歴史

2017年4月22日 (土)

ビデオ判定 ――野球やサッカーでの本格的な導入がまだなのは何故?――

 

ビデオ判定

――野球やサッカーでの本格的な導入がまだなのは何故?――

 

緒方監督の退場処分について、⑦パパが書かれている通り、どう考えても納得が行きません。それも退場だけではなく、コミッショナーから厳重注意かつ10万円の罰金を科せられているのですから何をか言わんやです。

 

しかし、ビデオを見れば、「誤審」であることは一目瞭然です。

 

このような不愉快な出来事をなくす、あるいは減らすために何ができるのかを考えて見たのですが、一番理想的なのは、審判が神様のような存在で、「絶対に」過ちを犯さないことです。でもそれは不可能です。

 

人間である審判の判断がたまには間違うこともある、という前提で考えると、間違いが生じた場合、あるいは間違いだと見える判断がなされた場合にどう対応するのかが問われていると言って良いでしょう。

 

そこで登場するのがビデオ判定です。テニスではお馴染みですし、他の種目でも導入されています。

 

             

Photo

               

 

ここで大切なのは、ビデオ判定と一体になっている「チャレンジ」制度です。テニスの場合、判定に不服がある場合には、「チャレンジ」して確認を申請できることになっています。回数は、1セットに3回まで、しかも、判定が間違っていたなら権利は保持、つまり回数は減らないのです。

 

ビデオ判定が導入されているスポーツは、アメリカン・フットボール、ラグビー、バレー・ボール、バスケット・ボール、ボクシング、レスリング等多数ありますが、野球もホームランの判定など一部は導入されていますが、先日のような塁審の判定には導入されていませんし、サッカーでもゲームの複雑さのためもあってテニスほど本格的には使われていないのが現状です。

 

しかし、多くのファンが誤審によって蒙る落胆や憤り等を考えると、野球とサッカーでの導入の効果は、他の種目以上に大きいように思われます。この二種目でのビデオ判定の早期導入に賛成する人は多いのではないでしょうか。

 

最後に取り上げておきたいのは相撲です。私の趣味なのかもしれませんが、正確な判定に役立つだけではなく、相撲の醍醐味を味わう上でも役立っているように思うのですが、如何でしょうか。

 

大相撲では既に1969年の五月場所からビデオ判定が導入されています。その前の場所の大鵬-戸田戦が誤審と判断された結果なのですが、同時に審判長の説明も始まっています。もちろん、ビデオ判定の前に行われる、伝統の「物言い」も生きています。

 

未だに女性は土俵に上がれないほど保守的な大相撲でさえ、大胆にビデオ判定を取り入れているにもかかわらず、導入の効果はかなり大きいと思われるにもかかわらず、より「近代的」だというイメージの野球やサッカーが後れを取っているのは何故なのでしょうか。

 

 

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コメント

私はスポーツには疎いのですが、この試合は昨年から俄カープファンの妻も観ていて、遅くに帰宅した息子に「明らかにセーフだったのに」と言い、息子は「ビデオ判定はホームランと本塁クロスプレーにしか使われないから」と説明していました。

私も初めて知りましたが、メジャーですらチャレンジ制を導入したのは、この2−3年のことで、IT先進国の韓国ですら本塁打に限られているということには驚きました。

ただ、本塁クロスプレーのビデオ判定が導入されたのも昨年からであったり、サッカーなどでもFIFAが実証実験のようなことを始めたのも昨年ということですから、導入が進む方向にはあるように思えます。

相撲の方が導入が早かったのは、試合の流れに影響しないことや、対象の速度と映像機器の性能、必要な設備の規模などの関係もあるのではないかとも思います。

今のビデオ判定は時間がかかり、試合の流れを中断するという弊害もあるようですが、それはAIによって瞬時となり、いずれ審判もAIになるのかも知れません。

それにしても、有名な誤審にはカープが絡み、それもカープに不利な誤審ということですから、カープファンとしては余計に早くビデオ判定の導入を進めて欲しいですね。

紹介およびご賛同いただきありがとうございます。
試合時間が延びるから導入されないようですが、
抗議の時間より短くなると思うのですが!W

大相撲では大鵬の46連勝がかかった大一番での誤審の反響が大きくビデオ判定への道を開いたようで、プロ野球では本塁打のビデオ判定も巨人に不利な誤審から巨人が強く訴えたことからなので、カープではなく巨人に不利な誤審がないと進まない気もしますが、巨人に不利な誤審をする審判も少ないのかも知れませんね。

フィナンシャル・タイムズが実施した調査研究で人が携わる約2千種類の仕事のうち3割はロボットへの置き換えが可能であり特に日本に限ると主要国で最大となる5割強の業務を自動化できることも明らかになりましたが審判もその中に含まれているはずです。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。おっしゃるように導入の方向には向いているようですが、「動いている」という実感を持てないのが残念です。

導入について、御指摘のような問題に加えて、審判の仕事が減る、あるいは審判の権威が揺らぐという可能性についての配慮もあるのではないかと思います。それも必要だと思いますが、全てのスポーツの本質に関わる「フェアネス」の担保にこそ注力して欲しいと思っています。

カープに不利な誤審の多いことも偶然ではなさそうですね。そしてチャレンジ制度が導入されていれば、緒方監督にあんな情けない思いをさせずに、「チャレンジ」とだけ声を上げて貰って、済んだ話だけに、とても残念です。

「⑦パパ」様

コメント有り難う御座いました。

試合時間か延びるのが問題なら、「チャレンジ」の回数に制限を付ければ済む話だと思います。それ以上に、おっしゃる通り、「抗議」の時間は無くなり、「チャレンジ」という形で処理することなるので短縮されると思います。

「カープファン」様

コメント有り難う御座いました。

おっしゃる通り、巨人に不利な誤審が多ければすぐ改善されることなのかもしれません。そしてカープに比べて巨人に不利な誤審が少ないという事実の重みもコミッショナーには感じて貰いたいと思います。

「労働者」様

コメント有り難う御座いました。

AIが発達すると存在しなくなる仕事の中に弁護士が入っているくらいですから、野球の審判が入るのは当然なのではないでしょうか。

テレビで見ていて、田中選手の場合はその時は微妙に感じましたが、小窪選手の時はビデオで見る以前にプレーそのものでセーフでした。
最近のカメラは性能が良いから、ビデオで検証すれば昔はわかりにくいものも明らかになってしまいますね。
ビデオ判定は賛成ですが、複数の審判員がいるのですから、抗議があった場合は審判員全員で協議しても良いかと思います。
まあ、あの審判は立つ位置が間違っていると思いますから、それを指導する組織も必要だと思います。
審判の資格の審査はどうなっているのでしょうか?

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

大相撲では、「物言い」が付くと「協議」が行われますが、小さい頃からこの制度が上手く機能してきたことを見てきましたので、他の競技でお手本にしないことが不思議でなりません。それでも、大相撲では大鵬-戸田戦を契機にビデオ判定を導入したのですから、そのことも見習って欲しいと思います。

2017年4月20日 (木)

バーバラ・レイノルズさんとフェニックス号 ――川底に沈んでいる船を引き上げる運動が始まりました――

 

バーバラ・レイノルズさんとフェニックス号

――川底に沈んでいる船を引き上げる運動が始まりました――

 

私たちの世代の人間にとって、「バーバラさん」、つまりバーバラ・レイノルズさんは神懸った存在でした。彼女の信仰心の篤さと平和への献身的な姿勢から、私たちが近寄り難いほどのオーラを感じ取っていたからだと思います。

 

今日、バーバラさんの娘であるジェシカ・レンショーさんからメールを頂きました。川底に沈んでいるヨット、フェニックス号を引き上げ、再び世界平和のための航海ができる形に復元するプロジェクトが始まっているのだそうです。フェニックス号はバーバラさんが家族とともに乗り込み世界を駆け巡って平和を訴えたヨットです。

 

Phoenix of Hiroshima Project(ヒロシマのフェニックス号プロジェクト) と名付けられていますが、先ずは、ホームページのURLを御紹介しておきます。

 

https://phoenixofhiroshima.org/

 

                 

Raisingthephoenix

           

フェニックス号プロジェクトのホームページから

 

ここまで書いてきて、若い世代の皆さんの中にはバーバラさんやフェニックス号についてあまり御存知でない方も多そうだと気付きました。バーバラさんの思いやフェニックス号の活躍を若い世代の皆さんに引き継いで貰うために、何回かに分けてバーバラさんや御家族の皆さん、そしてバーバラさんの撒いた種について、さらにその種がどのように成長しているのかについて説明したいと思います。

 

今回はまずバーバラさんの記念碑を取り上げます。平和公園の100メートル道路に近い、平和大橋寄りにある記念碑です。

 

 

Photo

広島市のホームページから

 

記念碑は2011612日に除幕されました。建立の目的は「被爆後60年以上が経過し被爆体験の風化が懸念される中、「私の心はいつもヒロシマとともにある」という信念のもと、ヒロシマの世界化に尽力したバーバラ・レイノルズ氏の功績を顕彰するとともに、広島市民及び修学旅行生をはじめとする国内外の来広者に彼女の核廃絶への願いを継承することを目的とする」と記されています。建立したのは、バーバラさんが創設したワールド・フレンドシップ・センターです。

 

碑文は英文併記なのですが、ここでは日本語だけを掲げておきましょう。

 

私もまた被爆者です 
私の心は いつも ヒバクシャ ヒロシマ とともにあります

 

バーバラ・レイノルズ (1915-1990)
広島市特別名誉市民 

ワールド・フレンドシップ・センター創立者

 

1990年に亡くなられた時、まだ75歳という若さでした。でも彼女の生涯を振り返ると、その何倍もの時間を生き世界平和のために尽してくれていたような気がしてきます。それほど存在感のある人でした。

 

広島市の平和記念資料館の記述を借りて、バーバラさんの生涯を振り返っておきましょう。

 

アメリカの平和運動家。1951(昭和26)に当時、原爆傷害調査委員会(現、放射線影響研究所)研究員だった夫とともに広島を訪れ、原爆被害の悲惨さを知った。1958年に、太平洋エニウェトク環礁の立ち入り禁止海域にヨットで乗り入れ、米国の水爆実験に抗議した。1962年から「ヒロシマ平和巡礼」、1964年には「広島・長崎世界平和巡礼」を実施。被爆者や学者等と共に世界各国を平和行脚した。

1965年に、南観音に「ヒロシマの世界への窓口」として、“ワールド・フレンドシップ・センター”を創設。 日本及び世界各国で平和運動に尽力した功績により、 19751015日に広島市の特別名誉市民に推挙された。

 

Photo_2

 

バーバラさんの活動や「広島のフェニックス号プロジェクト」について、これから何回かに分けて取り上げて行きます。お付き合い頂ければ幸いです。

 

 

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2017年4月10日 (月)

かき船問題を考える―その3

世界遺産原爆ドームの景観は守られたのか

   =なぜか開催されなかった広島市景観審議会=

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「かき船かなわ」が、平和大橋下流から400m上流の現在地(元安橋下流・原爆ドームから200m の近さ)に移動すること明らかになった2015年1月日本イコモス国内委員会は、調査団を派遣し「世界遺産原爆ドームバッファゾーン内における牡蠣船移動設置への懸念表明」を広島市に提出しました。その中で、バッファゾーンの役割について「単に世界遺産周辺の景観を規制し整えるゾーンというだけでなく、この資産の持つ鎮魂と平和への祈念の意味との深いつながりを持ったエリアと認識されるべきです」と指摘し、かき船移設への強い懸念を表明ました。特に「鎮魂と平和への祈念」ということを指摘していることは、原爆ドームが他の世界遺産と違う「負の遺産」という性格を持っていることを示しています。しかし、残念なことに広島市は、この日本イコモス国内委員会の懸念表明に答えることなく、計画を推進してしまいました。

 

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そもそも世界遺産のバッファゾーン(緩衝地帯)は、その遺産を適切に保護するため、世界遺産登録申請とともに申請者によって明示したものです。それは、申請した日本政府、そして広島市の共同の意思だったはずです。しかし、今回の「かき船」問題では、最初に検討されるべき「世界遺産原爆ドームの景観について」は、十分な検討がなされていないばかりか、むしろそれをないがしろにして推進されてきたのです。

 

情報公開によって入手した資料などからいくつか指摘したいと思います。

 

「かき船の元安橋すぐ下への移転」問題が行政の具体的テーマとなったのは、2013年度(平成25年度)からです。バッファゾーン内への移設の問題は、その年の9月19日に行われた国土交通省太田川河川事務所と広島市の協議の中で「景観への配所について」が議題となり、国側の問いに対し広島市は「原爆ドームのバッファゾーンの場合は、重要事項に該当するので景観審議会にかけるべきだと判断している」と明確に答えています。ところが開示文書を見ると「バッファゾーン」のことについて広島市の担当部局(観光ビズネス)が初めて市民局平和推進担当に問い合わせが行ったのは、翌年の5月になってからです。平和担当は、無視されたままだったようです。しかも、広島市は、国に「景観審議会に諮る」と約束しながら、実際には景観審議会には一度も諮っていません。広島市は、景観審議会に諮らなかった理由を「かき船は『船』だから」と理屈にならない理由を挙げていますが、あまりにも不自然です。

広島市は、事前の協議で約束したことを無視したばかりでなく、国土交通省には「景観審議会を開催しなかった」ことを知らせていません。ですから太田川河川事務所は、私の指摘によってはじめてその事実を知ることになったのです。ところが国土交通省は、広島市が明らかに約束違反をしているのもかかわらず、許可を取り消そうとはしなかってのです。何か取り消せば不都合なことがあったのでしょうか。こうした広島市に遠慮する(無批判な)姿勢は、その後も続きます。

問題はそれだけではありません。国土交通省は、「景観への配慮」について独自の検討を行う責任があったにもかかわらず、その検討を全く行っていません。これは許されないことです。1996年に国が行った原爆ドームの世界遺産登録申請にあたって、国は、ユネスコに対し、文化財保護法などとともに、河川法を明示し、原爆ドームとその周辺を含め保存し、保護することを約束しています。そのことは、今回の問題で国は、むしろ河川法によって「世界遺産の景観を保護する」責務を果たすべきだったはずです。

 

当時広島市は、「広島市景観計画」を策定するため、何度も景観審議会を開催していたのですから、景観審議会の意見を求めることは、できる環境にありました。だから余計に「なぜ景観審議会に諮らなかったのか」という疑問がわきます。

 

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ところで2014年7月4日に広島市長名で「広島市景観計画」が公示されました。その中では、この原爆ドームのバッファゾーン中心とした地域が「平和都市ひろしまを象徴する景観づくり」の「景観計画重点地区」となっています。かき船が設置された地域は、その中でも最も重要な「A地区(平和記念公園地区)」に指定され「景観形成の方針」として「平和記念公園と平和大通りなどの道路、橋りょう、河川、河岸緑地を含む地区とし、平和記念公園の役割にふさわしい良好な景観保全及び形成を図ります。」としています。「かき船は平和公園の役割にふさわしいのですか」「河川を含めるのであれば当然、船も該当するはず」「保全って今の景観を大切にということでは」と疑問がわくのは当然のことです。市長自らが定めた「景観計画」になぜ自らが反するようなことをするのでしょうか。

 

結局広島市は、かき船問題で景観審議会をはじめ第三者の意見を全く聞いていません。イコモスの懸念表明にも同じ説明を繰り返すのみですした。これでは理解を得ることはできません。

 

確かにこれまで何度か世界遺産原爆ドームの景観をめぐる問題が起きています。ただ今回大きく違うのは、「原爆ドームとバッファゾーンを保存整備し、世界的価値を後世に伝える役割を持つ」国や広島市が所有し管理する場所で起こっていることです。

 

原爆ドームの世界遺産化は、165万筆を超える市民の署名が大きな力となって実現したことを忘れてはなりません。国や広島市は、市民から原爆ドームを後世に正しく伝える責務を負っているはずです。世界遺産原爆ドームは、世界の人々の共有の財産であることを忘れてはなりません。

 

 

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2017年4月 1日 (土)

日本こそ最初に核兵器禁止条約交渉に参加せよ ――被爆者や被爆体験の「抹殺」に怒りの声を――



日本こそ最初に核兵器禁止条約交渉に参加せよ

――被爆者や被爆体験の「抹殺」に怒りの声を――

 

人間、生きて行く間には何回か「もう好い加減にしろ!」と言いたくなる時があります。かつての私は「何回か」という頻度ではなく、かなり「頻繁に」そんな発言をしていました。でも「老化現象」の一部なのかもしれませんが、段々と腹の立つことが少なくなってきていました。でも最近の政治状況を見るに付け、何とも遣り切れない思いは強くなり、核兵器禁止条約締結のための交渉に日本政府が参加しないと表明したことで、もう我慢が限界に達しました。本来なら、日本こそ最初にこのような交渉に参加すべきですし、それ以前の問題として、世界をリードしてこのような舞台を設定すべきなのです。

 

「好い加減にしろ!」という形で、怒りを直接、安倍総理大臣、岸田外務大臣、外務省等にぶつけることも大切です。圧倒的多数の市民が、電話やファクス、直接の訪問、デモや集会等で「怒り」をぶつければ、いくら総理大臣といえども無視し続けることは難しくなるはずです。だからこそ、マイケル・ムーア監督の「トランプをやっつけるための10のアクション・プラン」でも、このような行動が推奨されています。

                  

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そして少しでも多くの人にこのような行動に参加して貰うためには、「怒り」だけではなく、「情理を尽した」説明も効果的です。日本政府の「言い訳」が出鱈目であること、そして日本が「被爆国」であることを国際社会で強調してきた為政者たちには、自分たちの言葉に責任を持つ必要のあること、さらに、外務大臣が被爆地広島選出の議員である責任を簡単にまとめておきたいと思います。

 

 「国際社会の分断を一層深め、核兵器のない世界を遠ざける」という、政府の言い分にに対しては、そもそも「分断」の原因が、核不拡散条約(NPT)6条に義務付けられている「誠実な交渉義務」を核保有国が果してこなかったからだと反論しておきましょう。

 NPTは、核保有国も批准した条約ですので、それを守らないのは当然、国際法違反です。(条約に参加していない国も、「一般国際法」に従う義務があります。)

 「現状では交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難だ」という政府の断定は、「語るに落ちた」典型です。第6条の「誠実な交渉義務」違反をしている国は既に、NPTの規定を「誠実に」は守っていないという事実から出発しなくてはなりません。だから、圧倒的に多数の国々が、多数決が力を持つような場で、国際世論を反映する決定をして行こうというのが、今国連で起きていることなのです。そもそも「建設的かつ誠実に参加すること」を自分たちが拒否したのですから、日本政府が言う「困難」さを作ったのは核保有国そして核依存国です。それを変えるためには、核保有国、核依存国が交渉に参加する以外の道はありません。

 どの世代も、自分たちが作ったのではない課題を解決しなくてはならないという宿命を背負わされています。地球全体でもそうですし、国単位でも同じことが言えます。そして特に都市や地域という単位での責任は重大です。

 広島という地から選挙に出る選択をした時点で、政治家は、被爆者や被爆体験の意味を代弁するという、人類史的かつ未来志向の責任を負っています。その責任を全うすることは、広島選出の政治家全ての義務です。

 特に被爆者の訴えを一番効果的に世界に発信できる外務大臣という要職に、広島選出の議員が就いているのですから、彼の責任は他の政治家の何倍にもなっていると考えて良いと思います。

 そして、彼に実際に投票した有権者たちには、「広島という歴史的存在に本質的に付随している」責任を果せと迫ることをお願いします。「今責任を果さなければ、次回は投票しない」という発信をして下さい。

 広島県知事、広島市長、広島選出の各級議員も同様に、「広島選出」の意味をそれぞれの立場から訴えて下さい。

 「広島」という立場は、国内という枠組みでも重要ですが、世界的には、「広島」を「日本」に変えても全く同じ議論が通用します。総理大臣そして外務省には特に、「被爆国」としての責任を果す義務が、あるのです。

 

皆さんの声を総理大臣や外務大臣その他の政治家に届けて頂くために、念のため、総理大臣や官房長官、外務大臣の連絡先を掲げておきます。怒りの声、あるいは情理を尽して物事の理非曲直をきちんと伝えるメッセージ等を皆さんの言葉で送って頂ければ、政治は変ります。

 

 

安倍晋三 総理大臣(自民 衆・山口4区):

【首相官邸】

100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1

TEL: 03-3581-0101/03-5253-2111 FAX: 03-3581-3883

HP: http://www.kantei.go.jp/

(メールフォームあり。各府省にも送信可)

HP: http://www.s-abe.or.jp/

(メールフォームあり)

 

菅義偉 官房長官(自民 衆・神奈川2区):

【 横浜本部事務所 】

232-0017 横浜市南区宿町2-49

TEL. 045-743-5550 FAX. 045-743-5296

380-0935 長野県長野市中御所岡田102-28

HP: http://www.sugayoshihide.gr.jp/

(メールフォームあり)

 

岸田文雄 外務大臣(自民 衆・広島1区):

【広島事務所】

730-0013 広島市中区八丁堀6-3 和光八丁堀ビル9

TEL(082)228-2411 (代表)  FAX:(082)223-7161

【国会事務所】

100-0014 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館1222号室

TEL(03)3581-5111 (代表) 内線 51222

TEL(03)3508-7279 (直通) FAX:(03)3591-3118

HP: http://www.kishida.gr.jp/

(メールフォームあり)

 

広島県原水禁でも、抗議のメッセージ、為政者たちが責任を果すよう促す文書を関係各方面に届けたいと思っています。文案ができた段階で報告させて頂く積りです。

 

 

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2017年3月11日 (土)

フクシマを忘れない!いのちを守れ!さようなら原発 ヒロシマ集会

フクシマを忘れない!いのちを守れ!

さようなら原発 ヒロシマ集会

 

 今日3月11日は、あの東日本大震災によって発生した東京電力・福島第1原子力発電所事故から6年が経過しました。

 

今月1日の本ブログでも参加を呼びかけました「さようなら原発 ヒロシマ集会」が、昨夜午後6時から原爆ドーム前で500人が参加し、開催されました。広島では、福島原発事故が起った翌年の2012年から、呼びかけ人を中心に、だれでも参加できる集会として開催してきました。6回目を迎えた今年も5人の皆さんの呼びかけによって開催されました。

 

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福島原発事故被害者の支援を続けている大月純子さんの司会で始まった「ヒロシマ集会」は、まず呼びかけ人を代表して森滝春子さんが、日本政府の核保有政策を厳しく批判するとともに「6年間の苦しみを背負った福島の人々に、被曝を強制し、さらなる犠牲を強いている。そして棄民政策を許してはならない。福島の人々と連帯して闘おう」とあいさつ。続いて、多忙の中わざわざこの集会のため福島から駆けつけていただいた佐々木慶子さんから福島の現状が報告されました。「3月末で自主避難者の補償が打ち切られる。差別分断の施策が進もうとしている。『速やかに通行を。立ち止まるな』との看板が立つ、国道6号線で中高生に清掃活動を呼びかけるNPOの活動が行われた。そして第2の安全神話づくりが始まろうとしている。183人の子どもたちに甲状腺がんが見つかっても、『原発事故の影響はない』という県は、本当に責任を持っているといえるのか。」と厳しい福島の状況を報告し、最後に「こうした厳しい中だが、一歩一歩あきらめずに歩み続ける」と力強く決意が述べられました。

 

 集会の最後に広島からのアピールを集会参加者全員で確認し、デモ行進へと移りました。わずか30分間という短い集会でしたが、一人ひとりの参加者が、けっして「フクシマを忘れない!」こと確認するとともに「いのちを守れ!」と、原発再稼働を許さず、脱原発社会の実現を誓い合いました。

 

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 原爆ドーム前を出発したデモ行進団は、「原発やめろ!再稼働するな!」「原発やめろ!いのちが大事!」「原発やめろ!子どもを守れ!」のシュプレヒコールで、市民にアピールしながら、中国電力本社前まで、元気に歩きました。

 

 

「原発依存率をさらに高めます」・・・中国電力の回答

 

この集会に先立ち、午前11時から呼びかけ人の山田延廣弁護士など3人が、中国電力本社を訪れ、清水希茂社長あての「島根原発再稼働及び上関原発建設中止、原子力発電からの脱却を求める」要請書を提出しました。

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中国電力の対応は、「原発事故は大変重く受け止めている。被災者の負担の重さに申し訳なく思っている」としながらも、相変わらず「バランスの取れた電源構成」を強調し、「原発政策の継続」を主張するのみでした。私たちが、「島根2号の再稼働、3号炉の稼働、そして上関原発まで推進ということになれば、原発の比率を高めることになるのだが」と問いかけたところ、臆面もなく「原発比率(これまでの最高は15%)を高めた電源構成にします。」と、福島原発事故への反省は全く見えないどころか、国民の60%を超える人たちが願う「脱原発」に逆行する中国電力の姿勢を明らかにしました。こうした中国電力の時代に逆行する政策に対し、今まで以上に厳しくチェックする運動が課題となっています。

 

 

マスコミは、今日を中心に福島の現状を伝えていますが、帰還を急ぐ政策によって、だんだんと福島で起きていることが伝わりにくくなっています。そしれフクシマが忘れられようとしています。私たちの脱原発運動の原点には、常に被害の実相に向き合うことでなければなりません。放射能被害の深刻さを最もよく広島こそ、福島と向き合い、フクシマを忘れずに、連帯していかなければなりません。

 

核のない社会を実現させるため、常に被害者の側に立って、粘り強く運動を続けなければならないと改めて決意させられる今日3月11日です。

 

「核と人類は共存できない」「核絶対否定」

 

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2017年3月 6日 (月)

ひろしま・ふくしまを結ぶ ワンコインシンポ2017 第5回シンポジウム ――「託されたもの--大地と人と。」―  


ひろしま・ふくしまを結ぶ ワンコインシンポ2017 第5回シンポジウム

――「託されたもの--大地と人と。」―  

 

予定通り1330分に始まったシンポジウムですが、立錐の余地のないくらい多くの皆さんに御参加頂きました。心から感謝しています。 

                         

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 主催者の挨拶では、このシンポジウムも6年目を迎えて、昨年の海に焦点を合わせたシンポとは対照的に、今年は「陸」「山」をバックに大地と人を考えるイベントとして企画したこと、そのために、ゲストとして福島県須賀川市で専業農家を営む樽川和也さんをお招きした経緯の説明がありました。

 

主催者の代表である西村恵美子さんと毎回の名司会振りで多くの人を魅了している中沢晶子さんお二人が、昨年11月に福島まで樽川さんに会いに行き、樽川さんと彼の母上に歓待されたこと、その経験を通して樽川さんに広島までお出で頂くことの大切さを再確認できたとの報告でした。

 

続いて樽川さんの基調報告でしたが、原発から65キロ離れた須賀川市で東日本大震災の被害がどのようなものだったかを事実に即して生々しく描いてくれました。正に胸塞がれる思いでした。そして、お父上の言葉を交えながら、樽川さんの農業者としての原点がお父上だということが良く分るエピソードをいくつも紹介してくれました。

 

例えば、お父上は30年前から有機農業を実践してきたこと、それも「子どもに食べさせるものだから」という理由でその選択をしたこと、1988年に広島での原水禁世界大会に参加した後、原発の危険について何度も語ってくれたこと、東日本大震災後の福島第一原発事故のニュースに接して、自分の言ってきたことが正しかったと感想を漏らし「馬鹿だなこの国は」という言葉が続いたこと、それから言葉が段々少なくなって塞ぎ込むようになり「福島の野菜もこれでお終い」と言っていたことも話してくれました。

 

そして323日の夕方、県から「結球野菜の出荷停止」決定のファクスが届き、夕食になって初めてお父上にそれを見せたところ、じっとテーブルを見詰め続けた姿が瞼に残っていること、夕食後、いつもはお母上が洗っていた食器を何故かお父上が洗ったことにチョッピリ疑問を持った記憶も共有してくれました。

 

24日の朝、お父上の姿が見えないことに母と子は気付き、野菜を見回りに行ったのだろうと思っていたところ、7時になって廃材を一輪車に乗せて裏のキャベツ畑まで運ぼうとしてした樽川さんは、「畑に父が立っているような気がした」ことに気付きました。でも少し近付くと、太さ3メートルの欅の木の下、「父の足は空中にあった」ことに気付き大きなショックを受けました。

 

地震からからの被害だけなら立ち直れた、でも原発の事故が致命的だった、というのが父上の気持だったろうし自分でもそう思うと樽川さんは総括しています。また後で、お父上の知人たちからは、「子どもたちに何も残せなかった」と言っていたことも聞いたそうです。

 

前を通ると父を思い出さざるを得ない欅は伐採して貰い、出荷停止になってそのまま畑に残していた寒キャベツやブロッコリーの株、計8,000株は、凍って割れる音が聞こえるようになり、父の努力と作物の生命を悼んで線香を上げてから、トラクターで均したとのことでした。

 

二日続けて、親御さんと悲劇的な別れを告げた40代の若者が「今いるところを大切に」頑張っている姿に接して、物理的な意味での「今いるところ」と精神的な意味での「今いるところ」を重ねることで、未来の展望が新たな次元から見えること、また被爆者のメッセージの大切な側面として「今いるところを大切にする」姿勢で彼ら/彼女らが生きてきたことなども含めて議論を深めたかったのですが、オバマ大統領の功罪について樽川さん抜きのかなりヒステリックなやり取りに時間を費やすことになってしまったのはとても残念でした。

 

パネスリトとしての責任は果たせませんてほしたが、私個人としては、前日の打ち合わせとシンポ後の打ち上げで、樽川さんの話もきちんと聞けましたし、こうした深みのあるやり取りもできました。とても勉強になりましたし、マイケル・ムーア氏の「10項目アクション・プラン」PRもできましたので、これからはさらに多くの「すぐやる」チーム作りのため頑張りたいと思います。

 

 

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コメント

樽川さんのお話、心に突きささりました。西日本である広島はまるで何もなかったように日常が過ぎていきますが、出来ることはたくさんあると思いますので、日々考えて行動していかなくてはと思いました。また、秋葉さん、ビナードさんのそれぞれの視点からの発言も自分にはない視線なので大変参考になりました。ありがとうございました。

コメント有り難う御座いました。

涙に加えて、考え行動すること、私も中澤さんの言葉を噛み締めています。

今回スタッフとして参加させていただいた山根和則です。
昨年の横川シネマでの「大地を受け継ぐ」上映後に、井上淳一監督と広島に母子避難されている方や平木薫さんも交えてお話しをする機会があったので、今回樽川さんとお逢いできたのはとても嬉しいことでした。
樽川さんとは直接お話しも出来、これからの私自身の福島への取り組みにも、おおきな力と指針を与えていただけました。
つきましては、私のfacebookに、このブログの記事(前後編)をリンクさせていただきました。後からで申し訳ありませんがご了承いただけますでしょうか。もし不都合なようでしたらメールアドレスを入れておりますので連絡頂けましたら対処いたします。
コメント欄をお借りして恐縮です。よろしくお願いします。

「山根和則」様

コメント有り難う御座いました。また、リンクを張って下さったこと、感謝しています。

樽川さんが、広島に来られたことでさらなるエネルギーを得て、お父上の思いをさらに大きな形で実現してくれることになるよう祈っています。そのために、私たちも新たな連携を始められればと思います。

2017年3月 2日 (木)

民主主義の再生に向かうアメリカ ――トランプ危機が「隠された祝福」かも――  


民主主義の再生に向かうアメリカ

――トランプ危機が「隠された祝福」かも――  

 

昨年の夏、ヒラリー候補が当選することが既定事実だと考えている人も多かった時期に、敢えてトランプ候補が当選すると予言し、その根拠を5項目にまとめたマイケル・ムーア氏が、今度は「この10項目を実行しよう。そうすればトランプをやっつけられる」を発表しました。

 

まずは、その10項目です。説明の部分からも掻い摘んで引用しています。

 

1. 毎日電話しよう

毎日、連邦議会に電話するんだ。そう、そこの君!

1.起床。

2.歯磨き。

3.犬の散歩(それか猫を見つめる)。

4.コーヒーを入れる。

5.議会に電話する。

覚えておいてほしい。11回の電話でトランプ政権を倒せるんだ。

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(版権: 123RF 写真素材)

2. 月に1回訪問しよう

連邦議会の上院議員・下院議員の地元事務所を訪ねること、それと、地元の州議会の下院、上院議員の事務所を訪問することも忘れないでほしい。

3. 個人で「すぐやる」チームを作ろう

友達や家族520人くらい集めて、個人による「すぐやる」チームを作る。

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4.とにかく参加して参加して参加しまくろう!

今こそ俺たち全員が、もっと大きな団体に参加するべきだ。だから、実際にオンラインでメンバー登録をして、ちゃんとした全国組織に参加しよう。

5. ウィメンズ・マーチは終わらない

重要なのは、トランプにはっきりと見えるように、俺たちがマーチやデモ、座り込みを続けることだ。

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6.民主党を乗っ取ろう

7. ブルーステート(民主党が優位の州)のレジスタンス開催に協力しよう

8. 選挙に出馬しよう

9. 君自身がメディアになるべきだ

FacebookTwitterInstagramSnapchat、いろんなSNSを使って、ニュースや情報を拡散しよう

10. 喜劇の部隊に加わる

トランプの弱点は、とっても神経質なところだ。トランプは笑い者にされるのが我慢ならない。だから、みんなでトランプのことを思う存分笑ってやろう

 

とても具体的で、誰でもすぐできることがいくつもありますので必ず結果に結び付くはずなのですが、太平洋に向こう側の話ですので、状況の深刻さが十分に伝わっていないかもしれません。トランプ大統領を辞めさせるだけで解決しないほど問題は深刻化しているのですが、逆に考えるとトランプ大統領なら、必ずどこかで襤褸を出すから「辞めろ」運動が成功する確率は高いはずなのです。この運動を広げるプロセスで、より深刻な問題について多くの市民が学び内面化して、次の解決策を生むことにつながる、というシナリオをマイケル・ムーア監督は考えているのではないでしょうか。トランプ大統領の誕生は極めて不幸な出来事なのですが、その結果が次の希望につなげられれば、それは「隠された祝福」だと考えることも可能です。

 

これまで何度も言い続けてきたのでもうお分りだとは思いますが、念のため、トランプ候補が共和党候補になり、ヒラリー候補を破った背景を再度お浚いしておきましょう。そして、日本でもマイケル」・ムーア作戦と同じようなことをすれば政治が変るという主張も付け加えたいと思います。

 

マット・タイビ氏の現場からの報告『狂気のピエロ大統領』で描かれていたマスコミの体たらくとは、大統領選挙以前の予備選挙の段階から、トランプ候補を政治的に意味のある対象として扱うのではなく、「エンターテインメント」を提供する存在として扱い、結果としてトランプ候補の提灯持ちの役割を果してしまったということですした。この点をもう少し一般化して総括すると、マスコミは、自分たちの都合の悪いメッセージには耳を閉ざしてしまったということになります。

 

しかもそれは、マスコミに限られたことではなく、共和党のエスタブリッシュメント、さらには民主党の本流でさえ見られた傾向だということなのです。

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こんな悲惨な状態でも、市民が頑張れば何とかなるというメッセージが、9.の「君自身がメディアになるべきだ」です。しかし、それ以上に時間の掛かる問題もあります。

 

それが顕著に表れたのは、2010年の中間選挙そして2012年の選挙です。コーク兄弟の作ったネットワークが社会全体を大きく変えてきた結果が、「ラスト・ベルト」の4州、ウィスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルバニアにおける政治的な色合いの激変として顕在化しました。これら工業地帯の州は労働者人口の多いことから戦後の長い間民主党が力を持っていました。つまり民主党の色である青を冠して「ブルー・ステート」と呼ばれていました。

 

それが2010年以降、ペンシルバニアを除いた3州の知事は皆共和党、そして、4州とも州議会の上院も下院も共和党が多数派になってしまったのです。

 

それには訳があります。アメリカの選挙区の範囲は10年毎の国勢調査の結果に従って調整されるのですが、その調整を自分たちの都合の良いように恣意的に線引きを行うことを「ゲリマンダー」と言います。そしてコーク・ネットワークが金の力にものを言わせて2010年に意図的に行ったのが正にこのゲリマンダーだったのです。特に、ノース・カロライナ州に注力したことも分っているのですが、その結果が選挙結果に如実に反映されています。

 

しかも、これを修正するためには次の国勢調査が行われる2020年まで待たなくてはりません。それまでの間に、まず民主党を乗っ取り、党の力をさらに大きくしながら州単位で民主主義を復活させようというマイケル・ムーア作戦に幸あれと祈っています。同時に、応用問題として、日本の民主主義を復活させるために何ができるのかも考えたいと思います。

 

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2017年3月 1日 (水)

「さよなら原発 ヒロシマ集会」 へのお誘い ――3月10日(金)18時から原爆ドーム前――  


「さよなら原発 ヒロシマ集会」 へのお誘い

――310()18時から原爆ドーム前――  

 

「さよなら原発 ヒロシマ集会」は、310()18時から原爆ドーム前で開かれます。1830分からはデモ行進で、中国電力本社前で解散です。

 

東日本大震災、東電福島第一原発事故からもう6年になります。被災者の皆さんにとっては、何とか頑張ってようやく6年を迎えることになったというお気持でしょうか。これでは深刻さや、苦労・悲しみ・絶望といった側面について、またそんな生活を続けながらも見付けることのできた小さい喜びの意味を伝えることはできないのだろうと思います。

 

だからこそ、福島との連携・連帯が重要なのです。今の福島を知ること、これまでの6年間を振り返ること、そして未来を描くために、今年のヒロシマ集会には、福島から佐々木慶子さんをお招きしてお話を伺います。佐々木さんは、10日の集会にも出席予定ですが、11日の10時から広島弁護士会館で「「第二のフクシマ」を繰り返さないために」というタイトルでの講演があります。

                

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記者会見の様子


この集会の呼びかけ文です。お読み頂ければ幸いです。

 

「フクシマを忘れない! さようなら原発 ヒロシマ集会」

呼びかけ文

 

2011年3月11日に発生した東日本大震災・福島原発事故から6年を迎えようとしています。被災地福島では、8万人近い被災者が、いまでも苦しい避難生活を余儀なくされています。長期にわたる避難生活は、暮らしや健康、就労など多くの不安と負担を与えています。さらに保障の打ち切りは、「棄民」政策ともいえるもので被災者に寄り添う姿勢に欠けるものです。被災者の不安解消や補償、医療の充実などを早急にはからなければなりません。また、政府は、福島原発の廃炉など事故処理にかかる費用が、従来想定の約2倍となる21.5兆円と試算し、費用の一部を電気料金に上乗せすることで、消費者にツケを回そうとしています。

一方、福島原発事故以降、多くの国民は脱原発社会を求め、再生可能エネルギーへの転換を求めてきましたが、安倍政権・電力会社はこうした声を無視して、川内原発(鹿児島県)、高浜原発(福井県)、伊方原発(愛媛県)と相次いで再稼働を強行。次は、玄海原発(佐賀県)の再稼働を目論んでいます。さらに耐用年数を超えた老朽原発すら酷使しようとしています。 そのことは、福島原発事故の教訓を根本的に学ばず、事故をないがしろにするものであります。反省なき再稼働は、第二、第三の福島原発事故を招くことにつながります。あらためてフクシマの現実を見つめ、被災者に寄り添う運動が求められています。

フクシマから学ぶことは、安易な再稼働ではなく、脱原発への決断です。 福島原発事故から6年、事故の風化が言われる今日、私たちは、事故を決して忘れることなく、被災者のおかれている現状を理解し、支援と連帯をしていかなければなりません。3月10日、「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」を開催します。原発事故をなかったことにする政策に対し、放射線被害を受けた被爆地から原発も核もない未来を創るため、広島から NO!の声をあげましょう。 「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」への参加を、心より呼びかけます。

 2017年2月

 

<呼びかけ人>      

坪井  (被爆者)         

秋葉 忠利(前広島市長)   

森瀧 春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表)

山田 延廣(弁護士)

岡田 和樹(ハチの干潟調査隊代表)

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2017年2月27日 (月)

論理の出発点 ――西欧流の「自由、平等、民主主義」ではなく日本の「情緒と形」――  


論理の出発点

――西欧流の「自由、平等、民主主義」ではなく日本の「情緒と形」――  

 

『国家の品格』の内容のお浚いを、ここからは駆け足で続けましょう。これまでは、「論理と合理」が諸悪の根源であることを具体例で示し、特に論理については4つの理由を挙げて、それだけでは全ての問題の解決にならないことを「証明」する段階までをお浚いしました。

 

それと同時に、「問答無用」で正しいこととして認めるべきいくつかの命題が示されています。一つは「重要なことは押し付けよ」ですし、もう一つは、「論理の出発点が大切だ」です。後者は、論理を使う上での大前提でもありますから問題はないのですが、「重要なことは押し付けよ」と組み合わせると、結局は、「重要なことは押し付けよ」を強調することになっています。

 

そして第三章では、「論理の出発点」として西欧流の「自由、平等、民主主義」を採用することには問題があるので、それに代るものが必要であるという結論が示されています。

 

第四章ではその代りに、日本文化のエッセンスである「情緒と形」の重要性が述べられます。実はこれが「日本型文明」だという特徴付けもされます。言葉の意味を大まかに説明しておくと、「情緒」とは「もののあわれ」、そして「形」とは「武士道精神」です。

 

何故「情緒と形」が大事なのかは、第六章で詳しく説明されていますが、日本という国は「情緒と形」を大切にしてきたからこんなに素晴らしい国だったのだという歴史とともに、「情緒と形」を大切にすることで未来が開けてくること、さらには、「情緒と形」の持つ意味は日本だけに限定されているのではなく、世界に共通の普遍的な価値であることも説かれます。

 

藤原氏は、特に「武士道精神」に重きを置いて第五章では「武士道精神の復活」を提唱しています。

                  

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第七章では、日本人一人一人がこの「情緒と形」を身に付けることで、日本という国家が品格を持つようになること、そして品格ある国家の指標として①独立不羈②高い道徳③美しい田園④天才の輩出、が挙げられています。そして『国家の品格』の結論は次の通りです。

 

日本は、金銭至上主義を何とも思わない野卑な国々とは、一線を画す必要があります。国家の品格をひたすら守ることです。経済的斜陽が一世紀ほど続こうと、孤高を保つべきと思います。たかが経済なのです。

大正末期から昭和の初めにかけて駐日フランス大使を務めた詩人のポール・クローデルは、大東亜戦争の帰趨のはっきりした昭和十八年に、パリでこう言いました。

「日本人は貧しい。しかし高貴だ。世界でただ一つ、どうしても生き残って欲しい民族をあげるとしたら、それは日本人だ」

日本人一人一人が美しい情緒と形を身につけ、品格ある国家を保つことは、日本人として生まれた真の意味であり、人類への責務と思うのです。ここ四世紀間ほど世界を支配した欧米の教義は、ようやく破綻を見せ始めました。世界は途方に暮れています。時間はかかりますが、この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいないと私は思うのです。

 

『国家の品格』はベストセラーになりましたから、この結論に感動したり賛同したりした人は多かったのだと思います。この結論について、またそれに至る議論について論じるのは別の機会に譲ることにして、本稿では内容以上に、「論理と合理性」を捨てた結果がどうなったのかという因果関係に注目しています。その視点から『国家の品格』の構成をまとめると、「論理と合理性」が駄目だということを示した上で、その代りに「情緒と形」を大事にしようという結論を導いています。しかもその結論は、「重要なことは押し付けよ」という大原理に従って、説得するというよりは押し付ける側面が強いように読めました。

 

私のまとめ方が雑すぎるのかもしれませんが、これまで一生懸命に読んできた『国家の品格』から得られた教訓は、人を説得する上で一番基本になるパターンでした。つまり、先ずダメなものを挙げて、その代りに自分が推奨している代替物を「売り込む」形だと言って良いように思います。

 

これはテレビショッピングの典型的なパターンでもあります。今までのフライパンだと焦げ付いたり、洗ってもきれいにならないといった「ダメ」な点が多くあり、それに代ってこの製品なら、油を使わなくても目玉焼きができ、洗うまでもなく汚れは落せるし、様々な料理も簡単にできる上、味も美味しいですよ、という謳い文句で「売り込む」様子は皆さん御存知の通りです。

 

これはトランプ候補の選挙運動でも有効に使われていました。「エスタブリッシュメントは駄目だ。何故なら、彼らは工場や仕事場を海外に移し、多くのアメリカ人から仕事を奪った。また多くの不法移民を受け入れ、犯罪を増やし麻薬の被害を拡大した。自分は、国境に壁を造って、仕事が海外に流出することも、違法な移民が入ってくことも許さない。」

 

これは一応、一つの「論理」になっていますが、多くの嘘を吐き、聞き逃しのできない差別発言や、「事実」の捏造等も視野に入れて考えたときに、何故、多くの女性がトランプ候補に投票したのか、あるいは差別される側の有権者がトランプ候補を支持したのか、そして何故当選できたのかについては別の枠組が必要になりそうです。

  

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2017年2月25日 (土)

論理と合理を捨てる ――その代りに「孤高の日本」そして「America First1」――  


論理と合理を捨てる

――その代りに「孤高の日本」そして「America First1」―― 

 

嘘を平気で吐きその時その時のテレビ受けを狙って過激な発言をし、差別的発言を繰り返しながらトランプ氏は大統領になりました。多くの人たちには毛嫌いされながら、それでも彼は信じられないほどの共感を得、多くの人たちの心をつかむことに成功しました。それは何故なのかを考える上で、ベストセラーになった『国家の品格』を下敷にしようと考えたのは、著者藤原正彦氏が「論理と合理」を諸悪の根源として糾弾しているからです。「論理と合理」の対極にあるような選挙運動を展開し勝利したトランプ氏の言動を理解する上でこれ以上の枠組はないかも知れないと思えたからです。それも日本的な背景を舞台に書かれ多くの人に読まれた一書ですので、私たちには分り易い材料でもあります。

              

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 『国家の品格』で、何を伝えたいのかを著者は「はしがき」で明確に述べています。

 

戦後、祖国への誇りや自信を失うように教育され、すっかり足腰の弱っていた日本人は、世界に誇るべき我が国古来の「情緒と形」をあっさり忘れ、市場経済に代表される、欧米の「論理と合理」に身を売ってしまったのです。

(中略)

欧米支配下の野卑な世界にあって、「孤高の日本」でなければいけません。「孤高の日本」を取り戻し、世界に範を垂れることこそが、日本の果たしうる、人類への世界史的貢献と思うのです。

 

このことを著者は7章にわたって情熱的に「証明」しています。論理は駄目だと主張している藤原氏が数学者であることは御存知だと思います。その結果、やはり数学者としての資質は捨て去ることはできなかったからなのだと思いますが、『国家の品格』の構成は論理的に実にしっかりしています。だからこそ、多くの人の共感を呼んだのだと思いますが、当然、藤原氏御本人もこの「矛盾」には気付いていたのではないでしょうか。

 

さて、『国家の品格』の内容を簡単にお浚いしたいのですが、第一章「近代的合理精神の限界の限界」では、現代世界の荒廃の原因が近代的合理主義の限界であることを、いくつかの例を引きながら説いています。

 

本書の構成上、それ以上に重要なのは第二章「「論理」だけでは世界が破綻する」です。そこでの主張は「どんな論理であれ、論理的に正しいからといってそれを徹底していくと、人間社会はほぼ必然的に破綻に至ります。」で、「これからそれを証明したいと思います。理由は四つあります。」との宣言の後、四つの理由が挙げられています。

 

 論理の限界

 最も重要なことは論理で説明できない

 論理には出発点が必要

 論理は長くなりえない

 

それぞれの内容については、大方御理解頂けると思いますが、③と④は少し説明が必要かもしれません。そのために、『「国家の品格」への素朴な疑問』 (吉孝也/前川征弘著・新風舎刊) に登場して貰いましょう。略して『疑問』と表記します。コメント付きの4つの理由の内容を理解して頂ければと思います。

 

「私は、人間社会は、論理だけで動いているわけではないと考えています。ですから、人間社会の問題解決にあたって、科学の問題を解くように論理を辿れば、一つの正しい解に行き着くとも思っていません。しかし、人間社会の問題解決においても、理性的・論理的に対応しないと、陰謀によって罪なき人が抹殺されるような、中世の暗黒が蘇る可能性があると怖れています。」

 

ですから、①についても②についても趣旨には問題がないという立場を取っています。『疑問』の異議は、それらの点を「証明」するに当って『国家の品格』中で取り上げられている事例の適切さと、それらが社会の中でどのような位置付けをされているのかという点が中心になっています。そして、①の結論とでもいうべき部分で『国家の品格』が主張している「重要なことは押し付けよ」については次のような反論がなされています。

 

「ところで、著者が言う重要なものとは、どのような集団の中で、誰にとって重要であり、誰に押しつけるかということです。著者は、どうやら日本という集団を意識しているようですが、あまりにも集団の規模が大きすぎるので、さまざまな問題が起きます。このような大きな集団では、重要なことを誰が決め、誰の手を借りて、どこで、どのように押しつけるのか、その合意形成が難しいでしょう。重要なものの具体的なイメージも、誰にとって重要かもいまだわかりません。」

 

「重要なことは押し付けよ」、あるいは「問答無用」と言って有無を言わさず自分の意思を通すことと、次の③とは大きな関係があります。

 

③で、藤原氏が指摘しているのは、数学なら「公理」と呼ばれる前提が必要だということです。それがなければ、「AならB」という論理の流れが作れないからです。そしてその前提が「重要なこと」である場合には「押し付けよ」が正当化される、というのが藤原氏の主張です。この点についての『疑問』のコメントの一部です。

 

「論理に出発点が必要なのは、自明のように思われます。しかし、私は、人間の現実の世の中では、論理の出発点とは何かはっきりしません。また、常に出発点が必要だとは思いませんし、仮説を立てて議論するものでもないと思います。人間社会の現実の諸問題を解決するには、論理的な帰結を求めるのではなく、現実に採りうる最善の方法の模索と、採用しようとしている方法が、関係者に最善だと思わせ、多くの人の賛同を得ることが重要だと思います。」

 

その出発点としては、次のような可能性を提案しています。

 

「ところで、著者の言う論理の出発点とは、昔、指導者に要求された仁徳や人生観
などに裏打ちされた総合判断力のことだと思うのですが、違うのでしょうか。」

 

そして④は、「風が吹けば桶屋が儲かる」式の危うい因果関係を指しているのですが、これは、誰でも理解できることでしょう。同時に藤原氏が指摘しているのは、ワンステップやツーステップという短い論理的な結論にも問題があるということです。「国際化が大切、だから英語」というような短絡的な論理に騙されてはいけない、ということです。長くてもダメ、短くてもダメ、だから論理はダメという結論だと考えられそうです。

 

さて、このようなお膳立ての後に、本論が控えています。

 

 

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