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2016年4月11日 (月)

G7外相会合 市民シンポジウム

G7外相会合 市民シンポジウム

 

G7外相会議が開催された今日(4月10日)午後2時半から広島市まちづくり市民交流プラザで、核兵器廃絶日本NGO連絡会と核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)共催の「G7外相会合にアピールしよう!核兵器禁止条約に向けて  市民シンポジウム」が、106名の参加者を得て開催された。

 

核兵器廃絶日本NGO連絡会共同世話人の朝長万佐男さんのあいさつで始まったシンポジウムは、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表森瀧春子さんのコーディネートで進行され、最初に6人のパネリストから意見が述べられた。

 

ピースボート共同代表でICAN国際運営委員の川崎哲さんは、パワーポイントを使いながら最近の核兵器禁止条約をめぐる動きを報告しながら「他の非人道兵器が禁止されてきた中で、核兵器のみが禁止されていない。しかし、核兵器禁止条約の締結が目に見えてきたと言える。同時に、私たちの課題として北東アジアの非核化をも見据えなければならない」と述べるとともに今後の国連作業部会の動きや主要な論点(核保有国の欠席、核兵器禁止推進派、核の傘下国の主張)についても詳しく報告された。

               Trial  

次に開会あいさつをされた朝長万佐男さんから、2月にジュネーブで開催された「核兵器の非人道性と国連公開作業部会(OEWG)」第1回会議に参加して感じた状況の報告があった。OEWGの議長であるトン・タイ国連大使が、「会議は、オープンで透明性の高いものする」とのあいさつがあったことが紹介された。日本政府については、「世界の流れが力となって、出席することになった」が、「現在の核状況を考えるとき、実務的に実現可能なものを考えるべきで、法的ギャップは存在しない」「核兵器禁止条約は、時期尚早」「非人道面と安全保障の両面から考えるべきだ」などと従来通りに「核の傘下国」の意見を代表する主張を繰り返したことが報告された。核兵器禁止条約を主導するオーストリアからは「核兵器の非人道性は国際的コンセンサスを得た」の発言があったことが紹介された。

 

1歳と4か月の時、爆心地から2.3kmの牛田東の土手の上で被爆し、何とか生き延びることができた日本被団協事務局次長の藤本俊希さんは、「被爆者がこのG7外相会議に求めることは、核兵器のない世界を一日も早く作ることを決意すること」であり、「日本被団協の結成宣言にある『ふたたび被爆者をつくらせない』をぜひ誓ってほしい」「先進国というのなら、核廃絶の先頭に立つべきだ」と強く述べるとともに、自らも今後も核兵器のない世界へ向けて国際社会などへ働かけていくという決意も述べた。

 

原水禁国民会議の藤本泰成事務局長は、去る3月31日から4月1日かけてワシントンDCで開催された核セキュリティー・サミットに向けて安倍首相と日本政府に対して行った「六ケ所村使用済み核燃料再処理工場開始計画の無期限延長を求める署名活動」の模様を報告しながら、「日本のプルトニウム利用政策の転換がいま強く求められている」とプルトニウム保有の危険性を強く訴えた。

 

いま被爆体験の継承や反核運動の担い手として期待されている若者を代表し、広島盈進高校ヒューマンライツ部の部員達による「にんげん 坪井直 魂の叫び」という構成詩が発表され、最後に部長の橋本瀬奈さんが、被爆4世として自分の曾祖父の被爆の実相をたどった体験から学んだこと、そして「もう誰にも自分と同じ思いをさせてはならない」という被爆者の声に耳を傾け、その思想に学ばなければならないと強く思ったことが報告された。最後に全員で「ネバーギブアップ」(坪井直さんの口癖)の大合唱。会場からは、一番の拍手が沸き起こった。

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最後に、私が第1回原水禁世界大会の宣言文を紹介しながら、「原水爆の禁止なくして被害者の救済はない」ことを強調するとともに今年は、ICJ(国際司法裁判所)の勧告的意見、CTBT(包括的核実験禁止条約)が締結されて20周年の節目の年。改めてすべての核被害者との連帯が必要だということを再確認すべきだ。今の核情勢の中で問われるべきは、日本政府の核政策。国会論議も核問題は低調な中で官僚主導の政策決定が進んでいる。ここを変える私たちの努力の必要性を訴えた。

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その後会場からの質問や意見を受けた。被爆者からは、「G7の宣言文に非人間性に触れないと言われているが、そんなことでよいのか」との意見が。また「原発事故が依然と深刻な状況にある」ことなど原発政策にも多くの意見が出された。「核は絶対悪であるということを学んだ。日本は4度のひばくを体験した。それを発信するには、一人ひとりが何をするかが問われている」などの感想も出された。

 

このシンポジウムをまとめる「被爆地ヒロシマからG7外相へ 核のない世界のための行動を求める市民の声明」(資料参照)を参加者で確認し、直ちに参加国大使館と外務省にメールで送信された。国連にも送ることになっている。

 

最後に核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表の青木克明さんから「盈進高校の参加で、若い人たちも多く参加していただいた。今後も市民が力を合わせてがんばろう」との閉会のあいさつでシンポジウムは終了した。

 

金子哲夫 (広島県原水禁代表委員・元衆議院議員)

 

 

資料

「被爆地ヒロシマからG7外相へ 核のない世界のための行動を求める市民の声明」

 

被爆地広島からG7外相へ
核のない世界のための行動を求める市民の声明

地球上には今なお1万5000発以上の核弾頭が人類の生存を脅かしており、核のない世界への展望は開けていません。むしろ核拡散の波は広がり、貧困、不平等、環境破壊と暴力の連鎖が世界中でさまざまな人道上の危機をもたらしています。
ここ被爆地広島で開催するG7会合は、70年前の核兵器の使用によってもたらされた未曾有の非人間的体験からヒロシマ・ナガサキが得た教訓「核と人類は共存できない」を踏まえたものでなくてはなりません。
私たち市民は、G7外相に以下のことを求めます。

1.核兵器の非人道性についての認識をはっきりと示し、核に依存した安全保障政策から決別してください
被爆者の声に耳を傾け、いかなる核兵器の使用も壊滅的で非人道的な結末をもたらすという認識、そしてそのような破滅を決してくり返してはならないという強い決意を明確に打ち出してください。

核兵器は人道的見地からも法的・政治的見地からも、使うことの許されない兵器です。すべての核保有国と「核の傘」の下にある国々は、核兵器に依存した安全保障から脱却し、核によらない安全保障の構築に向けて行動を開始してください。

2.核兵器の禁止と廃絶に向けて、明確な一歩を踏み出してください
核兵器の使用・威嚇は国際人道法に一般的に違反しており全面的な核軍備撤廃のための交渉を行い完結する義務があるとした国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を再確認してください。

核兵器のない世界のための法的措置に関する国連作業部会(OEWG)に参加し、核兵器禁止条約の交渉開始に向けた議論に積極的に参加してください。

3.北東アジアに非核・平和の秩序をもたらす努力を強めてください
北朝鮮が核実験を含む核開発を続けていることに対して、制裁手段に頼るのでなく、非核兵器地帯の設置を含め、北東アジア地域に非核・平和の秩序をもたらすような外交努力を進めてください。

北東アジアの領土問題や海洋の安全保障問題に対しては、軍事的挑発を避け、紛争の平和的解決の原則に則った冷静な対処が必要であることを確認してください。

4.核拡散や核テロにつながる核物質を管理すると共に、これらを防止する政策を強化してください
核拡散や核テロの防止を強化するためにも、プルトニウムと高濃縮ウランの最小化と管理強化が世界的に必要であり、G7各国は率先して行動すべきであることを確認してください。

とりわけ日本が約48トンという大量のプルトニウムを利用目的の説明のつかないまま保有していることは深刻な問題であることを認め、青森県六ヶ所村の再処理工場の運転凍結を促してください。

インドなど核不拡散条約(NPT)非締約国に核保有国としての例外的地位を認めるような形での原子力協力・協定は許されません。私たちはとりわけ日印原子力協定の締結に反対しており、昨年12月に日印政府が原則合意したとされる協定の内容に関する完全な情報公開を求めます。

5.軍事費を減らし、テロ問題の根源に対処する平和外交を進めてください
私たちは、昨年一年間で1兆7千億ドルが軍事費に使われ、その一方で貧困、雇用、社会保障、持続可能な開発、人権、難民、災害対策、環境問題への対処が世界中で立ち後れている現状を深く憂慮しています。世界の軍事支出の約半分を占めるG7諸国は、軍事費を人々のニーズに振り向けることを主導する責任があります。

世界で深刻化するテロリズムの問題については、武力による対処ではなく、そうした問題が発生する根源となる社会的、経済的、政治的要因に対処することが重要です。G7諸国はそのような認識を持ち、持続可能な開発目標(SDGs)の促進に向けて努力してください。
2016年4月10日
広島にて

核兵器廃絶日本NGO・市民連絡会
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会


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