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2017年1月22日 (日)

トランプ大統領就任式 --全部を視るのは初めてでした――


トランプ大統領就任式

--全部を視るのは初めてでした――

 

いよいよトランプ氏が大統領に就任しました。これまでは、忙しかったせいもあって就任式をライブで見ることはありませんでしたが、今回はトランプ大統領がどんな演説をするのかにも関心がありましたので、全部を視ることになりました。一番関心のあったのは演説ですが、もう一つ「宣誓」が滞りなく行われるかどうかでした。でもいろいろなことが分ってとても勉強になりました。

              

Photo

               

就任式招待状 表紙

 

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就任式招待状の写真

 

寒がり屋として気になったのは、1月のワシントンは寒くて大変だろうなということでした。それは、1969年の1115日に開かれた50万人規模のベトナム戦争反対集会の時の記憶が鮮明だからです。その日はとにかく寒かったのです。デモの途中で、沿道の建物の中に少しでも入って暖を取らないと、とても歩き続けられませんでした。でも、会場の人々の服装から寒さはそれほど厳しくはなかったように見えました。

 

宣誓も、ハッブニングがなく進みました。でも初めて気付いたのは、副大統領の宣誓の方が長かったことです。憲法で規定されていることなのですが、もう一度副大統領の宣誓文を読んで何か理由があるのかを考えてみたいと思います。

 

アメリカ大統領の就任演説は歴史に残るものが多いのですが、それは、アメリカだけではなく世界・人類の歴史を踏まえて、未来への指針を示してくれる内容だったからだと思います。特に、若い大統領というイメージの強かった、ジョン・F・ケネディー大統領の演説はラジオで聞きながら大感激しました。

 

「国が貴方に何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国に対して何ができるのか問え」という一節は、当時の若者の心をつかみました。

 

その後、日本政府が被爆者に対して言い放った「受忍論」の現実を知ることになりました。それは、単純化すれば、「国は戦争をする、でもその犠牲は国民が甘んじて受け入れろ、そして文句は言うな」です。それがどの国家でも採用している価値観であることも合わせて考えると、「国への奉仕」とは「戦争で死ぬこと」「戦争によって蒙った犠牲には文句を言わないこと」と読めますので、ケネディー大統領の言葉を歓迎した私たちの幼さにも、今では思い至ります。

 

しかし、トランプ演説はこの反対のことを言っています。「国は国民に奉仕するために存在している」。そして、最後の部分でもそれを繰り返しています。「皆さんは再び無視されることは決してありません。皆さんの声、希望、夢が、アメリカの歩む道を決めるのです。そして、皆さんの勇気、善意、愛が、その道を永遠に照らすのです。」

 

これは正論なのですが、彼の二項対立は、一方で虐げられ職を奪われ貧しくも果敢に生きようとする「国民」対、口ばかりで何もしない、でも利益だけはしっかりと受け取って富んでいる腐った政治家たちです。

 

でも、もう一つ彼の認識で決定的に欠けていることがあります。アメリカ社会の貧富の差です。それも政治家が作り出したのだから、政治家の責任だとも言えるのですが、「小さい政府」つまり政府は口を出すな、という方針を突き付けて金の力で自分たち、それは富んだ個人や企業なのですが、超富裕層を一層富ませることに腐心してきた、たったの1パーセントのスーパーリッチな人々と、その陰に隠れてしまった90パーセント以上の国民との格差こそ問題だとも考えられます。


Photo_3

 

当然、トランプ大統領は、赤で示されたトップの1パーセントに属するのですが、就任演説ではそのことへの言及は全くありませんでした。

 

もう一つ目立ったのは、選挙中からのテーマである「アメリカ・ファースト」です。単純化すると、アメリカはアメリカだけを考える、他の国も自分の国のことだけを考えれば良い、と言い換えられますが、世界がようやく寛容の精神を元に平和な状態を作れるまでに進化してきたことは全く無視しての言葉です。

 

子どもでも幼稚園や小学校で学ぶ最初のことの一つが、この世の中には自分だけではなく他の人たちがいる、その人たちのことも考えることで「社会」が成立している、ということです。「自己中」からの解放が大人への道なのですが---。

 

でも、この就任式では共和党も民主党も、上院議員の代表として簡潔ながらきちんとしたスピーチのできる人を選びました。共和党は就任式準備委員会委員長、ロイ・ブラント上院議員でしたし、民主党はチャールズ・シューマー上院議員です。二人とも、アメリカの歴史だけではなく、民主主義と世界平和の基礎を子どもにも分るくらい平易にそして格調高く語ってくれました。その結果、就任式はこの二人が先生になったトランプ学校の始まりのような形になりました。

 

その他に気付いたことは、新大統領のスピーチ中にオバマ、ブッシュ両元大統領が苦笑いしているような映像が流れたことですし、大統領就任の宣誓直後から雨が降り出したことです。

 

それでも諦めずに、ヒロシマの心を伝え続け、アメリカの心につながるよう努力する価値のあることを再認識できた一時になりました。

 

 

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コメント

アメリカファーストは、何処の国のトップも同じじゃないでしょうか?
口に出すか出さないかだけです。
自国の国民の多くが職がなく貧困で喘いでいるのは、それには何もせずにカッコよさだけで他国の事を語るのは、戦争で儲けるリッチな人の為ではないでしょうか。
物作り産業は多くの雇用を生み出しますが、ITは生活を豊かにはしますが、一部の人達だけが儲けることができても、大多数の収入は増えません。
トランプ大統領は、スーパーリッチだから、今までの大統領のように身勝手なスーパーリッチな太いヒモもが付いていないのは、良いことではないでしょうか。
密入国してる犯罪者や違法滞在している人達が、国民の安全安心に悪影響なことは間違い無いと思います。
トランプ大統領の事を日本でも批判してますが、彼のやろうとしている事は、日本の現状だと思います。

トランプ大統領の就任演説を日本に当てはめると、ワシントン=東京、エスタブリッシュメント=マスコミ&大企業&高級官僚=年収1500万円以上の人たちということで、東京から地方に富を分配し、孫正義のような特別な創業者は別として学歴や生まれだけで高収入を得ている人たちの都合ばかりではなく、年収300万円以下で暮らしている多くの国民に富=仕事を与え、千億円単位のばら撒き外交をやめて国内政策に振り向けるということではないでしょうか。

一方で怖いのは親露・嫌中が明確に出ており経済だけでなく軍事的にも危うい発言もあり安倍政権が米国からの圧力を利用して軍備を増強すし「軍事的自立」に向かうことです。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。オバマ大統領まで含めて、これまでのすべての大統領がスーパーリッチの代弁者だったと言うのは少し違うと思います。例えばオバマケアは、反対する人たちとの妥協の結果ですが、保険業界の意向を考えるだけなら、旧態依然とした制度で良かったわけですから。

それとトランプ大統領の場合、ヒモが付いていないのではなくて、ヒモそのものが大統領になってしまったと言った方がより正確なのではないでしょうか。スーパーリッチな人たちの既得権を取り上げるようなことはしないと思います。

「カーズ」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のような見方もできると思います。

実体としてもう一つ記憶しておくべきことは、共和党やビジネス界の主張してきた「小さな政府」とは裏腹に、大企業の多くは、連邦政府との契約で膨大な利益を上げてきているという事実です。トランプ氏のネットワークの中にはそのような利害関係者がゴロゴロしていますし、その人たちの既得権にまで手を伸ばさなければエスタブリュッシュメント改革は難しいでしょうから、前途は多難だと思います。

それ以前の問題として、レトリックとしての発言と本気で実現したいと思っている政策との関係も重要だと思います。

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アメリカファーストは、何処の国のトップも同じじゃないでしょうか?
口に出すか出さないかだけです。
自国の国民の多くが職がなく貧困で喘いでいるのは、それには何もせずにカッコよさだけで他国の事を語るのは、戦争で儲けるリッチな人の為ではないでしょうか。
物作り産業は多くの雇用を生み出しますが、ITは生活を豊かにはしますが、一部の人達だけが儲けることができても、大多数の収入は増えません。
トランプ大統領は、スーパーリッチだから、今までの大統領のように身勝手なスーパーリッチな太いヒモもが付いていないのは、良いことではないでしょうか。
密入国してる犯罪者や違法滞在している人達が、国民の安全安心に悪影響なことは間違い無いと思います。
トランプ大統領の事を日本でも批判してますが、彼のやろうとしている事は、日本の現状だと思います。

トランプ大統領の就任演説を日本に当てはめると、ワシントン=東京、エスタブリッシュメント=マスコミ&大企業&高級官僚=年収1500万円以上の人たちということで、東京から地方に富を分配し、孫正義のような特別な創業者は別として学歴や生まれだけで高収入を得ている人たちの都合ばかりではなく、年収300万円以下で暮らしている多くの国民に富=仕事を与え、千億円単位のばら撒き外交をやめて国内政策に振り向けるということではないでしょうか。

一方で怖いのは親露・嫌中が明確に出ており経済だけでなく軍事的にも危うい発言もあり安倍政権が米国からの圧力を利用して軍備を増強すし「軍事的自立」に向かうことです。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。オバマ大統領まで含めて、これまでのすべての大統領がスーパーリッチの代弁者だったと言うのは少し違うと思います。例えばオバマケアは、反対する人たちとの妥協の結果ですが、保険業界の意向を考えるだけなら、旧態依然とした制度で良かったわけですから。

それとトランプ大統領の場合、ヒモが付いていないのではなくて、ヒモそのものが大統領になってしまったと言った方がより正確なのではないでしょうか。スーパーリッチな人たちの既得権を取り上げるようなことはしないと思います。

「カーズ」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のような見方もできると思います。

実体としてもう一つ記憶しておくべきことは、共和党やビジネス界の主張してきた「小さな政府」とは裏腹に、大企業の多くは、連邦政府との契約で膨大な利益を上げてきているという事実です。トランプ氏のネットワークの中にはそのような利害関係者がゴロゴロしていますし、その人たちの既得権にまで手を伸ばさなければエスタブリュッシュメント改革は難しいでしょうから、前途は多難だと思います。

それ以前の問題として、レトリックとしての発言と本気で実現したいと思っている政策との関係も重要だと思います。

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