被爆72周年原水爆禁止世界大会国際会議 ――フロアからの発言も凄かった――
被爆72周年原水爆禁止世界大会国際会議
――フロアからの発言も凄かった――
国際会議の報告を続けますが、今回はフロアからの発言を取り上げます。
① 脱原発について、野党の姿勢がしっかりしていないが、その理由の一つは連合の方針にあると思う。しかし、労働組合の中での議論が私たちには伝わってこない。説明して貰えるだろうか。
(A) これに対しては、藤本事務局長から丁寧な説明がありましたし、イさんからは労働組合が中心になって闘っていること、また日本からの情報や激励が力になっていること、労働者数では原発関連の仕事より再生エネルギー関連の方が多くの人を雇うまでになったことも報告されました。詳細は割愛します。
② 選挙で勝つためには、原発を争点にすることが効果的だと思うが、台湾や韓国では、どのようにして争点化に成功したのか。
(A) シューさんとイさんからは、簡潔な歴史的説明がありました。両国の歴史や現在についての知識が私にはあまりないため、正確にお伝えするだけの理解には至っていませんので、割愛します。
③ 大阪府立大学名誉教授の方から、いくつかのコメントがありました。私の知らないことも含まれていましたので、とても勉強になりました。会場にいた方で、この名誉教授のお名前を御存知の方がいらっしゃいましたら、教えて頂けますでしょうか。
東電に21兆円もの負債があることは良く知られているが、最終的には電気代に上乗せして払う以外の道はない。(筆者注—税金を投入するという理不尽な選択肢はないという前提での話だと理解しました)
しかも、それをさらに悪くする状況がある。東電には、送電用の鉄塔が24.8万基ある。これまでの計画では、老朽化した鉄塔を毎年1000基ずつ建て替えて行くことになっていた。しかし、これでは248年も掛るので、最近1年あたり5000基建て替えることにした。となると、コストは5倍になる。その上、廃炉費までということになると東電の破産は既成の事実だ。問題はこれを税金から出すことにするのかどうかだ。(筆者注—送電用の鉄塔のことは初耳でした。コストがいくらになるのかは聞き逃しましたので、何方か教えて下さい。)
東電のホームページから
「トイレのないマンション」であることも、具体的に明らかになってきている。原発を再稼働すると、当然使用済みの核燃料をどこに保管するのかが問題になる。最終処分場がないのだから、それぞれの原発の貯蔵プールに保管することになるが、それも4,5年で一杯になる。その時点で原発は運転できなくなる。
④ 最後にこのような発言を踏まえて、新潟の有田さんから柏崎・刈羽の現状と新潟の政治状況についての力強い報告がありました。
その後、たまたま目にした『産経デジタル』には、「トイレのないマンション」についての事実に即した報告がありました。推進派も認めざるを得ない状況だということなのです。
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核弾頭が減り、核実験はほぼゼロになったということ、
そしてそれがヒバクシヤそして市民の活動の世論によるということは大変素晴らしいことですが、
核実験が減ったというのは、コンピューターシミュレーションにより、改めて爆発させずとも充分な成果が得られるようになったということも大きいようですね。
英国はそのためのシミュレーターを購入したとのことですし、
http://businessnewsline.com/news/201707071753110000.html
中国は、日本は核実験なしでも、そうしたシミュレーションによりすぐにでも核開発ができ、米ロに次ぐ世界3位の核保有国になれる能力があると警戒しているそうです。
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20150812/1439363542
北朝鮮が核爆発実験を繰り返しているなんてことは、それだけ核に関する技術が遅れているという証明だともいえそうですね。
弱い犬がキャンキャン吠えるのと同じかもしれません。
そんなに目くじらたてるほどのことではないと思いますが、
でも噛まれたら痛いでしょうから、嫌ですね。
投稿: シミュレーション | 2017年8月 8日 (火) 10時44分
「シミュレーション」様
コメント有り難う御座いました。鶏と卵論争になるかもしれませんが、そもそも、実際には核実験をしないでシミュレーションで済まそうと考えた動機が、世論の批判をかわしたいからだった、という可能性もあるのかもしれません。
そして、地下核実験でもかなりのコストも掛りますので、コスト削減という全く別の理由もあるのかもしれません。
しかも、最近では、本当の地下実験なのか、シミュレーションなのかの区別が付かないようなシミュレーションもあるようですので、事はますます複雑です。
投稿: イライザ | 2017年8月 9日 (水) 14時48分