高校無償化適用、広島県・広島市の補助金交付の再開を求める ――朝鮮学校ええじゃないね!春の平和パレード――
高校無償化適用、広島県・広島市の補助金交付の再開を求める
――朝鮮学校ええじゃないね!春の平和パレード――
風薫る(生憎の雨でしたが)広島市中区堺町の本川公園に、朝鮮学校無償化適用を求めて、在日朝鮮人の人たちと朝鮮初中高級学校生徒やこの運動を支援する人たち450人が集まりました。
参加者はミニ集会を行った後に、雨の中でしたが平和公園を一周する市内パレードを行いました。パレードは5つの隊で編成し、パレードの中心には朝鮮学校生徒の踊りも交えながら民族差別はやめよう!子どもたちに笑顔を!などのシュプレヒコールを行いながら行進し無事本川公園まで到着しました。
私は1年前から日朝友好の意義について理解をしていきたいとの思いで、この集会やパレードにも参加してきました。今本当に何が起きているのか、この国はどこに向かって進もうとしているのか。対立を生む裁判判断は許せないとの思いです。
集会アピールでも示されましたが、①全国5か所で「高校無償化」裁判が行われ、広島・東京・名古屋の地裁では、司法の役割を放棄した北朝鮮敵視政策をとる国の主張をそのまま「忖度」した、反動的判決が、一方、大阪地裁は無償化法の趣旨に沿った原告勝訴の判決が出され、司法判断の差が大きいと感じます。
②「人権の砦」である司法も今や行政(この場合は国の姿勢)に忖度した判決が出される状況にあり、原告・被原告が上告して争うことになってしまっている。本来裁判の焦点は、子どもの権利条約や国際人権規約に照らして、どの国においても学校選択の自由や民族的アイデンティティを保持しながら教育を受ける権利を有していることを、司法が率先してリードすべきであり、行政に対して、全国の朝鮮学校をはじめとするすべての外国人の子どもたちの学習権・教育権を求めることが正しいかどうかの判断をすべきである。
③歴史的経緯を踏まえ植民地支配の被害者の原状回復の問題として対応すべきであり、安倍政治が行う民族排外的政策や民族差別の政治的な判断で教育が不当な扱いを受けることは許せない。
更に残念なことに、もともと広島県や広島市は国の判断とは関係なく、1993年に広島朝鮮学園を「学校教育法上の1条校に準ずる学校」として全国に先駆けて認知し、20年間補助金を交付していました。それを、国の指導で2012年度から打ち切ったことに対して、自治体の主体性の無さに憤慨しています。2012年から、広島朝鮮学園は極めて厳しい学校運営を余儀なくされています。私たちに問われていることは、デマやヘイトに流されず、朝鮮学園の歴史や実態に学び、地域社会において信頼関係を築きあげる努力が問われていると思います。
反動的判決により上告し争うこととなったために、5年ぶりに開催されたこのパレードは、あらためて支援の輪を拡げてスクラムを大きくするしかないと考えさせられました。当面5月15日には上告審の第1回の口頭弁論の日です。多くの市民の方の支援を待っています。
(平和運動センター事務局長・渡辺 宏)
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広島県職労はユザキ県知事に、広島市ユニオンはは松井市長にそれぞれ補助金の復活を要求して欲しいです。
投稿: 河合知義 | 2018年5月16日 (水) 09時54分
「河合知義」様
コメント有り難う御座いました。
自治体は国家と違い、外国人も含めたすべての住民の福祉に責任があります。その立場からの独自判断こそ、自治体の存在意義だと思います。
投稿: イライザ | 2018年5月17日 (木) 11時02分