「東アジアの戦争危機と日本の進路」-紀元節復活反対!平和・民主主義、人権を守る2・11ヒロシマ集会
昨日(2月11日)は、「紀元節復活反対!平和・民主主義・人権を守る2・11ヒロシマ集会」と「2018年全国被爆二世団体連絡協議会総会」が開催されました。いずれも、広島県原水禁にとって重要な取り組みでしたので、今日と明日の2回に分けて、その模様を報告します。今日は、午前中に行われた「2・11ヒロシマ集会」について報告します。
憲法を守る広島県民会議、広島県平和運動センター、戦争をさせないヒロシマ千人委員会、そして広島県原水禁の4団体が主催し、毎年この日(2月11日)に開催してきた「紀元節復活反対!平和・民主主義・人権を守る2・11ヒロシマ集会」が、会場いっぱいとなる124名の参加で開催されました。毎年その時々の情勢に合った講演を行っていますが、今年は、安倍政権による「安保法制」に強い危惧をいただき、警鐘を鳴らし続け全国を駆け回っておられる柳澤協二さんを講師に招き、「東アジアの戦争危機と日本の進路―平和のための戦争額の視点から―」と題する記念講演が行われました。

柳澤さんは、きちんと整理されたレジュメに沿いながら、今の情勢をわかり易く分析しながら、しかし問題点、特に安倍政治について、厳しく指摘をされました。
「久しぶりに広島弁を聞いて懐かしく思う。30年前、呉の防衛施設局に施設部長として、家族とともに呉に家族とともに住んでいた。資料館や江田島も見学したこと、息子がはだしのゲンの大ファンだったこと。そして呉線に乗っていた時、息子が一緒に乗っていた自衛官を見て『戦争をする悪い人たちだよね』と言った時、ことばに詰まった」。こんなエピソードから柳澤さんの話がスタートしました。「最近『日本の政治はどこに行ったのか』という疑問を持つ。」「防衛の仕事を40年。その経験を活かし『戦争とは何か』を考えたい。『平和とは何か』『戦争とは何か』をきちんと考えることが大事だ。」続いて「護憲派の人たちもしっかりとした考え方を持つべきだ」と。そしていよいよ本題です。
残念ながら、私の文章で、その全体を伝えることは不可能です。そこで、ちょっと長くなりますが、以下にレジュメのタイトルのいくつかを掲載することで、報告にしたいと思います。
「日本に広がる戦争の不安」-単純な答えは、だいたい間違っている
「戦争とは何か、平和とは何か?」-平和を望むなら戦争を理解する
抑止は、より強い暴力の示威による抑圧 和解は、戦争のもとになる対立をなくすこと
「戦争要因からみた現代」-グローバル社会と国家・戦争・人間
「政治は、なぜ戦争を選択するのか?」-戦争は他の手段による政治の継続
政治の役割:戦争を起こさないために国民の感情を鎮めること
「人はなぜ戦争をするのか?」-煽られる大衆になるのか、考える市民になるか
「日本が直面する三つの戦争」-誰の、何のための戦争か、どうかかわるか?
自分の戦争をどう防ぐのか・他人の戦争にどうかかわるか
「『アメリカの抑止力』はどこまで?」-抑止と安全・安心は両立しない
「領土を守るとはどういうことか?」-無駄な戦争をしないために政治がある
無駄な戦争は、政治の失敗
「対テロ戦争にどうかかわるか?」-自衛隊だけが答えではない
イラクの自衛隊―「一発も打たなかった」という成果・犠牲者が出なかったことが重要
戦争しない日本のブランド
「安倍改憲の罠」-国民が支持する自衛隊は、どんな自衛隊か
大多数の国民が自衛隊を支持しているのは、一人も殺さない・戦死しない自衛隊
そして最後の「憲法と安全保障」では、憲法の前文「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して生存を保持」「先生と隷従、圧迫と偏狭を永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位」を強調し「非戦という名誉」を勝ち取ることが強調されました。
このタイトルだけでも十分に、柳澤さんの講演の中味を想像できたのではないかと思います。
私がこの講演を聞いて、特に強く印象に残ったことは、私も常々「もし戦争が起こるようなことになれば、それは政治の失敗。政治家は、そのことをもっと考えなければならない」ということを言ってきましたが、柳澤さんの講演でも、ことばを変えながら何度もそのことが強調されたことです。

集会アピールを提案する佐藤奈保子さん
最後に「私たちは、平和と民主主義、人権の尊重される社会を築くため、憲法を守り生かすこと、そして、戦争加害国の国民としての重責と被爆地ヒロシマの被った惨禍を忘れることなく、歴史と向き合い、アジア諸国を中心とする諸外国との協調・和解を進めることに全力をあげます。再び過ちを繰り返さないために、戦争につながる一切の動きを許さない運動を『被爆地ヒロシマ』から発信していくことを改めて誓い、集会のアピールとします。」という集会アピールを参加者全員で採択し、集会を終えました。
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原発が電源としても脆弱で高コストな上に、固有安全性も多重防御もなく、何重にもウソで塗り固められたものであったように、財務省の一連の不祥事も問題は一つや二つではなく考えれば考えるほど絶望的とすら思える状況です。
「セクハラ疑惑」と報じられたこと一つとっても、福田淳一事務次官だけでなく、聞き取り調査をした担当者も、責任者である麻生財務大臣も、セクハラに対しての認識が全くズレており、これでセクハラがない方がおかしいとしか思えません。
更に、セクハラ以前に、深夜に女性を呼び出すことも、それが男性であったとしても、異常な世界です。正面から請求すれば黒塗りの資料しか出てこず、公にされたものも改ざんされ、深夜に「綺麗どころ」(マスコミ関係者自らそう呼ぶようです)を用意しなければ情報がとれないというのは、一体どういう社会なのでしょうか。
こうした問題は、いくら解体を繰り返しても解決するようには思えません。せめてキャリア制度は廃止して、公務員の新卒採用は半数にして、半数は民間からの中途採用にするとか、大幅な人材の入れ替えが必要に思えます。
投稿: 工場長 | 2018年4月19日 (木) 22時45分
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
確かに、官僚制度は絶望的ですが、それと似たようなことは広島市政でも経験しました。ただし、広島市で酷かったのは市会議員で、官僚たちが夜遅く呼び出されていました。
民間からの中途採用も効果的だと思います。改善策のもう一つは、もう実現されつつありますが、公務員の半数以上を女性にしなくてはならない、という規則を作ることです。かなり効果はあるはずです。
投稿: イライザ | 2018年4月20日 (金) 00時13分