玄海原発3号機の再稼働に抗議する ――慰霊碑前の座り込みに40名参加――
玄海原発3号機の再稼働に抗議する
――慰霊碑前の座り込みに40名参加――
九州電力は、昨日午前11時に玄海原発3号機の制御棒を引き抜き、再稼働を実施しました。広島県原水禁は、これに抗議し午後6時から30分間、緊急慰霊碑前座り込み行動を行いました。緊急な呼びかけでしたが、被爆二世、市民・労組員など40名が参加し、抗議文を採択するとともに、九州電力の瓜生道明代表取締役社長への抗議文を送付することを決めました。
玄海原発は、緊急防護措置区域の半径30キロ圏内に福岡、長崎両県を含む3県8市町が入っており、避難計画の対象は計26万人を超え、有人離島は国内の原発では最多の20に上っているといわれています。しかし、その避難計画の実効性は、自治体任せとなっており、充分な避難計画が建っているとはとても言えない状況です。
3月14日の関西電力大飯原発3号機に続く今回の再稼働は、国民の多く「脱原発」への強い思いを無視するだけでなく、「原発回帰」の姿勢を鮮明にするものであり、絶対に認めることはできません。引き続き声を大きくしていかなければなりません。
座り込みの最後に採択されたアピール文は以下の通りです。
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玄海原発3号機の再稼働に抗議し、
すべての原発運転の即時停止を求めるアピール
九州電力は、本日23日、多くの反対の声を無視して、玄海原発3号機を起動し再稼働させました。
玄海原発3号機と4号機は、住民が130キロの位置にある阿蘇山の火山噴火の危険性があり安全でないと再稼働差し止めを申し立てていた原発です。阿蘇山の最大噴火による火砕流の影響については、広島地裁ではその影響を認め、伊方原発の差し止め判決を行ったばかりであるにもかかわらず、佐賀地裁は20日に危険性を認めない、と申し立てを却下しましたが、住民は納得せず福岡高裁へ即時抗告したばかりです。
福岡高裁での控訴審判決がまだ始まっていないにもかかわらず、九州電力は本日限界原発3号機の再稼働を行い、4号機も5月に再稼働を行うとしています。
福島原発事故から7年、東京電力福島第1原発事故による住民の避難生活や健康への不安、地域コミュニティーの崩壊は、今も深刻です。さらに、いまだ原発事故の原因が究明されていないばかりか、事故の全体像すら把握できず、廃炉への道筋も明らかとなっておらず、費用も拡大するばかりです。この事実にしっかりと向き合わなければなりません。
原発は、事故が起きれば、電力会社一社で責任を持って対処することは不可能であり、その負担を国民が負わされることを私たちは、福島原発事故で体験しています。
原子力規制委員会も認めているように原発に絶対の安全はありません。
多くの国民が、原発に頼らない社会の実現を願っています。
原発の安全神話を再び繰り返す政府や電力会社の姿勢は、住民の命や不安を置き去りにするものであり、決して許されるものではありません。
今やるべきことは、再生可能エネルギーのさらなる開発など、危険な原発に頼らないエネルギー政策を推進することです。
福島の被害者の思いを忘れてはなりません。
核と人類は共存できません!
私たちは、玄海原発3号機の再稼働に強く抗議するとともに、即時に運転を中止することを求めます。
私たちは、原発なき社会を求める多くの市民とともに、これからもすべての原発の廃炉を求めて取り組みを進めます。
以上
2018年3月23日
「限界原発3号機再稼働抗議・慰霊碑前座り込み行動」参加者一同
[2018/3/23いのちとうとし]
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