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2016年10月30日 (日)

核兵器禁止条約締結への大きな一歩!


核兵器禁止条約締結への大きな一歩!

昨日は「いのちとうとし」さんも熱く語ってくれたトピックですが、今後の政治の分水嶺になるかも知れません。何度か取り上げ、考えて見たいと思います。

 

広島では2016原水禁学校が始まり、被爆者を初め多くの市民や組織が60年以上も続けてきた核廃絶のための運動を未来につなぐ新たな可能性が生まれています。その間、ニューヨークの国連総会第一委員会では、歴史的な決議案が取り上げられ、現地時間1027 (日本時間1028日朝) に、圧倒的多数で採択されました。

         

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 この決議は「L.41」と呼ばれていますが、その内容は、「やがては核兵器の全面廃止に至るであろう、核兵器禁止のための、法律的に拘束力のある条約その他の手段」についての交渉を、2017年に始めることです。第一委員会は、国連の中でも軍縮と国際安全保障について取り組む使命を持った委員会で、決定は多数決で行われます。今後、総会そのものでも決議が行われることになります。簡単にまとめると、核兵器禁止条約締結に向けての交渉が来年始まるのです。人類にとっての素晴らしい、大きな第一歩です。

 

投票結果は、賛成123、反対38、棄権16でした。

 

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 当然のことながら日本は「反対」です。「当然」と書いたのは、これまでの日本政府の核兵器についての言動からは、情けないことなのですが、このような結論しかあり得ないからです。しかし、その日本の外務大臣は広島選出の岸田文雄氏です。普段は外務省の言うなりでも、ここ一番では被爆者のために踏ん張って貰えるのではないかと一縷の望みを託していたのは私だけでしょうか。

 

穿った見方をすれば、まず総理大臣になる、そして総理大臣になった暁には、国際社会での言動は、被爆者の意向を全面的に反映させたものにする、という作戦でもあるのでしょうか。仮にそうだとしても、自民党総裁の任期が延長されるわけですから実現までには時間が掛かります。その間にも、日本の政治の劣化は止まらない様相を呈しています。

 

現在の日本の政治の「軍国主義化」そして国際舞台での「アメリカ追随」と「力の支配」の信奉を続けると、1930年第40年代の日本と同じく、「周回遅れ」の悲しい筋書きから、大いなる悲劇に続くシナリオになってしまいそうです。それを変えさせる上で、私たちの力が足りなかったのかもしれませんが、未来世代のためにも新たな戦略を練りましょう。

 

大切な投票結果ですが、訳すのには時間が掛かりますので、ICANというNGOのホームページへのリンクを張っておきます。英語ですが、賛成国、反対国、棄権国が良く分ります。

掻い摘んで大体の傾向を要約しておくと、賛成したのは、オーストリア、ニュージーランド、インドネシア、フィリピン、メキシコ、コロンビア、コスタリカ、ブラジル、南アフリカ、スエーデン、ベトナム等の国々ですが、核保有国の中では、唯一、北朝鮮が賛成しています。

 

反対したのは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、イスラエルの核保有5カ国、そして日本やオーストラリア等の「核依存国」、ほとんどのNATO加盟国、それと北欧の国だけを取り出すと、ノルウェーとデンマークです。この結果とつなげるべきなのかどうか疑問は残りますが、被爆者へのノーベル平和賞が実現しなかった背景には、このような要素もあるのかもしれません。(因みに、コロンビアの紛争解決のためには、ノルウェー政府は積極的に動いていました。)

 

棄権した国々ですが、まず核保有国の中国とインド、パキスタンが目立ちます。スイスやオランダも棄権しているのはNATOへの配慮と、核兵器禁止条約の大切さとの間での微妙な決定だったのかもしれません。

 

この決議案が提出されたのは、8月にジュネーブで開かれた国連の「公開作業部会」が採択した報告書の勧告に従ってのことでした。そして、今回の決議では、核兵器禁止条約締結のための多国間交渉が2017327日から31日までと、615日から77日まで、20日間開かれることになっています。

 

日本政府は、この交渉には応じるようらしいのですが、決議案に反対した理由としては「核保有国と非核保有国との対立をさらに深刻にしてしまう。核兵器の廃絶は核保有国と非核保有国の協力によって実現されなくてはならないからだ」というようなことを言っています。さらに、多くのメディアは「核の傘に依存しているという事実もある」と断定しています。

 

因果関係を無視した発言、妄想を事実と報道するメディア、それを簡単に信じてしまう市民と、3拍子が揃ってしまうと、何度も書きますが、「周回遅れ」が「二周遅れ」「三周遅れ」になってしまいます。もう一度、核兵器だけに限っても仕方がありませんが、何が事実であり、人類が生存し続けるためにその事実に基づいた選択ができるよう、一から考え直さなくてはならないと思います。

 

この項、続きます。

 

[写真はIPPNWXanthe Hall氏による]

 

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