経済・政治・国際

2018年6月13日 (水)

米朝首脳会談 ――当事者意識を持てなかった日本政府――


米朝首脳会談

――当事者意識を持てなかった日本政府――

 

今日はこの話題以外には考えられませんが、とにかく無事に終って良かった、というのが第一の感想です。

 

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二人が署名した共同宣言には、4項目の合意が盛られています。

 

(1)米国と北朝鮮は、平和と繁栄を求める両国民の希望通りに、新たな米朝関係の構築に向けて取り組む。

 

 (2)米国と北朝鮮は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、力を合わせる。

 

 (3)北朝鮮は、2018年4月27日の「板門店(パンムンジョム)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。

 

 (4)米国と北朝鮮は、戦争捕虜、戦闘時行方不明兵の遺骨の回収、すでに身元が判明している分の即時引き渡しに取り組む。

 

具体的ではないとか、CVID (complete, verifiable, irreversible denuclearization――完全、検証可能、不可逆的な核廃棄) への言及がない、等々の批判が早速出ています。

 

しかし、ほとんど言及がなされていないことが不思議なのが、昨年の夏や秋の米朝関係です。「米朝核戦争」とか、米朝が戦争を始めたらどちらが勝つか」と言った活字が躍っていたではありませんか。今日の米朝会談で真っ先に指摘されるべきなのは、それほどの危機が回避された事実なのではないでしょうか。

 

特に、「ミサイルが飛んで来たら」という想定の下、避難訓練が全国的に行われたほどの危機が回避されたことについて、政府から一言あっても良いのではないでしょうか。

 

そして朝鮮半島の完全な非核化までには時間が掛るかもしれません。でもそれは今回の会談のネガティブな側面ではなく、非核化には時間が掛るという現実を理解することの方が大切です。

 

我が国の立場を考えると、朝鮮半島の非核化だけではなく、日本も含めた北東アジアの非核化がを目指すのが一番合理的です。この点については、広島県原水禁がトランプ大統領とキム委員長に宛てた手紙の中で提案している通り、「北東アジア非核兵器地帯」の創設に向けて日本も積極的な役割を果すべき事柄です。

 

しかし、世界に現存する「非核兵器地帯」の歴史を辿ると、非核兵器地帯ができるまでには時間が掛っているのです。次の表を御覧下さい。

 

                                                                                   
 

条約名

 
 

地域

 
 

面積 km²

 
 

加盟国数

 
 

発効の日時

 
 

努力の始った年

 
 

トラテロルコ

 
 

ラテンアメリカ

 

カリブ海諸国

 
 

21,069,501

 
 

33

 
 

1969-04-25

 
 

1958

 

 

 
 

ラロトンガ

 
 

南太平洋

 
 

9,008,458

 
 

13

 
 

1986-12-11[1]

 
 

1972

 
 

バンコク

 
 

アセアン

 
 

4,465,501

 
 

10

 
 

1997-03-28[2]

 
 

1971

 
 

セメイ

 
 

中央アジア

 
 

4,003,451

 
 

5

 
 

2009-03-21[3]

 
 

1992

 
 

ペリンダバ

 
 

アフリカ

 
 

30,221,532

 
 

53

 
 

2009-07-15

 
 

1961

 
 

国連総会決議

 
 

モンゴル

 
 

1,566,000

 
 

1

 
 

1998-12-4

 
 

1992

 

 

10年くらい掛っても不思議ではないのです。アフリカの場合、半世紀近く掛っています。だから何もしなくても良いという訳ではなく、努力をしても、しかも元々核兵器を持っていない国々が非核地帯条約を結ぶのにも時間が掛るのですから、核兵器の廃棄そのものがかなり難しい問題であることは認識する必要がある、という点を指摘したかったのです。

 

それにしても、日本政府の当事者意識の欠如には驚きを通り越して呆れていますし、安倍政権には一日も早く退陣して貰う以外の選択肢がないことを改めて痛感しました。

 

拉致問題について米朝会談で発議して貰えたのは、多額の税金を費やして、要りもしない武器や軍用機や軍艦船等を買う約束をしたのですし、日本からの輸出品への関税も容認してしまい、トランプ大統領の言うことは何でも「Yes, yes」としか答えないのですから、最低限のお返しなのでしょうが、その結果、「日朝トップ会談」をしたいというのですから、何をか況やです。

 

日本にとって大事な問題であれば、それが拉致であれ、ミサイル攻撃であれ、国民を守るために総理大臣が強い意志を持って相手国に乗り込み、粘り強く交渉をするのが普通なのではないでしょうか。それが国民を代表するリーダーとしての責任なのではないでしょうか。

 

虎の威を借りて、「圧力だ圧力だ」と喚き散らし、対話の「た」の字話し合いの「は」の字も拒否してきた安倍総理はそんな勇気を持ち合わせていなかったということなのですが、そんな狐の言うことが今さら信用されるでしょうか。政権が変り、世界的にも信頼される人物が総理大臣として、真摯に交渉を始めるべきではないのでしょうか。

 

そのためにも、来年の参議院選挙、統一自治体選挙、(そして広島市長選挙も) が大切です。でも、その前にも私たちにできることがいくつもあります。その一つは、自治体毎に、「非核自治体宣言」を採択すること、既に採択している自治体ではそれを再確認する決議を採択し、姉妹都市や平和市長会議等の組織を通じて、韓国の都市と共同の日韓都市間非核地帯を設定すること等です。

 

この点については、改めて詳説したいと思います。

 

[2018/6/12 イライザ]

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コメント

今回の米朝会議が催されてのは、北朝鮮のアメリカへの核攻撃こ可能性が生じたからだと思います。アメリカに核攻撃するのは中国とロシアですか、そこに北朝鮮が加わった。しかしながら中国やロシアは驚異であっても実際に核攻撃の可能性は低いですが、北朝鮮は経済的な事もあり、核攻撃の可能性は低くなく、またアメリカに敵対するテロ組織にや敵対国に核兵器を渡す可能性も低くないですね、
今回の会議の第一目標は、アメリカは北朝鮮が核攻撃をしない事、北朝鮮はアメリカが軍事侵攻しない事だと思いますから、成功だったと思います。
それとあの短期間で、おおくのマスコミが言っているような事は無理でしょう。確かなら方向付けが得られたのが重要だと思います。
そして近いうちに、韓国と中国を交えて、韓国と北朝鮮の戦争の終結宣言を期待します。
政治家の二世三世として、のほほ〜んと大学生活をした人と、国のあり方について西側の最高教育を学び、国際政治や国際関係をしっかりと学んだ人のの差が、今回の米朝会議になったと思います。
北朝鮮の脅威を過激に印象付けて、戦争できる国を目指すために、拉致問題も全く行動しなかった。
トランプ大統領への要望は、アメリカの州知事がやるような事をしたのですから、あの人はアメリカの州知事だという事ですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

昨年は、核戦争は秒読みだという論調でマスコミが報道してきたのてすから、まずは戦争が回避され、話し合いで問題を解決するという方向性が確認できただけで、出発点としては大出来です。

アメリカの州知事の中には、後の大統領になった、カーターやクリントン、そして大統領候補にまで擬せられたバーニー・サンダースのような人たちがいますし、州の権限でトランプの違法行為を止めさせようとする知事もいますので、腰抜け宰相と一緒にするのは気の毒なような気がします。

2018年5月26日 (土)

Trump “Chickened Out” Again! ――人類を手玉には取らないで欲しい――


Trump “Chickened Out” Again!

――人類を手玉には取らないで欲しい――

 

トランプ大統領が、北朝鮮のキム・ジョンウン委員長との首脳会談をキャンセルしたとのニュースを見て、最初に頭に浮んだのは、英語の表現「You chickened out again!」でした。長い間アメリカに住んでいましたし、今でも英語の夢を見るくらいですので、最初に浮ぶ言葉は日本語のこともあり、英語のこともあるのです。

 

chickened out」は、元々「chicken」に由来しています。「臆病」という意味です。臆病風に吹かれた人の表情が鶏に似ている、というのが語源だとされています。それが動詞として使われるようになり、「chickened out」とは、「臆病風に吹かれて、(何かを) するのを止めた」という意味です。

 

Chickenout

 

そしてアメリカのメディアは、今年になってからほぼ毎月のようにこの表現を使ってトランプ大統領批判を繰り広げています。

 

一月には、ミュラー特別検察官による事情聴取から「chickened out」しています。選挙運動におけるロシアとの関係捜査のためなのですが、複数のメディアによると、トランプ大統領のアドバイザーたちが、自信たっぷりのトランプ大統領を説得した結果だとのことです。つまり、有能な法律家に囲まれても自分の潔白を証明できると過信している大統領の「虚言癖」や気まぐれが原因で、偽証罪その他の罪状で立件されてしまうことを恐れた側近が、ようやく事情聴取なしで済ます方向で調整したらしいのです。

 

2月には、フロリダの高校での銃乱射事件があり、アメリカ全土で悲しみに包まれていた時期ですが、トランプ大統領は銃規制について前向きな姿勢を示していました。しかし、3月になると前言を翻し、アメリカライフル協会の路線に沿った立場に方向転換をしています。その点についてはホワイトハウスでの記者会見で、「何故大統領は銃規制から「chickened out」したのか?」という質問が出たほどでした。

 

4月には、ペルーで開かれる南北・中央アメリカの首脳が集まる米州首脳会議への出席を突然キャンセルし、これも何故「chickened out」したのかという言葉が、例えばCNNの報道で使われています。

 

サウディ・アラビアや安倍総理大臣のように、トランプ大統領を王侯貴族のように扱い、トランプ大統領の言いなりになる「外交」は得意なのですが、本物の外交は手に余るようです。つまり、論理的一貫性が最低限必要とされ、かつ多様な意見の全てに配慮しつつ誠意ある発言をしなければ話に加われない多国間外交の場がその典型です。

 

「目立ちたがり」で「単純」な思考から、思い付きで受けを狙うことは口に出したがる、でもそれと矛盾する発言も平気で出てくる、という習慣からは抜け出すことはできず、でも大統領になる前のビジネスでは、その矛盾を「金の力」で捻じ伏せてきた経歴を忘れられない悲劇なのかもしれません。

 

キム委員長にすれば、とにかく「アメリカに自分の方を向いて欲しい」という願いが叶えば、それだけでも立派な成果なのですから、首脳会談は何としても実現させたい気持に変りはないでしょう。ただし「カダフィ大佐」と同列に論じられることは自らの命も関わってくるので、その点では一時的に冷静さを失ったのかもしれません。

 

しかし、世界が注目する中での首脳会談で、「力」だけに頼って、しかも「虚言癖」というマイナス要素はすぐには取り除けず、「単純」な思考回路しか持ち合わせず、中国やロシア、韓国等との関係も視野に入れて、最終的に「自己保身」ができるか、つまり中間選挙での勝利につなげられるかと考えた結果、側近たちによる「NO」という答になったのだとすると、今年に入ってからの「豹変」振りと平仄がピッタリと会うのですが--。


そして、一度「豹変」しても、世界が注目し続ければ、再度「豹変」する可能性ももちろんあります。

 

残念なリーダーたちによって、人類の未来が手玉に取られている事実には慨嘆せざるを得ませんが、それでも世界の良識ある人々が推進してきた合理的な解決策を実現するため、まだまだ諦めてはいけません。どうすれば良いのか、一緒に考えて行きましょう。

 

[2018/5/25 イライザ]

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2018年5月24日 (木)

諸悪の根源は安倍政権 ――でも、「真実」を語ることでその根は絶てる――


諸悪の根源は安倍政権

――でも、「真実」を語ることでその根は絶てる――

 

日大アメリカンフットボール部の選手だった宮川泰介君の記者会見で真実は明らかになりましたが、内田監督、井上コーチらの責任者は未だに自らの関与は否定し、日大も公式の見解を明らかにしていません。そして、このパターンがそっくりそのまま安倍政権のこれまでのやり口を踏襲していることは、馬でも分るほど単純明快です。

 

この件について、私も数回、憤懣やるかたない気持をお伝えしてきましたが、大変嬉しかったのは、コメントを寄せて下さった方々が、正鵠を射る言葉でしっかりと批判をして下さったことです。まず、お浚いをさせて頂きます。

 

l 「アレは、試合中の、プレーでは、ありません。監督の、指示が、あろうと、なかろうと実際に起こした、暴力です。それも、悪質です」 (60sp」さん)

l 「極めて悪質なパワハラですね。81日まで、自粛するとのことですが、即刻クビですね。」 (「カチ」さん)

l (安倍政権と日大アメフト部の監督・コーチについて) 「目くそと鼻くそくらい違いそうですね」 (「⑦パパ」さん)

l (政権と官僚、そして日大事件とを比べて) 「嘘、隠す、改竄し、真実を語らずに辞める。全く同じですね」 (「やんじ」さん)

l 「宮川選手の記者会見を見ましたが、これはかなり悪質なパワハラですね」 (「パワハラ」さん)

l 「日大や前監督の対応は、警察に追い詰められる暴力団の対応と同じですね」 (「やんじ」さん)

 

その他にもコメントを頂いていますが、コメントをお寄せ下さり、心から感謝しています。

 

時を同じくして、愛媛県が国会に提出した文書よって、安倍総理大臣の大嘘が再び暴露されました。この文書には、総理が2015225日に加計孝太郎理事長と面談し、「新しい獣医大学の考えはいいね」と述べた、つまり獣医学部新設構想に同意を示していたことが記されていました。これは安倍首相のこれまでの主張「加計氏から獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」「計画を知ったのは2017120日」が嘘であることを証明しています。

 

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総理官邸のホームページから

 

そして、ネット上には「獣医学部がいいねと安倍が言ったから、225日は加計学園記念日」といった「狂歌」も投稿されています。健全な市民意識が蘇りつつあると考えるのは単純過ぎるでしょうか。

 

しかし、22日に安倍総理は、この日に加計孝太郎氏と会ったことを全面否定し、その根拠として「念のため、昨日、官邸の記録を調べたが、確認できなかった」を挙げています。でも、以前の答弁では複数の側近も総理本人もこのような記録は廃棄していると明言しています。

 

このパターンを整理すると、次のようなことの繰り返しです。

 

 不都合な真実や事実を突きつけられると「全面否定」する。

 その根拠については「発言を控えさせて頂きます」と言って無視する、あるいは「丁寧に説明する」といってその場を凌ぐがその後は何もしない、あるいは嘘を言ってごまかす。

 根拠として公開される文書があれば、廃棄するか、廃棄したと言って誤魔化す、あるいは文書を改竄する。

 「責任は自分が取る」とは言うが、実際は何もしない。

 時間が経つことで、追及する側が疲れてしまったり、他の重要案件が現れてマスコミや市民の目が逸れることを待つ。

 

内田元監督や井上コーチのえげつないやり方で、このパターンが今まで以上に克明に認識されましたし、「雨後の筍」のように、同じパターンのスキャンダルが続出していることから、政治面で起きていることについても、多くの市民の心を動かすきっかけになるのではないかと思います。

 

もう記憶の彼方に消えかかっているようにさえ思える、財務事務次官のテレ朝女性記者に対するセクハラがあり、柳瀬元秘書官の「記憶の限り」で消えてしまっていた記憶が戻ったり、狛江市長はセクハラを全面否定し続けた挙句の果てに事実を認めざるをえなかったり、日本社会全体が同じパターンで覆い尽されています。

 

それもそうでしょう。ある意味、全国民のお手本にならなくてはならない立場の安倍総理大臣、麻生副総理、そして自民党・公明党の幹部たちがこのパターンを自ら作り出し演じ、その嘘や虚構を守るために必死になってマスコミやオピニオン・リーダーたちを駆り出し、操作しているのですから。

 

でも、その嘘や虚構を暴いて、腐敗や堕落、妄奸邪曲・専横驕奢・傲岸不遜を一掃することは可能です。真実を知っている人たちの何人かが、勇気を持って真実を述べれば良いのです。反省と謝罪、そして真実のために記者会見に臨んだ宮川泰介君のように。

 

勇気ある行動をしている人たちがまだ他にもいることは皆さん御存知の通りです。レープ被害を実名で公表し正義を貫こうとしている伊藤詩織さん、セクハラを告発したテレ朝の記者や狛江市の職員、愛媛県知事の中村時弘さんがすぐ頭に浮びますが、多くの人々の勇気ある行動によって、日本も人類も何とか生き続けることができたのです。

 

財務省その他の省庁のお役人の中にも真実を知りながら躊躇している人がいるはずです。改めて、未来は、そのあなたの決断に掛っています。是非勇気をもって前に出て下さい。

 

[2018/5/23 イライザ]

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コメント

昨夜の日大の会見は広報担当者まで加わりよくもアレほどの醜態を晒せるものだと感心しました。人からどう思われようが刑事責任は免れたいのでしょうね。この国はいつからこれほど腐っていたのでしょうか。

「荻野」様

コメント有り難う御座いました。

元監督やコーチの会見は本当にひどかったですね。国会での安倍答弁とドッコイドッコイという声もありました。

その酷さですが、安倍政権になってから、政治の劣化が加速したとは感じています。でも、かなり長い間、日本社会の通奏低音は、これに近いものだったような気もします。

2018年5月20日 (日)

第3回関係政党等意見交換会 ――国会の動きと広島での野党の結束――


3回関係政党等意見交換会

――国会の動きと広島での野党の結束――

 

打倒安倍を目指して野党が結集するための準備会ですが、今回で三回目になりました。今回の大きな違いは、57日に国民民主党が設立されたことですが、国民民主党の広島県連代表と看板の換った森本真治参議院議員と、無所属になった佐藤公治衆議院議員から、それぞれ簡潔な国会報告がありました。

 

3

 

お二人の報告を要約しておきましょう。

 

国民党の出発当初には「対決より解決」などが強調され、ちょっと心配な部分もあったが、審議に復帰して以来の動きはこれまでとあまり変っていないように見える。支持率もあまり変化はない。また新潟県知事選挙の結果が国政に与える影響もかなりあるだろうと考えられるので、そちらにも注目して行きたい。

 

自公政権が特に力を入れているのは、「働き方改革」と「カジノ法」だ。森・加計問題については、中村愛媛県知事の本気度が凄い。中央対地方という構図も加わってこれも予断を許せない。

 

これからの国会情勢を考えると何が起きても不思議ではない。会期の延長も、1週間か10日か、あるいは3週間になるか、どれになっても不思議ではなく、混乱状態のまま会期が終ることも考えられる。

 

こんな状況下、打倒安倍に向けて、来年の地方自治体選挙・参議院選挙を睨みつつ野党が結集して行こうという方針を再確認しました。通常国会終了後にできればイベントを開きたいという参加者全員の意向を元に、来月を目処に「会」を設立するための方向性を確認し、名称も決めるため、今後メール等での意見交換をしつつ具体化を進めることも決まりました。

 

この「会」のまとめ方も、市民運動というよりは政党が中心になっての動きだという風に整理した方が分り易いのではないかという点も共有できました。

 

とは言え、まだまだ未知数の部分もあり、具体的に動き出すことによって幅の広い層から注目されるようにできればという思いも大切にして行くことになります。

 

せっかちな私にすれば、ゆっくり丁寧に合意形成を図って行く皆さんの辛抱強さに学ぶことの多いのがこれまでの会合でした。

 

[2018/5/19 イライザ]

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コメント

ご報告ありがとうございます。当面、政党は政党で、また市民連合は市民連合で、それぞれの持ち場でがんばっていければ良いと思います。他地域ではすでに首長選挙での共闘に至っているところもありますが、やはり、最初は顔を合わせ、次は、共同行動をすすめて、信頼関係を造っていくというのが基本ですね。

゛ せっかちな私 ゛ 様
お疲れさまでございました。
せっかちでなければ生きていけない、時もあらぁな、です。
5/19 朝日朝刊→豊永郁子教授の《 政治季評 》
〈 忖度生むリーダー / 辞めぬ限り混乱は続く 〉
これだって、もっと早くに載せてほしかった。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

首長選挙の方が野党連合・市民連合の活躍に期待できるのかもしれません。地域差もあるともいますので、一歩ずつ確実に前に進めたいですね。

「されど映画」様

コメント有り難う御座いました。

安倍総理、柳瀬元秘書官の嘘まで愛媛県の文書で暴露されてしまいました。これ以上の抗弁は無理なはずです。一秒も早い辞任しか、手はありません。

2018年5月16日 (水)

5・15事件と『父と暮せば』 ――道草懇話会のテーマ――


515事件と『父と暮せば』

――道草懇話会のテーマ――

 

詩人・作家で教育者の平塩清種さんが主宰する道草懇話会が、昨515日に開かれました。気の合う仲間と昼食を共にして、折角の機会ですので、どなたかの話を聴く、あるいは演奏を楽しむという趣旨の会ですが、今回は井上ひさしさんの『父と暮せば』を天野達志さんが一人芝居として演じるプログラムがメインでした。

 

Photo

平塩清種主宰者

 

でも、私たちの世代に取って、515日は、515事件の日であり、沖縄の日本復帰の日でもあります。その日に『父と暮せば』を鑑賞するのには何か意味があるのではないかと思っていたのですが、私なりの結論を5分ほどで皆さんに披露させて頂くことになりました。

 

515事件とは、1932515日に起きた海軍の青年将校たちによる反乱事件で、「話せば分る」と説得を試みた犬養毅総理大臣が殺害されるという結果になりました。海軍刑法には反乱罪の規定もありましたので、それに従って検察側は首謀者たちに死刑を求刑しました。しかしながら、世界大恐慌の影響もあり多くの国民が貧困に喘いでいた当時、政治不信が広まっていたため、若手将校たちに共感する人々による熱心な嘆願運動が起き、判決は禁固以下の刑罰でした。

 

海軍刑法があまりにも緩く解釈された結果だと考える人も多く、その結果、政治問題を軍人が直接、武力行使によって解決することへの抵抗感が薄まりました。この風潮が226事件誘発の一因になったと論じる人たちも多くいます。

 

その226事件は、1936226日に起きました。陸軍の青年将校を中心に下士官や兵たちも巻き込んでのクーデター未遂事件です。総理大臣の岡田啓介は難を逃れることができましたが、5人が死亡しました。

 

側近の政治家が殺されたことで天皇は激怒し、この事件の裁判は、陸軍刑法の枠をはみ出して、非公開で、弁護士は付けられず、上訴もできないという異例のものになりました。当然、首謀者たちは死刑に処せられました。515事件では、陸・海軍刑法の解釈が甘い方向に揺れて文字通りの適用がされず、226事件では、厳しい方向に揺れて陸・海軍刑法を逸脱した適用が行われました。

 

こうした背景を前に、1941年には陸軍大臣東条英機が戦陣訓を示達します。その中で有名なのは「生きて虜囚の辱めを受けず」です。陸・海軍刑法では、軍人が敵に投降することを奨励してはいませんが、その可能性のあることを認めるという前提での規定が設けられています。しかるに、戦陣訓では投降を認めず、自決せよとの方針が、しかもこれは天皇の意思であるというようなニュアンスで強力に伝えられました。

 

しかも、この価値観を強制されたのは、軍人だけではなく、沖縄の多くの民間人・非戦闘員も、この言葉に縛られて、アメリカ軍に捕われないために身投げまでしたケースが多くあったことは、多くの皆さん御存知の通りです。

 

こうして、515事件と沖縄とは切っても切れない関係にあるのですが、その515日に、井上ひさしさんの『父と暮せば』を観る意味は何でしょうか。一言でまとめると、「政治は言葉だ」ということです。

 

法律は、言葉によって社会を律することを大前提にした法治主義の根幹です。公平・公正に法律を遵守することから逸れて、権力者の意向に屈したり、ポピュリズムに流されて大甘の判断をすることは許されません。増してや、政治の最高責任を託されている人々が、平気で嘘を吐き、時間の経過によってその嘘さえ忘れ去られていくことが当り前だと考えている風潮は、私たち全ての未来を危機に陥れます。

 

言葉を大切にして、今を、そして過去を通して未来を考える上で、素晴らしい仕事を残した井上ひさしさんの作品に今日触れることの意味は、そこにあります。

 

天野達志さんの一人芝居は、中村敦夫さんの『線量計が鳴る』を彷彿とさせる迫力がありましたし、会場の一同、涙なしでは聞けいほどの感動を与えてくれました。


Photo_2

 

毎日新聞の英語版The Mainichiによる、『父と暮せば』の英語訳を読んでのエッセイ・コンテスト等も含めて様々な形で、井上さんの作品がこれからも国内外で多くの人々に政治の本質、人間の生きる意味を伝え続けてくれることを期待できた一時でした。

 

[2018/5/15 イライザ]

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コメント

秋葉忠利さま
昨日は、“ひとり読み語りしばい”『父と暮せば』をご覧頂きましてありがとうございました。その上、秋葉さまのブログにもご紹介頂き、感謝の念に堪えません。今後も応援して頂けるよう精進して参ります。どうぞ宜しくお願い致します。
松風の会 天野達志
matsukazenokai.com

憲法改正反対の方にお伺いしたい

個人的には自衛隊が憲法9条2項に違反してるのは紛れも無い事実であると思っているし、自衛隊を合憲と主張する人ですら自衛隊の存在がグレーであるという事は認めている
政府は国民の生命財産を守るために明らかに違憲だと分かっていても、そして嫌でも合憲だと言い貼らなければならないのは理解するが2項の文を読んだ時に今の自衛隊が戦力に当たらないとするのは不可能であるのは誰でも理解できよう
だからこそ自衛隊の違憲を解消するために改憲するべきだと思っている
この問題に関しては違憲の自衛隊を解隊するか9条2項を改正及び削除の二者択一になると思っているわけだが…

国民に対する自衛隊のアンケートでは自衛隊は必要ないという回答は2%にも満たなかった
つまり憲法改正反対派のほぼすべての人間が9条はそのままにするべきだが自衛隊も必要だと考えている事になる
ここが分からない
9条と自衛隊のような矛盾した関係はむしろ憲法の力を弱めてしまうものであって憲法について力説している改憲反対派はこのような憲法を蔑ろにした現状を解消する為に積極的に自衛隊解隊について主張するのが筋だと思うのだが何故か憲法改正反対派の中からは自衛隊を解隊という声は聞いた事がない
これはアンケートからも見て取れるだろう
普段は憲法を守れ!と声を高らかに上げているがこと自衛隊に関しては9条に違憲の可能性が非常に高い自衛隊を放置する事を何故自ら選んでいるのかが分からない

「松風の会 天野達志」様

コメント有り難う御座いました。

感動した点はいくつもありましたが、裸足の力強さには圧倒されました。

「セビキャン」様

コメント有り難う御座いました。

整理されたコメントから、冷静な議論をしたいという気持が伝わってきて感心しています。

短いコメント欄で全ての点を網羅できないのが残念ですし、専門家の説得力ある説明もありますので、基本的な問題はそちらに任せるとして、東大の石川先生の講演の要約は、以前に紹介しています。参考にして頂ければ幸いです。

http://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/post-85b4.html

改憲について、法治主義についてですが、5・15事件の教訓の一つは、十分に議論されていない案件について多くの人々がある方向に流されたとしても、それで法律を曲げてはならない、ということです。

また、戦陣訓からは、人類史的な世界の流れを見ずに、ある方向に捉われて法を曲げることの愚かさが浮び上ります。

また、自衛隊が必要である、あるいはその存在意義があるという意見を持っている人たちの多くは、災害救助等の面での自衛隊を評価しているのではないかと思います。自衛隊を災害救助を中心に活動する組織に改組することは、それほど問題があるようには見えませんし、9条に手を加える必要もありません。

戦争をするための軍隊、海外に出て行って武力行使をするための軍隊が必要だと言っている人たちの多くは、戦争の実態を知らないのではないかと思います。「セビキャン」さんはその中に入らないと思いますが、そんな無知を元にして戦争のできる装置の良し悪しを論じるのは論外です。

イライザ様 ご返信いただきありがとうございます

平成30年1月に行われた自衛隊・防衛に関する世論調査では「自衛隊の防衛力を増強した方が良いか?」との質問に対し[増強した方が良い]が30%、[今の程度で良い]が59%、[縮小した方が良い]が4.5%という結果でした。
つまり、この世論調査から見て取れることは憲法改正反対派のほとんどの方が「自衛隊は必要である」と考えると同時に「防衛力は現状維持が望ましい」と考えている事が見て取れます。
先のコメントで申し上げた通り今日の自衛隊を9条2項に違憲ではないとするのはあまりにも無理があり、またそれが通るのであればアメリカ軍ですら戦力には当たらないと言える日が来てもおかしくないレベルです。
本来このような状況は異常であり9条と自衛隊が同時に存在しているような矛盾している状況はどんどん憲法の空洞化、そして憲法の力を弱めていくことに他ならず、むしろ憲法について敏感である左派の人達が率先して改憲の動きを見せてもおかしくないと思っているくらいです。

イライザ様の場合は自衛隊の防衛力を縮小するべきだとお考えのようですので憲法改正反対である事に疑問は抱かないのですが、世論調査を見る限り、憲法改正反対派は何故憲法についてあれだけ敏感であるのに9条、自衛隊の問題を自ら放置しそして自ら憲法を蔑ろにしようとするのかが理解できないのです。

「セビキャン」様

コメント有り難う御座いました。

確かに、改憲反対の人たちがこのように答えているとすると、かなりの矛盾になりますね。

しかし、世論調査が誰によってどんな目的のために行われたのか、そしてこの問が全体の中でどんな位置付けになっているのかも把握した上でないと説得力のあるコメントをするのは難しいような気がします。

この問だけからの印象ですので、間違っている可能性はありますが、「自衛隊の存続を前提として」とか「自衛隊が合憲だと考えている方に伺いますが」というような、文章の後の質問のように読めてしまうのですが--。

「嘘と大ウソと統計」という言葉があるくらい、世論調査や統計は恣意的に使われてきましたので、これまでの経験上からの心配です。

2018年5月14日 (月)

高校無償化適用、広島県・広島市の補助金交付の再開を求める ――朝鮮学校ええじゃないね!春の平和パレード――


高校無償化適用、広島県・広島市の補助金交付の再開を求める

――朝鮮学校ええじゃないね!春の平和パレード――

 

風薫る(生憎の雨でしたが)広島市中区堺町の本川公園に、朝鮮学校無償化適用を求めて、在日朝鮮人の人たちと朝鮮初中高級学校生徒やこの運動を支援する人たち450人が集まりました。

 

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参加者はミニ集会を行った後に、雨の中でしたが平和公園を一周する市内パレードを行いました。パレードは5つの隊で編成し、パレードの中心には朝鮮学校生徒の踊りも交えながら民族差別はやめよう!子どもたちに笑顔を!などのシュプレヒコールを行いながら行進し無事本川公園まで到着しました。

 

私は1年前から日朝友好の意義について理解をしていきたいとの思いで、この集会やパレードにも参加してきました。今本当に何が起きているのか、この国はどこに向かって進もうとしているのか。対立を生む裁判判断は許せないとの思いです。

 

集会アピールでも示されましたが、①全国5か所で「高校無償化」裁判が行われ、広島・東京・名古屋の地裁では、司法の役割を放棄した北朝鮮敵視政策をとる国の主張をそのまま「忖度」した、反動的判決が、一方、大阪地裁は無償化法の趣旨に沿った原告勝訴の判決が出され、司法判断の差が大きいと感じます。

 

②「人権の砦」である司法も今や行政(この場合は国の姿勢)に忖度した判決が出される状況にあり、原告・被原告が上告して争うことになってしまっている。本来裁判の焦点は、子どもの権利条約や国際人権規約に照らして、どの国においても学校選択の自由や民族的アイデンティティを保持しながら教育を受ける権利を有していることを、司法が率先してリードすべきであり、行政に対して、全国の朝鮮学校をはじめとするすべての外国人の子どもたちの学習権・教育権を求めることが正しいかどうかの判断をすべきである。

 

③歴史的経緯を踏まえ植民地支配の被害者の原状回復の問題として対応すべきであり、安倍政治が行う民族排外的政策や民族差別の政治的な判断で教育が不当な扱いを受けることは許せない。

 

更に残念なことに、もともと広島県や広島市は国の判断とは関係なく、1993年に広島朝鮮学園を「学校教育法上の1条校に準ずる学校」として全国に先駆けて認知し、20年間補助金を交付していました。それを、国の指導で2012年度から打ち切ったことに対して、自治体の主体性の無さに憤慨しています。2012年から、広島朝鮮学園は極めて厳しい学校運営を余儀なくされています。私たちに問われていることは、デマやヘイトに流されず、朝鮮学園の歴史や実態に学び、地域社会において信頼関係を築きあげる努力が問われていると思います。

 

反動的判決により上告し争うこととなったために、5年ぶりに開催されたこのパレードは、あらためて支援の輪を拡げてスクラムを大きくするしかないと考えさせられました。当面515日には上告審の第1回の口頭弁論の日です。多くの市民の方の支援を待っています。

 

(平和運動センター事務局長・渡辺 宏)

 

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コメント

広島県職労はユザキ県知事に、広島市ユニオンはは松井市長にそれぞれ補助金の復活を要求して欲しいです。

「河合知義」様

コメント有り難う御座いました。

自治体は国家と違い、外国人も含めたすべての住民の福祉に責任があります。その立場からの独自判断こそ、自治体の存在意義だと思います。

2018年5月12日 (土)

追悼・福富節男先生 ――輝ける時間も御一緒させて頂きました――


追悼・福富節男先生

――輝ける時間も御一緒させて頂きました――

 

数学者・市民運動家の福富節男先生が昨年12月に98歳で亡くなられました。今から50年も前になりますが、ベトナム戦争に反対する市民運動として当時の世論を引っ張っていた「ベトナムに平和を! 市民連合」 (略してべ平連) のリーダーの一人として大活躍された方です。

 

実はそれと並行して「ベトナム問題に関する数学者懇談会」 (略称はベト数懇) を立ち上げて、数学者の良心をまとめ代弁し行動に移す役割も果して下さっていました。

 

福富先生とのお別れの会が、4月に東京で開かれたのですが、市民運動でかつて御一緒した方々や数学を教えて頂いた先生方にお会いできると思い、駆け付けました。その会で、御挨拶をさせて頂きましたが、その内容をここで紹介させて頂きたいと思います。

 


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ダグラス・ラミスさんの挨拶

 

福富先生との出会いは私の学生時代でした。先生と私はともに専門分野が位相幾何学でしたので、「トポロジー・セミナー」と呼ばれた定期的な勉強会で日常的にお会いしていました。

 

どの世界でも同じなのかもしれませんが、数学のセミナーでは、偉い先生方が一番前の席に座り、学生たちはその後ろの方に陣取るのが普通です。印象に残っているのは、福富先生が、後ろの方で、かなり年の離れた私たち学生たちと一緒に講義をお聴きになっていたことです。

 

学問の世界にも、「白い巨塔」に代表されるような力関はありますが、そんな中で一番フラットかつ民主的な組織は数学者のそれだと思います。でもそれほど純粋な数学界にもそれなりの力関係はあるのですが、それに対しての福富先生の姿勢を示されていたのかもしれません。

 

今から考えると、その頃はべ平連の活動等、市民運動面でも随分お忙しい時期だったのではないかと思いますが、同時に数学へのコミットメントも疎かにしていなかった先生には頭の下がる思いです。

 

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かつてのベト数懇のリーダーだった先輩数学者、数学も教えて頂きました。

左から齊藤先生、上野先生、笠原先生

 

1960年代の後半、ベトナム戦争に反対する世界の若者の声が一つになって、世界的に大きな変革が起きるのではないかとの期待を、私たちの世代も共有していました。そんな中で、開かれたべ平連主催の日米市民会議での福富先生の発言が今でも耳に残っています。

 

場所はサンケイホールだったと思いますが、その会議の中で、福富先生はベト数懇の報告をされました。それは世界の数学者を代表しての報告でもありました。アメリカの数学者スメールからのメッセージもあったはずなのですが、それ以上に力の入っていたのは、日本の数学界の重鎮、彌永昌吉先生の言葉を引用しながら、日本の数学者たちが真理を追究する学徒として、また人間としての責任を果していることをベト数懇の活動など具体的な事例を挙げながら、報告して下さったことです。

 

福富先生の声には、数学者たちの熱い心がしっかりと乗り移っていましたし、福富先生がその数学者たちの一員であることを如何に誇りに思っているのかが会場に伝わったのではないかと思います。

 

実は、大学生の頃から原水禁の世界大会で通訳としてお手伝いをしてきた縁で、私はその会議の同時通訳として参加していたのですが、福富先生の報告を訳しながら、私まで誇らしい気持で一杯になったことを覚えています。

 

ベトナム戦争に反対して、アメリカ軍から脱走した4人の兵士を日本から無事出国させるまでの援助をした「JATEC」という組織もべ平連と連携して活動していました。正式名称は、「Japan Technical Committee to Aid Anti War GIs (反戦脱走米兵援助日本技術委員会) ですが、その会の打ち合わせのとき、通訳としてお手伝いに行ったこともありました。福富先生からの依頼だったと思います。

 

その席では、内容も分らぬまま、とにかく「訳せ」と言われて、文脈も主語も分らないままに通訳などできないと言ったところ、福富先生から厳しく、「訳せば好いんだ」と言い渡された思い出があります。

 

福富先生と御一緒したデモや集会はその後も多くありましたが、私は大学院のときからアメリカに行きっ放しになってしまいましたので、その後、日本に戻って国会そして広島市長という政治の現場からのお付き合いになりました。

 

ベト数懇・べ平連以来の筋の通った福富先生の後塵を拝して、数学者としてまた人間として自分なりではあっても良心に従う言動を貫けたのは、福富先生という立派なお手本があったからなのではないかと信じています。

 

[2018/5/4 イライザ]

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コメント

福富節男氏。
オダ・マコトがらみのシンポジウムや小さな集会でお見かけしました。
ダグラス ・ラミスさんもなつかしい。
1987『ラディカルな日本国憲法』
帯にも記されていたのだったか、宣伝コピーの(たしか)、
〈 押しつけが たりない日本国憲法 〉 にびっくり。
それまで→〈 押しつけ 〉=改憲派の専売特許→それが対極から!?!
すぐさま購入。
国民が権力者に押しつけるもの! Σ( ̄□ ̄|||)
習ってない、教えてもらってない、考えもしなかったと、
いいトシして、うなだれてしまいました。

「されど映画」様

コメント有り難う御座いました。

ラミスさんの憲法論は、とても面白く、ためになりました。『ラディカル・デモクラシー』も勉強になりました。

2018年5月 3日 (木)

石岡修さんを囲む会 ――広教組委員長としてのお仕事御苦労様でした――

石岡修さんを囲む会

――広教組委員長としてのお仕事御苦労様でした――

 

若葉薫る429日、この3月末をもって広島県教職員組合(以下広教組と略す)を退職された、「石岡 修さんを囲む会」がホテルセンチュリー広島において、連合広島をはじめとする多くの労働界や友好団体・政党の代表や議員の方々が集まり盛大に開催されました。

 

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挨拶をする石岡さん。右端は石岡夫人。

 呼びかけ人を代表して元広島県教職員組合委員長の山今彰さんから、次のとおり石岡さんの活躍が紹介されました。

石岡修さんは,1998年から20年間,広島県教職員組合(広教組)の専従役員(内,書記長9年,執行委員長6年)を務め,「文部省是正指導」に対して先頭に立って対峙してきた人である。

1998年4月1日に行われた参議院予算委員会において,自民党の小山孝雄議員に参考人招致された福山市立中学校のS教諭が「教職員組合や部落解放同盟の存在があるから,子どもが荒れていても手出しができない」というような事実無根の証言を行い,小山議員が当時の町村信孝文部大臣に文部省調査を要求したことが,「広島への教育攻撃」の始まりだった。石岡修さんは,その参議院予算委員会が行われた,まさにその日に専従役員としてのスタートを切ったのである。

5月10日,文部省が13項目について口頭で「是正指導」を行ったとされている。それ以後,自民党県議と結託した広島県教委は,「卒・入学式において職務命令による『日の丸・君が代』の強制」「職員会議の伝達機関化」「県教委HPに『意見の広場(自由投稿サイト)』を開設」「教研会場として学校の使用を不許可」「広域人事異動」「民間人校長の登用」「ヒロシマ平和カレンダー撤去」「職員団体への加入状況調査」等,次々と凄まじい教育攻撃と職員団体への組織弾圧を繰り広げていった。

この攻撃に対し,広教組はやむ無く裁判闘争を展開し,石岡修さんは裁判資料の作成や証人としての出廷等,裁判勝利に大きく貢献してきた。そこには,石岡修さんの人権・平和に根ざした生き様や不条理に対する心からの怒りがある。

「文部省是正指導」から20年が経過しようとしている今日において、広教組の仲間は,石岡修さんの「足跡」に感銘し,その姿を自らのものにしていく決意を新たにされたとのこと。私たち県原水禁としても、石岡さんには広教組委員長の重責を担いながら、広島県平和運動センター副議長・広島県原水禁常任理事として、差別を許さない運動や核兵器廃絶・反原発運動において、素晴らしいサポート・助言を沢山いただきました。今後もお元気で私たちを導いていただければとの思いを抱きながら会を後にしました。

 

※「文部省」は当時。現在は「文部科学省」。

(県原水禁事務局長・渡辺 宏)

 

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2018年4月29日 (日)

第2回関係政党等意見交換会 ――特別なイベントを開く方向です――


第2関係政党等意見交換会

――特別なイベントを開く方向です――

 

310日に開かれた、第一回関係政党等意見交換会の第二回目が、広島市内のホテルで開かれました。前回同様、民進党の森本真治参議院議員、民進党広島県連の福知基弘幹事長、希望の党の佐藤公治衆議院議員、そして社民党広島県連合の檀上正光代表、同福山権二幹事長、プラスそれぞれの党の事務局と私が参加しました。

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 今回も野党が結集して安倍政治を倒すためのさらなる努力をしなくてはならないことが再確認されましたし、このような形で、直接、顔を合わせて情報を交換し今後の道を探ることの意義も共有できました。

 

前回以降の新たな展開は、民進党と希望の党が合流して「国民民主党」を結成することが決った点ですが、これについては森本参議院議員と、佐藤衆議院議員から報告がありました。

 

マスコミで報道されていることと重なる点もありますが、簡単にまとめておきましょう。

 

新党の結成は57日に行われるが、新体制ができるのは9月。また、現在の両党の議員数は100名を超えるが、その中の何名が新党に参加するのかについては、57日を待たないと決定的な読みは難しい。そのために議員としては支援組織や多くの有権者や市民の声を聴きたいと思っている。同時に現在の6党の連携は強化しているし、選挙の準備もそれぞれ着実に行っている。

 

国会の状況としては、内閣退陣に至るまでの通常のシナリオ、つまり野党とマスコミが批判を強め、それが自民党の中での亀裂を生み、その結果として政権交代が起るというメカニズムが今回は機能していない。異常事態だが、そんな中、自民党は「IR法」と「働き方改革法」の二つだけは数を恃んで成立させたいという動きを示している。

 

野党の結集を図る目的の一つは、もっと多くの人に立ち上がり声を出して貰うことだが、そのためには、前回も話題になったイベントを開きたいが、それを「特別な」ものにする必要があるのではないか。

 

このような思いを受けて、民進党の事務局が中心になり、来月か再来月を目途に、「フォーラム」等の中から魅力的な名称を採用して内容を固めつつ、メール等で連絡しながら新たなイベントの案を作ることになりました。特に若者に参加して貰えるような、そして関心を持って貰う契機になるようなイベントにしたいという条件も付けられました。

 

そして今後も、定期的な会合は続けます。

 [2018/4/28イライザ]

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2018年4月28日 (土)

歴史的南北首脳会談 ――緊張緩和からより平和な世界への転機に――


歴史的南北首脳会談

――緊張緩和からより平和な世界への転機に――

 

歴史的な首脳会談が開かれた427日、やはり、この日の意味について一言コメントしておきたいと思います。

  

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南北軍事境界線上のパンムンジョムで開かれた韓国のムン・ジェイン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の会談は大きな成果を挙げました。

 

それは、「朝鮮半島の完全な非核化」と、現在は「休戦」している朝鮮戦争(1950~53年)を年内には終戦宣言によって終らせることを目指すとの合意をしたからです。「南と北は、完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と明記、さらに、1953年に締結された朝鮮戦争の「休戦協定」を、一時的な「休戦」に限らずに、戦争を最終的に終結し平和な関係が日常になる「平和協定」に転換するため、南北米の三者、あるいは南北米中の四者会談を勧めることにも言及されています。

 

さらなる詳細はマスコミが報道していますので、今回の会談についての私的な感想を二三述べておきたいと思います。

 

嘘を嘘とも認識できない安倍政権に反論するのも大人気ないのですが、「対話のための対話は意味がない」と国会でも答弁した安倍総理の言葉とは正反対の結果になりました。その安倍総理はまたもや前言を翻し、今回の板門店宣言を歓迎しています。

 

でも安倍総理がどう言おうとも、対話を続けることは大切なのです。対話のための対話でも、その他の形の対話でも、対話がなければ平和的な解決はあり得ません。ですから、今後、二か国から、3ヵ国、四カ国の間での「対話」や「会談」が開かれることになったのは大きな成果です。

 

でも、その「対話」や「会談」に日本が参加できるのかどうかが心配です。対話には反対、圧力を掛け続けろ、と言ってきた安倍政権に取っては計算済みの結果だと思いますが、私たち国民にしてみればとても残念なことだと思います。しかし、それで諦めてはいけません。

 

安倍政権にはできないと思いますが、新たな平和を目指す「対話」に日本が参加するためには、日本の平和政策をもう一度しっかりと世界に向って発信することから始めるのが順序です。例えば、朝鮮半島の非核化には大賛成、しかし、それだけでは十分ではなく、日本も含めて北東アジアの三国、つまり南北朝鮮と日本は核兵器を持たないという宣言に広げたいと、改めて日本の立場を確認すれば良いのです。

 

それが一つの出発点になって、以前にも言及した北東アジア非核地帯創設につながるためには、5月か6月に開かれる米朝会談が重要ですが、それについても、日本政府が積極的に関与できるようには見えません。「圧力を掛け続けろ」という立場は、「北風」に頼る考え方です。今「南風」が吹いてようやく南北会談が開かれたのですから、日本政府も「南風」の恩恵に預かり、かつ米朝の信頼関係構築に役立つよう、「対話」路線に乗り換えての提言を始めるべきでしょう。

 

南北の首脳は相当の勇気を奮って今回の首脳会談を実現させました。安倍政権には、到底それだけの勇気は期待できませんので、この際、解散総選挙という自民党・安倍シナリオに乗って、日本の政治を振り出しに戻してから、少し時間的には遅れても、平和な世界を目指す政治創りを私たち市民の立場から目指したらどうかと思うのですが――。

 

[2018/4/27イライザ]

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コメント

この期に及んでも『ウミを出しきって...』。
もとよりうすっぺらな見識と認識の持ち主だもの、
これらはまったく驚くにあたらない。
「犯罪じゃないし」(朝日4/15橋本治)←と思っているうえに、
「行政の長の自覚がない」(朝日4/28読者)←資格ともにあろうはずもないのだし。
それよりも情けないのはメディアの多くがいまもって大甘なこと。
先週NHKBS 『大統領の陰謀』1976 再見。
おおそうだった All The President's Men が原題だった。
All The king's Men『オール・ザ・キングスメン』 1949(日本公開1976)もあった。
All The バカ殿's Men ばっかりの国、美しいはずだ。

朝鮮半島の非核化には、具体性が無いと言う人もいますが、このような目標を口にし文書にする事は大切だと思います。
また、非核化には在韓米軍が韓国内に配備しているであろう核兵器の撤去も含まれるでしょうから、米国が賛同しないといけませんね。
そして今回の会談で良かったと思う事は、今までのような交換条件をつけるような事でなく、両国の代表が平和への共通の目標と終戦です。特に終戦をしようとした事は、とても良い事だと思います。
拉致被害者の方達には残念ことになりましたが、朝鮮戦争の終戦が問題解決の早道かもしれませんね。
日本はアメリカにリードを持たれているよく吠える犬としか見られていないような気がします。

今回の共同宣言には
「朝鮮半島の非核化」とかかれているようですが、
それは
韓国内にある米軍基地に保有されている核もふくまれることになりますね。
そうなると、それは米軍の韓国からの撤退を意味することになるのではないでしょうか。
アメリカにとっては、軍事費の削減にもなることでしょうから、歓迎でしょうね。
でも、それによって日本は危険な状態に置かれると解釈するでしょうから、
日本国政府は韓国の非核化はすべきでないと反対するのではないでしょうかね。

「されど映画」様

長い間、時代を共にした政治家の中で、ニクソンが最悪だと思っていましたが、それを凌ぐ存在が日本に現れるとは思ってもいませんでした。

自分で言っていることの意味が全く理解できない人間 [註を付けると、勝手に脳内変換が行われていて、自分に取ってはそれなりの意味があるであろうことが怖いです。] が行政府の長として「君臨」している状況を何とかして変えたいですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

今回の共同宣言には歴史的意味があると思います。

トランプに取っては、紐も付けていないのにすり寄ってきて、口笛一つで何でもする犬、叩いたりしてもすり寄ることは止めない犬くらいの存在なのではないでしょうか。

「ヒカクカ」様

コメント有り難う御座いました。

日本政府は、私たちとは異次元の発想で朝鮮半島の非核化に反対するかもしれない、という予測は正鵠を射ているように思います。「朝鮮半島からは核がなくなった、でも日本は持っている」、と嘯くのでしょうか。安倍という個人による自衛隊の私物化と合わせて日本の核保有を考えると、末恐ろしいシナリオが現れてしまいます。

これで、
金正恩、文在寅、トランプの3氏がノーベル平和賞を受賞したら、
日本から、お笑い大賞、Rー1グランプリを授章しましょうね。

日本政府は拉致問題の解決=拉致被害者の救出と考えているようですが、時間を戻すことはできないわけで、日本より北朝鮮で多くの時間を過し生活を築いている拉致被害者に、日本か北朝鮮かという二者択一を迫ることも苛酷であり、その解決は日朝の国交正常化以外にはないだろうと思います。

そして核問題も北朝鮮としては米国との国交正常化さえあれば核を持つ理由もなくなるはずで、北朝鮮も、かつての日本やベトナムのように、反米国家から親米国家へ転換すれば、何もかも解決するというのはあまりに楽観的でしょうか。

「グランプリ」様

コメント有り難う御座いました。

先ずは米朝会談がどうなるかですが、期待したいですね。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

国交の正常化が基本的だという御指摘、その通りだと思います。さらに、世界は非暴力的・平和的になってきていますので、その延長線上で物事は変って行って当然です。もちろん、その方向への努力は続けなくてはなりませんが。

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