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2016年8月25日 (木)

「平和を共有するための朝鮮半島フォーラム」の報告 その3 南北統一と核兵器

「平和を共有するための朝鮮半島フォーラム」の報告 その3

南北統一と核兵器

 

二日目の820日には三つのセッションに加えて夕食前の講演があり、全部で四つの「分科会」があったという感じでした。

 

第一セッションでは「国際平和実現のためのカトリック教の役割」というテーマでしたが、ベルグラードとサラエボ等バルカン半島から参加した司教、大司教、枢機卿というタイトルを持つ、カトリックの世界では高い地位にいる人たちが、紛争の現場で体験した生々しい報告をしてくれました。マスコミの報道とは違う切実さと戦争の犠牲者にされてしまった庶民の苦しみが伝わってきましたし、紛争地で宗教の果たせる役割が、普通「宗教」という言葉が包含する以上に大きいことも実感できました。

                  

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 戦争ですから、死者が出ることは予想できますが、生き残った人たちの毎日の生活が成り立つよう、破壊された教会を中心に、信者かどうかを基準にするのではなく助けられる人には誰にでも手を差し伸べたこと、そのために、聖職者たちが水・食料・着るもの、そして医療も確保し、心のケアも熱心に行っていたこと等、必要不可欠な活動を地道に諦めずに行ったことが謙虚に報告されました。

 

紛争解決のための介入さえも、結局は弱者の「正義」を守ることにならず、今でも戦争犯罪人が権力を握っているケースも多いこと、外国が関与することで、こうした不正義や人権の蹂躙が解決には向かわず、弱い者いじめに拍車が掛かってしまったこと等、多くの指摘が行われました。今回の講演を機に、バルカン情勢について改めて勉強し直した上で、より具体的な理解をして行きたいと思っています。

 

第二セッションでは、「紛争を解決し平和を構築するための国際社会の努力」が取り上げられました。ここで印象的だったのは、韓国の神学校の教授と、イギリスの紛争調停の専門家の二人から、同じような発言のあったことです。私も日頃からこの点を強調してきた積りなのですが、国際会議で二人の発言者が共に、「戦後の世界は平和になってきている」ことをデータを示して指摘してくれたのです。私の持っていないデータもありましたので、今後、使わせて貰うことを前提にデータを借りることができました。

 

第三セッションは、「朝鮮半島の平和について、現実の診断と実現のための処方箋」というテーマでした。中国とアメリカから、政府の代表ではないのですが、専門家がそれぞれ一人ずつ参加していました。やはり大国になると、自然と自国の弁護になってしまうのかな、ということに気付いて、自由に考えることの難しさと同時に大切さも再認識できました。

 

そのほかに気付いたことを三つ挙げておきたいと思います。一つは、南北問題を解決するに当って、仮に時間が掛かっても対話と交渉、信頼創りといった道しか選択すべきではない、という点を全員が強調していたことです。

 

二つ目は、パネリストの一人の提案で、虚を突かれた思いがしたのですが、それは、南北問題の解決のための一つの方法として、韓国が中国から「積極的安全保障」という約束を取り付ける、というものです。つまり、韓国がどこかから核攻撃をされた場合、中国が核で報復をするという約束です。

 

核抑止論を捨てずに議論するとこんなアイデアも出てくるという風に解釈しても良いのかもしれませんが、突飛なアイデアから、現状を打破する可能性も生まれるかもしれないという意味では、評価できるのかもしれません。そしてこれは、もう一つの提案と合わせて考えると、前向きに捉えた方が良いようにも思いました。

 

それは、アメリカと北朝鮮の関係改善のために一番有効なのは、ピョンヤンにアメリカ大使館を置くこと、という提案です。これなら直ぐできそうですし、オバマ政権の置き土産として実現して貰えると、素晴らしいと思います。

 

三つめは、北の核についてかなり突っ込んだそして熱の入ったやり取りになったのですが、その中でのキープレーヤーとして挙がったのは、南北は勿論ですが、中国とアメリカ、そしてちょっぴりロシアが出てきました。日本に触れた人は誰もいませんでした。外務省のお役人や、事大主義の政治家ならここで、「日本も核を持っていれば、こんなに無礼な扱いを受けなくても良いのに」と考えるところなのでしょう。

 

最後に、私は「ヒロシマの心を世界に」 でも取り上げた、オバマ大統領のプラ

ハ演説そして広島訪問の結果、アメリカ社会の「原爆投下は正しかった」と考えている人が劇的に減ったことと、「核の先制不使用宣言」 そしてそれが実現す

れば、もう一つの目標である「北東アジアの非核地帯条約」につながるという話をしたのですが、モデレーターからは「トルーマン大統領が言った『原爆投下は正しかった』は間違っていたのか」という質問があり、また、会場の雰囲気として「原爆投下が正しかった」には違和感を持たない人の方が多いことも感じました。

 

アメリカの世論が変わる中、韓国の世論、そして韓国やアジアについての日本人の偏見や差別感等の既成概念について、オバマ大統領の広島訪問を一つのモデルとして、市民レベルでの取り組みができないものか、新たな宿題を貰った会議になりました。

 

 

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