めて「納得」している人も多くいます。でも、これまでの政府のやり方を歴史的事実に基づいて検証すれば、安倍政権の意図しているのは、その先の目標、つまり核兵器の保有だということはすぐ分ります。それを理解することで、改憲容認派を説得することが可能になります。

 

二つ目は、そのためにも必要なのですが、歴史を勉強し直すこと。私たちが教えられてきた歴史には間違いも多いのです。例えば聖徳太子は存在しなかったことが今では歴史的事実として教えられています。それと同じように国家としての日本を考えるにしても、明治維新や戦争ばかりしていた明治から昭和の時代、特に1895年から1945年を賛美する歴史ではなく、徳川時代そして1945年以降も含めての日本の本質を理解することが大切です。大河ドラマで西郷さんが取り上げられても、彼は征韓論者だったこともしっかり覚えておかなくてはなりません。

 

三つめは、社会党の最盛期に「社会党潰し」のために使われ、今でも信奉者の多い、「反対ばかりする政党は無責任」というプロパガンダに乗らないこと。人権を無視し、戦争を始めよう、環境はどうでもいい、貧富の格差がもっと広がるような施策を、国民を騙して行おうとしている政権には「NO」としか言いようがないではありませんか。正々堂々と、平和のため、正義のために「NO」と言い続けましょう。

 

明日、フィーンさんと川崎さんは国会で頑張ります。私たちは広島で頑張りましょう。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

ノーベル賞受賞でのスピーチそして記念講演で興味を持ち、普段は殆ど読まない小説を読みました。カズオ・イシグロの「日の名残り」です。記憶を辿る物語の展開にも感心しましたが、意見を言わないことの責任など、民主主義の根幹に関わる問題提起も多く、長崎生まれのイシグロ氏が「平和のための賞」と聞かされて育ったノーベル賞に相応しい作品だと思いました。

それにしても安倍首相はベアトリス・フィーン事務局長との面会を断ったということですが、日本政府の対応は本当に残念なことです。

今でも信奉者の多い、「反対ばかりする政党は無責任」というプロパガンダに乗らないこと。 これは大事だと思います。今なら「日本共産党や立憲民主党は無責任(非現実的)」というプロパガンダでしょう。そりゃあ、無茶苦茶をやる政権にはNOというのが「責任ある対応」であり「現実的対応」であると切り返していくべきですね。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

カズオ・イシグロ氏の作品も読まなくてはと思いつつ、読みたい本・読まなくてはと自分に言い聞かせている本のリストばかりが長くなっています。

安倍総理には、市民の声が聞こえるように、マギー審司のびっくりデカ耳をプレゼントしてみましょうか。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

権力者側が、弱者に対して取り続けている態度は、基本的な部分では全て「NO」なのですが、「騙す」側は、ちょっぴりの「Yes」を前面に掲げ、「NO」は「Yes」なんだよと信じ込ませる詐術を使います。オーウェルは、そのような構造を良く見ていました。「hiroseto」さんも頑張っているように、その点も突いて行きましょう。

2018年1月 1日 (月)

明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い申し上げます。


明けましておめでとうございます

本年も宜しくお願い申し上げます

 

昨年は初めて一年の計画・決意を公表しました。言い訳のできない状況を作って「三日坊主」の癖から抜け出すためでしたが、その成果がそれなりに挙りましたので、今年も計画・決意の表明です。とは言え、昨年とあまり変らない内容になりました。昨年の反省とともに2018年に何をしたいのか、「wishful thinking」、つまり「出来たら良いな」も含めて御披露します。

 

昨年同様、個人的な目標ですので、お読み頂いても共感や納得とは縁のないことばかりだと思います。でも私にとっては、ここに書かせて頂くことで後に引けなくなる義務感が良い意味でのプレッシャーになりますので、御寛恕下さい。

 

 今年も日記を付ける。

(ア)  昨年は、人生で初めて、一年間日記を付けることができました。今年も続けます。

                 

20171210_16_55_33

           

 

 ブログを続ける。

(ア)  何人もの方に協力して頂いた結果、2017年の間は何とか続けて来られました。また、原水禁運動についての報告も最低限のレベルだったかもしれませんが、お届けできました。今年はまず、活動そのものの拡充を図ります。核兵器禁止条約の批准が目標ですし、日本政府に対する働き掛けが大きな課題です。こうした活動についてのブログでの報告ももう少し回数を増やしたいと思っています。

(イ)  そのために、豊かな経験を持つ広島県原水禁の常任理事の皆さんに、月に一度原稿を寄せて頂けるようお願いをし続けたいと思います。

 

Photo

 

 公式ホームページを充実させる。

(ア)  ホームページそのものは、2017年の第48回総選挙の際に何とか立ち上げることができました。今年は、その内容を充実させたいと思っています。

 

 ウォーキングその他、手軽にできる運動を続ける。

(ア)  アルティメットの代りに「ディスク・ゴルフ」を始めたいと思っていましたが、そのための環境が整っていません。でも運動は必要ですので、これまで続けた来たウォーキングを少し高度化し、その他、手軽にできることを一つでも二つでも増やしたいと思っています。

 

 市民運動にも力を入れる

(ア)  安倍政権の目標は、国会での改憲発議のようですが、それに対抗したいと思っています。国会内では、改憲勢力が3分の2を超えているのですが、広島周辺だけではなく、全国的な連携ができれば、改憲阻止の声が国会にまで影響を及ぼすことは可能だと信じています。

 

 有償の仕事を増やす

(ア)  上記の目的のために、仕事の範囲を広げて、交通費くらいの収入を確保するのが目標です。

(イ)  通訳や英語の指導等もできますが、力仕事はもう無理かもしれません。

 

 執筆中の本の出版

(ア)  緊急性の高い、憲法についての論考を大急ぎでまとめて出版したいと考えています。

(イ)  気骨のある出版社を探しています。

 

ラッキー・セブンの7つにまとめました。かなり個人的かつ勝手な思いをお読み頂き有難う御座いました。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2017年12月15日 (金)

「変節」「言い訳」「裏切り」 ――日本政府の得意技――


「変節」「言い訳」「裏切り」

――日本政府の得意技――

 

特許を取るにも、学問の成果を認められる場合も、他人より先に出願したり論文を書いたりという事実、つまり「最初」が評価されます。ノーベル賞にもその傾向がありますから、日本政府が、1945810日の主張を続けて、「核兵器は国際法違反」だというキャンペーンを展開していたら、今年の受賞者は日本政府だったかもしれません。いや、もし日本政府がそんなことをしていれば、核廃絶にはもっと近付いていたでしょうから、もう何年も前に受賞していたかもしれません。

 

しかし、残念なことに日本政府、特に外務省は「変節」してしまいます。そして、「立派な」「言い訳」を裁判所で開陳します。アメリカにとっては好都合だったのですが、被爆者や戦争で犠牲になった多くの人たちに対する「裏切り」であることは、言うまでもありません。何時も、この「言い訳」を読む度に腹が立ちますので、読みたくはありませんし、読まなければ良いのですが、こうした歴史も若い皆さんにきちんと知っておいて貰いたいことの一つです。敢えて、今回取り上げる所以です。

 

1955年(昭和30年)4月、広島の下田隆一さんら3人が、国を相手に東京地裁に損害賠償とアメリカの原爆投下を国際法違反とすることを求めて訴訟を起しました。その判決は1963127日に言い渡されました。

 

             

Photo

               

東京地方裁判所のホームページから

 

裁判の中で、被告としての日本政府が述べた、原爆は「国際法違反ではない」という言い分です。

 

「原子爆弾使用の問題を、交戦国として抗議をするという立場を離れてこれを客観的に眺めると、原子兵器の使用が国際法上なお未だ違法であると断定されていないことに鑑み、にわかにこれを違法と断定できないとの見解」

 

さらに「その当時原子兵器使用の規制について実定国際法が存在しなかったことは当然であるし、また現在においてもこれに関する国際的合意は成立していない」という理由で原爆使用の違法性を否定。

 

またハーグ陸戦法規などの諸条約は原子兵器を対象とするものではないので無関係だという立場。

 

「敵国の戦闘継続の源泉である経済力を破壊することとまた敵国民の間に敗北主義を醸成せしめることも、敵国の屈服を早めるために効果があり」、広島・長崎への原爆投下も日本の屈服を早めて交戦国双方の人命殺傷を防止する効果を生んだと主張。

 

最後の段落は、トルーマン大統領が広島に原爆を投下した直後に記者会見で述べた考え方をそのまま使っています。

 

この下りを見ると、憲法の前文を読み間違っていたのかな、という気にさえなります。

 

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。

 

が、その部分なのですが、これを

 

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利はアメリカがこれを享受する。

 

と書き換えて、日本政府が解釈し国政を司っているとしたら、符丁がピッタリ合うのですが―――。

 

しかし、「日本」と言っても多様です。この裁判では、古関敏正、三淵嘉子、高桑昭の三人の裁判官が、勇気ある判決を言い渡しています。その内容は、次の通りです。

 

まず、「アメリカ軍による広島・長崎への原爆投下は国際法に違反する」。

しかし、対日平和条約によって請求権は放棄されており、「被爆者は損害賠償請求権を持たない」。従って、原告の損害賠償請求は棄却。

 

そして、最後に裁判官は次のように述べています。

「国家は自らの権限と責任において開始した戦争により、多くの人々を死に導き、障害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般戦災者の比ではない。被告がこれに鑑み十分な救済策を執るべきことは、多言を要しないであろう。それは立法府及び内閣の責務である。本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおられない」。

 

原告も被告も控訴しなかったので、この判決は確定しています。そして、判決文の中で、被告である国が「国際法違反ではない」と主張した根拠としての3点は全て否定されています。ですから、法全体の体系からすれば、日本政府が1996年の国際司法裁判所の勧告的意見採用の際に述べた意見も、今の時点で、核兵器が「国際法違反ではない」と言い張ることも「違法」です。

 

当然、日本政府は、その延長線上にある核兵器禁止条約の署名・批准も積極的に推進すべき立場なのです。その義務を果していない政府は変えるべきでしょう。そのために、選挙で安倍政治を変えるという正攻法は大切ですが、その前段として、世論を高めるため、先ずはもっと関心を持って貰うために、いろいろ工夫をしなくてはなりません。そのためにも皆さんの知恵をお借りできればと思います。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

むかし沖縄の基地に核貯蔵庫があり(今も取り壊されていない?)非核三原則を唱えながらも密約あり。日本政府の変節には お得意の『隠蔽』あり。ですかね?
自分たちの国の何を信じてよいのかわからなくなります。
核兵器禁止条約においても日本の役割は橋渡しと言われていますが、その橋渡しの意味も私の願いとは裏腹なように思えてなりません。

批判ばかりすると自分もしんどくなるので 国民のことをなんと考えていますか?和解とは誰と和解したいのですか?と あの人がテレビに映ると聞いています 笑
結果、私利私欲のための政治はやめてよね〜とブツブツと文句になりますが 笑

かって田中真紀子さんが、外務省は伏魔殿って言ってましたね。真実なんでしょうね。
日本が真珠湾攻撃する際に、アメリカに宣戦布告書を出さなかった日本の外交官が、戦後に外務省のトップ官僚になつたとか。外務省はアメリカの国務省の出先機関なのかもしれませんね。
ところで安倍首相は、朝鮮半島の非核化なんて叫んでますが、在日米軍が日本に核兵器を持ち込んでいるのと同じように、在韓米軍が韓国に核兵器を配備しているとは思わないのですね。

「和」様

コメント有り難う御座いました。

明日のブログでも取り上げますが、明日17日の午後10時からNHKのBS1で、「沖縄と核」が放映されます。「密約」「隠蔽」「裏切り」の実態がかなり分りそうです。次に何をすれば良いのか、一緒に考えて行きましょう。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

外務省も安倍政権もアメリカに完全に洗脳されているとしか思えません。

そもそも、他の国では外交を所管する官庁は「外」務省と呼ばれますが、アメリカでは「国」務省です。「世界は俺のものだ」というこの表現から変えないと、何も変らないのかもしれません。

2017年12月 4日 (月)

安陪9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名 ――福屋前で署名をお願いしました――


安陪9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名

――福屋前で署名をお願いしました――

 

これまで、毎月19日に、街頭に立って安倍政権の戦争政策を阻止するための行動を行ってきました。2015919日に、政府・与党が強行採決を行うことで、日本を戦争国家にするための「戦争法」を形の上では成立させた日を記憶し、その「法律」を破棄するための世論を創るためでした。

 

               

20171203_17_48_04

             

 

しかし、1022日の総選挙で自民・公明が圧倒的多数を占めることになり、改憲への動きがさらに急になってきたことに対応するため、憲法記念日が53日であることから、毎月「3日」に改憲を阻止するための行動を行うことになりました。

 

昨日123日は、その第一回目で、福屋前と、本通りの青山前の二班に分かれて、市民の皆さんに署名を呼び掛けました。

 

 

20171203_17_49_41

 

安陪総理が憲法9条に自衛隊の存在を書き込みたいと言ったのは、今年2017年の憲法記念日でした。その理由は「災害時の救援活動で頑張る自衛隊が憲法違反では気の毒」であり、「今でも自衛隊は存在しているのだから、それを憲法に明記しても何も変らない」です。

 

でもこんな甘言に騙されてしまうと、臍を噛むのは私たちの子どもや孫の世代です。

 

憲法に書き込まれる自衛隊は、災害救援で頑張る自衛隊ではなく、戦争を主たる任務にする自衛隊です。米軍と一体になって世界のどこへでも出かけて戦争をする自衛隊です。それを憲法が認めるということなのです。

 

そして、憲法に明記しても変らないのであれば、書き込む必要はないであろう自衛隊を何故書き込みたいのかというと、法律の世界では、「後からできた新しい法律は古い法律より優先される」という原則があるのです。つまり、米軍と一緒になって戦争をする自衛隊がまず優先して認められて、それに矛盾しなければ、戦争の放棄や戦力を持たないという9条の古い条文が認められる、ということです。でもそれはないですね。戦争をする自衛隊を認めてしまえば、それと矛盾する戦争放棄や戦力の不保持は認められないということになるのですから。

 

簡単に言ってしまえば、安倍9条を認めれば、日本は北朝鮮やアメリカ、韓国や中国やロシア等の「戦争国家」と同じ種類の国家になってしまうということです。そしてそれらの国々が、核軍拡競争の舞台で競い合っていることは皆さん御存知の通りです。

 

子どもたち孫たちが戦場に駆り出され、人を殺したり殺されたりするに任務に就かなくても良いように、あるいは戦場で食べ物がなく飢え死にしなくても済むように、今、戦争国家への道を選んではいけない、憲法9条を変えてはいけない、という署名に御協力ください。また、このメッセージを様々な手段に一人でも多くの人に伝えて下さい。

 

日曜日ということもあって、またお天気にも恵まれ、福屋前は多くの人で賑わっていました。子ども連れのお父さんやお母さん、恒例の御夫婦などの姿が目立ちました。署名運動に参加してくれた皆さんの中にも子ども連れの方もいましたし、何時もより多くの方々に協力して貰えました。全部で54人です。そして、頂いた署名は110筆ほどでした。全国での目標3000万に向けた一歩ですが、私たちの声に耳を傾けて下さった方々の数はいつもより多かったような気がしましたし、頷いて賛意を示してくれている人も多かったように思います。少しではありますが、危機感は共有されている、と感じた一時でした。

 

 

20171203_17_51_08

 

 

なお、2018年の13日は、お休みです。23日から来年の「3の日」行動は始まります。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

わたしは青山前に参加しました。途中、広告のポケットティッシュを配っている女性から仲間がポケットティッシュを受け取ると、その女性もこちらのチラシも欲しいと言ってくださいました。良いエールの交換になりました。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。エールの交換、良かったですね。

署名をして貰いながら意見交換をするようなシーンも見られました。安陪9条改憲の「胡散臭さ」が、じわーっと広がっているような感じです。

2017年12月 1日 (金)

裁判官弾劾裁判所 ――制度ができて今年で70年目です――


裁判官弾劾裁判所

――制度ができて今年で70年目です――

 

トランプ大統領が誕生した時には、任期中に弾劾され罷免されるのではないかという予測もありましたが、このところ、物議を醸すことも少なくなっているようですので、弾劾の可能性も低くなったと言えそうです。

 

そして弾劾制度は、アメリカだけにあるのではなく、対象になるのは大統領だけではありません。我が国の裁判官弾劾制度は、憲法で規定されている制度ですので、憲法が発効した時にこの制度も発足し、今年で70年になります。

 

この制度に私が関心を持ったのは、20年前、50周年の時に『裁判官弾劾制度の50年』という分厚い書物を贈られてからです。

 

             

50_20171129_17_51_36

               

 

最近書庫を整理していて見付けたのですが、我が国の制度の概要や歴史だけでなく、海外の弾劾制度の紹介もあり、時間があれば読んでみたいと思ってはいますが、何しろ大部ですので、まずは付録の冊子を読んでみました。もっとも、ネット上には、裁判官弾劾裁判所の公式ホームページがありますし、そちらには最近の状況も載っていますので、お勧めします。

 

20171129_17_53_02

 

でも折角、概要が分りましたので、報告させて下さい。

 

この裁判所設置の根拠は憲法15条です。

 

15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

 

それに基づいて64条で、設置が規定されています。

 

64条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

 

裁判官も人間ですから、過ちを犯すことはあります。その結果、裁判官としては相応しくないと法律で決めているような行為があった場合、裁判官訴追委員会と呼ばれる、いわば検察のような役割を果す委員会が、訴追することを決めれば、裁判官弾劾裁判所で裁判をすることになります。流れは次の通りです。

 

 

20171129_17_55_29

 

弾劾裁判所は一審制で、職務停止や罷免になった裁判官が再審の請求をすることはできません。その代り、罷免されてから5年経つと、「資格回復請求」ができるようになっています。

 

制度ができてから実際に訴追され弾劾裁判が行われた件数は、全部で9件あります。最初の二件は、1948年、終戦直後という時代を反映して、両件とも闇物資に関わった案件でしたが、結果は「不罷免」でした。

 

その他の7件は、罷免になっているのですが、1977年の罷免事件は、「前内閣総理大臣」の関係する汚職事件の捜査において、「検事総長の名をかたり、不当な指揮権発動の言質を取ろうとして現職総理大臣に対してかけられた謀略電話」の録音テープを新聞記者に聞かせた、というものですが、これも時代の色が濃く映し出されています。

 

平成に入ってからは3件の罷免が行われていますが、それぞれ、「3人の少女に児童買春をした」、「ストーカー行為をした」そして「乗客の女性に対し下着を盗撮した」と、これも時代の流れが裁判官にまで及んでいることを示していると言って良いのかもしれません。

 

罷免された7人のうち、資格回復裁判によって、資格回復に至ったのは4人です。その他の内、一人は裁判の請求をしましたが、棄却され、残る二人は、資格回復請求の資格がないか、請求をしていないようです。

 

弾劾裁判にかけられる裁判官は、例外中の例外だと思いますが、だからこそと言うべきか、そんな人たちにもと言うべきなのか分りませんが、弾劾裁判の歴史が社会全体の変動を反映していることに一種の感慨を覚えています。

 

因みに、アメリカでは200年以上の歴史がありますが、その間、大統領も含めて19件の訴追があり、8人が罷免されています。

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2017年11月14日 (火)

AFS同期生との楽しい一時 ――いつの間にか、皆「ラディカル」になっていました――


AFS同期生との楽しい一時

――いつの間にか、皆「ラディカル」になっていました――

 

60年近くも前、今は横浜の山下埠頭に係留されている氷川丸で一緒に留学した仲間の何人かが集まって話をする楽しさは言葉にできません。誰かが一言喋り出すと、瞬時に全員がその内容を理解してしまう、といった感じで会話が弾みます。勿論、それぞれの分野での「専門家」として知られている人たちばかりですので、初めて聞くことも多く専門的な知見も披露されるのですが、でも話の筋は感覚的に分ってしまうのです。

 

             

Photo

               

 

私たちを留学させてくれたのはAFSと呼ばれる団体です。私との関わりは、「目標リスト その3の中で説明していますが、再度簡単にまとめておきます。

高校生留学を一番昔から推進してきた団体なのですが、その団体のそもそもの発端は1914年の第一次世界大戦です。当時パリに住んでいたアメリカの青年たちが、戦場で救急車のボランティア運転手を務めたことから始まったのです。その後も活動は続きましたが、第二次世界大戦が終った時点でAFSは大きな方針転換をしました。戦争が始まってからのボランティア活動も大事だが、戦争が起らないようにするためのボランティア活動をしようということになったのです。その結果が高校生の交換留学推進です。

 

つまり、AFSという団体の目的には、国際理解や外国語の習得も含まれますが、大目標は世界平和ですし、その実現のためのリーダーの育成です。目標達成のために、大学生の留学ではなく高校生の交換留学を進めた最大の理由は、一年間、とは言え夏休みの間を除いて10か月間、ホスト・ファミリーの家族の一員として生活をし地域の高校に通うことにありました。そのことで、大学生になってからの留学なら、例えば寮に「隔離」され、周辺の地域ともしばしば利害関係が対立するという環境に置かれます。しかし、高校留学の場合には実際にその地域に住んで、日曜日には教会にも行き、その他の地域行事にも参加することで、普通の市民の「生活」を体験することになります。

 

 

Ephsyear_book

卒業した高校のYEARBOOKから

 

そして、その生活が、10か月続くことも大切です。「家族」としてそれだけ長い間一緒に過ごすのですから、一月なら何とか我慢できたるようなことでも、どこかで「衝突」するようなことにもなります。喧嘩も起ります。それを、「平和裡」に解決して家族としての関係を維持する経験を通して、本当の「異文化体験」が身に着くことになります。もう少し抽象的に言えば、多様性の内面化です。

 

ほぼ60年前にそんな経験をした私たちは、その10か月が人生を変えるような大きな贈り物だったような気がしています。ですから当然、若い世代の皆さんにも同じ体験をして貰いたいと考え、今も続いているAFSの活動を様々な形でサポートしてきました。

 

でも最近では、その活動にも大きな変化が見られるようになりました。留学したいと考える若者の数が減ってきていることに象徴されるのですが、「内向き志向」や「コスト」、そして「生きがい」についての考え方が変ってきていることなどが原因です。

 

学校も高校生自身も、「海外に留学して進学が一年遅れるより、早く良い大学に入る」という選択をするケースが増えていますし、留学費用がかなりの負担になることから、それを大学での学費に充てた方が良いと考える人も増えているようです。また、ホスト・ファミリーを引き受けることで生じる経済的その他の負担と、留学生との10か月という時間の意味とを比較衡量して、ホスト・ファミリーを希望する家庭が減ってきていることも問題です。

 

ではどうすれば良いのか、私たち同期生の間で、熱い議論をすることができました。いくつかの具体案も生まれましたので、すぐ実行して行きますが、成果が見える段階でまた報告させて頂きます。

 

その他、現在のわが国の政治、特に改憲の動きにどう対応すべきなのか、若い世代に私たちの世代の経験やそれに基づいた教訓をどう伝えて行けば良いのか等についても、突っ込んだやり取りができました。

 

それにしても、一つ一つの発言は、「根源的」という意味での「ラディカル」さ、そして、必ずしも世間の波には流されないという意味での「ラディカル」さに満ちていました。それは、私たちに残された時間が少なくなっていることにも関係があるのですが、「いやいや、まだまだ私たちでも役立つことが沢山ある」という結論にまとめることができました。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

アメリカへの留学→アメリカの理解→アメリカのフアンになる
という方程式は、
アメリカを日本といいかえても、中国、北朝鮮といいかえてもなりたつのではないでしょうか。。
相互理解は平和への道といえるようです。

「留学」様

コメント有り難う御座いました。

「交換」留学は、基本的には双方向での留学制度です。御指摘の通り、海外で生活することから「平和」を築くという考え方です。もっと多くの若者が参加してくれると良いのですが---。

2017年11月 7日 (火)

水島朝穂教授講演会 ――独裁者を正確に描くと笑い飛ばすことになってしまう――


水島朝穂教授講演会

――独裁者を正確に描くと笑い飛ばすことになってしまう――

 

安古市高校の後、112日は、アステール・プラザで早稲田大学の水島朝穂教授の講演会がありました。講演の始まる30分前から多くの人が会場に着いていて、先生の来場を待っていました。イギリスのガーディアン紙が報じていた「空席の目立つホールがイヴァンカを歓迎」とはかなり様子が違います。

 

               

Ivanka_trump_welcomed_by_emptry_sea

             

YouTubethe Guardianのページです。中央は安倍総理

 

水島教授は、かつて広島大学でも教鞭を執っていたことがあります。大変精力的で頭脳明晰、快刀乱麻という言葉がすぐ頭に浮びます。事実、2日の講演も詳しいレジュメがあったのですが、90分の内、1時間ほどはそれに関連した脱線に注ぐ脱線でした。それも「安倍加憲」の本質を詳細な歴史的事実や法文の引用を交えながら、笑い飛ばす痛快なプレゼンテーションでしたので、会場は笑いに包まれつつ、知的な刺激に唸る充実した一時になりました。

 

20171106_11_20_42

 

7月末にはスタンダップコメディアンの松元ヒロさんの笑い、そして今回の水島教授の笑いを直接経験して、チャップリンの喜劇『独裁者』を思い浮べていました。そして気付いたことは、「独裁者」をできるだけ正確に描こうとすると、それは喜劇になってしまう、という事実です。独裁者の論理は独善的かつ矛盾に満ちています。それをつなぎ合わせて何とか解釈しようとすると、その結果は、私たちの常識とはあまりにも掛け離れた世界になってしまい、しかも、それを独裁者自身が真面目に受け止めているという自己中心性を加味すると、笑わざるを得ない状況になってしまう、ということなのではないかと思います。

 

と言って、どうしても補っておかなくてはならないのは、その被害を受ける側にすれば、「笑い」とか「喜劇」とかいう言葉を使うことさえ憚られる残酷・悲惨な運命を科されるという事実です。そのこともしっかり踏まえての行動が必要です。

 

しかし、私たちの多くは「善良」です。矛盾に満ち、大惨事をもたらしてしまうシナリオの中からできるだけ無害なしかも自分に都合の良い部分だけを取り出して、独裁者の意図を中和して解釈する傾向に陥り勝ちです。

 

水島教授の講演も新聞等のインタビューも、ホームページも、もちろん論文もそんな幻想を粉々にしてくれます。詳細をここで再現するだけの時間がありませんので、まずはホームページ、そして「直言」をお読み下さい。

 

この「直言」は199713日に始まり、週一回新たな「直言」が付け加えられて2015年には1000回を迎えています。私もできるだけ毎週目を通すようにしていますが、とても勉強になりますし、水島教授の情熱に触発されて元気になること請け合いです。

 

超高スピードで話をする水島教授の言葉をメモするのは大変だったので、断片的になりますが、それでも、本質的な「サワリ」を一つ二つ報告しておきましょう。

 

(A) 四字熟語

 私たちは四字熟語に弱い。それを上手く使って、為政者たちが政治を劣化させてきた歴史を重く受け止めよう。

 「国際貢献」とは、自衛隊の海外派遣のことだった。

 「政治改革」とは小選挙区比例代表並立制という悪しき選挙制度の導入のことだった。

 「規制緩和」の名の下、誰のため、何をどう規制するのかは問われずに、私たちを守ってきた規制が緩められてしまい、何でもありになってしまった。

 「憲法改正」が一番危険な四字熟語だ。

 

(B) 安倍総理の「改憲」をどう受け止めるのか、色々な表現の仕方があるが、「お試し改憲」「あら探し改憲」というのもあった。その後、「ねじれ解消」のための「自爆改憲」という可能性もあった。つまり、自らが倒れる傾きと勢いを使った「自爆改憲」だ。この危険性についても要注意。 

 

国会議員の4分の3が改憲賛成だと言われる結果になった総選挙後、国会で改憲の発議をさせないために、世論を高め、議員個人個人にも積極的に働きかける運動がますます重要になっている、という主催者からの呼び掛けが最後にあり、参加者一同新たなエネルギーを補充して貰って帰途に着きました。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2017年11月 5日 (日)

「多様性」を中心に選挙制度を考える ――今の制度では民意が反映されていないと8割の人が考えています――


「多様性」を中心に選挙制度を考える

――今の制度では民意が反映されていないと8割の人が考えています――

 

昨日の続きです。「多様性」を確保するという視点から政治を考えて見ることが、今の時代を生きる上での基本になって欲しいという思いです。

 

                 

Photo

           

 

多様性を最大限に保障する政治制度は、全員参加制度です。100人の集団で、100人すべてが最終決定に関われば、最も多様な意見が反映されることになるからです。その対極にあるのはその中の「一人」による独裁制であることも分って貰えると思います。

 

しかし、国という大きな単位で、常に全員参加の決定を行うのは難しいので、選挙で代表を決めることになります。そのためには、何らかの基準を設けて選挙制度を整備する必要がありますが、何のために選挙を行うのかの再確認から始めるべきだと思います。

 

「政治改革」の名の下に導入された小選挙区比例代表並立制というシステムを推進した人たちは、「政権交代のできる制度」こそ最優先されるべきだと主張しました。そのためには、民意の忠実な反映、特に多様性を確保することは二の次三の次という価値観をあからさまに表明して、マスコミもこぞってその考え方を支持しました。こんな暴論で事が進んだ背景にあったマスコミの驕り、そして一部の学者の知的不誠実さを忘れてはなりません。

 

もし政権交代をすること自体が、多様性以上に尊重されるべきであるのなら、選挙など行わずにジャンケンで決めることにした方がお金もかからず、確率的には半々で権力が変りますので、その方が良いという議論さえ可能です。

 

しかし、政権交代を実現するために選挙制度のデザインをすることは本末転倒です。元々の母集団でも大切だった「多様性」が選挙の結果にも保障されることが本則でなくてはなりません。つまり、選挙の本来の目的とは「多様性」の確保であり、それこそ最優先されるべきなのです。そして母集団と同じように、その多様性を生かすためには寛容さがなくてはなりません。力の強い側が、力を恃みにして弱者を押し除けてはいけないのです。つまり、話し合いと創造的な折り合いを付けることが基本です。

 

そのための選挙制度としては、少数派の意見も投票結果に反映される比例代表制度が当然の選択です。実は、この点を理解するためには、その正反対のことが起きればどうなるのかを考えて見ることが役に立ちます。

 

極端なケースとして独裁制を考えると、そこで否定されている最大の要素は「多様性」だと言って良いでしょう。もう一つ、独裁制の下では、独裁者が全てを決めることになるので、当然、時間は掛りません。時間の有効活用等、時間を持ち出して話し合いを拒否する、あるいは話し合いの時間を短くすることは、独裁制につながる道であることもしっかり確認しておく必要があります。

 

もう一つ、多くの政治家や政党が「自らの身を切っての改革」といった旗印の下、推進しようとしている「議員数削減」も、「多様性」の視点から考えると決して陥ってはいけない落とし穴です。

 

数学ではしばしば、物事の本質を理解するために、「極端な」ケースを想定して、つまり「思考実験」として物事を考えることが有効です。議員削減の極端なケースとは、議員数を極限まで減らして一人にしてしまうことです。それは、独裁制ですので、「議員削減」が何を目指しているのかはこのことだけからも明らかでしょう。

 

しかも、多くの場合、「身を切る」あるいは「身を切られる」のは、少数派、あるいは弱者の代表で、議員数削減に賛成する人たちは、削られることはなく身分は安泰である場合がほとんどです。「身を切る」改革とは結局、弱者を排除し切り捨てるための口実として使われていることが分ります。

 

最後に二つのグラフを御覧下さい。最初は内閣府が2014年に行った世論調査で、今の政策に民意が反映されているかどうかを聞いています。大雑把に総括すると、8割ほどの人は「反映されていない」と考えています。そして残りの2割くらいが「反映されている」という意見ですが、小選挙区比例代表並立制が導入された1994年くらいから急激に乖離が進んだことは記憶しておくべきでしょう。

 

 

Photo_2

そして民意が反映されないのは、小選挙区制が原因です。5割に満たない得票率で、8割もの議席を占有する結果に多くの有権者が不満を持っているということなのですが、得票率と議席占有率の大きな乖離もグラフとして見ておきましょう。

 

Photo_3

 

安古市高校の生徒さんたちの質問は次回に回さざるを得なくなりましたが、質問は素晴らしかったのに、十分には答えられなかったことも補足しての「回答」を、次回アップします。

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

多様性は別の見方をすれば解りにくいと言う事も出来ます。投票率の
低さもこの辺が原因ではないでしょうか。私は欧州の選挙制度の方が
良い様に思う。各政党が旗の色を鮮明に出しフリーハンドで選挙戦を
行い、民意の結果によって一つの政党が過半数を取れなければ初めて
連立を模索するという事です。国民には解り易い選挙といえます!

「鯉の応援団」様

コメント有り難う御座いました。

ここで言及されているのはフランスの過半数当選式小選挙区制のことでしょうか。それとも国会における総理大臣の指名についてなのでしょうか。

後者だとすると、例えばドイツでも日本でも下院における投票で過半数を得た人が指名され、日本の場合は参議院との関係はありますが、過半数を得た人がいない場合は決選投票になります。ここで、「連立」の可能性が出てきますが、基本的にドイツと日本の間で制度的な違いはないと考えた方が良いように思います。

前者だとすると、ドイツは小選挙区当選優先拘束名簿式比例代表制で、フランスとは違います。基本的には比例代表で、小選挙の当選者が多いと「超過議席」が与えられるという仕組みです。

政党色を出して選挙を行っている政党は、日本にもあります。「フリーハンド」で選挙という意味が私には良く分りません。

わたしは、市民連合が「多様性重視」のこういう方向の議論を提起し、各野党の統一綱領として提案していくことが大事だと思っており、すでに内部的に提起しています。各野党が変に合併せずに、それぞれの良さを活かしたほうが、野党全体のパイも伸びるでしょう(参院一人区と衆院小選挙区では次回一回限りの棲み分けは仕方がないですが)。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

野党全体として推進できる共通の指針を一つか二つ明確に示せれば、政治の状況はかなり変ってくると思います。そのためには「多様性」のように少し抽象的でも、これからの社会の本質をハッキリ召している概念が大切だと思います。

市民連合、頑張って下さい。

2017年10月27日 (金)

「高齢者 = カナリア」説 ――危機的状況に一番敏感に反応しているのかもしれません――


「高齢者 = カナリア」説

――危機的状況に一番敏感に反応しているのかもしれません――

 

今回の選挙で有り難かったことや元気を貰ったことはいくつもあるのですが、その一つが高齢者からの熱い応援でした。千葉に住んでいる中学の同級生や高校時代、一緒に留学した仲間たち、その他、多くの高齢者からの激励のメッセージの真剣さ、そしてそこに込められていた切迫感は尋常ではありませんでした。

 

私も高齢者ですので、ただ単に私の友人・知人たちが熱心に応援してくれただけではないのかという可能性もあります。でもこれまで何度も経験してきた選挙とは次元が違っていた、というのが率直な気持ちです。そして、友人・知人たちが寄せてくれたメッセージは、今回私が立候補しなくてはならないと感じた思いとピッタリ重なっていました。

 

枝野代表の言葉を借りれば、「右や左からのメッセージではなく、今の危機を回避して、前、つまり未来を確保すること、そして輝ける平和な未来を創るために、過去の知恵を生かすという決意」とまとめられるような気がします。

 

勿論、枝野・福山チームがその象徴であるように、若い世代が成長し同様のメッセージを発信してくれていることを心強く思いますし大きな期待を持っています。しかし、私たちの世代との違いは、第二次世界大戦との距離ですし、残された時間です。

 

被爆者の言葉を使えば「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」ですが、戦争の残虐さ悲惨さを次の世代には絶対にさせてはならないという強い思いは、私たちの世代が共有している基本的な価値観です。また、高齢期に達し、友人たちが幽明境を異にする経験も増えている私たちの立場は、今の内に、出来るだけ効果的に私たちのメッセージを伝えておかなくては、という「使命感」に基づいています。

 

そう考えながら思い出したのが、かつてカート・ボネガット氏や大江健三郎氏が必死に唱えていた「文学者はカナリアだ」という言葉です。昔、炭坑内での有毒ガスをできるだけ早く検知するために、微量のガスにも反応するカナリアを籠に入れて坑内に持ち込んだことを元に、芸術家の役割、小説家の役割をカナリアに準えたのです。

 

                 

Gelber_kanarienvogel

           

By 4028mdk09 (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

 

それを今の状況に当て嵌めると、高齢者の果している役割は、炭坑内のカナリアに他なりません。「国難選挙」の結果は、小選挙区制という歪を生む装置によって与党が大勝しました。しかし、ここで諦めてしまっては全てがお終いです。安倍政権、そして彼らの目指す改憲こそ「国難」、つまり有毒ガスなのだと懸命に囀っている高齢者の声に耳を傾けることで、戦争への道を突っ走っている日本という国を、まっとうな国へ方向転換することはまだ可能だと信じています。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2017年10月20日 (金)

ヒロシマネ平和大作戦 ――亀井亜紀子候補の本気に触れました――


アップヒロシマネ平和大作戦

――亀井亜紀子候補の本気に触れました――

 

 

               

20171019_23_50_49

             

本通り前で

 

 

20171019_23_43_33

 

 

20171019_23_47_27

島根県庁前で

 

昼過ぎまで広島市内で街宣をして、夕方は島根県庁前の「ヒロシマネ平和大作戦」に参加しました。島根一区の立憲民主党公認・亀井亜紀子候補の応援のためです。

 

投票日までの残り時間が少なくなっていますので、このブログも簡単にせざるを得ませんが、亀井候補の憲法9条についての信念は特筆に値します。彼女の本気度がズシリと伝わってきました。

 

ベトナムを訪れた際の経験を元に、米軍がソンミ村で行ったのと同じ虐殺を当時ベトナムで米軍と行動を共にしていた韓国軍が行っていたこと、そして集団的自衛権の名の下自衛隊が米軍と共に戦えば、同じように、罪のない外国人を殺す羽目になる。それは何としても避けなくてはならない、という主張です。集団的自衛権についての議論の中でも、とても具体的かつ説得力のある指摘だと思います。

 

その他にも報告したいことは、あるのですが、時間が足りません。島根一区の皆さんには、是非、加盟候補の街頭での演説をお聞き頂きたいと思います。

 

最後に、広島市内で思い掛けない人から応援して貰ったことに触れない訳には行きません。白神社前で、政連車の上からスピーチをしているとき、交差点を斜めに横切ってこちらにかけてくる女性がいました。和服の美しい人でした。知っている人なのですが、咄嗟のことで名前を思い出せず、激励のお礼はしましたが、そのままスピーチを続け、その後、別のスポットまで移動しました。

 

しばらくしてスマホにメールが届きました。千葉の中学の同窓生からでした。宮島での能の観賞のため広島まで来ていたこと、美術館に行くためにホテルの玄関を出ると聞いたことのある声が響いてきたので、応援に駆け付けたとのことでした。

 

まさか、千葉にいると思っていた人が応援に駆けつけてくれるとは思っていませんでしたが、このメールを見た他の同級生からも、続々と応援メッセージが届きました。千葉でも立憲民主党支持の輪が広がっています。

 

明日からは、政連車が広島県内を走ります。最後の集中的活動に入ります。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

より以前の記事一覧

2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31