国連

2018年1月29日 (月)

2018年「1・27ネバダ・デー」座り込み

        2018年「1・27ネバダ・デー」座り込み

 

広島県原水禁は、去る1月27日、「1・27ネバダ・デー」の座り込み、「2018年広島県原水禁理事総会」「第4回原水禁学校」などの取り組みを行いました。この活動の状況を、今日と明日の2回に分けて報告します。今日は、「1・27ネバダ・デー」の座り込みについて報告します。

 

2018

 

米国・ユタ州シーダー市の「シティズンズ・コール」(代表ジャネット・ゴードン)が呼かけ、1984年以来毎年この日に実施している「1・27ネバダ・デーの座り込み」は、今年も厳しい寒さのなか午後0時15分から30分間、61名が参加し実施しました。

座り込みの意義や模様は、昨年のブログで報告していますので、今年は少し視点を変えてこの日の行動を振り返ってみたいと思います。

この行動を呼びかけた「シティズンズ・コール」は、ユタ州シーダー市で作られた「核実験による核被害者」によってつくられた市民組織です。なぜこの地に核被害者の組織ができたのかを考えてみたいと思います。

 

Photo

 

上の地図を見ていただければよく分かるようにシーダー市は、ネバダ核実験場からほぼ真東に位置し、240キロぐらい離れた街です。ちょっと注意をしてみていただきたい場所は、有名なラスベガスの位置です。核実験場から南東に位置していますが、シーダー市よりずいぶんと近い距離にありますが、ここでは核の被害は問題になっていません。近距離のラベカスでは問題になっていない核被害が、なぜ240キロも離れたシーダー市で問題になっているかということです。

1951年1月27日に初めてネバダ核実験場で核実験が行われ、以後1958年までに公表100回の大気圏内核実験(その後、地下核実験は1992年まで828回実施)が行われています。しかし100回を数える大気圏内核実験ですが、風向きが南東あるいは西に向かっている時は、実験は実施されませんでした。それは、この風向きで実施すると「死の灰」が、ラスベカスやロサンゼルスなどの多数の住民に影響を与えることを恐れたからです。ここでの核実験は、風が北ないし北東方向に吹いている時だけ行われたため、ネバダ州北部やユタ州の住民など実験場の風下に住む人々に上に「死の灰」が降り注いだのです。この地域は人口がまばらであるというのが理由であり、この地域に住む人々の存在は無視されました。

 こうした中で、1980年にネバダ核実験場の風下地域に住む住民の被害調査と被曝者支援のため結成されたのが「シティズンズ・コール(市民の声)」で、その創設者の一人がジャネット・ゴードンさんです。ジャネットさんは、1985年8月に原水禁世界大会に参加するため初来日し、その後も原水禁とは、連携しながら運動を進めてきました。

ところで、核実験に関わってはもうひとつ面白い(という言い方は失礼かもしれませんが)資料があります。下の図です。

 

Photo_2

 

何を目的としたものかわかりますか。

1955年から米原子力委員会(現エネルギー省)が、ユタ州南部など風下地域の住民に配布した「ネバダ核実験場における原爆実験の影響」と題する40ページの小冊子の一部です。上側の絵は、「核爆発を見るときには濃い色のサングラスをかけるか、後ろを向く」と説明され、下の絵も「後ろを向け」ば核実験の影響は受けないということのようです。

ジャネットさんたちの話によれば、「当時、放射能の恐ろしさなど全く知らされていなかったので、多くの人々がネバダ核実験場が見える丘に上がって実験を眺め、やがて自分たちの頭上を原子雲が流れていくのを見た」ということです。その結果が、多くの住民にガンをはじめとする放射能による健康被害を広げたのです。

 

風下住民の核被害の問題について、少し長く触れたのは、昨年7月に成立した「核兵器禁止条約」では、「核兵器の禁止」だけでなく、前文で「核実験による被害者にもたらされた受け入れがたい苦痛と被害」が言及され、さらに第6条で「被害者に対する援助及び環境の回復」という核実験被害者の救済が条文に盛り込まれていることにもう少し関心持ってほしいという思いがあるからです。

 

そして強調しておきたいことは、ネバダ核実験場では今もなお、アメリカが行っている新型核兵器開発などのための臨界前核実験が行われているということです。核実験場が閉鎖されない限り、核兵器開発は続いているということです。今年の「ネバダ・デーのアピール」でも、「ネバダ核実験場を閉鎖させよう」を訴えの一番目に掲げています。35回目の「ネバダ・デー」の座り込みとなりましたが、残念ながらこのスローガンはいまも続いています。

 

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2018年1月26日 (金)

相撲協会評議員会議長の思考 ――モンゴルは平和を大切にする国です――


相撲協会評議員会議長の思考

――モンゴルは平和を大切にする国です――

 

公益財団法人では、評議員会が法人の最高議決機関ですので、その議長はその法人の最高責任者と言って良いでしょう。理事会と理事長は業務執行の責任者です。ということから公益財団法人・日本相撲協会の評議員会議長は、相撲協会の「意思決定」の最高責任者です。つまり、議長の言葉は相撲協会としての公式の考え方を示していると考えられます。

 

その池坊議長が『週刊文春』のインタビューで、白鵬の張り手やかち上げについて「理事会で取り上げるべきこと」という見解を示した上で、

 

「(モンゴル人は)狩猟民族だからね。勝ってもダメ押ししないと殺されちゃう。良い悪いは別にして、DNAかもしれないわ」

 

と述べています。張り手やかち上げについて、相撲協会としてのきちんとした対応を理事会で決めるべきだという点には賛成ですが、その理事会を指導する立場の評議員会として、その後のモンゴル人についての断定は頂けません。最低限、無知に基づいた決め付けは避けるべきでしょう。その視点からの問題提起です。

 

池坊議長の決め付けをまとめると、一つの国や民族の行動の原理原則は、DNA、つまり、その国や民族を構成する人々の生物学的特性によって動かし難く決まっているという前提があります。だから、その集団に属する個人の言動もそれに縛られている、という結論になります。

その延長線上で、「○○人種は劣っている」とか「××人種は他のどの人種より優れている」といった主張が歴史的には何度も現れてきました。ヒットラーがその典型です。池坊発言には、それほどの悪意も意図もなかったと信じていますが、DNAやモンゴルについての無知は指摘しておかなくてはなりません。

   

Dna_2

        

By Forluvoft (File:DNA simple2.svg) [Public domain], via Wikimedia Commons

         
   

 その前に、相撲協会として自覚できなかった、それ以上に協会そのものに浸み付いてしまっているかのように見える「暴力容認」体質から目を逸らさせ、「暴力容認」は相撲協会や親方、そして各部屋の「伝統」とは無関係、という印象を作りだすことになっている点も問題です。

 

さて、DNAを問題にするのなら、これは科学的に検証可能な事柄なのですから、そちらの知見を活かさなくてはなりません。

 

モンゴルと言えばチンギス・カンや彼の孫のフビライ・ハーンが有名ですが、彼らとDNAとを合わせて考えると、次の事実が頭に浮びます。それは、世界の男性の中で、チンギス・カンのDNAを受け継いでいる人の率が高い、そしてその人たちは日本にも住んでいる、という遺伝学者の主張です。だとすると、日本人の中にも狩猟民族の血が流れていることになるのですから、白鵬だけを特別視するのはおかしいということになります。

 

さらにある国の特徴を一言で表現する場合、「狩猟民族」か「農耕民族」かという、概念化や定義の難しい基準を使うのではなく、例えば選挙によって選ばれた政府が一国の政策としてどんな立場を取っているのか、それも国連という比較可能な場を通しどのような主張をしているのかを物差しにした方が信頼度は高いと思うのですが、如何でしょうか。

 

例えば、現在のモンゴルの外交政策で世界的に注目されているのは、一国で「非核兵器地帯」として国連に認定されている事実です。世界的に、南半球は全て非核兵器地帯条約を批准していますが、北半球では、中央アジアと東南アジア、そしてモンゴルだけです。一国だけではあっても、条約と同じ強制力を伴った形で核兵器反対の立場を明確にしている国、そしてそれを支持している国民や民族は、核兵器を保有したり、核兵器を使うという前提で国際問題に対処している国より「非暴力的」かつ「平和的」だと言って良いのではないでしょうか。

 

Photo_3

青の地域は、非核兵器地帯です

By Original uploader: JWB (File:BlankMap-World6.svg with recoloring.) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

 

そして、モンゴルは、201777日に採択された核兵器禁止条約にも賛成票を投じています。御存知のように「唯一の被爆国」であることを標榜している日本は、これに反対しましたし、条約案をまとめるための努力に対する積極的な妨害もしてきました。

 

こうした結果だけを見て、非暴力支持のモンゴル、暴力を肯定する日本、と結論付けることも可能です。

 

もちろん、平和憲法の下に国際的な立ち振る舞いを規制してきた日本という国家が、平和国家だという主張も、(安倍政権でそれが崩れつつあることを差し引いても) 世界的にはまだ認められていると考えられます。

 

となると、平和憲法による評価では世界が一目置いていた日本を、核兵器禁止条約という画期的な出来事を通して眺めると、その影が薄れ、一国非核地帯を宣言したモンゴルの方が、非暴力・平和という分野では先んじていると見られているというまとめは、かなり正確な国際的評価の要約になります。

 

仮に、個人個人の行動が、一国の「社会」や「民族」の特性の結果であるという因果関係が存在すると仮定すれば、非暴力・平和というレベルではそれほど差がない、あるいはより非暴力的な国出身の力士が、土俵の上では、日本人力士より暴力的だという結論にはなりません。

 

ましてや、「狩猟民族」だからという「原因」によって、土俵の上での暴力的行動が生れる、という「因果関係」が存在するとの主張には無理があります。

 

最後に付け加えておくと、1990年代から、ジャック・ウエザーフォードという人類学者・歴史学者によって、各地に散逸していた多数のモンゴルの歴史文書の比較考量・読み解きが行われました。その結果、チンギス・カンについての多くの新事実が発見されています。例えば、女性の能力を高く買って、政治的にも高い立場に登用したことや、宗教の自由という概念もチンギス・カンが、自ら支配した地域に導入した法的な概念で、それが、アメリカにまで伝わって、トマス・ジェファソンの力でアメリカの憲法に取り入れられた、といった歴史です。

 

となると、モンゴルの歴史からは、寛容で多様性を尊重するという価値観を大切にしていた民族だ、と考えることも可能です。ジャック・ウエザーフォードの調査・研究の成果については稿を改めて御紹介します。

 

 

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コメント

最近の相撲協会をみると公益法人より指定暴力団の方が相応しいように思えます。

この方の考え方なら、家元制の中で生まれ育った人が、平等な立場で判断すべき評議会に所属するのは間違っているとなるでしょうね。
評議会にしても横綱審議会にしても、とても偏っているように感じます。
相撲協会は、税金対策のためだけの公益法人に見えます。
認可を取り消すべきですね。
国民から税金のように徴収されたNHKの受信料金が、放映料として使われているのですから、儲かったお金は税金として徴収し、社会に還元すべきです。

相撲協会もNHKも国から様々の保護を受けているようですが、
もう限界ですね。
トランプさんはメデイアを目の敵にしていますが、
日本のメディアは権力とベッタリのようです。
いずれ新聞社は潰れ、
そのときには相撲協会も消えるのでしょうね。
それによって困る人は、そこに住んでいる人たちと自民党の議員だけでしょうね。

「ハト派」様

コメント有り難う御座いました。

これだけ、暴力の歴史があるのですから、相撲界からは「全ての暴力追放」という目標が出てきても良さそうなものですが、そこには行き着かないですね。

そしてほかのスポーツでも隠すのではなく、表に出して「暴力追放」をすべきですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

評議員会というのは公益財団法人の最高議決機関です。それなのに、まるっきり当事者意識がない言動を繰り返しているのは問題ですね。もっとも、他の関係者も似たり寄ったりというところがもっと大きな問題かもしれません。

力士、特に若い人たちの基本的人権を守るための組織が相撲協会の中には必要なのではないでしょうか。

「民営化」様

コメント有り難う御座いました。

そうなると良いのですが、ちょっと悲観的です。誰にも得にならないタバコ事業は続き、人類の未来を危うくする原発も政府が肩入れして続いています。NHKや御用新聞も同じように続く可能性が高いとも考えられますが--。

2018年1月16日 (火)

ICANのベアトリス・フィーン事務局長の来広 ――受賞をバネに、厳しい現実を変えるための作戦へ――


ICANのベアトリス・フィーン事務局長の来広

――受賞をバネに、厳しい現実を変えるための作戦へ――

 

核兵器禁止条約実現への貢献が評価されノーベル平和賞を受賞したICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン) のベアトリス・フィーン事務局長が、長崎大学から招かれて来日しました。長崎での講演等を終え、15日には広島に足を延ばしてくれました。平和公園・資料館を見学の後、午後には広島の若者との対話集会があり、夜は、核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会の主催で、「核兵器禁止条約の早期発効に向けたNGO意見交換会」が開かれました。

 

核兵器の廃絶をしなくてはならないことは十分理解している人たちの集まりだから、早期発効のため、そして批准をしようとしない国にどう働き掛けるのかを中心に意見交換をするという合意で始まりましたが、それでも様々な思いが飛び交い、元気一杯の集いになりました。

 

                 

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開会前に通訳の小泉直子さんと打ち合わせをするフィーン事務局長(右から二人目)

 

行動優先の意見交換会で最初に披露されたのは、この稿がアップされる16日には、フィーンさんとICANの国際運営委員の川崎さんとが東京で、各党の代表と会い、国会で核兵器禁止条約についての討論を行うよう提言するということでした。

 

「国民に丁寧に説明する」と口だけでは曰わっても (のたまわって)、何もしない安倍総理・安倍政権ですが、日本社会特有の「外圧に弱い」ことまでは克服できていないようですので、正論に反駁はできない可能性がかなりあります。フィーン・川崎両氏に頑張って貰いたいと思います。

 

「討論」の内容は、核兵器禁止条約に日本政府は反対しているが、その姿勢を取るのであれば、最低限、この条約に参加する場合、しない場合それぞれのメリット・デメリットを事実に基づいて客観的に議論をした上で、その内容を国民に知らすべきだ、というものです。

 

フィーンさんの講演内容等は新聞やテレビでも報道されると思いますので、ここでは会場の参加者から出された意見を簡単にまとめておきます。発言者が誰なのかは省略します。

 

 イランで若者の平和グループを組織したが、全く関心を持たない人たちもいる。そのひとたちをどう巻き込んだら良いのか。

 対話は大切だが、対話をする際には方向性をハッキリさせる必要がある。そしてその方向とは核兵器の廃絶だ。

 被爆者国際署名に協力して欲しい。

 世界各地で行われているICANの活動を教えて欲しい。

 被爆の歴史や被爆体験について、日本は無知だ。そこから活動を始めなくてはならない。

 

フィーンさん・川崎さんからは次のようなコメントがありました。まず、議論は「シンプル」に徹すること、そして新たな、クリエーティブなアプローチを採用すること。例えばポップ・スターや宗教家の協力なども効果的なはずだ、加えて、インターネットなどあらゆるメディアを効果的に使う必要がある。

 

最後の閉会の言葉として、10月の総選挙で、得票数は伸びなかった改憲与党が議席の3分の2以上を占めたことを反省し新たな力を生むために、まず、2003年の平和宣言を読んで欲しいとお願いをした上で、3点を強調しました。ここではスペースがありますので、2003年の平和宣言の一部を引用しておきます。

 

世界中の人々、特に政治家、宗教者、学者、作家、ジャーナリスト、教師、芸術家やスポーツ選手など、影響力を持つリーダーの皆さんに呼び掛けます。いささかでも戦争や核兵器を容認する言辞は弄(ろう)せず、戦争を起こさせないために、また絶対悪である核兵器を使わせず廃絶させるために、日常のレベルで祈り、発言し、行動していこうではありませんか。

 

3点の一つ目は、改憲をしようとしている安倍政権の描いているシナリオを知り、その結果生まれる怒りを広げて力にしよう、ということです。9条改憲と言っても、もう存在している自衛隊を明記するだけだから何も変わらない、という説得が行われていますし、それをそのまま受け止めて「納得」している人も多くいます。でも、これまでの政府のやり方を歴史的事実に基づいて検証すれば、安倍政権の意図しているのは、その先の目標、つまり核兵器の保有だということはすぐ分ります。それを理解することで、改憲容認派を説得することが可能になります。

 

二つ目は、そのためにも必要なのですが、歴史を勉強し直すこと。私たちが教えられてきた歴史には間違いも多いのです。例えば聖徳太子は存在しなかったことが今では歴史的事実として教えられています。それと同じように国家としての日本を考えるにしても、明治維新や戦争ばかりしていた明治から昭和の時代、特に1895年から1945年を賛美する歴史ではなく、徳川時代そして1945年以降も含めての日本の本質を理解することが大切です。大河ドラマで西郷さんが取り上げられても、彼は征韓論者だったこともしっかり覚えておかなくてはなりません。

 

三つめは、社会党の最盛期に「社会党潰し」のために使われ、今でも信奉者の多い、「反対ばかりする政党は無責任」というプロパガンダに乗らないこと。人権を無視し、戦争を始めよう、環境はどうでもいい、貧富の格差がもっと広がるような施策を、国民を騙して行おうとしている政権には「NO」としか言いようがないではありませんか。正々堂々と、平和のため、正義のために「NO」と言い続けましょう。

 

明日、フィーンさんと川崎さんは国会で頑張ります。私たちは広島で頑張りましょう。

 

 

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コメント

ノーベル賞受賞でのスピーチそして記念講演で興味を持ち、普段は殆ど読まない小説を読みました。カズオ・イシグロの「日の名残り」です。記憶を辿る物語の展開にも感心しましたが、意見を言わないことの責任など、民主主義の根幹に関わる問題提起も多く、長崎生まれのイシグロ氏が「平和のための賞」と聞かされて育ったノーベル賞に相応しい作品だと思いました。

それにしても安倍首相はベアトリス・フィーン事務局長との面会を断ったということですが、日本政府の対応は本当に残念なことです。

今でも信奉者の多い、「反対ばかりする政党は無責任」というプロパガンダに乗らないこと。 これは大事だと思います。今なら「日本共産党や立憲民主党は無責任(非現実的)」というプロパガンダでしょう。そりゃあ、無茶苦茶をやる政権にはNOというのが「責任ある対応」であり「現実的対応」であると切り返していくべきですね。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

カズオ・イシグロ氏の作品も読まなくてはと思いつつ、読みたい本・読まなくてはと自分に言い聞かせている本のリストばかりが長くなっています。

安倍総理には、市民の声が聞こえるように、マギー審司のびっくりデカ耳をプレゼントしてみましょうか。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

権力者側が、弱者に対して取り続けている態度は、基本的な部分では全て「NO」なのですが、「騙す」側は、ちょっぴりの「Yes」を前面に掲げ、「NO」は「Yes」なんだよと信じ込ませる詐術を使います。オーウェルは、そのような構造を良く見ていました。「hiroseto」さんも頑張っているように、その点も突いて行きましょう。

2017年12月11日 (月)

ICAのノーベル平和賞を祝い、核兵器禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会

ICAのノーベル平和賞を祝い、核兵器禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会-核兵器禁止条約の発効へ決意新たにー

 

 

12月10日、ノルウェーのオスロでは、ノーベル平和賞授賞式が行われました。

広島でも、この授賞式に連帯する市民集集会が、「核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会」(広島県原水禁など27団体が参加)の呼びかけで、昨日午後1時から原爆ドーム横で開催されました。

何とか雨が降らないでほしいという参加者の思いが伝わらず、集会を始める直前から雨が降り始めるというあいにくの天気でしたが、100名余りの市民が集まり、オスロへのメッセージを届けるともに、「核兵器禁止条約」の早期発効へ目指して、とりわけ日本政府への働きかけを強めるアピールを広島から発信しました。

 

集会参加者は、最初にオスロへ届ける私たちの思いを込めた3本のバナーを次々と掲げました。

 

1

 

▲核兵器禁止条約・ICANのノーベル平和賞おめでとう!

   Congrats, ICAN, for nuclear-ban treaty receiving Nobel Peace Prize!

▲サーロー節子さん ありがとう!頑張って!

   Setsuko Thurlow, many thanks and cheers!

▲核禁条約で核なき世界を!世界の人々と!

    United with global people, let's achieve a nuke-free world with nuclear-ban treaty!

 

渡辺朋子さんの司会で始まった集会では、4人のリレートーク。

最初は、バチカンを訪問したカトリック正義と平和協議会の牧山員子さん。

続いて、第20代高校生平和大使の久永風音さんのメッセージ。久永さんは、今年の夏、高校生平和大使としてスイスを訪問して体験した「『外国に来て核兵器廃絶を訴える前に、まず日本国内での意見をまとめるべきだ』と指摘された」ことを紹介しながら「日本は、アメリカの核の傘に守られている国という以前に、核兵器の本当の恐ろしさを知っている唯一の被爆国です。私たちはどのような立場をとるべきでしょうか」と指摘し、最後に「私たちはこれからが始まりです。共通のゴールをめざし、これからも励ましあうことで、核兵器の廃絶と平和な世界の実現という理想郷を現実のものへと変えていきましょう。」と呼びかけました。

 

2

 

次に原爆胎内被爆者全国連絡会広島支部長の二川一彦さん、そして最後に昨年の平和記念式典で「平和の誓い」子ども代表を務めた中学生の中奥垂穂さんからのメッセージ。

 

4

 

雨の中、リレートークの発言をメモに取ることができませんでしたので、スピーチ原稿をいただくことができた久永さんだけの内容紹介になってしまいました。他の皆さんゴメンナサイ。

そして実行員会事務局長森滝春子さんが「市民集会声明」を提案、最後に広島県原水禁代表委員の秋葉忠利さん(前広島市長)が、閉会のあいさつ。

 

3

 

秋葉さんは、久永さんのトークに触れながら、「核兵器開始条約に反対する日本政府の政策を変えさせること。そのためにもこの集会の模様をネットなどで拡散させよう」と私たちの課題に触れながら、行動を呼びかけました。

 


 

核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、

   禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 共同声明

 

今日、20171210日、人類の生存を保証するための歴史的な核兵器禁止条約実現に決定的な貢献を果たした「核兵器廃絶国際キャンペーンICAN」にノーベル平和賞が授与されます。

米国による原爆投下で受けたヒロシマ・ナガサキの非人間的悲惨の極みをもたらし、数十万の命を何が起こったかも知る由もなく一瞬にして虐殺し、家族と身体的機能を奪われて生き残った者に72年間も放射能障害をはじめとする痛苦を与え続けてきました。

 201777日に、国連で核兵器を国際的規範で違法とし、核兵器の開発、製造、実験、所有、譲渡、使用の威嚇などを禁じる核兵器禁止条約が122もの国々の固い決意のもとに採択されました。「核と人類は共存できない」というヒロシマ・ナガサキをはじめとする世界中のあらゆる核被害者の世界への叫びがやっと届いたものです。

 一方、核保有国とその同盟国は、人類破滅をもたらす核兵器に安全保障を依存するという恥ずべき姿勢を維持するのみならず、核兵器禁止条約の採択に賛同した国々に圧力をかけ批准を妨害しています。

ヒロシマは信じます。禁止条約の採択に賛同した叡智ある国々が1日も早く署名・批准を成し遂げ、人類の生存のための最も有効な手段である核兵器禁止条約の発効に寄与することを。

 核はその開発の段階から核は軍事利用、商業利用の区別を問わず先住民や太平洋諸島島民をはじめとする弱き側の民衆に大きな犠牲を強要してきました。放射線被害は未来を担う世代にも大きな被害をもたらしてきました。禁止条約はその苦悩に向き合い光を充てたものでもあります。核被害を根底的から告発し、核なき世界を求めてきたてきた私たちヒロシマ市民が大きな希望を持つことができる所以でもあります。

日本政府の核抑止力依存政策は禁止条約で禁じる「核使用の威嚇」に抵触するものであり、被爆国でありながら核保有国の側に立ち、核兵器禁止条約に反対していることを、私たち日本の市民は決して許さしません。私たちは全力をあげて、日本政府をして、署名・批准の良識ある行動に立たせることを誓います。

 本日ノーベル平和賞授賞式で、世界のヒバクシャを代表してヒロシマの被爆者であるサーロー・節子さんが世界に核廃絶を訴えます。私たちはサーロー・節子さんと共にあります。感謝と激励のメッセージを届けようと原爆ドームに集いました。

ICANは、私たちにとって希望溢れるNGOです。その若い力強さで核廃絶の実現に世界を牽引してくれることを心から期待しています。

 

  核兵器禁止条約・ICANのノーベル平和賞おめでとう!

  サーロー・節子さん ありがとう!がんばって!

  核兵器禁止条約で核なき世界を! 世界の人々と連帯して!

 

    20171210

 

 核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、

       禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 参加者一同 

 

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2017年12月 8日 (金)

原爆ドーム 世界遺産登録記念集会 ――決意を新たにする集会でした――


原爆ドーム 世界遺産登録記念集会

――決意を新たにする集会でした――

 

127日、原爆ドームがユネスコの世界遺産に登録されてから21年目の記念集会が原爆ドーム前で開かれました。今年は、「核兵器禁止条約」が採択され、核兵器廃絶を目的とするNPOであるICANがノーベル賞を受賞するという特別の年であり、核兵器廃絶のために全力を尽してきた被爆者や広島市民そして平和団体が、原爆ドームをシンボルとして、決意を新たにする機会になりました。

 

                     

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原爆ドームの世界遺産登録は21年前ですが、原爆ドームの重要性はそれ以前から認識されており、保存の努力もずっと続いてきました。その歴史を、集会のプログラムでは次のようにまとめています。

 

 

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集会参加者全員が「原爆ドーム」を前に、亡くなった被爆者そして今も一緒に活動している被爆者の皆さんと共に核兵器廃絶への誓いを新たにしました。主催者の核兵器廃絶広島平和連絡会議を代表しての献花と献水にその心を込めました。

 

 

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最後にこの集会で採択された「アピール」です。核兵器の廃絶を一日も早く実現するためにともに頑張りたいと思います。

 

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原爆ドーム世界遺産登録記念集会アピール

 

今から72年前の194586日午前815分、この広島に人類史上最初に 原子爆弾が投下された。

爆新地近くにあった広島県産業奨励館は、「原爆ドーム」と呼称を変え、 その歴史とともに、ここに立ち続けている。

 

今から21 年前の1996127日、「原爆ドーム」のユネスコ世界遺産への登録が実現した。 原子爆弾の恐ろしさ、愚かさを後世に伝えるために、この「原爆ドーム」のユネスコ世界遺産登録に向けて、多くの市民や県民が一体となって、4 年 の歳月をかけて署名活動などの運動に取り組んだ。その熱い情熱の結集が 164万を超える請願署名となり、政府を動かし、世界遺産登録委員会の決定を手繰り寄せることとなった。

 

私たち、ヒロシマが求めてきたものは、「原爆ドーム」の建造物としての 文化的価値の評価ではなく、「原爆ドーム」に刻まれた被爆者の慟哭と被爆の実相を世界の人々へ伝え、核兵器の使用を決して許してはならないという警鐘を鳴らし続けることにある。

 

本年717 日、史上初めて「法的に核兵器を禁止する」 ことを目的とした 「核兵器禁止条約」が国連で採択された。

しかし、日本政府は「国際社会の分断を一層深める」とし、交渉会議にも参加せず、条約の制定に反対している。

また、2015年に開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、核保有国と非保有国との対立により決裂し、先の「核兵器禁止条約」 に関する決議に際しては、唯一の戦争被爆国であり、核兵器保有国と非保有国との橋渡し役として核兵器廃絶に向けた議論をリードする役割と責任がある日本政府 が反対票を投じた。

 

こうした危機的状況だからこそ、ヒロシマの果たす役割は重い。

 

私たちは、「原爆ドーム」世界遺産登録の意義を再認識し、国内外の世論喚起を図るとともに、被爆の実相を着実に次代に継承していくなど、核兵器廃絶と世界の恒久平和実現に向けた運動を強化していかなければならない。

 

私たちは、72年前の惨劇を目の当たりにし、今もなお「核兵器廃絶と世界の恒久平和実現」を無言で訴え続ける「原爆ドーム」とともに、想いを共有する多くの人との連帯の輪をさらに広げ行動することをここに誓う。

 

2017127

 原爆ドーム世界遺産登録記念集会

 

 

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2017年10月14日 (土)

核兵器禁止条約は無視 ――安倍政権が国連に提出した「似非」核兵器廃絶決議案です――


核兵器禁止条約は無視

――安倍政権が国連に提出した「似非」核兵器廃絶決議案です――

 

日本政府、つまり安倍政権は毎年国連に、核兵器廃絶決議案を提出しています。でも核廃絶と言っても「究極的」という一言が入っての核廃絶です。「究極的」の意味は、詰まる所、最終的にはという意味もありますが、外務省による用法では「ずっと先のこと」つまり、「今はやらない」ということなのです。

 

               

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版権 palinchak / 123RF 写真素材

 

こんなことは、誰にでも分っていることなのですが、外交には国同士のお付き合いという面もありますので、あまり波風を立てずに、「それも核廃絶の内には入るから」くらいの気持で付き合ってくれた国々が多くありました。でも、日本政府の、それは安倍政権のという意味ですが、これほどまでに不誠実な態度は見透かされていました。

 

それが今年、顕在化しました。日本政府が国連に提出した核廃絶決議案には「核兵器禁止条約」という言葉がなかったのです。

 

194586日と9日以来、被爆者が願い続けてきた核兵器廃絶への大きな一歩である法的な枠組みがようやく出来たのに、です。このブログでも、10回以上、国際社会の賢明な努力の足跡を報告してきました。ICANのノーベル平和賞受賞を取り上げた回では、それらのエントリーをざっとまとめてリストしておきましたので、再度お読み頂ければ幸いです。

 

しかし、こうした努力のリーダー役を務めたICANを初めとするNGOも、核兵器廃絶への高い志を持ち続けてきた国々も、今回は我慢の限界に達したようです。その結果、今年は、日本政府提案の似非「核兵器廃絶決議案」には反対する国が増える見込みです。口だけの、そして本音ではアメリカのお先棒を担ぐ日本の決議案に価値は認めない、ということなのです。

 

これまでも私は、日本政府の破廉恥な言動はやがて世界の笑いものになると警告をしてきたのですが、世界の動きはそんな予想をはるかに超えていたようです。日本は既にもう、世界の笑いものになっているようです。

 

政府だけが笑いものになっているのなら、まだそれでも我慢の仕様はあるのかもしれません。しかし、それだけで済むはずがありません。私たち、日本人、日本という国に住み、曲りなりにも選挙によって政府を選んでいることになっている私たちも笑いものになってしまうのです。

 

それを避けるためにも、今回の選挙では安倍政権、自民・公明の与党、そして核兵器禁止条約に背を向けている自民党の亜流政党を葬り去りましょう。

 

安倍政権批判は続きます。

 

 

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2017年10月 7日 (土)

ICANがノーベル平和賞受賞 ――核兵器禁止条約に至る活動が評価されました――


ICANがノーベル平和賞受賞

――核兵器禁止条約に至る活動が評価されました――

 

 

ICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン) がノーベル平和賞を受賞しました。それは、核兵器禁止条約に至る道が評価されたことを意味します。そしてこの道は大変長かったと言って良いと思います。

 

             

Ican

               

ICANのツイッター・アカウントから

 

ここに至る道を最初から辿れば、194586日以降の歴史から始めなくてはなりませんし、被爆者をはじめ世界中の多くの人々や団体、そして志を共にしてきた国々の多岐にわたる活動を振り返ることになります。

 

そのほんの一部ですが、「核兵器廃絶に至る道」として、7月に数回にわたってこのブログにアップしました。まずは、それらの記事を再度お読み頂ければ幸いです。

 

 核兵器禁止条約の案文がまとまります  ――そこに至る道を振り返ってみましょう――


 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト①――

 

 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト② 仏核実験――

 

 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト③ 市民から政府へ――

 

 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト④ 市民によるロビー活動――

 

 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト⑤ 市民によるロビー活動・(2)――

 

 核兵器禁止条約に至る道 ――世界法廷プロジェクト⑥ 市民によるロビー活動・(3)――

 

また101日に開かれた集会の報告もアップしてあります。

 

 核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その1

 

 核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その2

 

これだけではICANの果した役割は十分に説明できていないのですが、条約の交渉開始についての報告は3月にしていますので、これも御覧下さい。

 

 核兵器禁止条約交渉開始 ――参加しない日本政府は国際社会で被爆者を「抹殺」しているのです――

 

ICANの活動も含めて、核兵器禁止条約が成立するまでの最近の動きは、稿を改めて詳しく記述する積りです。

 

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2017年10月 3日 (火)

核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その2

核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その2

 

昨日に続いて「核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、核国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会」の模様を報告します。集会の後半は、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員として、核兵器禁止条約の成立過程に深くかかわってこられた川崎哲さん(ピースボート)の「核兵器禁止条約成立の意義と今後の課題」と題した講演でした。

 

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川崎さんは、最初にこれまでの経過を報告。

2010年4月に赤十字国際委員会(ICRC)が出した「声明」から始まった「核兵器禁止条約交渉会議」開始までの経緯を説明しながら、特にその中で「市民社会が参加し、被爆者の発言」が大きな役割を果たしたことを強調。広島、長崎の被爆者だけでなく、マーシャルの核実験被害者の発言も。その結果、核兵器禁止条約交渉会議には、130か国以上が参加し、7月7日には、賛成122、反対1(オランダ)、棄権1(シンガポール)の圧倒的多数で採択された。この交渉会議での主な論点と経過を次のように説明。

「禁止事項」では「威嚇、実験は盛り込まれたが、軍事的準備、融資、輸送を盛り込むことができなかった。」しかし「実験」については、「入れないで良い」との主張もあったが、CTBT(包括的核実験禁止条約)を超えて、爆発を伴うものだけでなく未臨界など爆発を伴わないものも禁止した意味は大きいと指摘。

「脱退」では、「残念ながらこれを認めることになったが、厳しい条件(1年前の通告、戦争状態の下では無効)を付けることはできた」と報告。いずれもこれからの課題として、これらをより厳しいものにしなければならないと指摘。そして「被害者援助と環境回復」について定めた第6条の履行では、日本の役割が非常に大きいことを強調。第8条に定めた「締約国会議、再検討会議」には「非締約国も市民社会もオブザーバーとして参加できる」と説明。

 

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最後に今後の課題として次のような点が提起された。

第1は、署名・批准を促進すること。そのための被爆者派遣など。2020年に開催されるNPT再検討会議開催以前に締約国会議が開催することができれば、大きなインパクトとなる。

第2のは、「核兵器禁止条約の存在」を広く知らせること。例えば、原爆資料館の展示で、世界地図の中で署名国、批准国などを表示するなどすれば、訪れる外国人の関心を広げることにもなるのでは。そのことによって、例えば、禁止条約交渉会議に日本政府が参加していないことを多くの国民が知ることによって、政府自身がこの条約に関し様々発言せざるを得なくなって来たように、政府を変えることもできるのでは。

その他にも「核の傘下国の核政策の変更への取り組み」や「検証等の精緻化」「企業・金融への働きかけ」が提起され、最後に締めくくる形で「ヒバクシャ国際署名」など、市民社会の取り組みが改めて強調されました。

 集会は最後に秋葉忠利県原水禁代表委員(前広島市長)の「コップ半分の水でも、これが少ないとみるのか、これだけあるとみるのかで見方は大きく違う。核兵器禁止条約の成立を受けて、ヒロシマの役割は大きくなっている。国内では、解散総選挙という情勢だが、安倍政府自身の国難を解散させる選挙。改憲と核兵器保有をめざす希望の党。そのことを一人でも二人でも説得することで必ず道が開く。そのための行動をしよう」との閉会挨拶で終了しました。

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後の懇親会での話。

「今日の話では、自治体の役割について触れられませんでしたね。162か国7453都市が参加する平和首長会議の役割は大きいのではないですか。国内では、1687自治体(現在の自治体数1718)も参加しているのですから。そもそも平和首長会議は、2020ビジョンで核兵器禁止条約の制定をうたっていますよね」との私の問いかけに、川崎さんは「実は、8月に長崎で開催された平和首長会議で採択された『ナガサキアピール』では『核兵器禁止条約の早期発効をめざし、より実効性の大会条約となるよう尽力し、・・・条約への参加を全加盟都市から自国の政府に働きかけていく。特に核保有国と核の傘の下にいる国々の政府には強く働きかけていく』ことが盛り込まれ、その上核国政府に条約への加盟を要請し、早期の発効を求める『特別決議』の採択されている」ことを紹介し、今後これ決議をテコに「自治体への働きかけ」も私たちの課題の一つになることを確認しました。

 

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2017年10月 2日 (月)

核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その1

核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、各国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会・・・その1

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会(広島県原水禁など24団体参加)は、昨日約90名の参加を得て、午後3時30分から広島平和ビルで「核兵器禁止条約の歴史的意義を広め、核国政府・日本政府に署名・批准を求めるヒロシマ集会」を「共同行動そのⅣ」として開催しました。

 

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               主催者あいさつをする青木克明さん


渡部朋子(ANT-Hiroshima)理事長の司会で始まった集会は、最初に青木克明HANWA共同代表が、「安倍首相は、北朝鮮の核を理由に国会を解散。核問題が政治課題となった今、広島市民が核兵器禁止条約成立に向けて、しっかりと世界に働きかけていかなければならない」と開会あいさつ。

続いて市民リレートーク。その一番手は、第20代高校生平和大使の小林美晴さん。「核兵器のない世界をめざして、8月21日から24日にスイスの国連軍縮本部を訪問。議場でスピーチできると準備をして行ったが、議場でのスピーチは今年は中止。代わりに『夕食レセプションでスピーチを』との日本政府の対応。信じられない気持ちと無念な気持ちが今も残っているが、軍縮会議でオランダやスロバキアの賛成意見を聞いて、大きなステップである核兵器禁止条約への賛同を広げることの重要性を改めて認識。被爆者が訴え続けてきたから核兵器禁止条約は実現した。だから日本政府は必ず条約を批准すべきだ」と、自らのスイス訪問を紹介しながら力強くスピーチ。

 

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             高校生平和大使の小林美晴さん

続いて宗教界を代表して被爆者で日本基督教団西日本教区核問題特別委員会の月下美孝さんが、シンちゃん人形を手に腹話術でスピーチ。ピースボート被爆証言の旅証言者田中稔子さん、両被団協の佐久間邦彦さん、箕牧智之さんが、被爆者としてスピーチ。田中さんは、「被爆者の訴えが、核兵器使用の抑止力となってきた」とヒバクシャの果たしてきた役割をアピール。佐久間さんは「ヒバクシャ国際署名をさらに推進し、県民の過半数を集める」と決意を表明。箕牧さんは、パワーポイントを使いながら、7月のニューヨーク行動の模様を報告。

 

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           課題提起をする森滝春子さん

 

続いてこの共同行動実行委員会の事務局を務める森滝春子さんが、4月26日の実行委員会結成以来の取り組みを報告しながら「私たちの課題は、日本政府をどう変えていくのかが重要。9月13日の対政府交渉では、『政府は民さんとともにある』と言いながら核兵器禁止条約には、真っ向から否定。私たちの思いを政府に届けるための要請書を提出したい」と提案。さらに「実行委員会参加団体名だけでなく、参加者の署名と合わせて送付したいので協力を」と呼びかけました。

要請書の全文は長いので、以下に一部を抜粋して報告します。

〈前略〉日本政府は、核兵器禁止条約交渉のための交渉会議と開催と金市場や鵜の採択に反対の表明をし、アメリカをはじめとする核保有国と抑止力に依存する国々の側に立ったことは、唯一の戦争被爆国として無数の尊い命を犠牲にされ、今なお続く放射能後障害に苦しめられながら訴え続けてきた被爆者の核廃絶への叫びを受け止めて発信していくべき国の政府として決して許されないことです。日本政府には、そうした甚大な被害をもたらした戦争を起こした国として、核と戦争を全面的に無くしていくことを世界の先頭に立って行動すべき責任と義務があります。〈中略〉核武装を主張する一部政治家を表に立てながら北朝鮮と米国による核戦争の危機をも利用して独自の核保有をも意図している日本政府の危うさを感じます。このような日本政府が、国内外に信用を回復する唯一の道は、核兵器禁止条約の署名・批准を成し遂げることです。〈中略〉世界の民衆や人道主義に基づいた志ある国々は、ヒバクシャの訴えに応え、核兵器廃絶のために核兵器禁止条約の署名・批准を訴え大きな流れを作り出しています。この切実な動きで禁止条約が近い日に発行する画期的な状況を止めることは誰にもできません。大義なき国会解散など自己の国家権力保持のための暴挙に明け暮れるのではなく、核戦争暴発の危機を防ぐために、被爆国日本政府が核なき世界実現に貢献するためにまずは核兵器禁止条約に署名・批准すべきことを私たちはヒロシマから訴えます。」

この「日本政府への要請書」は、参加者の署名とともに集会後政府に送付されました。

 

続いて集会は、PartⅡの川崎哲さんの講演に移りましたが、ちょっと長くなりましたので、その様子は明日報告することにします。

 

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2017年9月24日 (日)

国際法違反が罷り通る国連で良いのか ――核を弄び危機を煽っているのは「核兵器禁止条約」に反対している国々――


国際法違反が罷り通る国連で良いのか

――核を弄び危機を煽っているのは「核兵器禁止条約」に反対している国々――

 

 

北朝鮮の核実験とミサイル発射が続き、李外相は太平洋上での水爆実験にまで言及しています。対してトランプ大統領の北朝鮮に対する言葉も激しさを増し、「火と嵐」が「タフさで不十分」との判断の下、国連演説では北朝鮮の「完全破壊」にまでエスカレートしました。安倍首相は、「虎の威を借る狐」よろしく、もっと「圧力」を掛けろとけしかけています。

 

               

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DOD photo by U.S. Air Force Staff Sgt. Jette Carr

 

北朝鮮は、トランプ演説後に金委員長が異例の声明を発して、「米国の老いぼれの狂人を必ずや火で罰する」と言っていますし、それに先立つ9月18日の労働新聞(朝鮮労働党機関紙)では「もしアメリカが戦争の道を選ぶなら******アメリカは核兵器による恐るべき攻撃を受け、悲惨かつ最終的な破滅を見ることになろう」と述べています。

 

 

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労働新聞が公表した画像

 

対して韓国は、21日に北朝鮮に対する9億円の人道的支援を行うと決定し、文大統領は国連の演説で、「北朝鮮の核は不可逆的に放棄すべき」と述べ、「追加挑発の場合は新たな措置を模索」とも加えて、「圧力」を掛ける路線を支持するのと同時に、北朝鮮の崩壊、吸収統一あるいは人為的統一は追求しないといういわゆる「3ノー(NO)」政策を再確認し、朴政権を倒した「ろうそく革命」のような平和的手段の重要性を強調しました。それは、演説中「平和」という言葉を30回使ったこと、そして「軍事的衝突により平和が破壊されてはならず、皆さんと国連がろうそくになってほしい」というメッセージに込められています。

 

中国やロシアが対話路線を強調していることに加えて、フランスやドイツも同様に対話を求め、スイスは大統領が仲介の労を取るとまで提案しているにもかかわらず、我が国の政府やマスコミの報道は、トランプ・安倍路線に目を奪われて世界の良識を認識できないようです。ここで付け加えておきたいのは、もう一点、とても重要なことを忘れているという事実です。それは、国連その他の場で行われている過激なレトリックが実は、国際法違反であるということなのです。

 

「力の支配」と「法の支配」と分けることでお分り頂けると思いますが、国際法は「法の支配」の立場です。トランプ・安倍路線は「力の支配」を公然と掲げ、その結果、北朝鮮とともに国際法違反を犯しているのです。


改めて強調します。「法の支配」を設立基盤としている国連の総会で、その大原則を無視し「力の支配」を信奉し実行している国々の主張をこれ以上容認して良いのでしょうか。

 

今年7月に締結され、9月20日に国連で署名式が行われた核兵器禁止条約では、核兵器の使用ならびに、核兵器を使用すると脅すことも禁止しています。しかし、北朝鮮は、党の機関紙、労働新聞を通してその脅しを行い、アメリカは、明示的に核を使うとの脅しには至っていませんが、それと同等の発言をしていますので、これも国際法違反です。

 

核兵器禁止条約は未だ発効していないから違反をしても良い、我が国は署名もしていないし批准する気もないのだから、問題にならない、という声がアメリカ・北朝鮮・日本・オーストラリア等の国から聞こえてきそうですが、この条約は集大成であって、他の条約や一般国際法を参照しても大問題なのです。国際反核法律家協会がその点を簡潔に説明してくれていますので、ここではその要約をしておきます。

 

(A)戦争をするとしても、そのために使うことのできる手段は無制限ではない。

 ジュネーブ諸条約の追加第一議定書では、敵国に対して、全人口を一人残さず殲滅するという脅し、ならびにその前提で戦闘行為を行うことを禁止している。

 また、ニュルンベルグ裁判では、ナチスの「国家総力戦」という考え方を否定している。それは、戦時国際法の全てに反し、その根底にある原則にも反しているからだ。つまり、「総力戦」は、戦争目的のためには他の全ての事柄は二次的な地位に落され、全ての規範・原理・原則・保障・条約の持つ意味が軽んぜられることになるからだ。

 一つの国家全てを破壊する目的で戦争を行うことは、1948年に採択され、1951年に発効したジェノサイド条約に違反している。つまり、その条約の禁止している「国家や人種や民族、宗教的なグループの全滅または部分的な破壊することを目的とする殺戮」に該当するからだ。

 戦争手段に制限のあることは、攻撃側のみならず防衛側にも適用される。したがって、北朝鮮からの攻撃に対してのアメリカまたは同盟国の防衛にも適用される。しかも、2003年のイラク戦争におけるアメリカの方針は、北朝鮮からの攻撃がなくても、アメリカが戦争を仕掛けることも「防衛」の範疇に入るという意味である。

 北朝鮮は核兵器を使用するとの脅しを明示的に行っている。アメリカは、そこまでは言っていないが、「火と嵐」や「完全破壊」はその方向を強く示している。これは、核兵器禁止条約が正に禁止していることだ。

 

(B) 戦争に訴えるというアメリカならびに北朝鮮の脅しは、戦争を正当化できる根拠がないので国際法違反である。

 

 国連憲章51条は、敵からの攻撃があった場合にのみ、自衛のための軍事力の使用を認めている。これまでに攻撃はなかったし、それが近々起こることも考えられない。

 国連の安全保障理事会はこの件についての軍事力の使用を認めていない。直近の安保理決議でも、軍事力の使用を認めない範囲での制裁が強化されている。これまでの決議でも、北朝鮮との間の平和的な解決を追求することが強調されている。これは国連憲章の第2条の3によって義務化されている。つまり、「全ての国際的争いは、平和的に解決されなくてはならない、それは、国際的に平和と安全そして正義を危険にさらさせないために必要だから」

 

つまり、アメリカと北朝鮮がお互いに戦争への道をエスカレートさせるのではなく、まず、両国が直接の対話を始めること、そして軍事力の不使用協定から朝鮮戦争終結、さらに朝鮮半島の非核化へと進む平和への道を探ることにあるのは、明らかでしょう。


国際反核法律家協会のホームページも御覧下さい。近日中には、この件についてもアップされると思います。 

 

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