核兵器禁止条約は無視 ――安倍政権が国連に提出した「似非」核兵器廃絶決議案です――
核兵器禁止条約は無視
――安倍政権が国連に提出した「似非」核兵器廃絶決議案です――
日本政府、つまり安倍政権は毎年国連に、核兵器廃絶決議案を提出しています。でも核廃絶と言っても「究極的」という一言が入っての核廃絶です。「究極的」の意味は、詰まる所、最終的にはという意味もありますが、外務省による用法では「ずっと先のこと」つまり、「今はやらない」ということなのです。
こんなことは、誰にでも分っていることなのですが、外交には国同士のお付き合いという面もありますので、あまり波風を立てずに、「それも核廃絶の内には入るから」くらいの気持で付き合ってくれた国々が多くありました。でも、日本政府の、それは安倍政権のという意味ですが、これほどまでに不誠実な態度は見透かされていました。
それが今年、顕在化しました。日本政府が国連に提出した核廃絶決議案には「核兵器禁止条約」という言葉がなかったのです。
1945年8月6日と9日以来、被爆者が願い続けてきた核兵器廃絶への大きな一歩である法的な枠組みがようやく出来たのに、です。このブログでも、10回以上、国際社会の賢明な努力の足跡を報告してきました。ICANのノーベル平和賞受賞を取り上げた回では、それらのエントリーをざっとまとめてリストしておきましたので、再度お読み頂ければ幸いです。
しかし、こうした努力のリーダー役を務めたICANを初めとするNGOも、核兵器廃絶への高い志を持ち続けてきた国々も、今回は我慢の限界に達したようです。その結果、今年は、日本政府提案の似非「核兵器廃絶決議案」には反対する国が増える見込みです。口だけの、そして本音ではアメリカのお先棒を担ぐ日本の決議案に価値は認めない、ということなのです。
これまでも私は、日本政府の破廉恥な言動はやがて世界の笑いものになると警告をしてきたのですが、世界の動きはそんな予想をはるかに超えていたようです。日本は既にもう、世界の笑いものになっているようです。
政府だけが笑いものになっているのなら、まだそれでも我慢の仕様はあるのかもしれません。しかし、それだけで済むはずがありません。私たち、日本人、日本という国に住み、曲りなりにも選挙によって政府を選んでいることになっている私たちも笑いものになってしまうのです。
それを避けるためにも、今回の選挙では安倍政権、自民・公明の与党、そして核兵器禁止条約に背を向けている自民党の亜流政党を葬り去りましょう。
安倍政権批判は続きます。
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