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2016年8月19日 (金)

核先制不使用宣言 その2


 

核先制不使用宣言 その2

 

 

昨日は「今後、安倍総理に『唯一の被爆国』という言葉を使う権利はなくなりました」と書きましたが、それは強調のためで、これまでは使う権利があったという意味ではありません。念のため。

 

さて十分頭が冷えたどうかは別として、昨日の続きです。アメリカが「核先制不使用宣言」をすることで、非核保有国が、広島・長崎と同じ運命にさらされる危険性はなくなり、同時に、「広島・長崎への原爆投下は間違いだった」ことを認める結果にもなります。大統領訪問の是非が議論されたときに取り上げられた「謝罪」という視点から考えると、「ごめんなさい」と直接、言ってはいませんが、「原爆投下そのものは間違っていた」と言うに等しいのですし、「今後、同じことはしません」という決意でもあるのですから、100パーセント「謝罪」することにはならなくても、その方向にかなり踏み込んでいることにはなるでしょう。これを「謝罪のプロセス」が始まったと考えることもできるのではないでしょうか。

 

以上は、昨日述べたことの繰り返しなのですが、問題はその次です。曲がりなりにもアメリカが「謝罪のプロセス」を始めたにもかかわらず、日本の総理大臣が、それに対して「原爆投下は正しかった。だから謝罪は必要ない」と言う必要があるのでしょうか。いやそんなことが許されるのでしょうか。広島訪問に当っては「謝罪」を前提にはしなくても良いというのが多くの人の判断でしたが、でもアメリカ側から謝罪、あるいはそれに近い意思表示があった場合の対処の仕方は少し違うでしょう。謝罪を拒否することはないでしょうし、自分の都合だけではなく、被爆者や戦争の犠牲者に「思いを致す」のなら、拒否してはいけないのではないでしょうか。

 

次に、国際社会から、日本という国がどう見られるのかを考えて見ましょう。アメリカが「核先制使用」という方針を変えて「不使用」にするかどうかの議論をしているときに、日本が諸外国の先頭を切って「不使用」に反対することで、仮想敵国にとっては「悪の元凶」という位置付けにされてしまう可能性も考えておくべきでしょう。

 

実際に戦争、あるいはそれに近い関係にある国同士、「屁理屈」としか言いようのない理屈をつけて軍事行動を取ったり、その他の理不尽な言動に走ったりすることは歴史上枚挙に暇ありませんが、それも視野に入れつつ、冷静に論理的議論をしておくことも大切です。

 

「不使用」に反対する理由として、安倍総理は北朝鮮に対する抑止力が弱まると考えているようですので、北朝鮮に絞って考えましょう。しかし、一般論としてどの国にも当てはまることがほとんどです。

 

北朝鮮が、核を使わないまでも、アメリカが核を使わざるを得ないような状況として、具体的にはどんな可能性があるのでしょうか。核使用に準ずる戦闘行為としてどんなことが考えられるのか、常識的には難しいのですが、一例として、38度線を越えて本気で戦争を再開する可能性を考えて見ましょう。

 

Map_korea_without_labels

  

 

しかし、そうなった場合、アメリカは本当に核兵器を使うでしょうか。かつての朝鮮戦争でも可能性が論じられ、「使わない」という結論になったにもかかわらず、今という時代にそれを覆してまで核兵器を使うという「立派な」「口実」は先ず見付かりません。

 

さらに、南と北の休戦が続いているのは軍事的な力関係だけではなく、両サイドの経済力、国民の意思、周辺諸国の関与の仕方等、複雑な要素が絡み合っての結果だと考える方が合理的です。

 

ここでのポイントは、安倍総理が理由として挙げた、北朝鮮に対する「抑止力」の内実が存在しないということです。つまり、核によって初めて「抑止」でき、他の方法では抑止できないという対象がないのです。にもかかわらず、「抑止力」の低下を云々しても意味がありません。他の可能性を検討しても良いのですが、ポイントは伝わったと思いますので、次に移りましょう。それは次回に。

 

 

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