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2017年2月 5日 (日)

トランプ大統領の詭弁 --カギはDark Money--


トランプ大統領の詭弁

--カギはDark Money--

 

戦後70年総理大臣談話 (以下「談話」と略す) が、詭弁の典型であることはそれなりに御理解頂けたと思っていますが、私たちがその意識を共有し安倍政治に自分の言葉で反論して行くことがこれからの課題の一つだと思います。

 

トランプ大統領の詭弁を説明するには、その前提としてアメリカ社会の現状そして歴史をより詳しく理解する必要のあることは既に指摘しましたが、数回にわたって、その中でもあまり知られていない「Dark Money」、つまり「黒い金」あるいは「汚い金」を概観したいと思います。トランプ大統領誕生の裏には、巨万の富を操り、しかもその実態は公表されることなく、アメリカの政治風土を30年以上にわたって右傾化させることに情熱を燃やし、ついに成功させた億万長者のグループがいたのです。

 

そのリーダーは、チャールズ・コークとデービッド・コークの二人、まとめてコーク兄弟と呼ばれますが、二人の資産を合わせると世界第一位の富を手中にしています。Forbes誌によると、世界一はMicrosoftのビル・ゲーツで750億ドルですが、チャールズとデイビッドはそれぞれ395億ドルですので、二人合わせると800億近くになり、合わせて一位になります。(日本円にすると、1ドル110円として、88000億円)

 

その二人を中心に、アメリカの「Dark Money」の真相を明らかにしているのが、雑誌『ニューヨーカー』の記者だったジェーン・メイヤーさんの『Dark Money』という力作です。日本語訳も出ていますので、それをお読み頂けば十分ではあるのですが、私なりの感想文を書く積りで「さわり」を御紹介したいと思います。

            

Dark_money

                 

 

Photo

 

Dark Money』は詳細な調査によって明らかになった事実を元に, 1970年代からこれまでアメリカのスーパー・リッチなごく少数の人々がアメリカの政治を事実上動かすほどの力を持つようになった歴史を描いていますその内特に重要な何点かを最初にまとめておきましょう

 

 デービッド・コークは1980年の大統領選挙にリバタリアン党の副大統領候補として出馬したが、総得票の1パーセントしか取れず、政治の表舞台で活躍することを諦める。その代りに自分たちの保守主義あるいは自由至上主義 (リバタリアンをこう訳していますが、政治のあらゆる場面で政府の関与を否定、特に課税権を縮小すること、環境問題についての関与をなくすこと等を主張している) を広め、選挙を応援することで政治的な影響力を増すことを中心に活動を始める。


 まず、保守的なシンク・タンクや研究所の後押しをしたり新たに設立したり、大学等の研究者にも経済的支援を行うことで、理論武装をし、さらに具体的な政策が説得力を持つような啓蒙方法等についても補助を行った。


 保守的なマスコミを抱き込み、自分たちの主張を広範に広め、リベラルなメディアに対する影響力も「飴と鞭」で拡大する。


 自分たちが寄付をしている慈善団体をトンネルさせるなどして、多額の選挙資金を自分たちの意のままになる候補者のために支出する。その際に、自分たちの名前は公にされないシステムを構築する。


 2003年に、コーク兄弟がそのためのネットワーク作りを始めた。最初集まった億万長者は十数人だったが、その後、このネットワークに招待されることがステータスになるくらい、組織は大きくなった。


 2010年にはCitizens United という団体による訴訟で、企業や組合が、選挙の際に候補者に直接の寄付をしなければ、選挙運動のために使える金額は無制限であるとの最高裁の判決を勝ち取る。このことで、選挙が金で買える状態になった。


 その結果、2016年の選挙では、コーク兄弟とそのネットワークで88900万ドルの資金を提供するようになった。1972年の選挙では、200万ドル(現在の価値では約1100万ドル)の選挙資金がその高額さ故にスキャンダルになったことを考えると、今昔の感がある。


 このような活動で億万長者の側が手に入れた「利益」は大きい。例えば、様々な税制改革では、高額所得者に対する課税や課税率が下がり、例えばレーガン時代には高額所得者の税率が70パーセントから28パーセントになった。


 2012年の選挙戦では、共和党は、最も貧しい人々から厳しく税を取る、という政策を掲げた。


 [追加の項目] 政府がビジネスに関わること、特に環境面などからの規制を行うことや法人税や所得税相続税等については強く反対しているのが、コーク・ネットワークの特徴だが、政府の防衛その他の事業の契約者として、莫大な利益を上げている事実にも注目すべし。

 



何度かにわたり、もう少し詳しく『Dark Money』の中身を紹介して行きます。

 

 

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