日本政府

2017年12月13日 (水)

「押し付け」嫌いの皆さんへ ――アメリカに堂々と発言した時代を思い出しましょう――


「押し付け」嫌いの皆さんへ

――アメリカに堂々と発言した時代を思い出しましょう――

 

憲法を変えたいと主張する人たちの決まり文句の一つは、「アメリカに押し付けられた」憲法だからということなのですが、確かに「押し付けられ」て行動するのは、意に染まないですね。もっとも憲法については別の有力な議論がありますので、またの機会にして、ここでは核兵器の違法性についてです。

 

太平洋戦争中に日本政府のしたこと全てが違法だったり非人間的だったりということではありません。でも素直に自らの過ちを認めない人たちに対して事実を示して抗議し続けている内に、こちらは日本政府の非を指摘しなくてはなりませんので、その舌の根の乾かぬ内に、日本政府の正しさを褒めるのも、感情的には面白くありません。とは言え、歴史は客観的に捉えなくてはなりません。

 

核兵器禁止条約が発効すれば、核兵器の使用や核兵器による脅しは当然、国際法違反です。しかし、核兵器使用が国際法違反だという主張はもっと前からハッキリと国際舞台で表明されていたのです。

 

それを最初に指摘したのは、日本政府です。1945 8 10 日スイス駐在公使を通じてアメリカ政府に渡された抗議文に核兵器使用が国際法違反だと明確に述べられています。それを引用します。

 

抑々交戦者は害敵手段の選択につき無制限の権利を有するものに非ざること及び不必要の苦痛を与うべき兵器、投射物其の他の物質を使用すべからざることは戦時国際法の根本原則にして、それぞれ陸戦の法規慣例に関する条約附属書、陸戦の法規慣例に関する規則第二十二条、及び第二十三条()号に明定せらるゝところなり。米国が今回使用したる本件爆弾は、その性能の無差別かつ残虐性において、従来かゝる性能を有するが故に使用を禁止せられおる毒ガスその他の兵器を遥かに凌駕しをれり、米国は国際法および人道の根本原則を無視して、すでに広範囲にわたり帝国の諸都市に対して無差別爆撃を実施し来り多数の老幼婦女子を殺傷し神社仏閣学校病院一般民家などを倒壊又は焼失せしめたり、而して今や新奇にして、かつ従来のいかなる兵器、投射物にも比し得ざる無差別残虐性を有する本件爆弾を使用せるは人類文化に対する新たな罪状なり帝国政府は自らの名においてかつまた全人類及び文明の名において米国政府を糾弾すると共に即時かかる非人道的兵器の使用を放棄すべきことを厳重に要求す」

 

大変立派な文章です。文語調ですので、分り易くするためポイントを要約しておきましょう。

 

この抗議文で根拠としている法律は1899 年ハーグ「陸戦の法規慣例に関する条約」です。日本政府は、原爆投下がこれに規定されている次の項目に違反していると主張します。

 

不必要な苦痛を与える兵器の禁止(第23 条)

無防守都市に対する無差別広域爆撃の禁止(第25 条)

軍事目標主義(第27 条)

 

さらに、原爆投下以前の日本各地での無差別爆撃も国際法違反だと主張しています。

 

           

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ハーグ陸戦条約が採択された第一回万国平和会議(1899年、ハーグ)

 

 

理路整然と、原爆の本質を突いた指摘ですし、今年採択された核兵器禁止条約の内容とも矛盾しないどころか、この日本政府の立場を敷衍したのが、核兵器禁止条約だと言って良いのです。

 

安倍総理、菅官房長官、河野外相、岸田前外務大臣、その他「押し付け嫌い」の皆さん。「アメリカからの押し付け」が嫌だから、国の基本である憲法さえ変えようという程の嫌悪感なのですから、そろそろ「押し付けられる」状態から脱して、先ずはその直前、つまり1945810日に戻って、核兵器は国際法違反と声高らかに宣言するところから始めて見ませんか。

 

 

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2017年12月11日 (月)

ICAのノーベル平和賞を祝い、核兵器禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会

ICAのノーベル平和賞を祝い、核兵器禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会-核兵器禁止条約の発効へ決意新たにー

 

 

12月10日、ノルウェーのオスロでは、ノーベル平和賞授賞式が行われました。

広島でも、この授賞式に連帯する市民集集会が、「核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会」(広島県原水禁など27団体が参加)の呼びかけで、昨日午後1時から原爆ドーム横で開催されました。

何とか雨が降らないでほしいという参加者の思いが伝わらず、集会を始める直前から雨が降り始めるというあいにくの天気でしたが、100名余りの市民が集まり、オスロへのメッセージを届けるともに、「核兵器禁止条約」の早期発効へ目指して、とりわけ日本政府への働きかけを強めるアピールを広島から発信しました。

 

集会参加者は、最初にオスロへ届ける私たちの思いを込めた3本のバナーを次々と掲げました。

 

1

 

▲核兵器禁止条約・ICANのノーベル平和賞おめでとう!

   Congrats, ICAN, for nuclear-ban treaty receiving Nobel Peace Prize!

▲サーロー節子さん ありがとう!頑張って!

   Setsuko Thurlow, many thanks and cheers!

▲核禁条約で核なき世界を!世界の人々と!

    United with global people, let's achieve a nuke-free world with nuclear-ban treaty!

 

渡辺朋子さんの司会で始まった集会では、4人のリレートーク。

最初は、バチカンを訪問したカトリック正義と平和協議会の牧山員子さん。

続いて、第20代高校生平和大使の久永風音さんのメッセージ。久永さんは、今年の夏、高校生平和大使としてスイスを訪問して体験した「『外国に来て核兵器廃絶を訴える前に、まず日本国内での意見をまとめるべきだ』と指摘された」ことを紹介しながら「日本は、アメリカの核の傘に守られている国という以前に、核兵器の本当の恐ろしさを知っている唯一の被爆国です。私たちはどのような立場をとるべきでしょうか」と指摘し、最後に「私たちはこれからが始まりです。共通のゴールをめざし、これからも励ましあうことで、核兵器の廃絶と平和な世界の実現という理想郷を現実のものへと変えていきましょう。」と呼びかけました。

 

2

 

次に原爆胎内被爆者全国連絡会広島支部長の二川一彦さん、そして最後に昨年の平和記念式典で「平和の誓い」子ども代表を務めた中学生の中奥垂穂さんからのメッセージ。

 

4

 

雨の中、リレートークの発言をメモに取ることができませんでしたので、スピーチ原稿をいただくことができた久永さんだけの内容紹介になってしまいました。他の皆さんゴメンナサイ。

そして実行員会事務局長森滝春子さんが「市民集会声明」を提案、最後に広島県原水禁代表委員の秋葉忠利さん(前広島市長)が、閉会のあいさつ。

 

3

 

秋葉さんは、久永さんのトークに触れながら、「核兵器開始条約に反対する日本政府の政策を変えさせること。そのためにもこの集会の模様をネットなどで拡散させよう」と私たちの課題に触れながら、行動を呼びかけました。

 


 

核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、

   禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 共同声明

 

今日、20171210日、人類の生存を保証するための歴史的な核兵器禁止条約実現に決定的な貢献を果たした「核兵器廃絶国際キャンペーンICAN」にノーベル平和賞が授与されます。

米国による原爆投下で受けたヒロシマ・ナガサキの非人間的悲惨の極みをもたらし、数十万の命を何が起こったかも知る由もなく一瞬にして虐殺し、家族と身体的機能を奪われて生き残った者に72年間も放射能障害をはじめとする痛苦を与え続けてきました。

 201777日に、国連で核兵器を国際的規範で違法とし、核兵器の開発、製造、実験、所有、譲渡、使用の威嚇などを禁じる核兵器禁止条約が122もの国々の固い決意のもとに採択されました。「核と人類は共存できない」というヒロシマ・ナガサキをはじめとする世界中のあらゆる核被害者の世界への叫びがやっと届いたものです。

 一方、核保有国とその同盟国は、人類破滅をもたらす核兵器に安全保障を依存するという恥ずべき姿勢を維持するのみならず、核兵器禁止条約の採択に賛同した国々に圧力をかけ批准を妨害しています。

ヒロシマは信じます。禁止条約の採択に賛同した叡智ある国々が1日も早く署名・批准を成し遂げ、人類の生存のための最も有効な手段である核兵器禁止条約の発効に寄与することを。

 核はその開発の段階から核は軍事利用、商業利用の区別を問わず先住民や太平洋諸島島民をはじめとする弱き側の民衆に大きな犠牲を強要してきました。放射線被害は未来を担う世代にも大きな被害をもたらしてきました。禁止条約はその苦悩に向き合い光を充てたものでもあります。核被害を根底的から告発し、核なき世界を求めてきたてきた私たちヒロシマ市民が大きな希望を持つことができる所以でもあります。

日本政府の核抑止力依存政策は禁止条約で禁じる「核使用の威嚇」に抵触するものであり、被爆国でありながら核保有国の側に立ち、核兵器禁止条約に反対していることを、私たち日本の市民は決して許さしません。私たちは全力をあげて、日本政府をして、署名・批准の良識ある行動に立たせることを誓います。

 本日ノーベル平和賞授賞式で、世界のヒバクシャを代表してヒロシマの被爆者であるサーロー・節子さんが世界に核廃絶を訴えます。私たちはサーロー・節子さんと共にあります。感謝と激励のメッセージを届けようと原爆ドームに集いました。

ICANは、私たちにとって希望溢れるNGOです。その若い力強さで核廃絶の実現に世界を牽引してくれることを心から期待しています。

 

  核兵器禁止条約・ICANのノーベル平和賞おめでとう!

  サーロー・節子さん ありがとう!がんばって!

  核兵器禁止条約で核なき世界を! 世界の人々と連帯して!

 

    20171210

 

 核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、

       禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 参加者一同 

 

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2017年12月 9日 (土)

12.8不戦の誓いヒロシマ集会

12.8不戦の誓いヒロシマ集会

 

 

12月8日は、76年前中国への侵略戦争を進めていた日本軍が、ハワイ・真珠湾への奇襲攻撃によって日米戦争へと突入した日です。再び戦争への道を歩まない不戦の誓いの日として、今年も、昨日午後6時から「憲法を守る広島県民会議、原水爆禁止広島県協議会、広島県平和運動センター、8の日平和行動ヒロシマ女の会、戦争をさせないヒロシマ1000人委員会」の共催で「12.8不戦の誓いヒロシマ集会」が、開催されてきました。

 

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今年の集会は、「日本軍『慰安婦』問題と日本の戦争責任―植村パッシングとは―」と題して、元朝日新聞記者の植村隆さん(現・韓国・カトリック大学校客員教授)による講演が行われました。

「今日の歴史的な日に平和都市広島にいることを幸せに感ずる」という話から始まった植村さんの講演。在韓被爆者問題など広島への強い思いが語られながら、「日本軍『慰安婦問題』」へと話が移り、そして本題の「上村バッシング」の実態が、様々な事実に基づいて、詳細に語られました。そんな中で、いくつか強く印象に残ったことを述べてみます。

 

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言わば特ダネともいえる1991年8月11日の朝日新聞の「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」の記事を書くことになった従軍慰安婦の証言。その証言を引き出したのが、友人の被爆者の「自分のことを話しなさい」という後押しがあったから。同じ侵略戦争の犠牲者被爆者が「慰安婦」の発言を引き出したという指摘。その事実を伝えただけの記事が、その後のバッシングの対象となったしまったという経過は驚くべきことです。

2014年2月6日号の「週刊文春」の記事が引き金となったパッシングは、2014年8月5日の朝日新聞の検証記事以来、植村さんにも執拗に繰り返されるパッシングの嵐。ついには、家族、子どもにまで。そんな攻撃に果敢に戦った植村さん。そしてそれを支える人々。

淡々として、そして時には力を込めながら、経過を振り返りつつ指摘されたのが、バッシングの背景にある安倍首相に通じる歴史修正主義者たちの行動と思想です。さらにそのインチキぶりを事実に基づいて指摘する植村さんの話は、すべての参加者の胸を強く打ち、納得させる内容でした。

またそうしたバッシング攻撃は、上村さんにとどまらず、広島大学の講義に、灘中などへの教科書使用に、女たちの戦争と平和資料館へと広がっていることが指摘されました。

 

最後の上村さんは、ヴァイツゼッカー大統領のドイツ終戦40周年記念演説を紹介するとともに、河野談話(1993年)の「歴史の事実を直視し、歴史研究・歴史教育を通じてこの問題を記憶にとどめ、過ちを繰り返さない決意を表明する」の部分を引用しながら、「歴史の事実ときちんと向き合うこと」の重要性を強調されました。こうしたことが、私には強く印象に残りました。

 

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集会では最後に「私たちは改めて、戦争の歴史・教訓に学び、そしていま再び『戦争する国』へと暴走する事態を直視し、戦争につながる一切を拒否する鳥喰を強めなければなりません。戦後を戦前に回帰させないために、本日ここに集う私たちは、さらに広範な人々とともに平和と民主主義を守るための活動を一層強化すること」を誓う「集会アピール」を採択し、集会を終えました。

 

私は、今年7月、中国東北地方と北京の戦跡を訪ねる「平和の旅」に参加し、中国への侵略の歴史の一部を学んできました。実は今年は、日中国交正常化45周年、「日中戦争」の発端ともいわれる盧溝橋事件からちょうど80年という節目の年でもあります。しかし、残念ですが、80年前の7月7日を振り返る集いが日本で開かれたという話はあまり聞くことができませんでした。私たちは、「12・8」を忘れてはならない日として、毎年取り組みを進めていますが、もっとアジアの人々に目を向けることが、今の時代には必要だと改めて思わされた今日の集会でした。

 

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2017年12月 4日 (月)

安陪9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名 ――福屋前で署名をお願いしました――


安陪9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名

――福屋前で署名をお願いしました――

 

これまで、毎月19日に、街頭に立って安倍政権の戦争政策を阻止するための行動を行ってきました。2015919日に、政府・与党が強行採決を行うことで、日本を戦争国家にするための「戦争法」を形の上では成立させた日を記憶し、その「法律」を破棄するための世論を創るためでした。

 

               

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しかし、1022日の総選挙で自民・公明が圧倒的多数を占めることになり、改憲への動きがさらに急になってきたことに対応するため、憲法記念日が53日であることから、毎月「3日」に改憲を阻止するための行動を行うことになりました。

 

昨日123日は、その第一回目で、福屋前と、本通りの青山前の二班に分かれて、市民の皆さんに署名を呼び掛けました。

 

 

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安陪総理が憲法9条に自衛隊の存在を書き込みたいと言ったのは、今年2017年の憲法記念日でした。その理由は「災害時の救援活動で頑張る自衛隊が憲法違反では気の毒」であり、「今でも自衛隊は存在しているのだから、それを憲法に明記しても何も変らない」です。

 

でもこんな甘言に騙されてしまうと、臍を噛むのは私たちの子どもや孫の世代です。

 

憲法に書き込まれる自衛隊は、災害救援で頑張る自衛隊ではなく、戦争を主たる任務にする自衛隊です。米軍と一体になって世界のどこへでも出かけて戦争をする自衛隊です。それを憲法が認めるということなのです。

 

そして、憲法に明記しても変らないのであれば、書き込む必要はないであろう自衛隊を何故書き込みたいのかというと、法律の世界では、「後からできた新しい法律は古い法律より優先される」という原則があるのです。つまり、米軍と一緒になって戦争をする自衛隊がまず優先して認められて、それに矛盾しなければ、戦争の放棄や戦力を持たないという9条の古い条文が認められる、ということです。でもそれはないですね。戦争をする自衛隊を認めてしまえば、それと矛盾する戦争放棄や戦力の不保持は認められないということになるのですから。

 

簡単に言ってしまえば、安倍9条を認めれば、日本は北朝鮮やアメリカ、韓国や中国やロシア等の「戦争国家」と同じ種類の国家になってしまうということです。そしてそれらの国々が、核軍拡競争の舞台で競い合っていることは皆さん御存知の通りです。

 

子どもたち孫たちが戦場に駆り出され、人を殺したり殺されたりするに任務に就かなくても良いように、あるいは戦場で食べ物がなく飢え死にしなくても済むように、今、戦争国家への道を選んではいけない、憲法9条を変えてはいけない、という署名に御協力ください。また、このメッセージを様々な手段に一人でも多くの人に伝えて下さい。

 

日曜日ということもあって、またお天気にも恵まれ、福屋前は多くの人で賑わっていました。子ども連れのお父さんやお母さん、恒例の御夫婦などの姿が目立ちました。署名運動に参加してくれた皆さんの中にも子ども連れの方もいましたし、何時もより多くの方々に協力して貰えました。全部で54人です。そして、頂いた署名は110筆ほどでした。全国での目標3000万に向けた一歩ですが、私たちの声に耳を傾けて下さった方々の数はいつもより多かったような気がしましたし、頷いて賛意を示してくれている人も多かったように思います。少しではありますが、危機感は共有されている、と感じた一時でした。

 

 

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なお、2018年の13日は、お休みです。23日から来年の「3の日」行動は始まります。

 

 

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コメント

わたしは青山前に参加しました。途中、広告のポケットティッシュを配っている女性から仲間がポケットティッシュを受け取ると、その女性もこちらのチラシも欲しいと言ってくださいました。良いエールの交換になりました。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。エールの交換、良かったですね。

署名をして貰いながら意見交換をするようなシーンも見られました。安陪9条改憲の「胡散臭さ」が、じわーっと広がっているような感じです。

2017年12月 1日 (金)

裁判官弾劾裁判所 ――制度ができて今年で70年目です――


裁判官弾劾裁判所

――制度ができて今年で70年目です――

 

トランプ大統領が誕生した時には、任期中に弾劾され罷免されるのではないかという予測もありましたが、このところ、物議を醸すことも少なくなっているようですので、弾劾の可能性も低くなったと言えそうです。

 

そして弾劾制度は、アメリカだけにあるのではなく、対象になるのは大統領だけではありません。我が国の裁判官弾劾制度は、憲法で規定されている制度ですので、憲法が発効した時にこの制度も発足し、今年で70年になります。

 

この制度に私が関心を持ったのは、20年前、50周年の時に『裁判官弾劾制度の50年』という分厚い書物を贈られてからです。

 

             

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最近書庫を整理していて見付けたのですが、我が国の制度の概要や歴史だけでなく、海外の弾劾制度の紹介もあり、時間があれば読んでみたいと思ってはいますが、何しろ大部ですので、まずは付録の冊子を読んでみました。もっとも、ネット上には、裁判官弾劾裁判所の公式ホームページがありますし、そちらには最近の状況も載っていますので、お勧めします。

 

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でも折角、概要が分りましたので、報告させて下さい。

 

この裁判所設置の根拠は憲法15条です。

 

15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

 

それに基づいて64条で、設置が規定されています。

 

64条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

 

裁判官も人間ですから、過ちを犯すことはあります。その結果、裁判官としては相応しくないと法律で決めているような行為があった場合、裁判官訴追委員会と呼ばれる、いわば検察のような役割を果す委員会が、訴追することを決めれば、裁判官弾劾裁判所で裁判をすることになります。流れは次の通りです。

 

 

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弾劾裁判所は一審制で、職務停止や罷免になった裁判官が再審の請求をすることはできません。その代り、罷免されてから5年経つと、「資格回復請求」ができるようになっています。

 

制度ができてから実際に訴追され弾劾裁判が行われた件数は、全部で9件あります。最初の二件は、1948年、終戦直後という時代を反映して、両件とも闇物資に関わった案件でしたが、結果は「不罷免」でした。

 

その他の7件は、罷免になっているのですが、1977年の罷免事件は、「前内閣総理大臣」の関係する汚職事件の捜査において、「検事総長の名をかたり、不当な指揮権発動の言質を取ろうとして現職総理大臣に対してかけられた謀略電話」の録音テープを新聞記者に聞かせた、というものですが、これも時代の色が濃く映し出されています。

 

平成に入ってからは3件の罷免が行われていますが、それぞれ、「3人の少女に児童買春をした」、「ストーカー行為をした」そして「乗客の女性に対し下着を盗撮した」と、これも時代の流れが裁判官にまで及んでいることを示していると言って良いのかもしれません。

 

罷免された7人のうち、資格回復裁判によって、資格回復に至ったのは4人です。その他の内、一人は裁判の請求をしましたが、棄却され、残る二人は、資格回復請求の資格がないか、請求をしていないようです。

 

弾劾裁判にかけられる裁判官は、例外中の例外だと思いますが、だからこそと言うべきか、そんな人たちにもと言うべきなのか分りませんが、弾劾裁判の歴史が社会全体の変動を反映していることに一種の感慨を覚えています。

 

因みに、アメリカでは200年以上の歴史がありますが、その間、大統領も含めて19件の訴追があり、8人が罷免されています。

 

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2017年11月 9日 (木)

イバンカさんの日本訪問 ――日本のために「プラス」だった? それとも「マイナス」?――


イバンカさんの日本訪問

――日本のために「プラス」だった? それとも「マイナス」?――

 

 

安倍政権、それ以前に安倍総理の無能・無策を際立たせるために、イバンカ・トランプ補佐官について、国際女性会議WAW!での基調演説で空席が目立ったことと、女性起業家支援のためというなら、まず「ジャパン・ファースト」で日本の女性起業家支援にもっと力を入れるべし、ということを前回書きました。

 それはそれで大事なことなのですが、家人から間接的に聞いたテレビ情報からは、全く違った解釈が成り立ちそうです。それは政治家の家族という視点から考えることなのですが、家人はまさにその立場に立たされてきた訳ですので、自然な発想としての問題提起になったようです。

 

その立場から考える上で、イバンカ補佐官の政治的役割等も重要なのですが、そこを少し離れて個人としての感情を考えたいと思いますので、「公人」ではありますが、以下、「さん」付けで記述します。

 

安倍総理は、トランプ大統領の長女で大統領のお気に入り、そして補佐官であるイバンカさんに「異例」の「おもてなし」をしたようですので、その「異例」の内容から確認して行きましょう。

 

まず彼女の日程ですが、112日に到着、すぐ帝国ホテルを目指しますが、渋滞に巻き込まれて1時間以上到着が遅れたようです。でも、ラッシュアワーに車を走らせれば、こんな結果になることは予測可能なのではないでしょうか。「異例」のおもてなしをする積りなら何とか手は打てたのではないでしょうか。それとも、庶民と同じ経験をして貰うことこそ「おもてなし」の神髄だと考えたのでしょうか。

 

その日の夕食はこじんまりとした席での「懐石」だったとのことでした。その場の写真では、年配のおかみさんらしい女性も交えて、数人のベテランさんが「おもてなし」をしていたようですが、通訳がいたとしても、コミュニケーションが難しい場を作ってしまったのではないでしょうか。掘り炬燵式ではない座敷に長い足を折って座り続けることが如何に苦痛であるのかは、日本人である私たちには想像の難しいことの一つなのかもしれません。

 

結局、永田町界隈しか知らない人たちの「おもてなし」の域を出ていないような気がしてしまうのですが、36歳のお金持ちの事業家に取ってはどう映ったのでしょうか。

 

その他にも、「突っ込みどころ」があり過ぎますので、ここからは飛ばして話を進めましょう。イバンカさんの日程ですが、5日以降は、日本から韓国そして中国に行く予定だったところ、結局、4日には離日ということになり、最大のイベントは3日に開かれた国際女性会議WAW!での基調講演でした。父親が大富豪で、その七光りでの事業だから本当の苦労はしていない、あるいは事業家としても未熟だ、といった批判は当然出てくるでしょうが、私たちの経験とは違った視点からの物の見方からは学べることもあるはずですし、御本人はこの講演のためにわざわざ来日するということになったのですから、それなりの準備もしてきたはずです。

 

その結果は、前にも触れましたが、イギリスのガーディアン紙が「空席の目立つホールがイバンカを歓迎」と報道するほど聴衆が少ない講演会になりました。

 

その理由として考えられるのは、「トランプ政権の白人至上主義を初めとする人権無視、他国の立場は無視する「アメリカ・ファースト」主義等に抗議するため、イバンカ補佐官のスピーチをボイコットした外国人がかなりいた」という可能性です。

 

             

Ivanka_trump_welcomed_by_emptry_sea

               

YouTubethe Guardianのページです。中央は安倍総理

 

でも、これをイバンカさんの視点で見てみるとどうでしょうか。鳴り物入りで、「大切な国際会議」での「基調講演」をして下さいと、外国に招待され、苦労して現地入りをした上に、食べ慣れない食事も笑顔でこなした上で、いざ、最重要の講演には空席ばかり―――ガッカリしたであろうことは想像に難くありませんが、プライドも傷付いたでしょうし、父親批判がこれ程大きいということに再度気付かされたのかもしれません。その結果として、主催者に対して「大感謝」の気持を持てなかったとしても納得できるではありませんか。

 

それは、その日の夕食会と併せて考えるとハッキリします。友邦・日本の総理大臣そして件の国際会議の主催者でもある安倍総理の招待ですが、その席でのイバンカさんの言葉は、彼女の訪日を総括していたのかもしれません。

 

私は父が大統領になって初めて、政治家の家族もいろいろ苦労しなくてはならないことを知りました。安倍総理はお爺様もお父様も政治家でその苦労は良く御存じのはずなのに、なぜ政治家におなりになったのですか?

 

誕生日を祝ってくれるような夕食会で、自分の苦労話を持ち出すことなど、よっぽど親しい仲ででもない限りあり得ないのではないでしょうか。

 

安倍総理の答は、「苦労もありますが、遣り甲斐のある仕事だからです」だったようですが、その言葉には家族の苦労への配慮はありません。聴衆のまばらな会場で演説をさせられた、今、目の前にいる大物政治家の家族が、その「苦労」について間接的に伝えようとしていることなど全く眼中になかったということなのかもしれません。それが「おもてなし」の中身だったとすると、イバンカさんが日本から持ち帰った「お土産」は、化粧筆だけではなかったかもしれません。

 

 

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コメント

それにしても、57億円の拠出金とはベラボーですね。
それだけ出してくれるなら、世界中どこへでもいきます。
金額の根拠はなんなんでしょうか。
アメリカ政府はいくらかだしているのでしょうか。

横から失礼します。57億円の拠出金はイバンカさんが来る前から決まっていたことなので今更ですが、海外に行っては数千億円の支援をしている安倍さんですから、57億はハシタ金です。

「ゲン」様

コメント有り難う御座いました。

ボストン・グローブ紙によると、アメリカも日本と同額の5000万ドルのようです。

「カン」様

コメント有り難う御座いました。

こちらでも、一応の説明はしたのですが--
http://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-0e0f.html

恐らく追加として買わされるイージス艦一隻で1400億円ですので、57億はおっしゃる通り、安倍政権に取ってははした金なのだと思います。

2017年11月 8日 (水)

日本女性のための「ジャパン・ファースト」はなし? ――イバンカだけでなく、日本の女性からも拍手して貰えたのに――


日本女性のための「ジャパン・ファースト」はなし?

――イバンカだけでなく、日本の女性からも拍手して貰えたのに――

 

 

このところ、フェークニュースとして話題になったのは安倍総理とイバンカ補佐官が113日に出席した、女性活躍の推進を目指す「国際女性会議WAW!」での挨拶でした。ガーディアン紙が「空席がイバンカ・トランプを歓迎した」と評した会議です。

 

「関係者を動員すれば良かったのに」とも思いましたが、この会議の出席者の多くは外国からの人たちです。トランプ政権の白人至上主義を初めとする人権無視、他国の立場は無視する「アメリカ・ファースト」主義等に抗議するため、イバンカ補佐官のスピーチをボイコットした外国人がかなりいたとしてもおかしくはありません。

 

共同通信によるとその会議で安倍総理は、トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官が設立に関わった女性起業家を支援する基金への5千万ドル(約57億円)拠出を表明した、とのことです。外務省のサイトで確認すると、総理大臣の発言は次の通りです。

 

自らもビジネスを立ち上げた実業家として,また,トランプ大統領が信頼する補佐官として,イヴァンカさんは,本年のG20ハンブルグ・サミットで,「女性起業家資金イニシアティブ」の立ち上げを主導されました。日本は,このイニシアティブを強く支持します。そして,最大拠出国の一つとして,5千万ドルの支援を行うことを決定しました。

                             

Photo

 

これだけ読むと、金額は別にしてそれほどの問題があるようには見えないのですが、(後に一部修正されていましたが)、元々のマスコミ報道では、

 

 この基金がイバンカ補佐官個人で運営している基金であり

 そのために税金が使われ

 それが、安倍総理個人のお手柄になる。

 

という、「モリ・カケ・ヤマ・アサ」スキャンダルと同じパターンではないかという、疑惑が見え隠れしていたように読めました。それを、そのまま受け止めてしまった読者が多かったのかもしれません。

 

この基金については、世界銀行の公式ページでの説明が分り易いと思いますので、そちらを御覧下さい。

 

世銀のページの最後には、イバンカ補佐官について次のような注が付けられています。

 

本ファシリティの構想に貢献し、女性の起業という課題を強く支持してきたイバンカ・トランプ米国大統領補佐官は、本ファシリティの運営管理または資金調達には関与しない。

 

これで、①の個人の基金ではなく世界銀行の活動の一環であることが分りましたし、発展途上国の女性の起業や経済活動を助けるという趣旨にも頷けます。額はともかくとして日本政府が何らかの金額を拠出することには問題はなさそうです。しかし、お金のことは、「そこに使わなかったら他にどう使えるのか」を常に考える必要があることも覚えておいて下さい。

 

さらに、③のお手柄ですが、世界中に我々の税金をばら撒いて人気取りに奔走してきたのが安倍総理ですから、マスコミも読者も正確に状況を把握していると言って良いようです。

 

しかし、私が一番引っ掛かったのは、安倍総理のスピーチの中でイバンカ補佐官を持ち上げたすぐ後の言葉です。

 

日本は,世界において,これからも「女性活躍」の旗を高く掲げ,強いリーダーシップを発揮していく決意です。

 

「アメリカ・ファースト」を掲げている人の前で、「ジャパン・ファースト」はおくびにも出さず「世界において」と言えば、それは「アメリカ・ファースト」の追認になってしまうでしょう。

 

でもそれが言えなかったのは、日本国内では「女性活躍」の結果が全く出ていないからです。ほぼ同じ時期に公表された世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」が、明確にその点を示しています。以下、日本経済新聞の電子版です。

 

世界経済フォーラム(WEF)は2日、世界各国の男女平等の度合いを示した2017年版「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。日本は調査対象144カ国のうち、114位と前年より3つ順位を落とし、過去最低となった。女性の政治参画が遅れているのが主な理由で、1日に発足した第4次安倍内閣の女性活躍の推進が一層問われそうだ。

 

「女性活躍」の旗を高く掲げていてこの結果になったのであれば、やる気がないか、能力がないことになります。でもお題目だけ掲げて国民を騙す常套手段だと考えると、悔しい話ではありますが、一応の説明にはなります。

 

経済も114位という世界最低のレベルですので、貧困国や発展途上国への支援も大切ですが、日本という私たちの国の中でも女性の起業について、もっと力を入れても良いのではないでしょうか。

 

イバンカ補佐官がそれほど大事なら、彼女の来日に合わせて「イバンカ補佐官来日記念日本女性起業支援基金」を作って、女性の起業家に資金提供を提供することくらい簡単にできるではありませんか。

 

それも、57億円とは言いません。約10分の16億円を「イバンカ・ファン・クラブ」とでも名付ける「トランプ・安倍お友だち」サークルから集めることくらいできるでしょう。

 

6億円の内、1億円は運営費に充て、残りは、一人/一企業あたり100万円として全国の約50の都道府県単位で、各県1000万、つまり10人の起業家を助けることが可能です。全国では500人になります。もし税金を使っての対策にするのなら、この10倍を考えても良いのではないでしょうか。

 

[陰の声] 基金を作るのは良くても「イバンカ」なんて名前を付けただけで、拒否反応だけが残ると思うよ。

 

世界でも最低レベルの地位に甘んじ、それでも毎日頑張っている日本中の女性たちが元気になるメッセージを送ること、そしてそのための施策を展開することは、イバンカ補佐官という一人の女性にオベッカを使い、トランプ大統領の覚え目出度き存在になることなどとは比べ物にならないほど、大切で基本的なことなのではないでしょうか。

 

 

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2017年11月 7日 (火)

水島朝穂教授講演会 ――独裁者を正確に描くと笑い飛ばすことになってしまう――


水島朝穂教授講演会

――独裁者を正確に描くと笑い飛ばすことになってしまう――

 

安古市高校の後、112日は、アステール・プラザで早稲田大学の水島朝穂教授の講演会がありました。講演の始まる30分前から多くの人が会場に着いていて、先生の来場を待っていました。イギリスのガーディアン紙が報じていた「空席の目立つホールがイヴァンカを歓迎」とはかなり様子が違います。

 

               

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YouTubethe Guardianのページです。中央は安倍総理

 

水島教授は、かつて広島大学でも教鞭を執っていたことがあります。大変精力的で頭脳明晰、快刀乱麻という言葉がすぐ頭に浮びます。事実、2日の講演も詳しいレジュメがあったのですが、90分の内、1時間ほどはそれに関連した脱線に注ぐ脱線でした。それも「安倍加憲」の本質を詳細な歴史的事実や法文の引用を交えながら、笑い飛ばす痛快なプレゼンテーションでしたので、会場は笑いに包まれつつ、知的な刺激に唸る充実した一時になりました。

 

20171106_11_20_42

 

7月末にはスタンダップコメディアンの松元ヒロさんの笑い、そして今回の水島教授の笑いを直接経験して、チャップリンの喜劇『独裁者』を思い浮べていました。そして気付いたことは、「独裁者」をできるだけ正確に描こうとすると、それは喜劇になってしまう、という事実です。独裁者の論理は独善的かつ矛盾に満ちています。それをつなぎ合わせて何とか解釈しようとすると、その結果は、私たちの常識とはあまりにも掛け離れた世界になってしまい、しかも、それを独裁者自身が真面目に受け止めているという自己中心性を加味すると、笑わざるを得ない状況になってしまう、ということなのではないかと思います。

 

と言って、どうしても補っておかなくてはならないのは、その被害を受ける側にすれば、「笑い」とか「喜劇」とかいう言葉を使うことさえ憚られる残酷・悲惨な運命を科されるという事実です。そのこともしっかり踏まえての行動が必要です。

 

しかし、私たちの多くは「善良」です。矛盾に満ち、大惨事をもたらしてしまうシナリオの中からできるだけ無害なしかも自分に都合の良い部分だけを取り出して、独裁者の意図を中和して解釈する傾向に陥り勝ちです。

 

水島教授の講演も新聞等のインタビューも、ホームページも、もちろん論文もそんな幻想を粉々にしてくれます。詳細をここで再現するだけの時間がありませんので、まずはホームページ、そして「直言」をお読み下さい。

 

この「直言」は199713日に始まり、週一回新たな「直言」が付け加えられて2015年には1000回を迎えています。私もできるだけ毎週目を通すようにしていますが、とても勉強になりますし、水島教授の情熱に触発されて元気になること請け合いです。

 

超高スピードで話をする水島教授の言葉をメモするのは大変だったので、断片的になりますが、それでも、本質的な「サワリ」を一つ二つ報告しておきましょう。

 

(A) 四字熟語

 私たちは四字熟語に弱い。それを上手く使って、為政者たちが政治を劣化させてきた歴史を重く受け止めよう。

 「国際貢献」とは、自衛隊の海外派遣のことだった。

 「政治改革」とは小選挙区比例代表並立制という悪しき選挙制度の導入のことだった。

 「規制緩和」の名の下、誰のため、何をどう規制するのかは問われずに、私たちを守ってきた規制が緩められてしまい、何でもありになってしまった。

 「憲法改正」が一番危険な四字熟語だ。

 

(B) 安倍総理の「改憲」をどう受け止めるのか、色々な表現の仕方があるが、「お試し改憲」「あら探し改憲」というのもあった。その後、「ねじれ解消」のための「自爆改憲」という可能性もあった。つまり、自らが倒れる傾きと勢いを使った「自爆改憲」だ。この危険性についても要注意。 

 

国会議員の4分の3が改憲賛成だと言われる結果になった総選挙後、国会で改憲の発議をさせないために、世論を高め、議員個人個人にも積極的に働きかける運動がますます重要になっている、という主催者からの呼び掛けが最後にあり、参加者一同新たなエネルギーを補充して貰って帰途に着きました。

 

 

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2017年11月 5日 (日)

「多様性」を中心に選挙制度を考える ――今の制度では民意が反映されていないと8割の人が考えています――


「多様性」を中心に選挙制度を考える

――今の制度では民意が反映されていないと8割の人が考えています――

 

昨日の続きです。「多様性」を確保するという視点から政治を考えて見ることが、今の時代を生きる上での基本になって欲しいという思いです。

 

                 

Photo

           

 

多様性を最大限に保障する政治制度は、全員参加制度です。100人の集団で、100人すべてが最終決定に関われば、最も多様な意見が反映されることになるからです。その対極にあるのはその中の「一人」による独裁制であることも分って貰えると思います。

 

しかし、国という大きな単位で、常に全員参加の決定を行うのは難しいので、選挙で代表を決めることになります。そのためには、何らかの基準を設けて選挙制度を整備する必要がありますが、何のために選挙を行うのかの再確認から始めるべきだと思います。

 

「政治改革」の名の下に導入された小選挙区比例代表並立制というシステムを推進した人たちは、「政権交代のできる制度」こそ最優先されるべきだと主張しました。そのためには、民意の忠実な反映、特に多様性を確保することは二の次三の次という価値観をあからさまに表明して、マスコミもこぞってその考え方を支持しました。こんな暴論で事が進んだ背景にあったマスコミの驕り、そして一部の学者の知的不誠実さを忘れてはなりません。

 

もし政権交代をすること自体が、多様性以上に尊重されるべきであるのなら、選挙など行わずにジャンケンで決めることにした方がお金もかからず、確率的には半々で権力が変りますので、その方が良いという議論さえ可能です。

 

しかし、政権交代を実現するために選挙制度のデザインをすることは本末転倒です。元々の母集団でも大切だった「多様性」が選挙の結果にも保障されることが本則でなくてはなりません。つまり、選挙の本来の目的とは「多様性」の確保であり、それこそ最優先されるべきなのです。そして母集団と同じように、その多様性を生かすためには寛容さがなくてはなりません。力の強い側が、力を恃みにして弱者を押し除けてはいけないのです。つまり、話し合いと創造的な折り合いを付けることが基本です。

 

そのための選挙制度としては、少数派の意見も投票結果に反映される比例代表制度が当然の選択です。実は、この点を理解するためには、その正反対のことが起きればどうなるのかを考えて見ることが役に立ちます。

 

極端なケースとして独裁制を考えると、そこで否定されている最大の要素は「多様性」だと言って良いでしょう。もう一つ、独裁制の下では、独裁者が全てを決めることになるので、当然、時間は掛りません。時間の有効活用等、時間を持ち出して話し合いを拒否する、あるいは話し合いの時間を短くすることは、独裁制につながる道であることもしっかり確認しておく必要があります。

 

もう一つ、多くの政治家や政党が「自らの身を切っての改革」といった旗印の下、推進しようとしている「議員数削減」も、「多様性」の視点から考えると決して陥ってはいけない落とし穴です。

 

数学ではしばしば、物事の本質を理解するために、「極端な」ケースを想定して、つまり「思考実験」として物事を考えることが有効です。議員削減の極端なケースとは、議員数を極限まで減らして一人にしてしまうことです。それは、独裁制ですので、「議員削減」が何を目指しているのかはこのことだけからも明らかでしょう。

 

しかも、多くの場合、「身を切る」あるいは「身を切られる」のは、少数派、あるいは弱者の代表で、議員数削減に賛成する人たちは、削られることはなく身分は安泰である場合がほとんどです。「身を切る」改革とは結局、弱者を排除し切り捨てるための口実として使われていることが分ります。

 

最後に二つのグラフを御覧下さい。最初は内閣府が2014年に行った世論調査で、今の政策に民意が反映されているかどうかを聞いています。大雑把に総括すると、8割ほどの人は「反映されていない」と考えています。そして残りの2割くらいが「反映されている」という意見ですが、小選挙区比例代表並立制が導入された1994年くらいから急激に乖離が進んだことは記憶しておくべきでしょう。

 

 

Photo_2

そして民意が反映されないのは、小選挙区制が原因です。5割に満たない得票率で、8割もの議席を占有する結果に多くの有権者が不満を持っているということなのですが、得票率と議席占有率の大きな乖離もグラフとして見ておきましょう。

 

Photo_3

 

安古市高校の生徒さんたちの質問は次回に回さざるを得なくなりましたが、質問は素晴らしかったのに、十分には答えられなかったことも補足しての「回答」を、次回アップします。

 

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コメント

多様性は別の見方をすれば解りにくいと言う事も出来ます。投票率の
低さもこの辺が原因ではないでしょうか。私は欧州の選挙制度の方が
良い様に思う。各政党が旗の色を鮮明に出しフリーハンドで選挙戦を
行い、民意の結果によって一つの政党が過半数を取れなければ初めて
連立を模索するという事です。国民には解り易い選挙といえます!

「鯉の応援団」様

コメント有り難う御座いました。

ここで言及されているのはフランスの過半数当選式小選挙区制のことでしょうか。それとも国会における総理大臣の指名についてなのでしょうか。

後者だとすると、例えばドイツでも日本でも下院における投票で過半数を得た人が指名され、日本の場合は参議院との関係はありますが、過半数を得た人がいない場合は決選投票になります。ここで、「連立」の可能性が出てきますが、基本的にドイツと日本の間で制度的な違いはないと考えた方が良いように思います。

前者だとすると、ドイツは小選挙区当選優先拘束名簿式比例代表制で、フランスとは違います。基本的には比例代表で、小選挙の当選者が多いと「超過議席」が与えられるという仕組みです。

政党色を出して選挙を行っている政党は、日本にもあります。「フリーハンド」で選挙という意味が私には良く分りません。

わたしは、市民連合が「多様性重視」のこういう方向の議論を提起し、各野党の統一綱領として提案していくことが大事だと思っており、すでに内部的に提起しています。各野党が変に合併せずに、それぞれの良さを活かしたほうが、野党全体のパイも伸びるでしょう(参院一人区と衆院小選挙区では次回一回限りの棲み分けは仕方がないですが)。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

野党全体として推進できる共通の指針を一つか二つ明確に示せれば、政治の状況はかなり変ってくると思います。そのためには「多様性」のように少し抽象的でも、これからの社会の本質をハッキリ召している概念が大切だと思います。

市民連合、頑張って下さい。

2017年10月19日 (木)

最高裁判所裁判官国民審査 ――「×」は不信任、何の印も付けなければ信任です――


最高裁判所裁判官国民審査

――「×」は不信任、何の印も付けなければ信任です――

 

衆議院議員選挙と同時に行われるのが最高裁判所裁判官の国民審査です。これは憲法の79条に規定されています。

 

79条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

 

2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

 

3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

 

実際には下の見本のような用紙に記入するのですが、「×」を付けなければ、それが意図的であっても、「分らないから」という消極的な理由であっても、その解釈は「信任」だということになるのです。

 

             

Photo

               

 

今回、審査される7人は、全て安倍内閣によって任命されていますので、これまでの安倍内閣の人事についてのやり方を元に考えると、最高裁判所だけ全く問題がないと、言い切る自信はありません。

 

さらに、7人の裁判官が個々の案件についてどう判断しているのかもチェックする必要があります。新聞社等のアンケートも参考にはなりますが、かなりの熱心さと、メモを手にして要点を記入し、自分で一覧表を作るくらいの覚悟がないと判断が難しいアンケートが多いので、これも、「ちゃんと調べて知らせているでしょう」というアリバイ作りが優先されているのかもしれません。

 

もう少し分り易いサイトがあるのですが、その一つは、分り易い点は評価しますが、大江健三郎氏の裁判について、大江氏に不利な意見を述べた裁判官を評価している等の偏りがあり、お勧めできません。

 

江川紹子さんのサイトは分り易くバランスが取れていますので、まずはこちらをお読み下さい。

  

彼女の「傾向と対策」の結論だけ述べると、

 

1)最高裁裁判官の国民審査に関心を持って、できるだけ情報収集をしよう

2)それでも分からなければ、全員に×をつけるか、国民審査のみを棄権しよう

 

さらに彼女の説明によると、棄権をするには、投票所で渡された投票用紙を「棄権します」と言って、係員に渡せば良いようです。

 

江川さんの解説や意見はとても役に立ちますが、一点、賛成できないところがあります。木澤克之氏についての記述です。彼は、加計問題の焦点、加計学園理事長加計孝太郎氏と立教大学の同窓で、加計学園の監査役を務めていたことがある人物です。マスコミでは「異例の人事」とも評されているけれども、日弁連の推薦名簿に名前が載っているので、「異例」ではない、というのが江川さんの意見です。

 

そういう見方もあるでしょう。でも日弁連の名簿は加計問題が明るみに出る前に作られたはずです。もし、明るみに出た後で日弁連が推薦したとするなら、それは日弁連として「利害相反」の原則を犯していることになるはずだからです。

 

ですから、日弁連の意見がどうであれ、木澤裁判官についての判断は、彼を任命した安倍内閣との関連でなされるべきです。

 

そして、加計問題での安倍総理の疑惑については、安倍総理が真実を語らないどころか、事実解明のために開かれた国会を、何の議論も説明もなく解散した時点でアウトです。つまりこの解散は安倍総理が自らの「黒」を認めたのも同然なのですから、司法の最高権威についての判断も当然その視点からなされなくてはなりません。そして、私たちが求められているのは、「×」を付けることです。

 

政治の浄化ができるのは議員を選挙することだけに限られていないことを喜ぶべきなのか、「×」を付けるべき最高裁裁判官がいることを憂うるべきなのか、二者択一を迫られると答に窮する問題ではありますが――。

 

 

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コメント

いつも一番時間をとられるのが、この国民審査です。
43年間一度も棄権をしたことはありませんが、全員☓をすることになる、というのは今回が初めてです。

全員×してきました。特に木沢克之裁判官には力を込めて×しました!

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

一番「×」の多かったのは、用紙の一番初めに名前の載っている小池判事だそうです。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

一番「×」の少なかったのは、一番最後に名前が載っている林判事だったそうです。

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