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2017年7月 9日 (日)

核兵器禁止条約の採択を歓迎する原爆ドーム前集会開催

 

核兵器禁止条約の採択を歓迎する原爆ドーム前集会開催

 

 

ニューヨーク国連本部で「核兵器禁止条約」が採択された昨日午後3時から原爆ドーム横で「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動そのⅢ」として「核兵器禁止条約案採択を歓迎する原爆ドーム前集会」が開催されました。

この集会は、「核兵器禁止条約」が、世界の圧倒的多くの国々、市民の努力によって採択されたことを歓迎している意思を出来るだけ早く、広島からのメッセージとして伝えることが必要だとの思いから、この時間が設定されました。広島県原水禁も実行委員会の中で、「8日しかない」ということを強調し、開催を積極的に支持してきました。

心配された雨も降らず集会が始まる時間には日も差しはじめ、蒸し暑い中での集会となりましたが、100名を超える被爆者や市民が集まり、ヒロシマの思いを世界に発信しました。

 

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渡部朋子さんの司会で始まった集会は、最初に青木克明(HANWA共同代表)の開会あいさつ、続いて国連交渉会議の現地行動に参加された箕牧智之広島県被団協(坪井理事長)副理事長、大中伸一広島県被団協(佐久間理事長)事務局次長の「活動報告」と「核兵器禁止条約採択歓迎」への強いメッセージと今後の決意が語られました。

 

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                   報告・アピールする箕牧智之さん

 

続いて、共同行動実行委員会の森滝春子事務局長から「核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明」が読みあがられ提案されました。この「ヒロシマ共同声明」は、多くの参加者の心を打ち、参加者全員が、手にした折り鶴を高く掲げ、賛同の意思を表すとともに、力強い拍手で確認されました。

 

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                  共同声明を提案する森滝春子事務局長

 

最後に秋葉忠利広島県原水禁代表委員から閉会のあいさつ。秋葉さんは「今日は歴史的ない日。それは新たな出発でもある。その気持ちはこのアピールに込められている。」と訴えるとともに「1996年に出されたICJ(国際司法裁判所)の勧告的意見では、核兵器を違法とする法律がなかったため、明確は判断を示すことができず、核保有を許してきたが、この道を閉ざす条約が出来た。」と、「核兵器禁止条約」の持つ法的役割を強調し、集会は終了しました。

最後に参加者全員が、改めて折り鶴を高く掲げ、広島は、今日を出発点に、これからも核兵器廃絶を実現させるまでまで、頑張りぬくことを誓い合いました。

 

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          閉会のあいさつを述べる秋葉忠利広島県原水禁代表委員

 

秋葉忠利県原水禁代表委員も強調されているように、「ヒロシマ共同声明」に、参加者の思いや集会での発言者の願いがきちんと盛り込まれていますので、ここでは一人ひとりの発言は紹介せずに、少し長いですが以下に全文を掲載します。

なお、この「ヒロシマ共同声明」は、首相官邸、外務省、そして岸田外務大臣事務所へと直ちにFAX送信するとともに本日郵送されました。

 

 
 

   核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明

 

  核兵器禁止条約の採択をヒロシマは心から歓迎する

 

 

 

20177月7日、ヒロシマ・ナガサキ原爆被爆の未曾有の非人間的惨禍から72年目の今日、世界の生きんとする人々の悲願である核兵器禁止条約が国連で122ヵ国の賛成と反対1、棄権1と圧倒的多数で採択されました。

まさに世界に人類生存への希望をもたらした歴史的な日を迎えたのです。

 

 ここヒロシマで、アメリカによる原爆投下によって無残に命を奪われた十数万の人々、被爆後72年の間、家族関係を原爆により破壊され辛酸をなめながら、放射能の後遺症に苦しめられ「遅れた死」をもたらされた二十数万人の人々、そして今なお、病魔や生活苦を背負わされている多くの人々と共に私たちは核廃絶を求めてきました。

 そのことについては、核兵器禁止条約前文において、ヒバクシャの受け入れがたい苦難と被害、核廃絶への貢献を特記して表しています。

 

その実現のための最も現実的な法的規範である「核兵器禁止条約」は、「核と人類は共存できない」という理念を掲げた私たち世界民衆とその代表者である志を持つ国々の連帯の力で勝ち取ることができました。市民社会に解放された禁止条約国連交渉会議のあり方が、人類英知の結晶を生み出したのです。

 採択された「核兵器禁止条約」は、核の非人道性を問い糺し、核が人類生存の道を阻む「悪」であるという烙印を押した国際規範です。核兵器の開発、実験、保有、移譲、使用及び使用の威嚇が禁止されました。特に、爆発を伴わない核実験も禁止したことは新たな核開発の防止の実効性を高めるものです。さらにこれらの行為をいかなる形でも援助、奨励、勧誘することも禁止されました。核兵器使用の威嚇が禁止されたということは、核抑止力依存を国策とする国家にとっては深刻な打撃を与え、国際法で禁じられる故に安全保障策の根底的な転換を迫るものになります。

 

 また、核廃絶の原点である世界の核被害者に目を向け、その国家と被害をもたらした加害国の被害者への支援及び核汚染地の環境回復という責任と義務を明記したこと、核被害が特に弱き側の先住民の上に押し付けられていること、放射能の影響が母体である女性や将来の世代に及ぶことを明示し、核被害の及ぼす放射能の脅威を強調したことは、私たちが長年、核被害実態の解明と被害の救援に取り組んできたことの反映です。

 

 一方、原子力利用による核被害の実態に踏まえ、「核と人類は共存できない」という理念を掲げてきたわたしたちにとって、NPT(核不拡散条約)にもとずく「核の平和利用の権利」の保障に言及した点は今後の大きな課題と言えます。

 

この条約はさらに、核保有国が条約に加入したうえで保有核兵器を時間枠の伴う検証可能かつ不可逆的な方法で解体していく道筋も定めています。
 アメリカ等が関係諸国に不参加や反対投票をするよう圧力をかけている中で、また核の傘に依存する被爆国日本が反対表明や不参加の態度をとるなど妨害が続く中、確固とした信念に基づき採択を実現させたホワイト議長をはじめとする人々、国々に深い敬意を表します。

 

 私たちは日本政府に要求します。直ちに被爆国としての責任ある態度を持って締約国となるよう署名、批准を果して、国際社会の信頼を取り戻すべきです。日本政府がアメリカの核の傘に依存する政策は、すでに国際法によって違法となったことを肝に銘じなければなりません。

 

 9月20日の署名開始から50ヵ国の批准が行われて90日経つと核兵器禁止条約はいよいよ発効します。日米両政府などの抵抗妨害を市民の力で無力にして自国の署名批准を推し進めましょう。禁止条約を実現した大きな力を私たちは持っています。

 

核兵器の最後の一つをこの世界から無くするまで、ヒロシマも世界の市民も声を一つに頑張りぬくことを誓います。

 

             2017年7月8日

 

 

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