2016年12月 5日 (月)

改訂版  「原水禁学校」第3回講義     日本政府の裏切り


改訂版  「原水禁学校」第3回講義

日本政府の裏切り

 

「核兵器廃絶と日本の役割」をテーマにした原水禁学校の講演アウトラインの続きです。

              

Photo_3

               

 国連の第一委員会で採択された決議「L.41」が画期的なものであり、世界の未来を導く新たな光を照らすことになるのは、核兵器の廃絶に関心を持ってきた人なら誰でも分ることです。内容は極めて単純なことで、基本的には次のように要約できます。

 核兵器禁止条約締結に向けての多国間交渉を来年2017年から始める。

 日程は、2017327日から31日までと、615日から77日までの間の20日間。

これほど簡単なこと、しかも核不拡散条約(NPT)の第6条に「誠実な交渉義務」として、全ての締約国に義務付けられていたことが、これまでの46年間、核保有国の妨害によって実現されなかった点が問題だったのです。

 

その決議に、「被爆国」を標榜する日本政府は「反対」しました。それについては1030日に「核兵器禁止条約締結への大きな一歩!112日の「外務省の詭弁に市民はどう対抗できるのか」113日の「「亀裂を深めている」だけでなく「作り出している」日本政府・外務省」 で、取り上げましたので、再度お読み頂ければ幸いです。

 

核兵器廃絶という大切な目標を実現する上で、日本政府はこれまでも被爆者や市民を「裏切って」来ましたが、第一委員会決議に対する「反対」はそれらの全てを代表するものです。私たちがもっと厳しく批判の声を上げなくてはならないのではないでしょうか。

 

そのために、もう二例、「日本政府の裏切り」を報告しておきましょう。

 

一つ目は、元々オーストリアが提案し、20154月にはNPT再検討会議に提出した「人道の誓約」に署名していないことです。この誓約に署名したのは全世界で127カ国、さらに、この誓約を「決議」として採択した際には、それらの国に加えて23カ国が賛成しています。つまり、国連加盟国193カ国中、150カ国が賛成しているのです。その内容は、日本政府がどうしても賛成できないような難しい点を含んでいるのでしょうか。以下、内容の要約です。

 

核兵器の危険性や歴史、そして人類に与える破滅的な影響等についてまとめた後、次の三つの誓約をする文書。

 NPT6条を守り、核廃絶に至る道にある「法的ギャップ」を取り除く努力をする。

 それが実現するまで、核兵器による危険性を低減させるための中間措置を取る。

 法的にも道徳的にも核兵器が忌むべき存在して廃棄されるよう、あらゆる個人・団体・市民社会等との協力体制を作る。

 

説明を加えておくと、①は「法の支配」を強調しています。力の強い国の言いなりになるのではなく、NPTにも決められているように、多国間交渉により、例えば核兵器禁止条約を作りましょう、という内容です。②は、条約ができたとしても核兵器が廃絶されるまでには時間が掛かるので、その間にも中間的な措置として、核実験を止めたり、即応態勢にある核兵器を少しずつでもその態勢から解除し、すぐには使えない状態に転換する等のことをしましょうという現実的な内容です。そして③は、できるだけたくさんの人や組織等と協力しましょうということですから、全く問題のないことはお分かり頂けたと思います。

 

二つ目は、マーシャル諸島共和国の国際司法裁判所(ICJ)への提訴却下についてです。同国が、核保有9カ国を相手取ってNPTの第6条違反の廉でICJに提訴をしたことは何度か取り上げてきましたが、その提訴が却下されました。この点については、107日の「マーシャル諸島共和国の提訴は「却下」 でも、判事の評価は 8 : 8、そして109日の「In Good Faith (誠実に) RMI提訴の却下と「白紙領収書」」でも取り上げました。

 

残念ながら、あまり時間がなかったために、これまでICJがどんな理由で却下したのかについては詳しく報告して来ませんでしたが、122日の原水禁学校では、この点にも触れましたので、できるだけ分り易く説明しておきたいと思います。ただし、却下理由は極めて人工的・技術的ですので、読むのは大変かもしれません。稿を改めてしっかりまとめたいと思います。

 

  

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

  

広島ブログ
広島ブログ

「原水禁学校」第3回講義    日本政府の裏切り


「原水禁学校」第3回講義

日本政府の裏切り

 

間違ってアップしてしまいましたので、「日本政府の裏切り」は削除します。明日御覧頂ければ幸いです。今日はこの下の「法の支配とアメリカ」をお読み下さい。


[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

  

広島ブログ
広島ブログ

2016年12月 4日 (日)

「原水禁学校」第3回 「法の支配」とアメリカ


「原水禁学校」第3

「法の支配」とアメリカ

 

高校生平和大使の感動的なプレゼンの後は、原水禁学校の講演。「核兵器廃絶と日本の役割」がテーマでした。内容はこのブログで何度も取り上げてきたものですが、まとめて読んで頂く意味もあると思いますので、アウトラインだけを簡単に拾っておきたいと思います。

                

Photo

             

   

大テーマは、世界が「法の支配」という方向に動きつつあり、それは市民の声、またその集まりとしての世論を反映していることです。地球の未来に希望を持って良いということなのですが、具体的には二つの分野について考えることになりました。一つは、アメリカの動きです。トランプ氏が大統領選挙で勝ったことで、オバマ大統領の影が薄くなっていますが、長期的にはオバマ大統領によってアメリカが根本的かつ良い方向に変わりつつあることを再確認しました。

 

 国連の第一委員会で採択された画期的な決議、つまり、核兵器禁止条約締結に向けての多国間交渉を来年2017年に始めることについて、これが世界レベルでの「法の支配」という新たな時代に踏み込んだことを示しています。それ踏まえて、第二次世界大戦後、「法の支配」が国際的にも広がりつつある歴史を振り返りました。特に、今回の大統領選挙とアメリカ社会についても、同じ文脈で考えることが重要です。

 そのためにも、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問の果たした役割が如何に大きいのかを再確認しました。出発点はアメリカ社会の基本的な価値観を支える二本柱です。

 それは、パール・ハーバーが「絶対悪」であり、それを「善の権化」のアメリカが原爆よって懲らしめたというシナリオに基づいた「勧善懲悪」の価値観です。

 その価値観が、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問で劇的に変りました。「原爆投下は正しかったか」という問に対して、1945年には85パーセントのアメリカ人は「Yes」と答え、その後も2009年には67パーセントだったのが、2015年には56パーセント、2016年にはついに過半数を割って、45パーセントになったのです。改めてグラフを御覧下さい。

  

1945200920152016

 

 これを「オバマ効果」と呼ぶならば、今回の大統領選挙でのトランプ氏の処理の結果として全米で起きているヘイト・スピーチやヘイト・クライムは「トランプ効果」と考えられますが、長期的には「オバマ効果」が勝つであろうと予測できます。

 その理由として、アメリカ社会の「現実」とその現実を市民がどう捉えているのかという「認識」の間にあるギャップです。それを示している二つのグラフですが、一つは、1994年以降アメリカ社会では犯罪が減っていることを示しています。もう一つは、にもかかわらず、普通の人は、犯罪が増えていると思い込んでいるということを示しています。このギャップが、トランプ候補の支持者を増やすことになったと考えられます。

 

Photo_2

Photo_3

  

前の年より犯罪が増えていると考える人の割合

 

 しかし、今回の大統領選挙でも総得票数ではクリントン候補が勝っていたこと、また、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問が、アメリカの価値観の基本を揺るがすほど大きかったこと、それが具体的に社会の表面に出てくるまでには時間か掛かるかもしれないこと、さらにオバマ大統領が実現した「オバマケア」その他の改革の効果やその結果社会全体が「良くなっている」ことを自覚するのにも時間が掛かるであろうことも踏まえると、長期的には「トランプ効果」より「オバマ効果」の影響の方が長く続きそうだと考えられます。

 

長くなりましたので、国連の第一委員会の決議とそれに反対した日本政府の言い訳を改めて検証した部分は次回に回したいと思います。

  

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

コメント

原水禁学校を初めて受講しました。交通機関の関係で、途中、退席をしなければいけなかったのが残念です。歴史をどうみるかその都度、学びかえさなければなりません。自戒します。商業新聞はこんなたいせつなことをなぜ掲載しないのか?いえ❣自分が知ろうと努力が足りないことと、視点の基軸を常にどこへ置くのか…深く反省です。ありがとうございました。やすみ\(;゚∇゚)/

「やすみ」様

コメント有り難う御座いました。また遠くからお越し頂き、感謝しています。ブログでもしっかり伝えたいのですが、やはり直接、時と場を共有することで伝わることもあるような気がします。

これからも頑張って行きましょう。またスター・ライターのお一人としての活躍も期待しています。

2016年12月 3日 (土)

高校生平和大使と「原水禁学校」第3回     高校生も頑張っています


高校生平和大使と「原水禁学校」第3

高校生も頑張っています

 

122日の「原水禁学校」に先立って、被爆71年原水爆禁止世界大会の広島県実行委員会の第3回会合が開かれました。今回の目玉は、第19代高校生平和大使の報告です。広島から参加した広島県立広島高校1年の岡田実優さん、ノートルダム清心高校2年の吉田菜々子さん広島市立舟入高校2年の伊藤美波さんの三人が素晴らしいプレゼンテーションをしてくれました。

                

1

             

 内容は、「高校生平和大使」のホームページにアップされていますので、そちらを読んで頂きたいと思いますが、国連の欧州本部の訪問でも、外交の壁が高く聳えて普段は近付き難い軍縮会議で発言したり、日本政府の代表部を訪問したりという重い日程に加えて、高校生同士の交流や街頭署名にも積極的に取り組む等、充実した一週間だったことが良く分りました。

 

中でも特に感心したのは、高校生ながら、自分たちは違う意見の持ち主とも冷静にやり取りをし、相手のメッセージを客観的に受け止め、しかも自分たちの主張は曲げずに相手に伝えてきたことです。

 

例えば、軍縮会議での意見を述べた後、中国の代表は高校生に対して、自分たちの意見だけではなく、広く世界の状況を見る必要があること、特にあの戦争は誰が起こしたのかについてもきちんと勉強しろといった内容の発言のあったことを、報告してくれました。私には大人気ない言葉のように思えましたし、中国政府自体様々な舞台でかなり勝手なことを言い続けていますので、日本政府への言葉ならまだしも、これから中国の若者とも仲良くして行きたいと思っている子どもたちには別の言い方があったと思いました。でも高校生たちは、きちんと相手言い分を正確に受け止めていました。それをどう消化すべきなのかは、もう一つの体験、佐野軍縮大使とのやり取りで明確になりました。

 

佐野大使は公的な場で、被爆者の気持を無視し、被爆体験から何も学んでいないことを露呈する発言を続けていますが、その佐野大使の言葉も正確に冷静に受け止めていることの分る報告をしてくれました。そして、外務省と私たちとの間には核兵器の廃絶についての溝のあることがハッキリした、その溝を埋めることが私たちの仕事です、という認識と決意を表明してくれました。

 

このところの外務省の言動を見るに付け、「外務省さんよ。高校生に負けてるよ」と言いたくなりました。特に広島選出の岸田外務大臣に聞いて貰いたいプレゼンでした。情熱を持って「ヒロシマの心」を訴える高校生の言葉を真っ正面から受け取り、その言葉通りの発言をし始めなければ、「日本」という国の未来はかつてと同じように「周回遅れ」の果に世界から孤立し、大破局を迎える以外の選択肢はなくなりそうです。

 

その後の原水禁学校の「核兵器廃絶と日本の役割」をテーマにした講演内容は、このブログで何度も取り上げられてきたものですので、アウトラインだけを簡単に拾っておきたいのですが、一気に読んで頂きたいので、その部分は次回のお楽しみに。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

  

広島ブログ
広島ブログ

2016年12月 2日 (金)

今日6時30分から8時まで「原水禁学校」第3回     核廃絶と日本の役割について、講師は秋葉忠利


今日630分から8時まで「原水禁学校」第3

核廃絶と日本の役割について、講師は秋葉忠利

 

今日、これを読んで夕方には原水禁学校に駆け付けられる方は少ないかも知れませんが、予定が変って、今回の講師は私が務めることになりました。どなたでも無料で聞けますので、お誘い合わせの上、お出掛け下さい。

 

これまでこのブログで書いてきたことを1時間30分にまとめて分り易くプレゼンする予定です。

 

改めて講演会の案内です。

日時   2016年午後6:30—8:00

場所   〒733-0013 広島県広島市西区横川新町7-22 自治労会館 3階大会議室

電話   082-294-8711 

講師   秋葉忠利 (広島県原水禁代表理事・前広島市長)

演題   核兵器廃絶と日本の役割

              

Photo

               

場所は横川の自治労会館の3階にある大会議室です。自治労会館は西区民文化センターの裏ですが、地図を添えておきます。

 

Photo_2


 世界的に今焦点になっている核廃絶の動きについて、少し深く考えて見たいのですが、同時に日本の役割についても、皆さんと一緒に議論できたらと思っています。

 

直接関係はないのかもしれませんが、特にこのところ目立ってきた「高齢者叩き」に腹が立っています。高齢者からの反論や、高齢者が大挙してデモを始める可能性が少ないことを見越しての動きなのでしょうか。その筋書きも卑劣に見えるのですが、高齢者から運転免許証を取り上げて、集会やデモへの足を止める、さらに、年金は減額して公共交通での移動も難しくする、健康保険の上限も上げてさらにお金を吸い上げる、その上で、今度はどんな高齢者いじめをするのだろうかと、考えてしまいます。そろそろ私たち高齢者も立ち上がる時期なのではないかと思いますが、「核廃絶」とも結び付けて考えられないものでしょうか。

 

 [お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2016年12月 1日 (木)

オバマ大統領への手紙 (2) 日系アメリカ人被爆者のことも忘れないで下さい


オバマ大統領への手紙 (2)

日系アメリカ人被爆者のことも忘れないで下さい

 

お読み頂ければ分りますが、かつては1000人くらいの方が属していた在米被爆者協会という組織のお手伝いをしていたことがあります。その後、長い間会長や理事として活躍されていた倉本寛治さんや中野健さんもお亡くなりになりましたが、御健在の方も多くいらっしゃいます。しかし、オバマ大統領のヒロシマ・スピーチでは言及がありませんでした。できれば在任中にお引き合わせができないものかと、ホワイト・ハウス(郵送と電子メール)、東京のアメリカ大使館内ケネディー大使、ニューヨーク・タイムズ等に手紙を送りました。どなたかの目に触れ、大統領の手に渡ることを祈りつつ。

 

             

Photo

ホワイト・ハウスのホーム・ページから

 

 
 

オバマ大統領閣下

 

現職のアメリカ合衆国大統領として広島を訪問して下さったことに対して、前広島市長として改めて御礼申し上げます。被爆者そして広島市民だけでなく、全国民が貴職の広島訪問を歓迎しました。共同通信の調査では、全人口の98パーセントが素晴らしかったと評価しています。

 

個人的には、貴職の広島でのスピーチに感動し感謝しています。それは、2009年のプラハでのスピーチをさらに広げた内容になっています。そのプラハのスピーチに応える形で、2009年の平和宣言では謝罪抜きで広島に来て頂きたい旨の意思表示をしていますし、秋には広島に来られたルース大使にもきちんとお伝えしています。また、2010年には、ホワイト・ハウスで、広島にお出で頂けないかと直接お願いをさせて頂きました。

 

また、貴職のスピーチと広島訪問の結果、「原爆投下は正しかった」と考えるアメリカ人が、1945年の85パーセントに対して、今年2016年には45パーセントになったというYouGov社の世論調査結果も注目すべきだと思います。これほど劇的な変化がアメリカで起きていることは、今後、世界により大きな影響を与えるはずであり、これほど大きな貴職の功績に感謝の意を表します。

 

私は数学を勉強しましたので、それ故に貴職の広島スピーチ中の集合論的な瑕疵に気付きました。スピーチの中で、何故広島に来るのかについて、貴職は説得力ある説明をされています。「私たちが広島に来るのは、ここで亡くなった人たちの霊に祈りを捧げるためです。その中には、10万人以上の日本人の男性、女性そして子どもたち、何千人の韓国・朝鮮の方々また、捕虜として拘束されていた12人のアメリカ人も含まれます。」

 

ここで明示された方々への貴職の配慮は世界の多くの人たちから歓迎されました。そして私も心からそれに賛成しています。しかし、このリストから漏れているアメリカ人がいます。原爆投下時に広島にはかなりの数の日系アメリカ市民が住んでいました。彼ら/彼女らは、その結果被爆者になりました。

 

その後、アメリカに帰国した彼ら/彼女らはアメリカ政府からの医療補助を求めましたが、その願いは未だに実現していません。医療費は、日本政府の制定した「被爆者援護法」が賄っていますが、アメリカ政府に彼ら/彼女らの存在を認めて貰う必要はなくなってはいません。

 

この手紙を認めているのは、貴職を批判するためではありません。実は、このことは今考えると、マイナスの衣を纏った祝福なのかもしれないからです。それは、貴職が日系アメリカ人被爆者をホワイト・ハウスに招待して彼ら/彼女らの話を聞くことが、一石二鳥になるからです。貴職にとっては、広島では時間の都合で実現できなかった被爆者の体験を詳しく聞くことができるという結果になります。そして日系アメリカ人被爆者の存在を、貴職が「公式に」認めたという結果ももたらすからです。

 

 敬具

 前広島市長   秋葉忠利



文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

広島ブログ
広島ブログ

2016年11月30日 (水)

森の工房AMAのクリスマスコンサート

森の工房AMAのクリスマスコンサート

 

安芸の郷の建物、森の工房AMAで今年もクリスマスコンサートが行われる。

2016x_2

12月9()の夜。演奏は午後6時15分から始まる予定だ。

1

3つの障害福祉サービス事業所に通う利用者がいったん作業を終えて帰ったのちに再度夜に家族やガイドの方々とともにコンサートを楽しみに訪れる。(2015年のコンサートの様子。会場となるのは食堂)

 

Photo

コンサート当日の準備。利用者が帰ったあとで、急いで机を他の場所に移動させて椅子を並べる。近年では毎回、その年に安芸の郷で実習体験をした専門学校や大学の学生の皆さんがボランティアとして会場設営、販売を手伝って頂いている。(写真は2011年)

Photo_2

 

 

食堂をライブハウスにしつらえて演奏者の近くで一緒に演奏を楽しむ。利用者も家族と一緒に静かに聞き入る。地域の方も参加するので毎回200人近い人でいっぱいになる。(2008年)

 

Photo_3

 

外の様子。会場には庭のキャンドルロードを通って入る。2008年ころまではローソク。(2008年撮影)

 

Photo_4

この準備はコンサート当日、キャンドルを利用者とともに並べていく。(2013年)

 

Photo_5

 

2011年からはLED照明に変わった。(2013年撮影)

 

Photo_6

 

右がライブ会場、左がカフェと授産製品の販売会場(2015年撮影)

 

Photo_7

 

コンサートのもう一つの楽しみ。販売とカフェのコーナー。コンサートが始まる前と休憩時間はちょっと立て込むが、焼き立てパンやケーキなど好みのものを手にお腹を満たして頂く。(2015年撮影)

Photo_8

 

色々なケーキもあるし、(2013年作るのは森の工房みみずく・食品班のみなさん)

 

Photo_9
パンも焼き立てが味わえる。(コンサート中にもグラタン入りの焼き立てパンをせっせと作る職員。2013年)

 

このコンサートは森の工房AMAが開所した2003年から始まり今年で14回目を迎える。途中から安芸区民文化センターの協力を得るようになり、センターにある「安芸クラッシックコンサート実行委員会」のメンバーの方々の中から23人がお見えになって演奏して頂いている。

 

何よりも利用者と家族が安心して気軽に聞ける場所として定着してきた。だから、安芸の郷と2つの家族会で実行委員会を結成して毎回より良いコンサートにするよう話し合いながら続けてきている。地域の方にも参加してほしいのでチラシの配布やホームページでのお知らせなどをしている。

 

今回の演奏者は

 

 大田 響子 ヴァイオリン 

 

 平福 知夏 ソプラノ

 

 三島 良子 ピアノ

 

の皆さんに出演頂く。

 

 

20161130

 

社会福祉法人安芸の郷 

 

理事長 遊川和良

 

[お願い]

 

この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

 

広島ブログ

広島ブログ

 

2016年11月29日 (火)

アメリカ社会は変ったのか(5) [オバマ効果] > [トランプ効果] ?


アメリカ社会は変ったのか(5)

[オバマ効果] > [トランプ効果] ?

 

かなり長いシリーズになりましたが、続けて読んで頂ければ幸いです。

 

前にも「オバマ効果」と銘打った記事を何度か書きましたが、改めて「オバマ効果」をまとめると、次のようなことになると思います。

      (1)自ら持つ「絶対性」を使って

(2) アメリカ社会の持つ信念の「絶対性」、つまり「原爆投下は正しかった」という命題の権威を否定し、

(3) 一人一人の人間の持つ内なる声、”the better angles of our nature”を引き出した

(4) 結果として、プラハ演説で自ら掲げた目標を、プラハ演説によって実現した。

 

対して「トランプ効果」とはその逆で、

(1) 多くの人たちの持つ「本音」、それも心の中では否定したい気持ちもある「本音」を、大統領の持つ「絶対性」で「絶対化」し、

(2) 「本音」で発言し行動しても良い、というメッセージを「絶対化」して発信し、

(3) 「怒り」「憎しみ」「暴力」といったマイナス面を引き出した。

とまとめられるのではないかと思います。となると、残された疑問は

(4) The Better Angels of Our Nature」はどこへ行ったのか?

になります。 


The Better Angels of Our Nature」は健在です。ハーバード大学のスティーブン・ピンカー教授の著書「The Better Angels of Our Nature」は、何回か取り上げていますが426日の記事が最初です

その後、731日にも再度取り上げました。そこにも引用したのが、1946年以来の世界が平和になっていることを世界情勢に照らして説明しているリストです。重複を厭わずに再度掲載しましょう。

  

「平和」を示す戦争関連の歴史的事実 (1946年以降)

 

l 核兵器は使われていない

l 冷戦で対立した二つの国が戦争はしなかった

l 「大国」間の戦争もなかった(中国が大国になったのは、朝鮮戦争後と解釈)

l 1953年から数えて、紀元前2世紀のローマ以来、最も長い期間、大国間での戦争がなかった時期

l 西ヨーロッパの国同士での戦争もなかった

l 1人当たりの所得が最も高い44か国の間での戦争はこの間、1956年のハンガリーへの侵略を除いてゼロだった

l 先進国が、他国を侵略して領土を拡張することもなかった

l 多くの国が独立した

l 国際的に認められていた国が侵略により独立を失うこともなかった

 

アメリカ国内に限って犯罪率を見ても、1994年以来、ハッキリ減少傾向を示しています。

                  

Photo

           

 60年代から上昇した背景は別に分析が必要ですが、最近の傾向は「非暴力的になっている」です。しかし、世論調査の結果を見ると、多くの人が「犯罪は増えている」と信じているという結果になっています。

 

仮に「本音」として表現されているのは、誤った認識によって多くの人が持つに至った不安だと考えられるなら、犯罪率が減っているという「事実」が広まることによって、「本音」も現実を反映したものになるのではないでしょうか。つまり長期的には「オバマ効果」が「トランプ効果」に勝つという傾向です。その結果、社会がより非暴力的になり、世界が平和になるというシナリオもあり得る、いやそうなるだろうと予測するのは楽観的過ぎるでしょうか。

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

広島ブログ

広島ブログ

2016年11月28日 (月)

アメリカ社会は変ったのか(4) 「世界の警察官」は止める


アメリカ社会は変ったのか(4)

「世界の警察官」は止める

 

前回は、「僅差」でアメリカは良くなっていること、またそう考えている根拠をいくつか挙げておきました。「良くなっている」と表現しましたが、それは「力の支配」から「法の支配」へと基本的な価値観がシフトしていることを指すと言っても良いように思います。それも社会全体から見ると「僅差」でそんな状況になっていると言った方が正確かもしれません。前回のリストの6項目について説明することで、分って頂けると良いのですが――。

 

 総得票数では、クリントン勝利。

改めて指摘するまでもなく、民意を測るのであれば、総得票数が一番忠実に民意を反映しています。いやそれ以前の問題として、「民意」とは「国民の過半数の意見や考えていること」と定義すべきなのだと思います。さて、クリントン候補とトランプ候補とを比較して、クリントン候補の方が、力に依存しない立場、少なくとも、ヘイト・クライムやヘイト・スピーチを誘発する立場ではなかったことは認めざるを得ないと思います。しかし、それぞれ6,000万程の得票数中の200万票くらいの差ですから、「僅差」です。

              

Hillary_clinton_official_secretary_

               

 アル・ゴアも総得票数では勝っている。

これが2000年の選挙でした。しかし、その後の8年間はブッシュ大統領の時代になりました。アメリカの政治は保守一色に染められてしまったとも言えるほどだったのですが、その結果としてとまでは言えなくても、2008年には黒人のしかもリベラルなオバマ大統領が誕生したのですから、社会全体のリベラル傾向はブッシュ時代にも生き残っていたと考えて良いように思います。そして今回の選挙ではそれが反転した形になって現れました。つまり、アメリカ社会の中の保守的な勢力や差別を助長する価値観もオバマ時代を通じて生きていたのです。では、オバマ政権はどのような役割を果したのでしょうか。

 

 議会に阻まれて、100パーセントの成果は残せなかったが、オバマ政権の遺産は長く残る。

一つだけ、「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度の改革を挙げておきましょう。先進国の中で、アメリカやカナダは国民皆保険制度のない国です。自前で健康保険に入るのですが、その結果、貧しい人々は経済的な理由で適切な医療を受けられないという現実がありました。これに対する救済措置として、高齢者のためのメディケア、低所得者のためのメディケイドという制度もあるのですが、複雑かつ民間の保険会社に依存する必要等があり、上手く機能していません。

 

「オバマケア」は、日本のような、国による保険ではありませんが、健康保険への加入率を増やして、低所得層にも医療を提供しようという画期的なプログラムです。それがようやく軌道に乗ったのが2014年ですから、まだまだ全ての人が恩恵を受けている訳ではありません。その効果は長期的に見て初めて理解されてくるのだと思います。しかし、人間の命より企業の利益を優先し続けてきた社会が、限られた形ではあっても、人間の命優先に舵を切り替えた事実は、社会全体を変えるためのエネルギーになり得ると思います。

 

 中でも、「原爆投下は正しかった」と考える人たちの数が減っていることは、その柱の一つ。

この点については「核先制不使用宣言(オバマ効果その3)でも触れていますが、アメリカが「世界の警察官」を自任して、「力の支配」構造のトップとして君臨してきた背景には、「パール・ハーバー」と「原爆投下」という、「勧善懲悪」のモデルがあります。

http://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/3-b0b5.html

 

多くのアメリカ人にとっては「絶対零度」的な悪の象徴である真珠湾攻撃に対して、その下手人である日本を原爆によって懲らしめたことで、「原爆投下は正しかった」が「善なるアメリカ」の象徴になっていました。しかし、「原爆投下」を正当化する声が過半数を割ったことは、アメリカの世界観が大きく変わることを意味します。

 

その結果として、「世界の警察官」という立場の無謬性にも疑問符が付き、「力の支配」という原理で世界を考える傾向も変ってくるはずです。「力の支配」の信奉者であるトランプ氏が「世界の警察官」は止めると主張している理由は、経済的な負担ということが大きいのかもしれませんが、全く正反対の立場から、同一の解決策が出てくることも不思議です。それを皮肉だと考えるのか、より大きな真実が顕在化したと考えるのか分れるところですが、この方向そのものの正しさは疑う余地がありません。ですから次の結論になります。

 

 その結果として、「世界の警察官」は止めると考える方向は正しい。

第二次世界大戦後、アメリカが世界に君臨してきた枠組みとも言える考え方が崩れるのですから、これほど大きな変化はないと言うべきでしょう。しかし、トランプ氏の世界観は、今まで以上に「力の支配」を強調しているように見えます。折角のパラダイム転換がまた元に戻る可能性はないのでしょうか。オバマ大統領に象徴される世界像とトランプ流のそれとはどう違うのでしょうか。それが次の項目のテーマですが、長くなりましたので、次回に。

 

 さらにこれは人類史的な傾向の一部その傾向はSteven Pinker著の”The Better Angels of Our Nature” に詳述されている

 

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

  

広島ブログ
広島ブログ

p

align="center" style="text-align: center;"> 

2016年11月27日 (日)

アメリカ社会は変ったのか(3)    トランプ勝利とアメリカの保守化


アメリカ社会は変ったのか(3)

トランプ勝利とアメリカの保守化

 

前回は、エスタブリッシュメントの基本的な考え方が30年以上、共和党に牛耳られていた結果として、世論に反映される社会の価値観が保守的になったのか、あるいは社会の保守化が、このようなエスタブリシュッメントを実現させてきたのかは兎も角として、長期的な保守化の傾向の行き着く先として、トランプ政権の誕生につながったと見ることも可能であることを指摘しました。

 

しかし、それだけでは説明できない重要な事実がいくつかあることにも注目したいと思います。一番分り易いのは、大統領選挙での総得票数はクリントン候補の方が多かったという事実です。

 

それでも、トランプ候補が勝ったのですが、それは保守派の力が大きかったからなのでしょうか。「ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう」を再検証することでこの点を考えて見ましょう。そのためにマイケル・ムーア氏が掲げた5項目をお浚いしておきましょう。

 

1.) 中西部の票読み。

2.) 怒れる白人、最後の抵抗。

3.) ヒラリー問題。

4.) 意気消沈したサンダース支持者票。

5.) ジェシー・ベンチュラ効果。

            

Michael_moore

                 

1.)4.)は、選挙戦術に属する問題で、社会全体の動きと関連はあるものの、保守化の傾向あるいはリベラル化しているかどうかという次元とは違ったレベルでの動きです。確かに、2.)は、リベラル化している社会への反発ですから、保守的な人たちの声を反映しています。しかし、対等な立場からの反対というよりは少数派になった危機感の顕在化と見た方が良さそうにも思えます。3.)は、クリントン候補が本来はリベラルな立場を取るべきなのに、エスタブリッシュメントの一員としてお金の問題、信頼性の問題、力の政策等、保守派の立場に依り過ぎているという批判が主ですので、保守派の力を示している事情ではありません。そして5.)は、変革を求める人たちの声の反映ですので、これもこれまでの共和党政権批判と見るべきなのだと思います。

 

マイケル・ムーア氏の分析を元に何故トランプ氏が選挙に勝ったのかを考えるとき、アメリカ社会が保守化しているからだと総括するのは早計だと考えられます。つまり、総得票数でクリントン候補が勝ったのは、アメリカ社会が徐々にではあってもリベラル化しているからだと断定できないにしろ、少なくとも、リベラル化しているという仮説とは矛盾しないと言っても良いのではないでしょうか。

 

それだけではなく、圧倒的な差がある訳ではないのですが、「僅差」でアメリカは良くなっていると主張したいと思っています。その理由をいくつか挙げておきましょう。

 

 総得票数では、クリントン勝利。

 アル・ゴアも総得票数では勝っている。

 議会に阻まれて、100パーセントの成果は残せなかったが、オバマ政権の遺産は長く残る。

 中でも、「原爆投下は正しかった」と考える人たちの数が減っていることは、その柱の一つ。

 その結果として、「世界の警察官」は止めると考える方向は正しい。

 さらにこれは人類史的な傾向の一部。その傾向はSteven Pinker著の”The Better Angels of Our Nature” に詳述されている

 

詳しくは次回に。

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

  

広島ブログ
広島ブログ

«アメリカ社会は変ったのか(2) マイケル・ムーア氏の観察よりは「保守的」なのかもしれません

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31