憲法

2017年6月17日 (土)

共謀罪反対の理由の一つ・冤罪 ――それには予算のあるなしが関係してきます――

 

共謀罪反対の理由の一つ・冤罪

――それには予算のあるなしが関係してきます――

 

安倍政権は、強行採決までして国会が承認したという形だけを作り上げ、共謀罪というとんでもない「犯罪」を新たに「合法化」してしまいました。このような暴挙を許してはいけない、そのためには世論が高まり、短時間に「良識の大合唱」が沸き上がるようにしたい――そんな思いで613日、14日、15日の三日間、午後5時半から一時間、本通りの青山前で、市民有志による街頭行動が行われました。

 

                 

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共謀罪がなぜ問題なのかについては、64日の集会ならびにデモについての報告をお読み頂きたいですし、YOKOさんからの報告も貴重です。そして「いのちとうとし」さんも続けて報告をしてくれました。また、日本弁護士連合会のまとめた『合意したら犯罪?合意だけで処罰?が分り易く説明してくれていますので、是非お読み下さい。


後は私たち一人一人がさらなる行動をすることのみ、と締め括っても良いところなのですが、私の感想も一つ二つ付け加えたいと思います。一つは、ネットで共謀罪について、自分は犯罪とは関係のない普通の人間だから共謀罪ができても怖がる必要はない、つまり全く問題なし、という趣旨の考え方が散見されることです。

 

ここで反論しても仕方がないかもしれませんが、このように考えている方々が想定していないことの一つは、法律ができるとそれにはお金が付いてくるという事実です。より正確には、出来上がった法律を施行するための予算を請求する根拠になるという意味ですが、その結果、法律の趣旨に沿った形で使えるお金が担当者たちの手に入るということです。

 

共謀罪の場合、2人以上の人間の合意が必要ですので、合意があるかどうかを調べることは捜査上、当然、許されることになるでしょう。その場合、例えば盗聴とか、メールやLINEを盗み見することも捜査上必要だと、為政者が判断すればそれは行われることになります。

 

現状だけで将来を判断することが難しい理由の一つは、現在の状況を元に未来を考えることには限界があるからです。特にお金の面での違いに気付かないとその違いが見えてこない場合もあります。今私たちが理解している現在の捜査の状況とは、現在行われている範囲での捜査をするだけの予算しか付いていない、という前提条件があります。それより多くの予算がついて、より広範囲の「捜査」がどのような形になるのかを予想するのは難しいと思います。しかし、仮に潤沢な予算が付いた場合の捜査と、現状とでは大きな違いが生じても不思議ではないことは御理解頂けると思います。

 

そして「オリンピック」という大義名分があるのですから、そのための予算として多額が計上されても恐らくは問題にならないでしょう。しかも「オリンピック」に隠されて中身までは十分分らないかもしれません。そして予算は使い切るのが原則ですから、そのお金を使って、「安全のため」そして「テロ予防のため」に盗聴・盗み見の範囲が増えて行くことは目に見えています。

 

そうなると、次に心配なのが冤罪です。「合意」をしたかどうかを事実だけで立証するのが難しいことはお分り頂けると思います。となると、私たちの言葉そのものが捜査の対象になります。日常生活の中でも「言った、言わない」の決着をつけるのは難しいことは私たち経験済みですが、権力を持って捜査する人たちが、「言った」と結論付ければ、それに対して私たち普通の市民が対抗することはほとんど不可能に近くなります。そこから冤罪が生まれます。

 

これは私たちにとっても無縁ではありません。共謀罪とは関係のない冤罪で最近、注目されたRCCの元アナウンサー煙石さんの冤罪事件が、冤罪の恐ろしさを示しています。この事件については、北村弁護士⑦パパさん、そして事件鑑定人のブログでも取り上げられていて、とても勉強になりました。

  

そして皆さんが指摘しているように冤罪は誰にでも起り得ることです。煙石さんはマスコミ人です。そしてマスコミ人は、普通の人たちよりは権力との接点がありますし、例えば違法捜査をしたりすればそれは仲間のマスコミから公表されて問題視されるであろう可能性も一般人の場合よりは高いはずです。したがって、警察や検察は恐らくより慎重に捜査をすることになるでしょう。にもかかわらず、煙石さんは最高裁まで闘ってようやく無罪を勝ち取らなくてはなりませんでした。

 

煙石さんの御苦労と勇気、そして彼を支えた英雄たちの存在を讃えたいと思います。同時にこの事件は、冤罪は他人事ではないことをはっきりと示してくれているように思います。

 

もう一点、事件鑑定人さんが指摘しているのは科捜研の予算が厳しいために高価な解析ソフトが使えなかった可能性です。それが煙石さんの無罪の証明と関わっていたということなのですが、それは、科学的な捜査でも「予算」が大きな役割を果している事実を認めなくてはならないという結論になります。共謀罪でも、予算の付くことで捜査内容が大きく変わるであろうことの傍証にもなっているのではないでしょうか。

 

 

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2017年6月 5日 (月)

共謀罪反対集会とデモ ――広島弁護士会主催のテーマは「私の心を探るな」――

 

共謀罪反対集会とデモ

――広島弁護士会主催のテーマは「私の心を探るな」――

 

527日に衆議院で強行採決された共謀罪新設法案は今、参議院で審議されていますが、どうしてもこの法案の成立を阻止しなくてはならないと、広島弁護士会の呼び掛けで、午後2時から原爆ドーム前の集会が開かれました。炎天下にもかかわらず、500名の参加者があり、集会後は原爆ドームから八丁堀、本通りを通って平和公園までのデモを通じて多くの人々に呼び掛けました。

 

集会は、最初に主催者を代表して下中奈美広島弁護士会会長の挨拶があり、続いて民進党の森本真治参議院議員の国会報告、そして連合事務局長を含む3人から市民の立場を代弁するアピールがあり、最後に弁護士会の共謀罪担当の前川弁護士から閉会の挨拶がありました。以下、アイ女性会議の佐藤奈保子さんにまとめて頂いたレポートです。

 

             

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下中会長の挨拶

  

下中会長は「これまで『テロ等準備罪』は3回廃案となっている。2020東京オリンピック・パラリンピックでテロを未然に防止するためと提案しているが、すでに国際犯罪防止条約にプラスして国際・国内法の整備がされているにもかかわらず、今回、277の対象犯罪を盛り込んだ「共謀罪」を提出しました。一般市民も「話し合い」や「計画」をしていたとして恣意的に犯罪対象にされかねない。安倍首相は一貫して「戦争のできる国」づくりのために急いでいる。今国会で通そうと必死だ。弁護士会はみなさんと一緒に廃案にむけてがんばります。」と力強いあいさつ。

 

 

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森本参議院議員の国会報告

 

民進党の森本真治参議院議員からは「法案は不明な点(180の論点)が次々と出ているが、十分な整理もされていないにもかかわらず、審議を拒否すると「質問なし」として強行採決されるので審議を徹底して迫る。みなさんの声とともに国会でがんばる」と国会内の状況報告。

 

広島市立大学の湯浅正恵教授は「『安保法案』に次いで危機感を感じてこの場に来た。安全・秩序と銘打って当局が問題ありと思ったら何もしていなくても監視強化され、表現・言論・集会の自由を奪い、脅かされる。当局に睨まれないために自己規制することに始まって、結局は私たち一人一人が言葉を奪われる。私は『秘密保護法』の時も言ったが、1人の人間として生きる自由・権利を放棄したくないから反対する」と力強い反対の意思表明。

 

写真家の藤岡あやさん(呉出身)は「『共謀罪』がよく分からなくて勉強した。2020オリンピック・パラリンピックのテロ対策で一般市民は対象外と言うが、私が護衛艦やデモを撮っていたら、犯罪の対象にされるかも。生きる喜びや表現が制限されるとしたらいやだ!」と具体的な表現手段に沿っての説得力ある反対論。

 

連合広島の山﨑幸治事務局長が「連合としても重要な問題と捉えている。大きくまとめると4つの問題点がある。

  適用する対象があいまい 

 「犯罪」の構成要件が好い加減 

  捜査等の手法が拡大され監視社会が作られてしまう 

  人間相互の不信感を高める(密告等により)

このような法案は何としても撤回させなくてはならない。連合広島もがんばります」と決意表明。

 

デモのシュプレヒコールも共謀罪の本質を突く鋭くかつ記憶に残るもので、500人の参加者の熱い思いが伝わりました。

 

「戦争反対」「共謀罪は廃案に」「テロ対策と嘘つくな」「話し合いは人間生活の基本」「告げ口を奨励する法案に反対」「憲法を変えるな、政治を変えろ」

 

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2017年5月17日 (水)

「福島原発事故被災地第2次フィールドワーク」を決定 広島県原水禁常任理事会

「福島原発事故被災地第2次フィールドワーク」を決定

 

   広島県原水禁常任理事会を開催

 

広島県原水禁は、事務局長が交代してから初めての常任理事会を昨日開催し、「福島原発事故被災地第2次フィールドワーク」などの取り組みを決定しました。

 

常任理事会では、まず最初に秋葉代表委員が開会のあいさつで、安倍首相の改憲発言について「もし安倍改憲を許すようなことがあれば、憲法第9条に『自衛隊』を明記するということにとどまらず、必ず日本政府が核兵器を保有することに進んでいきます。その危険性をきちんと訴え、改憲を許さない運動を強めましょう」と、県原水禁の役割を訴えました。

 

その後の協議では、次のことが確認されました。

 

核兵器禁止条約を成立させるための行動として、

 

①「核兵器禁止条約のための広島共同行動実行委員会」の取り組みに積極的に参加する。

 

 その1 核兵器廃絶!ヒロシマ市民集会

      5月27日(土) 15:00~17:10

      大手町平和ビル5F (中区大手町4-1-1 市役所向かい)

 

 その2 キャンドルメッセージ

     6月15日(木) 19:30~20:30

 

Photo

 

②広島県原水禁独自の行動

 

 広島県知事、広島市長への「政府への働きかけ強化を求める」要請行動

  5月19日

 

 岸田外務大臣への「被爆地出身の外務大臣として『核兵器禁止条約交渉への参加』を決断する」要請行動

  5月24日 秋葉忠利代表委員、渡辺宏事務局長が上京し要請する

 

 

福島原発事故被災地第2次フィールドワークの実施

 

2014年11月の第1次に引き継ぎ、第2回目を実施し、 今回は、特に帰還困難区域解除後の実態を視察する。

実施時期は、6月24日から26日とし、

秋葉、金子代表委員を中心に15人から20人を派遣する。

視察地は、飯館村、浪江町、南相馬市、大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町など

 

F9edcdb76dde1a3e20d870121d3f5d87jpg                     前回のフィールドワーク

 被爆72周年原水禁世界大会広島実行委員会の結成総会は、

6月19日(月)18時から開催する。

 

その他に

 高校生平和大使が、広島県から3名選出されたこと。その派遣のためのカンパを取り組むこと

去る5月9日に第1回公判が行われた「原爆被爆二世の救済を求める集団訴訟」へのさらなら支援と裁判傍聴の活動を強化する。なお、次回公判は8月22日に開廷。

等を確認し、県原水禁常任理事会を終えました。

 

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2017年5月 7日 (日)

総理大臣には憲法遵守義務があります ――しかし、私たちの想像以上に事態は深刻です――

 

総理大臣には憲法遵守義務があります

――しかし、私たちの想像以上に事態は深刻です――

 

2020年には改憲し新憲法を施行すると総理大臣が明言しました。主目的は9条に項目を追加して自衛隊を明文化することですが、自衛隊を合憲化するには、自衛隊の任務から軍事的側面を削除すれば良いことは、すでに述べた通りです。

 

それ以上に問題なのは、総理大臣がこのような発言をすること自体、憲法違反だということです。総理大臣だけではなく、全ての公務員は憲法遵守義務を負っています。この点については、昨年の憲法記念日にも言及していますが、改めて憲法遵守の規定である憲法第99条の条文を掲げます。


99条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 

ここで使われているのは「尊重」と「擁護」ですが、簡単に「遵守(じゅんしゅ)」とまとめて、「遵守義務」と書くことにします。これが大変重い規定であることはお分り頂けると思います。何しろ、天皇にまで憲法遵守義務があるのですから。

 

             

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文部省の『あたらしい憲法のはなし』から

 

自衛隊の「明文化」がそれほど重要なら、すでに明文化されている憲法99条の規定を忠実に守るべきはずなのですが、この点についての論理は一貫していません。

 

また憲法を「尊重し擁護する」ことイコール「改憲」では辻褄が合いません。改憲せずに憲法を「そのまま」尊重し擁護することだと読むのが自然なのではないでしょうか。

 

しかし、先日指摘したように、これまで憲法を蔑ろにしてきた人たちの常套手段は、憲法に明文化されていないこと、あるいは明文化されていることでもそれを無視して、戦争を正当化し軍国主義路線を実現することでした。自衛隊が明文化された暁には、まだ明文化されていないより大きな次の目標が待ち構えています。それは、核兵器を持つことです。そのための第一歩を踏み出す企みに同調することこそ無責任です。

そして戦争を美化し戦意を高揚、軍事路線こそが唯一の選択肢であるかのようなデマで多くの人々を洗脳するために自民党・公明党政権が恥も外聞も忘れて採用してきたのが、戦争放棄を謳った憲法第9条を無視し、軍隊を保持、さらには海外派兵まで可能にするシナリオでした。

 

しかし、これが憲法遵守を定めた99条違反であることは疑う余地もありません。しかし、「敵」もしたたかです。これも何回か指摘していることですが、憲法を遵守することは「法的義務」ではなく「道徳的要請」であるという判決が確定しています。

 

1977217日、水戸地方裁判所による百里基地訴訟の第一審判決では、「憲法遵守・擁護義務を明示しているが、これは、道義的な要請であり」法的義務ではない、との判断が示されていますし、198177日に東京高等裁判所による控訴審判決では、憲法99条は「憲法を尊重し擁護すべき旨を宣明したにすぎない」と述べられています。

 

こんな御託宣があれば、総理大臣が良心の呵責はほとんどなく、とは言え道徳的には問題のあることくらいは理解してくれていると思いたいのですが、期限付きの改憲を「宣明」できるのかもしれません。

 

事態がこれまで私たちが考えていた以上に深刻なことは御理解頂けたと思いますが、さてどうすれば良いのでしょうか。当面思い付くのは、既に多くの皆さんが行動に移していることです。

 

改憲を許さない野党が協力して統一候補を立て、次の選挙で勝利すること、そして安倍内閣を退陣に追い込むことが急務です。選挙に勝つための作戦を立て、できるだけ多くの市民が参加できる体制を作って、動き始めましょう。

 

 

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