漢字表記・用字辞典 ――最初は「用字便覧」を多用していました――
――最初は「用字便覧」を多用していました――
「老化現象が進んでいると感じるとき」という題で高齢者の経験を募ったとして、必ず出てくるのは「漢字を忘れる」でしょう。
自慢ではありませんが、私はもう40年も前からこの経験をしています。アメリカに住み始めて少し経ってからのことなのですが、日本の友人からの手紙に、その前に私の方から出した手紙の一部が同封されており、間違って使った漢字の添削をしてくれていたのです。今でも覚えている間違いは「頂」と「預」ですが、他にもユニークな取り違いをいくつかしていました。
その対策として手に入れたのが、小桜書房発行の『用字便覧』です。
新聞記者の友人に依頼して彼が使っているのと同じものを送って貰いました。確かにとても便利です。中身を御覧頂ければ分ります。
もっともネット時代になり、読み方を入力して「エンター」キーを押せば、漢字は一発で出てきますので、最近はあまり使わなくなりました。でも、これも「糟糠の妻」ですので、今でも大切に書棚の一番目立つ場所に置いてあります。
と書いてしまうと、いかにも誠実で脇目も振らずに『用字便覧』だけを愛用してきたような感じを与えてしまうかもしれませんが、実は大きな浮気をしています。夏休みに帰国した際に、先ず真っ先に駆け込んだ本屋で『大きな漢字の 漢字表記辞典』(三省堂)を見付けたからです。
これも永年使い込みましたが、最近は紙が変色して読み難くなりましたので、その最新版『見やすい 漢字表記・用字辞典』を愛用しています。
こちらの『辞典』が気に入った理由なのですが、クイズ風に中身を見て答を当てて見て下さい。
一つには、単語だけでなくフレーズが付いているので分り易いことです。「肥やす」だけではなく「私腹を肥やす」で、使い方までリフレッシュして貰えます。もう一つは、画数の多い漢字を大きく表記してくれているので、実際に書くときに助かることです。因みに、左下の三つの漢字は上から、「ごまめ」「こめかみ」です。
そして三つめは、serendipityです。これは、引っ越し準備で思いがけない発見があった報告の時に使った言葉ですが、2ページを目の前にして、何か新しい発見がいつもあります。『用字便覧』でも、それは経験できるのですが、フレーズが並んだレイアウトと、漢字の位置のバランスが良く、こちらを使って楽しむようになりました。
グーグルでは味わえない楽しみですので、こちらも書棚ではすぐ手の届くところに置いてあります。
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コメント
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この本いいですね。『見やすい 漢字表記・用字辞典』
確かにパソコン等で読みを入力したら候補の漢字がいくつか出ますが、どの漢字が適切なのかを悩むことがあります。
ネット検索をすれば簡単に出るのでしょうが、学生時代に辞書をめくりながら勉強してきたので辞書をめくる方がなじむので、パソコンの側には国語辞典や漢字辞書や英和辞書があります。(笑)
投稿: やんじ | 2017年3月14日 (火) 14時17分
「やんじ」様
コメント有り難う御座いました。「昭和の歌を守る会」「筆記体を守る会」に続いて「昭和の辞書を守る会」を立ち上げましょうか。
投稿: イライザ | 2017年3月15日 (水) 21時54分