2018年7月18日 (水)

非武装中立論 ――豪雨災害からの教訓 (9)――


非武装中立論

――豪雨災害からの教訓 (9)――

 

前回は、自衛隊を災害救助隊に進化させる上で、国際災害救助隊「サンダーバード」を創設しようという水島朝穂先生たちのアイデアについて御紹介しましたが、具体的にどのようプロセスで自衛隊からサンダーバードへの改革が行われるのかについて、私はまだ勉強不足ですので、知識が追い付いた時点でまた報告させて頂きます。

 

プロセスについて限って考えることもできますが、その点で分り易い議論になっているのが、石橋政嗣氏の「非武装中立論」です。内容は同名の書籍として、1980年に社会党から出版され、ベストセラーにもなりました。1983年から1986年までは社会党の委員長として敏腕を振い、その後土井たか子さんにバトンを渡しています。

 

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石橋論が分り易いのは、自衛隊の縮小と災害救助隊の創設とは切り離して、いわば二本立てで [自衛隊 ⇨ 災害救助隊] のプロセスを考えているからです。後者については、これを「平和国土建設隊」と呼んで、次のような形で創設すると述べています。

 

高度の技術を駆使して、国土改造計画に基づく調査、建設、開発、あるいは救援活動、復旧作業に従事することを目的とした平和国土建設隊は、自衛隊とは全く別のものとして創設し、その隊員は主として一般から募集し、本人の希望によって、自衛隊からの配置転換をもはかるというようにしたいと思っています」

 

この考え方は、1958年に社会党から党の政策の柱の一つとして「平和国土建設隊設置要綱」という形で公表されています。ですから石橋構想では、自衛隊をどう縮小・解体 (という言葉を使ってはいませんが、分り易く表現しました) するのかに焦点が合わされています。こちらが説得力を持てば、平和国土建設隊を強力に後押しすることになりますので、石橋構想を簡単に紹介しておきましょう。

 

非武装中立論の前提として、非武装中立の方が、武装同盟よりベターであることが述べられています。

 

 まず第一の理由として、周囲を海に囲まれた日本は、自らが紛争の原因をつくらない限り、他国から侵略されるおそれはないという点を指摘したいと思います。

 第二は、原材料の大半、食糧の60%、エネルギー資源の90%余を外国に依存し、主として貿易によって、経済の発展と国民生活の安定向上を図る以外に生きる道のない日本は、いかなる理由があろうと、戦争に訴えることは不可能だということです。

 

これに対して当然出てくる「戸締り論」、つまり、泥棒に入られないように事前に入口にはカギを掛けておく必要がある、という主張への反論も説得力があります。詳しくは、『非武装中立論』をお読み頂きたいと思いますし、ネット上にもその紹介がありますので、そちらで御覧下さい。

 

しかし、重要なのは、「攻めるとか、攻められるとかいうような、トゲトゲしい関係にならないように、あらゆる国、とくに近隣の国々との間に友好的な関係を確立して、その中で国の安全を図るのだ」という点です。

 

さらに、歴史的な事例からの教訓として、19458月に、日本は戦争の結果として降伏していることを指摘しています。降伏したことが誤りだったと主張している人はほとんどいないという事実も、仮に戦争という事態になったとしても、その決着の付け方を短絡的に考えてはいけないことを示しています。

 

そして、非武装中立を実現する上で特に重要なのが、そのプロセスであることを強調し、どんな考え方で自衛隊の縮小を進めて行くべきなのかを説いています。

 

自衛隊についていうならば、われわれは、最低つぎの四つの条件を勘案しながら、これを漸減したいと考えています。

 

 条件の第一は、政権の安定度であります。換言すれば、彼我の力関係です。

 隊員の掌握度であります。

 われわれの政権が推進する、平和中立外交の進展度です。

 以上三つの条件が充たされるなかで、われわれは、はじめて第四の条件である、国民世論の支持をも得ることができるのだと思うのです。

 

石橋構想の説明中、特に注目すべき点は、1945年の「降伏」を歴史的にどう捉えるのか、なのではないかと思います。改憲論者が主張するのは、極東裁判は間違っていた、現行憲法はその延長線上で押し付けられたのだから、「押し付け」を受け入れてはいけない、ということですが、確かに、「降伏」そのものが誤りだったという主張にはなっていないようです。

 

その点も踏まえて、経済学者の立場から日本という国家を捉え直した森嶋通夫氏著の『国家の選択』も、災害救助隊を考える上での参考になりますので、次回、取り上げたいと思います。

 

[2018/7/17 イライザ]

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2018年7月17日 (火)

『きみはサンダーバードを知っているか』 ――豪雨災害からの教訓 (8)――


『きみはサンダーバードを知っているか』

――豪雨災害からの教訓 (8)――

 

自衛隊を災害救助隊に進化させるというアイデアを聞いて、多くの人が思い浮べるのが、「サンダーバード」だったとしても不思議ではありません。それは、26年前、当時、広島大学で大活躍をしていた、現早稲田大学教授の水島朝穂さんが、「同志」とともに世に問うた、『きみはサンダーバードを知っているか』のお陰です。

 

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この本は、今やこの分野における古典的な存在にまでなっていますが、その理由はハッキリしています。まず、その基本的考え方は誰にでも理解できるストレートさを持ち、しかもテレビの人気番組のコンセプトをそのまま現実世界に移植していることから、子どもたちにも親しみを持って受け入れられたからです。

 

私と同じように、そもそも「サンダーバード」とはと、聞かなくてはならない人のための解説ですが、ここでも水島先生御自身の言葉で語って頂きましょう。昨年11月、『きみはサンダーバードを知っているか』発刊25周年を迎えて、先生の「直言」というブログにアップされた一文からの引用です。

 

1964年に英国で制作された連続テレビ人形劇で、2026年の近未来を舞台に、大事故や災害から人命を救い出す国際救助隊の活躍を描いたもの。日本では1966410日(日)18時からNHK総合テレビで初放映された。私は中学1年生だったが、毎日曜、生でみていた。その後、民放でも繰り返し再放送されている。

 

サンダーバードそのものの説明は、水島ゼミ21期生の菅野仁啓さんによる簡潔な説明が、同じブログ内にありましたので、それを引用させて頂きます。

 

サンダーバードは、近未来の世界において、大金持ちのトレーシー一家が世界のどこかにある孤島、トレーシー・アイランドを拠点とした「国際救助隊」を組織し、各種のスーパーメカを使って、世界中で起きるさまざまな災害に立ち向かい、世界の人々のために身元を隠して活動するという人形劇である。CGのない時代だったが、最高級の撮影テクニックを駆使しており、半世紀が過ぎたいまみても、不思議なまでのリアリティーを感じる。彼らの使うメカは多種多様で、深海から太陽直近まで活動をするという圧倒的な性能を持ち、また独特なメカニックデザインが光るといったもので、メカ好きの私にとってはたまならなかった。何よりも「国際救助隊」の活動の目的は誰かを「倒す」ことではなく、「救う」ことなのである。この点は、それまで私がみていたテレビ番組とは決定的に違っていた。

 

このサンダーバードを現実の世界で、日本という国家のイニシャティブにより、しかも平和憲法の目指す方向の具現化として、自衛隊という組織を進化させる形で実現するというのが水島先生たちの考えでした。そこの根底のあったのは、災害救助そのもののあり方の問い直しでした。それを踏まえて、『きみはサンダーバードを知っているか』執筆の目的を水島先生は次のように述べています。

 

自衛隊の「余技」としての災害派遣ではなく、この国の災害救助組織のあり方を再考することである。

 

このような「再考」が、1990年代に行われていれば、今回の豪雨災害後の国や自治体の動きが大きく変っていたのではないでしょうか。でも今からでも遅くはありません。私も「サンダーバード」の世界について少し勉強した上で、災害救助隊についての検討を進めたいと思っています。

 

[2018/7/16 イライザ]

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コメント

あらま、水島朝穂教授のファンでありながら、
先に、サンダーバード構想に言及されていたとは😢😢
片仮名大好き日本人、どうして飛びつかぬ。

確かに豪雨災害の場面は多かったですね。
未だに国際救助隊が来てくれたらと思う自分の感覚はおかしいのかと思っていたら,あながちそうでもなさそうで安心しました(笑)

今日、「サンダーバード」ねたをボランティア活動後に行った街頭演説で早速使わせていただきました。「サンダーバード」の歌もちょっと歌いました。はっとしてこっちをご覧になる人が多数・・。

「硬い心」様

コメント有り難う御座いました。

自衛隊を評価している人の多くは、災害救助の際の自衛隊の活躍を評価しているようですので、それから「サンダーバード」に思いが発展しても良さそうに思います。

「ふぃーゆパパ」様

コメント有り難う御座いました。

日本には高度の技術があり、お金も人手も十分にある、と思い込まれてしまっているのでしょうか。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

「サンダーバード」の歌、聞いてみたいです。

2018年7月16日 (月)

土砂災害防止法と予算 ――豪雨災害からの教訓 (7)――


土砂災害防止法と予算

――豪雨災害からの教訓 (7)――

 

1999629日に広島地方を襲った豪雨災害の惨状を検証した結果、今後、同じような被害を繰り返さないようにという趣旨で土砂災害防止法として知られる法律が翌2000年に作られました。立法措置としてはかなり迅速に対応が行われた例ではないかと思います。

 

その概要ですが、次のようにまとめておきたいと思います。

 

この法律では、土砂災害を次の三つに分類しています。

 

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国土交通省のホームページから (以下同様)

黄色で示してあるところが「警戒区域」、赤が「特別警戒区域」です。

 

急傾斜地の崩壊、地滑り、そして土石流です。国ならびに地方自治体は、これら三種類の危険のある地域について調査を行い、危険地帯の中でも深刻なケースについては次の二つの要警戒地域として指定するというのが、第一の段階です。二つとは、「土砂災害警戒区域」  (以下、警戒区域) と「土砂災害特別警戒区域」 (以下、特別警戒区域) です。

 

前者の指定をされた地域では、災害発生時に迅速に避難できるような体制を整備することが義務付けられています。つまり、「警戒区域」に指定された地域に住んでいる人たちにその事実を周知し、災害発生時の避難準備を日頃から心掛け、その結果として、いざという時には避難勧告や避難指示に従い、被害が最小限で済むようにする、ということが目的です。簡単にまとめると、「警戒区域」は、ソフト的な概念である避難に焦点を合せた考え方で、避難によって被害の軽減を図るために指定する、という意味があります。

 

「警戒区域」の周知はハザードマップによって行われています。ネット上のハザードマップを拡大して見ないと、特に「警戒区域」とそうでない区域の境界周辺では分り難いので、ネット情報を御覧になることをお勧めします。ちなみに我が家は、ギリギリのところで「警戒区域」から外れています。

 

それに対して、「特別警戒区域」は、「警戒区域」の中でも特に危険度が高い地域において、ハードに焦点を合せて事前に被害を少なくしようという目的を持っています。

 

つまり、この地域には新たに住居を建てる際には特別の規制があって、①土砂災害に対して一定の強度を持つ建物しか建築できないのです。②また、既にこの区域に建てられている建築物で、十分な強度を持たないものについては、強度を上げるような改修を行う、あるいは、その建物は諦めて、安全な地域に新たに建物を建築するといった対応を行うよう、行政が勧奨しそのための経済的・制度的な支援を行う、というものです。

 

 については、建築費用が区域外の場合より高くなるかもしれませんが、安全性のための投資ですから、それなりに納得して貰えるのではないと思います。

 

問題は②の場合です。現在の住宅の除却 (取り壊してゴミとして処理する) そして新たな住宅の新築にはかなりのお金が掛ります。しかも「特別警戒区域」外に住んでいれば全く必要のない支出なのですし、特に高齢者の場合、それだけの貯えのない人がほとんどだと思います。となると、行政からの「支援」のあるなしで、この施策の現実性が決ってくることになります。

 

では実際、いくらくらいの補助金が出るのか、広島市の場合を見てみましょう。

 

(a) 改修の場合――改修金額の23%までで、補助限度額は759,000円です。

(b) 今住んでいる住宅を除却し、安全な地域に新築する場合――除却費用としては、上限802,000円まで、そして新築の際には、建設費または購入費に充てる借入金の利子相当額に補助がでますが、通常は建物に対しては上限が319万円、土地に対しては96万円です。

 

結局、危険な区域に住んでいる人が借金をして危険でない場所に移住するという制度です。特に高齢者の場合、生きている内に借金を返せるかどうかという問題もあり、支援が基本的には利子だけにしかない、という制度ではほとんど使えないという結果になっています。

 

さらに、「長く住み続けてきた家からいまさら離れることは心理的にも難しい。万一の場合には、住み慣れた今の家で最期を迎える覚悟で住み続ける」とハッキリおっしゃった方もいました。

 

この補助金の利用者数等、具体的な数字を持ち合わせていませんし、担当部署に問い合わせるなどということは、一番忙しく重要な仕事をしている方々に、今の時期とてもお願いできることではありません。国土交通省の統計で、この法律・制度だけではなく、国が直接整備をした箇所も含めて、急傾斜地で危険な個所数とその中で整備が行われた箇所の割合を見ることで、全体的な傾向を推測してみましょう。

 

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ここで重要なのは、H9年、つまり1997年の広島の豪雨災害前、ということは土砂災害防止法施行以前と、H14年、つまり2002年、施行後2年経ってからの比較です。

 

1997年には、整備箇所は危険箇所の19.8%だったのですが、2002年には18.1%と比率で言えば整備がある意味では後退していることを示しています。新たな開発地などが増えたことと、土砂災害防止法に依って詳細な調査が進み、危険箇所は31%増えたことが大きいのかもしれませんが、それだけ危険なところに市民が住んでいる実態が分った訳ですから、政府としては、この時点で抜本的な土砂災害対策に乗り出すべきだったのではないでしょうか。

 

残念ながら、「抜本的な」見直しは行われず、予算措置も一向に進まず、不必要な軍事費や海外への大盤振る舞いだけは増え、市民生活を危険から解放するという、ごく当り前の、つまり「普通」の施策には至らなかった結果は前回お伝えした通りですし、また新たな情報をコメントとしても頂きました。

 

さて、どうすれば良いのか、答が自衛隊の改組であることは既にお知らせしていますが、こんなに素晴らしいアイデアを考え付いたのは、当然私が初めてではありません。これまでの提案も復習しながら考えて見たいと思います。

 

[2018/7/15 イライザ]

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コメント

 土砂災害危険区域に該当する地域の高齢者の場合は、老人ホームなど介護サービスを利用できるほどの介護度は無い、さりとて、日常生活に不便を感じておられる場合は多いと思います。マイホームの移転よりも、県や市で、安全な場所(なおかつ生活にそこそこ便利)の空き家を賃貸住宅で斡旋するのが良いかと思います。住宅セーフティネット法もできてはいるが、現実には、民間は高齢者に貸さない。となると、安全な場所の空き家を借り上げて公営住宅にする方式が落としどころだと思います。街頭演説等でもわたしは時々指摘しているのですが、さらに踏み込めば、日本の賃貸住宅政策の貧困(と裏腹の過剰なマイホーム主義)もこの問題の根本にあると思います。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。

御指摘のように、「マスホーム主義」に疑問を持たず、苦労して一戸建ての「我が家」を建てたのに、災害のために賃貸に移る、とスイッチを切り替えられる人は少数でしょう。

でも、その選択肢もあるのだという事実はきちんと提示し続ける必要があると思います。

2018年7月15日 (日)

災害対策予算の大幅増額を! ――豪雨災害からの教訓 (6)――


災害対策予算の大幅増額を!

――豪雨災害からの教訓 (6)――

 

自衛隊を災害救助隊に改組して、その主たる任務を災害救助に充てるという考え方のかなり大きな理由はお金です。自衛隊の全予算は約5兆円という大雑把なイメージを頭に置いて、これからの問題提起をお読み頂けると幸いです。その予算全てを災害対策に回せとまでは言いませんが、仮に自衛隊が災害救助隊になり、現予算の半分を災害対策に回せるようになったとすると、現在よりは大幅に状況は改善されます。

 

その5兆円がどんなことに使われているのか、最近の「買い物」リストをチェックしただけでも、無駄遣いが如何に多いのかは御理解頂けると思います。

 

戦闘機としては使えない性能であることが分っているF35戦闘機は、1機あたり約130億円。それを42機の購入予定、合計5460億円。オスプレイ17機セットを1機あたり約220億円、総額3600億円で購入、以前に購入した24機と合わせると、9020億円。さらに、イージス護衛艦の弾道ミサイル対応艦を8隻態勢とする改修と建造に約1000億円、そして、ミサイルの迎撃そのものに対する疑問が多くある中でのイージスアショア2基で合計約1600億円。これだけ合わせただけで、17080億円です。

 

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1220億円、事故多発のオスプレイ

 

兆を超える軍事予算に対して災害対策費は、雀の涙ほどの額しかありません。一例として、今回大規模な被害のあった倉敷市真備町を見てみましょう。真備町の被害は、高梁川に合流する小田川が決壊したことが原因ですが、その危険性は早くから理解され、対策も立てられていました。

 

簡単に図示すると、[1968年堰建設計画→2002年中止→2010年付け替え工事決定→今秋着工予定]ということなのですが、堤防の決壊を避けるために、堰を作ることが計画され、その後、小田川と高梁川との合流の仕方を変える計画が2010年に立てられたものの、結局、それから8年も経ってようやく工事に着工という手順になったのです。その原因はお金です。

 

国が、災害対策を優先する予算配分をしていれば、計画立案後すぐにも工事は始まっていたのです。それも、事業費は280億円です。オスプレイ1機とほぼ同じではありませんか。使い物にならず事故ばかり起しているオスプレイではなく、小田川の改修工事に予算を回せば、今回の被害は防げたのです。しかも真備町だけではなく、全国各地でこのような危険地域のあることは良く知られています。オスプレイで言えば約40機分、全国40ほどの地域の河川改修や災害対策ができたはずなのです。

 

それだけではありません。1999629日の広島地域の豪雨災害後、土砂災害防止法という法律が作られました。その結果、土砂災害による被害が減少するはずだったのですが、今回の豪雨災害が示したように、必ずしもそうとは言えない結果になっています。その理由の一つは勿論、お金ですし、多くの人にハザードマップの重要性が伝わらなかったことも大きいと思います。

 

長くなりましたので、これについては次回説明したいと思います。

 

[2018/7/14 イライザ]

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コメント

安倍晋三、アメリカには2000億円、加計学園には100億円、豪雨被災地には20億円

週刊金曜日7/13号(最新号)→【特集】米国の「おしつけ改憲」
”「思いやり予算」もおかしいけれど、改憲も”
で、リラン・バクレー Leland Buckley という米TEXAS州出身で
神奈川県在住の映画監督が語っています。
〈...どうしても9条を改憲したいのなら、解釈の余地が
入らないように「一切軍隊や兵器は持ちません」と
憲法で明言したらいい。防衛が心配なら、「思いやり予算」の
全額を投じ、自衛隊から武器をなくして、海外に災害があったら
真っ先に駆け付ける救援組織に変えたらどうでしょう。
そんなありがたい国を、どこが攻撃しますか。〉

こういう方がBS-TBS日曜夜10時「外国人記者は見た」に出演できて、
番組も地上波となれば、少しは空気が...。甘いか。
にしても、田中康夫さんの”自衛隊サンダーバード構想”、
なぜに広まらぬ😞

一部ですが、安倍首相の太っ腹ぶり
・ミャンマーへの債務のうち新たに2000億円を免除する
・中東・北アフリカ地域に対し新たに総額2160億円規模の支援
・シリアの女性支援に3000億円の政府開発援助
・ASEANに5年間で2兆円規模の政府開発援助
・モザンビークに700億円の政府開発援助
・インドへ円借款2000億円
・バングラデシュに6000億円支援
・パプアニューギニアに今後3年間で200億円
・インドに5年で3兆5000億円の官民投融資

「通りすがり」様

コメント有り難う御座いました。

こういうのを、本当の意味で「桁違い」と言うのですね。

「されど映画」様

コメント有り難う御座いました。

Buckley監督の言っていることは、誰にでも分りますし、説得力もあるので、皆で広げましょう。

「納税者」様

コメント有り難う御座いました。

簡潔で説得力のあるリストを有難う御座います。海外援助は大切ですが、毎年、災害で亡くなる日本国民がこれだけ多いという事実に、もう少し真剣に向き合わない「日本」政府を変えましょう。

2018年7月14日 (土)

自衛隊を災害救助隊に ――豪雨災害からの教訓 (5)――


自衛隊を災害救助隊に

――豪雨災害からの教訓 (5)――

 

多くの皆さんが懸命に英雄的な努力をして災害を乗り越え、明日を切り開こうとしているのかについて、毎日どんどん新しい情報を頂いています。心から感謝しています。また消防や警察、自衛隊の皆さんの献身的な活動振りにも感動しています。こうした努力が重要であるることは言を俟たないのですが、同時にもう少し大きな枠組みから災害を考える必要もあるのではないかと思っています。


昨日の「大雨災害からの教訓(4)」への「後期高齢者」さんからのコメントでも鋭い指摘がありましたが、これほど多くの災害を経験していながら、未だにほとんど「学習」のできていない政治家や官僚、そしてそれを許している私たち主権者・市民がもう一度原点に戻って災害について考え直す時が来ているのではないでしょうか。

 

一つには私たちが、考え方の枠組みを大幅に変える (パラダイムの転換とも言います) 必要があり、新たな枠組みの中で自然に見えてくる問題点そして未来図を元に、大胆な発想で改革案を考え実行して行かなくてはならない、ということです。

 

新たなパラダイムの柱になるのは、災害が「たまに」「降り掛かって来る」「稀な出来事」ではなく、日本社会では日常的に起る出来事だと捉えて対策を講じることです。確かに、大変な被害があるのですから、「非常事態」とか「異常事態」だと捉えるのは自然なことではあるのですが、「非常」とか「異常」という言葉が示しているのは、被害の範囲や規模が日常的ではないという意味だけではありません。それと同時に、こうした災害の起ることは例外的であり、日常的な対策とは別の、「例外的」なかつ、その事態が起きてから対応すれば良い事例なのだ、というメッセージも発しています。

 

そんな発想を転換するための第一の確認事項・提案です。

 

 大災害は、例外的な出来事ではなく、日常的、定常的な出来事として捉えること。

 

ちなみに、今年2018年に起きた災害で記憶しているものを並べてみると、(i) 123日の草津白根山の噴火、(ii) 死者の出た2月の北陸豪雪をはじめとする各地での豪雪、(iii) 3月と5月の霧島山新燃岳と桜島の噴火 (iv) 618日、死者4名、損壊家屋は3万戸近くになった大阪北部地震、(v) そして死者は200名を超えるであろう、7月の西日本豪雨と、半年ちょっとで大きな災害が目白押しです。

 

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それぞれ地域も違いますので、ある地域を取れば、数十年に一度の災害ということになるのかもしれません。同時に、実際の頻度はもっと高いという事実にも目を向けて下さい。広島地域を考えただけでも、例外的な豪雨災害は1999年、2014年そして今年と、平均すると、6年に一度くらいの間隔で襲来していますし、地震や台風の被害も勿論ありました。しかし、議論を簡単にするため、仮に、数十年に一度だという前提を付けてみましょう。

 

となると、それと比較可能なのは、国体です。各都道府県を巡って開催する国体の一地方の開催頻度は47年間に一度です。でも、国体を「例外的」「異常」な出来事と捉えていたのでは、国体の開催などできなくなってしまいます。スケジュール通りに必ずどこかの地方で開かれる。という前提で国が方針を立て、予算を取り、必要な協力は地方にも民間にも求めて、初めて可能になっているのです。災害対策との共通点に気付いて頂けたでしょうか。

 

それに比べて、今年の災害だけを見ても、国体の5倍の頻度で起きています。一年を通すと、恐らく月に一度はどこかで甚大な被害が生じていることになるのではないでしょうか。その対策を国家単位で、しかも災害専門のお役所が専門家を揃え、さらに災害復旧・復興のための実働部隊が全国展開できるような組織があって初めて、災害に対する対策の出発点に立つことができるのではないでしょうか。

 

ですから、私の提言の一番大切な、そして多くの皆さんの賛同が必要なことは、

 

 自衛隊を災害救助隊 (名称はもっと魅力的かつ本質を表すものにしたいと思います) に改組する。

 

これからが大切な議論になりますので、皆さんに是非参加して頂きたいのですが、まずは中心的な命題だけお知らせしました。明日以降、何故このアイデアが実現すれば、日本を救い核兵器の廃絶や世界の平和につながるのかを説明したいと思います。

 

[2018/7/13 イライザ]

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2018年7月13日 (金)

大雨災害からの教訓 (4) ――被災した労働者の給料を減らさないで下さい――


大雨災害からの教訓 (4)

――被災した労働者の給料を減らさないで下さい――

 

前回は、災害に襲われた広島地域で英雄的な活動を続けている人たちへの賛辞と感謝の意を表した積りですが、今回もその続きです。

 

当り前のこととして毎日通っていた道路が使えなくなり、その有り難さを痛感した人は多かったようですが、私もその一人です。この写真は、国道2号線の一部ですが、数時間前にはタクシーでここを通った家人は、冷や汗と共にこの写真を転送してくれました。

 

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その当り前のこと、普通のことが普通に存在することの有り難さを的確に表現してくれた人がいました。広島と呉を結ぶ31号線が復旧したときのことをテレビが報じてくれたのですが、インタビューに応じた一人のドライバーの言葉です。

 

「今まで、普通のことだと思っていた、その「普通」が如何に有り難いのかが良く分りました。「普通」に感謝しています」といった趣旨でした。

 

そして、私たちの日常生活の「普通」を守るために、尋常ではない働き方をしている人たちが多くいるというのが、昨日のこのブログの趣旨の一つだったのですが、物流トラックのドライバーさんたちもそのような英雄たちです。

 

ある物流拠点Aからの情報ですが、そこから中国地方各地に荷物が運ばれます。何カ所かを回るのでしょうが、説明を簡単にするため、配送地Bとしておきましょう。通常は、余裕で一日掛らずにA地点からB地点まで行けるようなのですが、大雨による道路被害で、迂回路を使い、渋滞に巻き込まれながらの配送になりますので、結局、徹夜状態で2日掛って、B地点まで配送し、逆を辿って、また2日掛けてA地点に戻るという過酷な仕事をしなくてはならなくなったとのことでした。

 

4日間ほとんど眠らずに仕事をすることなど私には想像もできませんが、こんな過酷な状況でも、遅れはあるのでしょうが、それでも物流にできるだけ支障を来さないよう頑張っている、トラック・ドライバーの皆さんには感謝の言葉以外ありません。かなり無理をなさっての運転が続いていることは分っていますが、無理をし過ぎて事故を起こさないよう、くれぐれも慎重に運転をして下さいますよう。

 

車と言えば、製造する方も大変です。部品の搬入が影響を受けて、マツダその他の自動車メーカーは一部工場で操業を停止しています。従業員の中には被災者もいるようですので、自分の住まいの整理等に時間を使えるのは有り難いはずです。

 

同時に、心配な情報も入ってきました。従業員の給料が今月は2割カットされるらしいという内容です。ガセネタであることを祈っていますが、これほど大規模な災害に襲われ、大きな被害を受けていない地区でも、何かと出費が重なります。そんな従業員に犠牲を強いるのではなく、大企業として、広い意味での社会貢献の一部としての従業員の給与対策を立てて貰えないものか、祈るような気持でこの稿を書いています。

 

[2018/7/11 イライザ]

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2018年7月12日 (木)

大雨災害からの教訓 (3) ――皆様の頑張りに頭が下ります!――


大雨災害からの教訓 (3)

――皆様の頑張りに頭が下ります!――

 

今回のような大災害、あるいはその他にも人間社会に降り掛かってくる多くの悲劇に遭遇した時、私たちの中にある「生存への意志」とでも言ったら良いのでしょうか、何かが起動して「より良い」力が湧き、お互いに助け合い力付け合いながら明日を創り出す糸を紡ぎ続けているように思えてなりません。

 

「広島ブログ」のブロガーの皆さんの多くが、そんな形の毎日を綴って下さっていますが、どのエントリーを読んでも頭が下ります。その他のソースからも入ってくる情報を総合するとお一人お一人の行動がとても感動的です。コメント欄に書き込むべきなのでしょうが、ここでまとめて思いを伝えさせて下さい。

 

皆さんが家族や友人を助けるために通行が困難な道路を通常の何倍もの時間を掛けて駆け付け汗を流していたり、通勤時間の何倍も掛けて仕事場まで辿り着ききっちり仕事を熟していたり、電話やライン等で無事を確かめ合い励まし合い、また必要な物資を聞いて、普段は使わない店にまで足を延ばして調達しそれを届けたりしている姿を見て、お一人お一人が英雄だと思わざるを得ません。

 

特に胸を打ったのが若い人たちのボランティア精神です。被災地では、消防・警察・自衛隊、そして自治体やその他の行政関連の職員たちも必死に仕事をしています。「公僕」そして「全体の奉仕者」という言葉が輝いて見えます。そのように献身的な大人たちに負けずに、若者たち、子どもたちも懸命に動いてくれています。ある被災地で土砂の片付け作業のボランティアをしていた高校生たちの声が、テレビで放映されていました。

 

「学校が休校になったから、少しでも手伝いたいと思ってきました」という声、そして甲子園を目指している野球部員からは「今は野球をしているどころのときではないから」という、重いしかも優先順位に誤りのない決意をしたことが伝わってきました。

 

そしてカープも、9日から11日までの対阪神戦を中止すると、8日の日曜日に発表しています。当り前だと言ってしまえばそうなのですが、今の政治を見るとその当り前のことが当り前に行われていない状態が諸悪の根源ですので、カープの決定には拍手を送りたいと思います。そして、ある意味、カープの歴史とは、その当り前のことを当たり前に忠実に実行してきたと言っても良いような気さえしてきました。

 

対照的に大いなる違和感を持ったのは大相撲です。いやその中継をするテレビです。大相撲そのものを中止しろとは言いませんし、8日が初日だということも知っていました。でも大雨災害についての情報がようやく整理され、少しずつ全貌が明らかになり始めたときに、災害情報は打ち切って、十両の取り組みに切り替えられた被災地の視聴者が「裏切られた」という感じを持ったとしても、そちらの方が自然な感情だったのではないかと思います。

 

NHKも頑張ってはくれたのですが、大相撲での黒星で大きいマイナス・イメージになりました。これまた対照的だったのは、被災地の地方メディアとして通常の枠を大幅に変えて災害情報を流し続けてくれたRCCはじめ、広島の民間テレビ局でした。取材の幅も多様で必要な情報が適宜提供されていたのは流石だと思いましたが、「大雨災害からの教訓(2)」で提案した分業が進めばもっと素晴らしいのですが--。

 

マスコミの内部事情まで知ることができれば評価は変るのかもしれませんが、今日たまたま耳にした旅行業者の方の健闘ぶりにも心を打たれました。

 

災害の結果として、交通機関のチケットや予約のキャンセル変更は多く生じますし、大雨で移動ができなくなり、宿泊の手配をしなくてはならない人も増えます。昨日今日の仕事の量は通常の3倍にもなるということでした。しかも、スタッフのなかには自宅が被災した人もいますし、通勤ができなくなった人もいるとのこと。結局、数時間掛けて職場に駆け付けることのできた人も含めて人では通常の6割だったとのことです。「でもそこで頑張らないと、私たちの存在意義がない」という心意気で頑張っているということを聞いて、完全に脱帽です。

 

そんな中、災害をネタに儲けることなど許せないのですが、現実にはそんなことが起きていました。

 

次に示すのは、7日の土曜日の広島市内のホテルの一泊の宿泊料金です。土曜日も東広島泊になるかもしれないと考え、東広島のホテルを探したところどこも満杯だったことを発見した家人が、広島も同じなのかなと思って携帯アプリで検索してみた結果です。

 

7


7日の土曜日、午後4時、空室があったのは、この三つのホテルだけでした。料金はANAクラウンプラザが16000円台、リーガが25000円台です。ところが、11日の夜の一泊料金は次の通りです。

 

11

 

ANAクラウンプラザが約10000円、リーガも同じくらいです。つまり、土曜の夜は、ANAクラウンプラザは、1.6倍、リーガは2.5倍の料金だったということです。その違いの一つは、7日には新幹線が止まっていたことです。11日には復旧していました。

 

東広島で足止めをされていた家人と同じように、広島から新幹線に乗れず、市内に宿泊しなくてはならなかった人も多かったはずです。その臨時需要があるからといって料金を上げたと思いたくありません。恐らくコンピュータのプログラムで、直前の単位時間当たりのアクセス数にトリガーされて料金を設定するようなシステムになっているのでしょう。

 

でも、結果として、「広島から出られなかった災害犠牲者からまで儲けた」と言われても仕方がないような数字です。仮にコンピュータ・プログラムが原因であったとしても、災害の結果、仕方なく広島に宿泊する人たちの立場に立って、割引とまでは言いませんが、せめて通常料金の中間値くらいの料金設定を、人手が介入して行っても良かったのでないかと思います。

 

これはホテルに限ったことではありません。意図的に災害をネタに儲けるなど以ての外ですが、結果としてそう見えてしまうようなシステムを、もう少し人に親切なものに変えるくらいはできるのではないでしょうか。

 

[2018/7/11 イライザ]

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コメント

どことは言いませんが、うちのホテルは被災者対応価格として通常の半額の5千円で部屋を用意しました。今でもその価格で宿泊されている被災者の方がいらっしゃいます。しかしネットには出していません。あくまで個別対応価格です。ネットへの掲載はエージェントとの契約で色々な決め方がありますが、うちで言えば8月9月は一人3万5千円からと通常の3倍になる日もあります。ホテルの宿泊費はそういうものです。数十年に一度の対応のためにシステムを構築するというのは難しく、そこは個別対応にならざるを得ないと思います。これは普段でも同じなので個々に事情がある場合は直接お問合せください。我々はお役所仕事はしません。

「ホテリア」様

コメント有り難う御座いました。

被災者のために、大きな社会貢献をされていることに、心を打たれました。敬意を表しますし、このような活動をしていることをもっと多くの人に知って欲しいと思いました。

私が取り上げたのは必ずしも被災者ではなく、新幹線が動かなかったため、広島に宿泊するか、駅の構内で一夜を過ごすのかといった選択肢を前にした人たちへの対応です。ことによると、ネットでは満杯でも、個別対応で、通常料金で泊めて頂けたのかもしれませんが、多くの人が利用するネットを使う限り、そのような選択肢があると考えた人はまずいないのではないでしょうか。

新幹線が止まったり、飛行機が飛ばなかったりというケースはかなり頻繁に起きていますので、それらの全てに対して、ホテル業だけが出血サービスをすべきだと言っている訳ではなく、今回のような異常事態くらいには、どんな業界でも人手を介した介入のできるシステムにしても罰は当らないのでは、という提案です。

2018年7月11日 (水)

大雨災害からの教訓 (2)


大雨災害からの教訓 (2)

 

災害時に情報が不可欠なことは言うまでもありませんが、今回の私の経験から感じたのは、「非常事態」という概念を変える必要がありのではないかということです。「非常事態」ですから、日常的ではなく、例外的に起きること、その事態への対応も、例外的な体制で行えば良い、というような前提で捉えられている「思考の枠組み」そのものを変えるということです。

 

大局的に考えると、地震や火山、台風から大雨、豪雪に極限的寒さ等、自然の脅威は、「非常事態」が日常化してしまっている時代に私たちが生きていることを示しているのではないかと思います。その事実を自覚した上で、それに対してどんな行動を取るのかという判断基準について、個人から、様々な組織、そして国というレベルまで、自然災害が「日常」の一部だという前提で組み立て直す必要があるのではないかと思います。

 

土石流で御自宅が押し潰されたり、河川が決壊して二階まで水が押し寄せ屋根に避難した方々、御家族を亡くされた方々など、テレビでの報道に接するたびに胸が痛みます。実は、7日の土曜日、かなりの時間をテレビの前でこうした報道を見続けていました。その内に、何とも遣り切れない気持になり、何もしないよりとにかく動いてみよう、と決意して外に出ました。

 

それは、6日の夜に広島空港に到着しても、広島市内までの交通手段がなく東広島のホテルに一泊後、新幹線の復旧を待っていた家人を「救出」すると言うと大袈裟ですが、東広島まで迎えに行こうという決意です。

 

カーナビとグーグル・マップの情報では、国道2号線は使えなくても、県道276号経由で東広島まで通行可能だとのことだったので、渋滞状況を見て途中で引き返すことを覚悟で出発しました。

 

テレビに釘付けになって、またPCとスマホから得たいと思っていた情報は、新幹線がいつ復旧するのか、また山陽道あるいは2号線、はたまたその代替路線が通行可能かということだったのですが、テレビを見ている限り、この情報を得るには物凄い辛抱が必要でした。

 

広島県には大雨特別警報が出されていること、避難指示や様々な警報、雨量等は、頻繁に何度も伝えられるのですが、新幹線情報は、テロップで10分おきに一度くらい、しかも数秒しか映りません。注意していないと見落としてしまうので、集中力が必要です。別のテレビ局にチャンネルを変えても、同じことでした。それに輪を掛けて、報道される画面は同じ被害の様子が何度も映され必要な情報が出てきません。

 

JRのホームページでは、新幹線の復旧については15時までは見込みが立たない、それ以降もどうなるか分らない、と数行書かれているだけで、これではほとんど役に立ちません。結局は、午後7時頃にこだまが運行を始めたのですが、②それなりの予測を知らせておいてくれることはできなかったのかと思いました。

 

生活道路の状況もテレビの報道では全く分らず、ツイッターやfacebookには情報が上っていたのかもしれませんが、私のアクセスできた情報源は限られたものでした。もっともそれは時間の問題なのかもしれません。10日の火曜日には、生活に必要な情報、特に給水所の情報は確実に報じられていましたので。とは言え、まだ改善して欲しいところはありますので、一つ二つ、提案です。

 

③ テレビ局同士で分業体制を取り、A局は警報を中心に、B局は道路状況、C局は鉄道と飛行機等、重点的に取り扱うことにはできないものでしょうか。分業によるデメリットもあると思いますが、社会が多様化していますので、それに対応した情報を送る側としても、多様化した体制の方が状況にマッチした情報を送れるように思えるのですが。

 

Yahooマップではこのサービスをしているとの報道がありました。また黒瀬のセブンではこのような手書きの地図を配布してくれていたようです。Yahooやセブンに任せておけば良いことなのかもしれません。

 

Photo

黒瀬のセブンが配布していた地図

 

そのサービスとは、個々別々の道路情報を実際に通れたかどうかの経験を元に、たくさんの人から送って貰い、それを元にした詳細な道路状況マップを公開するものです。しかし、道路の管理をしているのは国、都道府県、市や町です。道路状況を把握しその情報を提供することも守備範囲に入るのではないかと思います。10日には、ようやくテレビを通しての情報が伝わり始めましたが、自前の情報収集だけではなく、現地からのリアルタイム情報を活用することで、もっと早く対応することが可能だったのではなかと思います。

 

私はと言うと、カーナビとグーグル・マップ情報を元に、東広島バイパスの渋滞に巻き込まれましたが、東広島方面がどうなっているのか、ノロノロ運転でも事故は起こせませんので、車の中からアクセスできる情報は限られていました。結局3時間我慢して、10キロも進めませんでしたので、引き返すことになりました。

 

問題提起はまだ続きます。

 

[2018/7/10 イライザ]

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コメント

支援物資やボランティアを拒否している自治体もありますが、よほど正確に細かい情報を得ていない限り避難する人以外は下手に被災地には近づかない方がいいです。ネットには通れた道路情報などもありますが、そうした道路には車が殺到し消防や警察など緊急車両の通行の妨げにもなります。

以前から、報道各社でそれぞれにヘリコプターを飛ばして、その音が救助作業の邪魔になると言うことでしたが、今回も各社がヘリコプターを飛ばして、とてもうるさかったです。こんな調整すらできないオールドメディアには期待できません。

渋滞のイライラ、ストレスは1人で運転しているからですよね
連休に家族で何十キロの渋滞に巻き込まれてもさほど苦痛
ではないですから。

「通りすがり」様

コメント有り難う御座いました。

大切な点をリマインドして下さり、有難う御座います。

「視聴者」様

コメント有り難う御座いました。

こんな時にこそ、ドローンが活躍しても良かったのにと思います。ドローンの方が音は静かですし。

「⑦パパ」様

コメント有り難う御座いました。

物流トラックは無理かもしれませんが、災害時にどうしても運転しなくてはならない場合の、新対策として検討すべきかもしれませんね。

2018年7月10日 (火)

タヒチへの贈り物 (2) ――関税が大問題になるなんて想定外でした――


タヒチへの贈り物 (2)

――関税が大問題になるなんて想定外でした――

 

[数十年に一度という大規模な大雨災害によって亡くなられた方々にお悔やみを申し上げたいと存じます。又甚大な被害を受けられた被災者の方々には心からお見舞いを申し上げます。被害は広がっている感もありますが、昨日に続いて次回から何度かにわたって問題提起をしたいと思います。]

 

さて、東芝国際交流財団からの助成金で実現した、鎌田七男著『広島のおばあちゃんの』をフランス語に訳し、フランスの核実験で被害を受けたタヒチの人々に、フランス語版を贈るプロジェクトの報告その2です。ようやく今月になって、タヒチまで本を届けることができたのですが、東芝国際交流財団への事業報告の後半部分を紹介させて下さい。

 

プロジェクトはそもそも昨年中に終了する予定だったのですが、予想外だったのは、タヒチへの関税が高額であり、また、それを免除して貰う条件が厳しかったことです。しかし、結果としては当初の目標以上のことを達成できました。

 

二回目の今回は、このプロジェクトを中心になって引っ張って下さった、真下俊樹さん (國學院大學の講師かつ、フランス領ポリネシアだけではなく、南太平洋地域の核実験とその被害についての専門家で、フランス語の翻訳・通訳等でも活躍している国際的な平和活動家) と彼のネットワークの力で「関税障壁」を乗り越えることができた感動的なストーリーです。

 

*******************************

プロジェクト:鎌田七男・箸『広島のおばあちゃん』仏語版翻訳とフランスによる核実験被害者に向けての配布

財団法人東芝国際交流財団の助成金受給(¥1,600,000)により実施

 

  1. このプロジェクトの背景と目的

 

  1. プロジェクトの経緯

 

[前回の記事をお読み下さい。]

 

3. 送る段階で想定外の難関が次々と

 

「本が完成すれば、あとは郵送するだけ」というナイーブな思い込みとは裏腹に、実際に本を送る段階になって、当初想定外の様々な難関が次々と現れてきました。ここではそれを逐一報告するスペースも、また意味もないと思われるので、最大の難関であった関税問題について以下簡単に報告し、その一端をお示しておきます。

 

当初、仏語版『広島のおばあちゃん』は、仏領ポリネシアの市民団体に「寄贈」するのだから、当然輸入関税は掛からないものと、頭から考えていました。ところが、郵送する直前に、念のため現地税関に問い合わせたところ、「たとえ対価を伴わない寄贈であっても、一定の価値のあるものを移譲する以上、関税はかかる。寄贈先の市民団体は「公益NPO」(NPOのなかでも特に公益性があると認定されたNPOで、とくに寄付に関して税制上の優遇策がある。日本の認定NPOに当たる)の認定を受けていないので、関税は免除されない」との返事が帰ってきました。しかも、関税率は約30%と驚くほど高く、本を買い取ったあとの助成金の残金ではとても払えない額になることが分かりました。

 

思わぬ壁に行き当たって、日本でできそうな方策を当たってみましたが万策尽き、途方に暮れているときに、仏領ポリネシア政府の「核実験影響追跡調査代表部(DSCEN)」のY. ヴェルノドン部長が親身になって、様々な可能性を当たって下さいました。そのなかで、彼女が前理事長をしていた自然保護NPOが「公益NPO」を取得しているので、そこに頼んで本の受け皿になってもらえそうだとの連絡が来ました。「これで解决か」と喜んだのもつかの間、ヴェルノドン部長が確認を依頼した、法律に詳しい同僚のひとりから「この公益NPOの活動分野は自然保護であり、寄贈本の内容はそれに合致しないから、関税は免除されない」との指摘を受けました。日本では認定NPOであれば、寄付・寄贈はほぼ自動的に優遇税制の対象になり、その内容まで検分されることはまずありませんが、フランス法を受け継ぐ仏領ポリネシアではその運用規定が日本よりもはるかに厳しいようで、関税問題は振り出しに戻ってしまいました。

 

そんなこんなを何度か繰り返した挙げ句、結局、唯一残された道は、寄贈先を仏領ポリネシア政府にするしかないと分かりました。そこで、ヴェルノドン部長がそのための手続きを調べることになりました。ところが、こうした事例は過去に先例がまったくなく、行政機構全体のなかで整合性のある形で受け入れ体制を整えるためには、リション氏やバジル氏など彼女の同僚の協力も得ながらの「前人未踏」の気の遠くなるような確認作業が必要だったといいます。最終的に、本案件は仏領ポリネシア政府の閣僚会議まで上げられ、大統領の裁定により、仏領ポリネシア政府として正式に受け入れられることに決まりました。

 

幾多の紆余曲折と一喜一憂を経て、仏語版『広島のおばあちゃん』1000部を乗せた貨物船サウス・アイランダー号は、2018591346分、ようやく神戸からタヒチのパペエテに向けて出港したのでした。

 

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本プロジェクト実現のために大いにお世話になったY.ヴェルノドン仏領ポリネシア核実験影響追跡調査代表部(DSCEN)部長

 

4.理想的な配布形態

 

2018614日、貨物船サウス・アイランダー号は無事パペエテ港に入港。本の入ったダンボール箱25箱は現地通関業者により陸揚げされ、税関へ運ばれました。ちなみに、ヴェルノドン部長によると、その後さらに税関での非関税手続きが難航し、本が実際に彼女の職場に届いたのはそれから2週間以上後の629日だったそうです。

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ようやく仏領ポリネシア政府に届いた仏語版『広島のおばあちゃん』

 

こうして、仏語版『広島のおばあちゃん』は、仏領ポリネシア政府の核実験影響追跡調査代表部(DSCEN)という仏核実験専門機関によって配布されることになりました。ヴェルノドン部長は、NPO(核関係だけでなく自然保護団体も)だけでなく、公共機関としての公平性に基づいて、離島を含めた仏領ポリネシア全土の中・高校、大学、公共機関(中央および地方議会、保健所、図書館など)、教会等々に万遍なく配布する考えとのこと。さらに、「配ったはいいけれど、誰も読まない」といったことにならないよう、この本がポリネシア市民に活用されるための方策を取っていくとしています。また、2017 3 月の仏政府との合意にもとづき、フランス核実験の体験を将来世代に継承するための「仏領ポリネシア核事実保管情報資料研究所」をパペエテ市内の旧仏海軍司令部の建物に設立することが決まっていますが、設立の暁には館内で本書を販売したいとしています。

 

折しも、20181月、仏領ポリネシアに赴任していたフランス人小児精神科医が、仏領ポリネシアで小児精神疾患がとくに多く、その患者の多くが元核実験労働者の子孫であるとの報告書を公表し、現地の新聞やテレビ・ラジオで大きく取り上げられました。その報告の内容自体は科学的根拠のあるものではありませんでしたが、核実験の健康影響の徹底的な調査を求める声は仏領ポリネシア全土に広がり、今年45月に行われた仏領ポリネシア議会・大統領選挙では、この調査をどうするかが主要な争点のひとつとなりました(結果は前E.フリッチ大統領が再選)。

 

現在、仏領ポリネシア市民は、放射線の健康影響に関する正確な情報を渇望している状態であり、その意味でこの時期に本書が寄贈されることは極めて時宜に適ったことと言えます。DSCENだけでなく、仏領ポリネシア政府も、現在の仏領ポリネシアでの混乱した議論を整理し、フランス核実験の健康影響についてポリネシア市民が冷静に考えるための礎石として本書を大いに活用したいとしています(後掲の「E.フリッチ大統領からのお礼状」を参照)。今年の72日のフランス核実験記念日(1966年のこの日、最初の仏領ポリネシアでのフランス核実験が行われた)には、本書をNPOに寄贈するイベントのほか、今回の寄贈についての記者会見も開催されました。

 

本プロジェクトの当初の計画では、本書を仏領ポリネシアの仏核実験被害者団体宛に送り、人づてに配布してもらうことを考えていましたが、おもに上記の関税問題で不可能になりました。しかし、その壁を乗り越える方策をあれこれ試行錯誤した結果、最終的には上記のような、当初は期待すべくもなかったような理想的な配布形態が実現したと言えます。

 

以下、仏領ポリネシア大統領エドゥアール・フリッチ氏からの礼状の和訳と、フランス語の手紙のコピーを貼り付けておきます。


 

仏領ポリネシア大統領

No. 04154/PR

201872 パペエテ

 

NPO「文化の多様性を支える技術ネットワーク」

秋葉 忠利

 

件名:NPO「文化の多様性を支える技術ネットワーク」より仏領ポリネシアへの仏語版リーフレット『広島のおばあちゃん平和教育』1000部の寄贈

参照書類:2018418日付寄贈申出の書簡

添付書類:2018418日付書簡 核問題に関する私の見解

 

拝啓 秋葉様

 

 仏語版『広島のおばあちゃん』1000部が、ようやく当地の港に到着し、核実験影響追跡調査ポリネシア代表部(DSCEN)の事務所に配達されました。

 

 この部局は、教育総局(DGEE)との連携の下に、本書の配布を担当しており、まず仏領ポリネシアの中・高校、そして貴殿のご希望と目的(これには私も全面的に賛同いたします)に沿って、平和教育のために活用することにしています。

 

 すでに、私から仏領ポリネシアの各機関と、核問題をめぐる真実と公正に取り組んできた市民団体に各1部ずつ配布したところです。今後、それぞれの配布能力に応じた追加部数をDSCENから直接入手できることになっています。

 

 少なくとも20部以上は、設立が予定されている太平洋フランス核実験記念館用に保管することにしています。ちなみに、本記念館設立計画は順調に進んでおり、フランス本国、仏領ポリネシア、市民団体との協力の下で、この記念館の内容をどのようなものにし、共有していくかを協議しているところです。フランス本国は、そのための場所として、元核実験労働者団体モルロア・エ・タトゥの記念碑にほど近い、パペエテ臨海地域の旧フランス海軍官舎をすべて譲渡する意向を表明しています。

 

 これと並行して、仏領ポリネシア政府は、学校教育の科目や教材に核の問題を取り入れる政策に引き続き取り組んでいく所存であり、その意味でも『広島のおばあちゃん』は参照文献になります。

 

 先の選挙期間中の2018418日、私は核問題に関する私の立場を公にしましたが、そのさいに『広島のおばあちゃん』のもつ証言の力、科学的・医学的情報の質、そして何よりも真実と正義、平和を求める価値観から多くを学びました。

 

 本書をフランス語に翻訳し、1000部を仏領ポリネシアに寄贈してくださったことに、心からお礼申し上げます。また、本書の送付に際して煩雑な行政的手続きにより多大のご苦労をおかけしたことを大変申し訳なく思うと同時に、忍耐強くご対応いただいたことに改めてお礼申し上げる次第です。

 

敬具

 

仏領ポリネシア大統領

エドゥアール・フリッチ

 

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E2

****************************

 

御協力頂いた、東芝国際交流財団、原著者の鎌田七男先生と出版して下さったしたり・プロジェクトの皆様、DSCENのヴェルドノン部長、フリッツ大統領、「モルロワと私たち」の皆様、「文化の多様性を支える技術ネットワーク」の皆様、そして翻訳者のフランソワーズ・ジャンさん、さらに真下俊樹さん等関係者の皆様、様々な形で支援・御協力頂いた皆様方に心から御礼申し上げます。

 

[2018/7/9 イライザ]

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2018年7月 9日 (月)

大雨災害からの教訓 (1)


大雨災害からの教訓 (1)

 

数十年に一度という大規模な大雨災害によって亡くなられた方々の数、被災された方々の数も増え続けていますし、被災地も時間と共に移り、全体としては予想をはるかに超える広い範囲に住んでいる方々に影響を与えています。心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。そして、これ以上被害が増えないことを祈るばかりですが、台風8号も近付いていますので心配は続きます。

 

今回は、「タヒチへの贈り物」は先に延ばして、大雨災害について考えたいと思います。「広島ブログ」に参加されているブロガーの皆さんもそれぞれ、今回の大雨で色々とと経験されたことを書かれていますが、我が家の経験も報告させて頂いた上で、感想を一つ二つ付け加えられればと思ったからです。

 

自治体も国も災害対策に力を入れてきたことは否定しません。しかし、地震、火山、台風、大雨とこれほど大きな災害が定常的に起きている現状を考えると、国家的規模で「災害対策」の枠組みから考え直す必要があるのではないかと思います。その全てを論ずるだけの準備ははありませんが、何回かに分けて、気が付いた範囲での提言をさせて頂ければ幸いです。

 

 最初は「被災地に人を送り込むな」です。

 

我が家では、息子二人が東京で生活していますので、定期的に上京して子どもたちの世話をしたり一緒に行動したりしています。今回も家人が、そのために上京していたのですが、帰広の切符は6日金曜日の夜の便でした。その時点で空港から市内のリムジンバスは運転中止、JRの在来線もとまり、新幹線も動いていない状況でした。山陽道も通行禁止状態でした。

 

Photo_2

通行できなくなった志和トンネル、だから山陽道は通行不可だったのです。


Photo_3

山陽本線瀬野と八本松の間です。在来線も不通です。

 

仕方がありませんので、タクシーに頼るということで東広島市内のホテルに予約を取っていました。フライトがキャンセルされる可能性もあったのですが、とにかく飛びましたので、広島空港に着陸、長い時間待って、タクシーで、東広島まで辿り着きました。

 

家人の場合は、事前に空港到着後の情報が分っていましたので、それなりに準備をすることができたのですが、悲惨だったのは外国人観光客の皆さんでした。

 

タクシー乗り場も長い列ができ、空港内の事務所を開放するのでそこに留まって欲しいという対応もなされたようなのですが、ある外国人家族に取っては衝撃的なニュースだったようです。

 

その家族のお母さんと飛行機の中で隣り合わせになった家人が聞いた話では、空港でのレンタカー予約をしていて、到着後は広島まで車で行き一泊、次の日には宮島を見て、それから四国に研修のため滞在しているお子さんを訪ねる予定だったとのことでした。お母さんは両手に障害があり、恐らくお父さんが運転も、家族の世話もするという状況だったのでしょう。

 

到着した6日には、車で広島市内まで行くのは不可能、結局空港で一泊というようなことになり、次の7日にも事態は一向に変わらず、宮島にも行けずお子さんにも会えずに、もし飛行機が飛んでいれば東京に戻るというシナリオになってしまったようです。

 

家人も自分の足も確保しなくてはならず、最後までお世話できなかったようなのですが、わざわざ広島まで来なくても、この情報は東京で把握できたはずですので、東京で対応できていれば、二日間の時間のロスと、東京・広島間の航空運賃のロスは防げたのではないでしょうか。

 

さらに、外国人に限らず、広島に住んでいる人ならそれなりの知識はあったとしても、それ以外の人たちには、「白市まではリムジンバスが出ています」という情報からは、そこまで行けばあとは何とかなるだろう、というくらいの想像力しか働きません。そんな状態になることが分っていて、東京から広島まで善意のお客さんを送り込んで良いのでしょうか。

 

航空会社にすれば、切符は発行した、飛行機は飛べたのだから飛ばしした、後は乗客の責任ということになるのかもしれませんが、到着後には、空港の事務所の床に寝るという選択肢しかないところに、それも到着して初めてそれが分るという前提で乗客を運べば、それで済む話なのでしょうか。

 

福岡市の場合のように、仮に災害があったとしても空港と市内とが近い場合には、それほど大きな問題にはならないのかもしれません。そうだとする、わざわざ遠隔地に飛行場を移設した広島県や広島市が、このような場合の責任の一端を負うべきなのではないでしょうか。

 

そして、航空会社も、キャンセル不可・返金不可の切符であっても、災害時には到着地の状況をきちんと把握して、災害地には目的地に着けばそこで孤立無援になってしまう乗客を、送り込まないというくらいの責任を持つべきなのではないかと思います。そのために、私企業だけに負担を強いて乗客の安全と安心を確保するのではなく、国全体のシステムとして、このような場合の対応も含めた施策があれば、災害時の不安の種は、少なくとも一つは減ると思うのですが如何でしょうか。。

 

「タヒチへの贈り物」を挟んでこの件についての問題提起は続きます。

 

[2018/7/8 イライザ]

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コメント

旅客業務をしている会社に、どこまで責任を負わせるかという問題ですから、とても難しい問題ですね。
バスにしろ電車にしろタクシーにしろそして飛行機と、利用する前と利用後まで責任を負わせるのは不可能だと思います。
ただし、目的地の情報を発信する努力はすべきですね。
そのためには、これらの従事している人が正しい情報を得て判断できる力が必要ですね。
そして利用する人も、情報収集する努力も必要ですね。
私は日頃から、飛行機を利用する人には、リムジンバスは高速道路の状況で運行停止になる事があるので、朝にホテルのフロントで確認する事を勧めています。
また、国は外国人観光客の誘致を積極的に薦めているのですから、早急に国がやるべきですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

もう少し正確に言うと、まずは、「災害で孤立している空港に何の対策もせずに飛行機で善意のお客さんを送り込むな」という原則を関係者一同で確認して、次の段階で、誰がどのような負担をしてこれを実現するのか、ということを相談するという順序になるのだろうと思います。

現状では、結局、責任を取らされているのは、行きどころのないお客さんですので、これは問題でしょう。

そして努力義務だけではないシステムづくりには、国や自治体等の関与は当然必要です。

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