八の日平和行動と12・8平和を考える女たちのつどい
八の日平和行動と12・8平和を考える女たちのつどい
アメリカの大統領選挙は、クリントン候補の敗北によって「初の女性大統領誕生」は、残念ながら先送りとなりました。女性が大統領候補となり、実現も夢ではない時代を迎えたアメリカに比べ、日本の女性の地位は、144カ国中101位と、総理大臣候補に女性がなるどころか、余りにもお粗末な状況です。そんな中でも、女性の地位向上のために頑張っている「なかおやすみ」さんから、以下のような原稿が寄せられました。
「八の日平和行動」というのをごぞんじですか?
1980年12月7日、軍事化路線、有事立法体制を強める自民党政治に抗議しようと、東京山の手教会に1,500人の女性たちが集まり、「戦争への道を許さない女たちの集会」が開催されました。
それを機に平和を求める女性たちの連帯行動として「八の日平和行動」が提起されました。1941年12月8日、日本が真珠湾攻撃した日を再び繰り返さないため、八日を「不戦の日」として、全国に拡がりました。広島でも、1981年3月広島駅前で街宣ビラまきを始めました。以後、広島市、尾道市・府中市・福山市・竹原市へと運動が拡がりました。
竹原市では1985年1月から女性会議(旧日本婦人会議2003.4名称変更)竹原支部が街頭ビラくばりをはじめ、1988年1月からは地区労・部落解放同盟竹原市協女性部・日本婦人会議竹原支部で「八の日平和行動 女たちの会」を結成し、人権・平和・民主主義を柱に部落差別をはじめとするあらゆる差別、労働、くらし、教育、環境など女性をとりまく課題をテーマに学習し、市民に問題点をビラで訴えています。
まず、ビラの担当を毎月決め、学習会で意見交換をしています。世代を超えての意見交換は若い人から学ぶことが多くあります。時には、若い担当者が教え子ということも珍しくありません。
竹原市には「地図から消された島 おおくのしま」の存在を見過ごすことができません。また、原爆投下後、広島から逃げてきた被爆者の救援や、身内が被爆し探しに行き入市被曝をした人もたくさんいます。
そうした、歴史を共有する市民に訴え続ける中「ああ、今日は八の日だね」「ごくろうさま」と都会では見られない、暖かい気持ちでビラを受け取ってもらっています。また、数年前、30代の男性からは「こんなことを地道に続けているなんて知らなかった」と声をかけられたことがあります。先日も「30年も続けて表彰もんじゃねえ」とビラを受け取ってくれた市民がいました。
そして、1987年12月8日第1回「12・8平和を考える女たちのつどい」を開催し、今年は29回目になります。
年に一度、「八の日平和行動」の1年のしめくくり、女性解放の視点から平和を考える集会、戦争は最大の人権侵害であり環境汚染につながるということから人権・環境から平和を考えることをテーマに毎年、企画運営をしています。
時には集会の前に、街宣車を繰り出して、街頭演説をしたり街中を宣伝して回ったこともあります。震える手で準備した原稿とマイクを持ちながらの生まれて初めての街頭演説はよい経験です。
女性たちの小さな経験が、自信となってたくさんのことを考え、話していく力をつけていきたいものです。
広島県原水禁常任理事 なかお やすみ
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